かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

知らないために、大きな負の相続

2016-04-17 | 事例
いきなりの保証人呼ばり。それも、被相続人が死んでから、半年以内ならばまだ話も分かる。
1通の手紙がきたのは、没後4年になる寸前だった。保証協会からだ。
母一人、子供一人・それに学童がいる。母娘の文章は金額まで同じだった。

父が保証協会に保証をしている、元金残債は約4000万弱、それに遅延侵害金と称しさらに加算それが2000万近い。
年14%ががっちりついて居る。

この時の母娘は母名義で1年前に自宅を購入済だった。

相続放棄はしなかった。僅かのお金が有ったら母がすべて相続した。
今までの家は最初から母名義だった。母は結婚後、実親に建てて貰った。
それにしても不便な場所だった。父が他界してから母娘は相談して町中に越すことを決めた。
出物が有ったから今の自宅を売って、買い替えることにした。

自宅は1500万で売れた。母はその金の中から1000万を一旦娘に渡した。
娘はそれにさらに400万追加して1400万、母は400万を出して新居を手にした。

娘の祖父は資産家だった。嫁いだ娘に家を一軒贈ったばかりではない。孫の彼女も可愛がられた。
大きくなったら使ってくれと1000万を母に預けた。
ところが父が専務の会社が左前。夫の頼みで、その1000万を会社につぎ込んだ。
父も、渡した母もそれを口に迄して後悔していた。
母は自宅を売った中からそれを返したのである。

娘はバツイチ。別れる時に若干貰った。今回それと母からの戻りで1400万を出したのである。
名義は本来は娘になる筈。しかし二つの理由から母名義にした。
一つはバツイチのため、手に職をと思って看護学校に通い奨学金を貰って居た。
それが自宅が有る事が解ると支給は没になる。
また母もこの家にずうっと住みたいから、名義の1部は母にするように強く娘に
強請って居た。いずれは全部私の物になるからと娘はそっくり母の名義にしたのである。
不動産の名義人の重要性など考えても居なかった。

そこに保証協会からの相続人確認である。母娘はびっくりした。
保証協会に行って確認したが間違いはなさそうだ。
娘は相続放棄ができる。直ぐした。ところが母は500万と自動車を相続で名義変更している。
逃れることはできなかった。

保証協会は毎月4000円の返済でよいです。
その代わり今の母名義の家を担保にしてくださいと強硬に迫った。
弁護士や、司法書士に相談したが、それは仕方ないと言う。
「担保にしても、すぐ競売するわけでないし、当分は住めるから仕方ないじゃあないか。」
でも全額払わない限り、何時かは取られる。こんなに高い金利ならば母1代でなく、娘がそれを相続しても払えない。
母の相続も出来ないから、母の死とともに家も無くなる。

たまたまそのことを知った男が彼女を励ました。
「その家はもともと自分の家だったことを主張しなさい。本当のことでよい。
 通帳など証拠が有ればなおよい。裁判で争っても勝つよ。
 その代わり、300万くらい取られるかも知れないがその方がよい。」
交渉の台詞から面談の態度、何なら何まで全部教えて貰った。

3回の面談は有ったが男の言う通りになった。300万請求されたが200万にする口実も教わった。

名義は変えた。これで母には何もない。
払えなくなるのは間近だろう。でも保証協会は手を付けられない。

それにしても保証協会がなぜ父の死後直ちに請求に来なかっただろうか。
4年の経って突然来たのであろうか。新居を買った1年目だ。まるで筋書きを知って居た様だ。

債務者の元社長は奥さん名義の自宅で1等地に平然と暮らしている。聞けば1円も払って居ないらしい。

保証協会も解って家の担保は諦めたが、何となくすっきりしない事件だった。
何も知らない婦女子の相続人。まさか意図的に狙っているのではないだろう。














納税義務消滅通知書

2016-04-10 | 事例
久しぶりの国税からの通知書。またあの厳しい取り立てか。
どきんとなる胸を押さえて、思い切って封を切った。
書類のタイトルは納税義務消滅通知となって居た。

平成11年から19年までの法人税と消費税、ざっと本税だけで7500万有る。
その間、不動産は勿論差し押さえになった。
売掛金は販売会社を経由して販売していたために販売会社が第3債務者になった。
差し押さえ額はその月の請求額4800万だ。

本来ならばこれの二つで再起不能だ。
不動産の差し押さえは、桁が違う根抵当がついている。国税はどうにもならない。
尚、この不動産は、その抵当権者と話合って、何とか乗り切り、今でも使っている。

販売会社を差し押さえられた売掛金。
この解決は難しかった。
弁護士・仲間業者・民商などすべてが駄目と言った。
「貴方破産しか方法がないよ。」その言葉を無視して解決できる人を探した。
最後に話したコンサルタントのアドバイスで、何とか月に20万を払う事で話が着いた。

だが問題はこれでだけでは解決しない。
調査と称して月に1度二人連れで乗り込んでくる厳しい調査。これが脅威だった。

調査は徹底していた。
手提げ金庫まで調べられ、中の有り金や金券をすべてをやられている。
それらが有れば、その場で調査から査察に変わる。そこで差し押さえだ。
最終には差押えを自発的の納税として、持ち帰った。

この調査は一番響いた。場合によってはその間、ラインが動かない時も結構あった。
慣れて来たと言っても不意打ちには敵わない。
やがて、この受ける心構えが変わった。
あのコンサルタントの指導によって、
 嘘を言うな。
 隠し事を作るな。
この2点。うまく調査を逃げるなんて考えない。むしろ知りたいことは協力的だ。
国税も、この態度を信じるようになった。

国税はよほど始末に困ったらしい。此方の誠意が解ってくるほど悩んだみたい。

「この会社、潰せ。あるから儂らもこんな事までしないといけないんだ。無くなれば直ぐに片付くよ。」
何回国税から言われたか。

「ここで仕事しないと儂らもパートもどうなります? 干乾しです。他にパートの口が有れ
 ば、 すぐでも止めます。」
従業員も同じ言い方をして居たらしい。

コンサルタントは少し違った。
「国税の言う事は解る。うまくいけば第2次納税義務者にならない新会社を作る事が出来る。」
直ぐに答えを出してやり方を教えてくれた。
「別会社を作ろう。この会社従業員の給料の遅配が何千万と、物凄いな。
 それと相殺にして従業員に売るんだ。社長は互選で誰かに決める。
 国税には、経営者が会社を辞めると言ったら、従業員が相談して社長と交渉したと言え。」

全く会社が無くなると信じていた国税はこの案に、びっくりした。
しかしコンサルの言葉通りの論調を押されて国税も渋々認めた。
新会社は第2次納税義務者にはならなかった。

会社は残る。
国税は、その後もたまに訪れて段階的に納税義務消滅に持って来た。
不動産と売掛金との差し押さえが解れたのは、もうだいぶ前だ。2-3年になるだろうか。

そして今回の一編の通知。
長かった。

国税は終わった。
けれど旧債務は、まだサービサーでは片付いて居ないところがある。
国税との交渉は 嘘はつかない
        隠し事はしない
と言う、スタンスで有ったが、コンサルタントはサービサーに関してはちと違う姿勢を取って居る。
基本的スタンスが相手によって変えてもよいだろうか。
でも間違って居ないような気がする、ついて行こう。








整理後の顔見知りの請求

2016-04-02 | 事例
面談中に女将を訪ねて来た男、女将は中座して会いました。
暫くして戻った女将の顔色は曇って居ました。
「しつっこいのよ、東電って。」
次のような話でした。

女将は8年くらい前はこの町でホテルを経営して居ました。このゴルフ銀座では名も通って居たホテルです。
それが道路が整備され、ゴルフも東京から日帰りコースになると、閑古鳥、ついに任意整理に至ったのです。

そんn女将の前に、運よく、似合いの建物が有りました。そこを借り受け、料亭を始めました。
料亭と言っても、お客を部屋に通すだけで、居酒屋と大して変わった居ません。
しかしホテルから引き継いだ床の間の置物などが、顧客のプライドを満足させて結構な繁盛ぶりでした。
この狭い町、特に目立って居ました。

東電は、「ホテルの契約は女将個人になって居る。ホテルとは関係ない。払わない場合は
電気を止めるしかありません。」と迫っているようです。
電気は2か月以上の滞留は出来ません。それでも300万。

今まで1万とか2万払っていたが「これでは少なすぎる。もっと増やしてくれ。」とうるさいらしいです。
電気が止められては困るし、弱って居ます。

特に名義の知識があるわけでなし、ホテルでも個人でも同じと言う考えだったでしょう。
それに任意整理と言ってもきちんとしたやり方かか、それも解りません。
女将が付け加えました。

「私、もう8年になると言っても、あの頃の借金を今でも相当返して居ます。
 それさえなければ私も楽ですが。」
続きます。
「遠い方はともかく、ホテルの生鮮食料の仕入れは殆ど地元です。任意整理をしてので
 その時は落ち着きましたが、また今のような商売をやりだすと何らかの関係も出てきます。
 特に、つけ買い が必要の時はか顔見知りに頼ります。それらの方はホテルで迷惑を
 かけて居ます。そんあ人の持ち出されると嫌とは言えないのです。
 地元だけですが少ない金額では有りません。」

「やっぱり会社の整理は破産でないとまずいかな。」
こんな疑問が出ます。
「どうでしょうかね。若干違うかもしれませんが。
 任意整理と言っても、配当を頂いた後は、残債の請求は今後一切しません。
と言う一筆は頂いて居ます。ですから争えば勝でしょう。
 と言って争えばその後の商売には大きく影響があるでしょう。
 相手もすべてが解って居て、請求してくるのです。」

フェアとは言えないやり方です。
ただ、これと全く同じ話が、今日電話で舞い込んできたのです。

会社整理した。
そして会社は、今までの従業員が全然違う会社を作って今までと同じものを同じ工場で作って居る。
自分は1社員としてその会社を手伝って居る。

同じ町の業者が急に4年前の買掛を請求に来た。会社は違うし、ましてや4年前だ。時効にも
なって居ると思うが、なんせみんなが顔見知りだ。
根本は倒産しても破産しても借りたお金は払わないといけないと言う考えだ。
だから、断るにも断れないで困っている。
何か良い断り方は無いだろうか。

倒産して整理をしたところが旧債を払って居る話は多いです。
顔見知りでないと強く出れるが、なまじ知っているとどう仕様もない。強くは言えないしいです。
そしてそれが再建の足も引っ張っているのも事実でしょう。

強く出るべきか、それとも妥協して少しでもは払うべきか、私は決まった答えが有りません。 
法を作った人は紺あことも予想していたのでしょうか。


相続放棄後に分かった遺産

2016-03-27 | 事例
一昨年の11月他界している親父。その親父に手紙が舞い込んだ。
親父は殆ど付き合いの無い人だった。
死んだことを知らない送り人だ。この辺りでは有名なレジャークラブからだった。
「当会は、お預かりした保証金は期限が来た人に。希望により返済をして居ます。
返済希望 者が多い場合は抽選により順位を決めております。」
要は、120万の保証金が期限がきた。返済を希望するか。問い合わせがった。
返済の場合は、本人の署名と届け印が必要だった。

どう仕様もない親父だった。他界と同時に細かい借金が遺族を襲った。資産は何もない。
母と姉弟の相続人。3人ともそれを逃れるためにも家庭裁判所に正式に相続放棄をしていた。
半年もすると、そうした問い合わせや請求は見事に治まった。
尚自宅は弟が借金で作ったもの。相続には何も関係ない。

姉は近くに住んでいて、母の面倒を見ると言って、通院がちの母の通帳を預かって居た。
ところが父の死後、母がこの通帳の確認を求めた。少なくともまだ200万はあるだろうと
思って居た通帳は空になって居た。
母娘は大喧嘩となった。母は通帳を取り上げ、息子に変えた。
その通帳に振り込まれる母の年金を狙って居た娘は、自分の悪いことを棚に上げて、大怒り。
娘対母息子は口も利かない間になって居た。

そんな一家、誰もがお金は無い。
120万が近く戻ってくるのは大歓迎だ。ましてや娘は全然知らない。わける人間は少ない方がよい。

会に届ける書類は父の直筆で届け印も必要。サインも出来ないし、どんな印か解らない。
会に電話した。
父の他界を知らなかった会は、正式な遺産分割協議書か、放棄をした人が居れば
相続放棄の原本。(コピーでは不可)いずれもない人は、全員の相続人証明の書類を
送ってきた。
それらで、相続に関して正しい相続が済んでいれば、返済しますと丁寧に教えて呉れた。

問題は相続放棄をしたものがその様な財産を受けとる事ができるか。という事だ。
調べたが解らない。また受け取らない場合は、会は正直に国庫に入れるとも考えられない。
自分の営業外利益にするだろう。要は我々が貰っても解るわけがない。
だったら、我々二人が、相続人になって貰おうと割り切った。

もう一つの問題は相続人の証明だ。普通だったら悩むことはない。が、この家では確執があまりにも大きかった。
相手に頭を下げるくらいならば。120万はいらない。と普通の家庭では考えられない事が続く。
また仮に頭を下げても、無条件では娘から相続放棄の原本の書類か、または署名捺印と印鑑証明など貰えないだろう。
第一この財産があるとわかれば、あの娘、何を企むか解らない。

娘の放棄の書類を直接再発行出来ないか。
家庭裁判所に電話した。「再発行は簡単です。ただしその申請は本人が出す事と、書類は
本人の自宅に直送します。」と言う答え。これも駄目だ。

母と息子は今、毎日悩んでいる。
会から。5月一杯には書類を出してくれと言われている。

3人で山分けの意志は全然ない。
後2か月、どうなるだろうか。





負の相続、法とはこんなものか。

2016-03-18 | 事例
保証協会から突然母娘に、内容証明が別々に送られて来た。
「貴方の父親は債務保証をして居ます。その債権は代位弁済されて今は保証協会に
 移って居ます。」
要は相続放棄をして居ればその写しを送って下さい。そうでなければ払って下さいと言う
通知書だ。

父親が死んでから4年近くになる。保証をしているとは、何一つしらなかった。
何故、4年も過ぎてから通知をくれたのか。


とにかく1度会って、確かに保証人という事を確認したい。
母娘で訪問した。認めざるえを得なかった。
その時に「返済は生活に支障のないようにします。その代わり、自宅を担保にしてください。」
と言う発言が有った。「次回これについて話し合いしましょう。」

二人は肝をつぶした。

今の自宅は娘が小さい頃、母方の祖父から貰ったお金を基に建てたもの。
事情が有って母の名義にしてあるが話せば解ってくれるだろう。

相続と言えば、父親の資産は何もなかった。ただ家庭の通帳が父親名義、それに何故か20万の定期預金、
時価にして20万にもならない中古車だけだった。
これは全て母親名義にした。

帰宅後、娘は簡単に相続放棄は出来た。
ただ母親は、いくら少なくても、貰ってあると言う理由で出来ない。
しかし、家を買うお金は娘が出している。名義を母親にした理由は筋を通して説明できる。
ただ二人だけの家庭内、証拠書類などないが、通帳は金の流れは解るし証拠になる。
次回のした準備はできた。

次回、簡単に納得してくれると思った保証協会は頑強だ。
あくまで担保要求する。娘の物だと言っても耳を貸さない。

娘と母はあくまで頑張った。言いたいことも言った。その最後の言葉は次の文句だった。
「ただ言える事は、家を買っても、やがて担保になり、取られることを知って居れば誰も
 が買いませんし、買ってもその対策は誰もが取るでしょう。
 それなのに、救済処置は無いのですか。

 また、保証協会が父親の死を知ってからすぐにこうした通知書を頂ければ、遺族は当然に
 対応策が打てるのに、なぜ、4年も経ってから通知をくれるでしょうか。
 負の相続放棄が3か月以内と同じように、債権者も知ってから3か月以内に通知しなければ
 ならないと言う規則があれば、今回のような問題は防げた筈なのに。
 
 何故保証協会は知った時にすぐに連絡をくれなかったのですか。」

「特に娘と母が家を買って、半年過ぎて動かしようもなくなった時、
それが保証債務とは関係ないのに相続人だから、それを出せと言うのは、
あまりにも弱い者いじめではないでしょうか。」

でも何を言っても、知らん顔。

「私どもは法に背いた事は一切して居りません。」と言うのみ。

これが天下の保証協会の担当者の言葉か。
でもその前に法って一体何だ。
法で決めてない事は、何をやってもよいという指針だろうか。








競売取り下げ後の法的回収。

2016-03-14 | 事例
日曜日、でもよく電話がある。
弥生賞も過ぎた。これから競馬のシーズン。頑張ろうかと思って居る時にベルの音。
電話の第一声は大概「無料相談ですか。日曜日でもよろしいですか。」と決まっている。

今日は以前から何回も相談した人からも有った。
「サービサーは法的処置をとると言ってきました。今後考えられる法的処置とはどんなことですか。」
債務名義を取られても払わない彼に有ったのが、差押え通知だ。
仮差しになって居たのが正規に差し押さえになって今回競売にかけた。

彼は大慌て、全く予期しない差押え。周囲にも聞いたが誰もが競売必至と言う。
知人の弁護士すら、「自宅は明け渡しですね。」という。困り果てて、ネットで探した私に電話が有った人だ。

「心配ない。無剰余ですよ。私に言わせれば、無剰余と気が付かないサービサーがおかしい。
 放っておきなさい。何にもしてはいけません。1ヵ月くらいで競売取り消しの通知がきます。」
当初全然この言葉を信じなかった彼も、やがて裁判所から「担保取消決定」として、
取下げの通知が届いて以来、一転、私を信頼するようになっていた。

債務は残っている。債務名義は生きている。でも、相手は手の打ちようがないからもう安心ですよ。
と言って居たその下からサービサー―からの一片の予告状が届いたのだ。

「またこんなことを言ってくるとは。今まで不動産以外の差押えはなかったから、
 今度は預金や売掛金など狙ってやってくるかも知れないよ。
 または、その前に財産開示を求める訴訟をしてくるかもしれないよ。

 この文章では1度話し合いをしないとあるから、1度は会いなさい。
 そして、払う気持ちは やまやま だけれど金がない。
 出来るまで待ってくれと頼め。それでは駄目だと言った時に開き直れ。それではどう
 しようもないから、御社の好きの通りにやってください。と、口調は柔らかくね。」

今までほ他の債権者から何回も差し押さえられているから、差し押さえの見当はつく。
それは心配しないが、財産開示とは何ですかと心配気。

心配するなと大略を説明してもピンと来ないらしい。
しかし、例えどんな事があっても何にもなければ怖いものは何位もないじゃあないかと言って納得させる。

最後に彼から言われた。
「無料相談と言っても何回も先生の力を借りて居ます。
 心ばかりですが、5000円振り込ませて頂きます。銀行を教えてください。」
額によらずうれしいし有り難いがこの数字何処から出たのだろうか。
考え込んでしまった。







競売取り下げ後の法的回収。

2016-03-14 | 事例
日曜日、でもよく電話がある。
弥生賞も過ぎた。これから競馬のシーズン。頑張ろうかと思って居る時にベルの音。
電話の第一声は大概「無料相談ですか。日曜日でもよろしいですか。」と決まっている。

今日は以前から何回も相談した人からも有った。
「サービサーは法的処置をとると言ってきました。今後考えられる法的処置とはどんなことで すか。」
債務名義を取られても払わない彼に有ったのが、差押え通知だ。
仮差しになって居たのが正規に差し押さえになって今回競売にかけた。

彼は大慌て、全く予期しない差押え。周囲にも聞いたが誰もが競売必至と言う。
知人の弁護士すら、「自宅は明け渡しですね。」という。困り果てて、ネットで探した私に電話が有った人だ。

「心配ない。無剰余ですよ。私に言わせれば、無剰余と気が付かないサービサーがおかしい。
 放っておきなさい。何にもしてはいけません。1ヵ月くらいで競売取り消しの通知がきます。」
当初全然この言葉を信じなかった彼も、やがて裁判所から「担保取消決定」として、
取下げの通知が届いて以来、一転、私を信頼するようになっていた。

債務は残っている。債務名義は生きている。でも、相手は手の打ちようがないからもう安心ですよ。
と言って居たその下からサービサー―からの一片の予告状が届いたのだ。

「またこんなことを言ってくるとは。今まで不動産以外の差押えはなかったから、
 今度は預金や売掛金など狙ってやってくるかも知れないよ。
 または、その前に財産開示を求める訴訟をしてくるかもしれないよ。

 この文章では1度話し合いをしないとあるから、1度は会いなさい。
 そして、払う気持ちは、やまやまだけれど金がない。
 出来るまで待ってくれと頼め。それでは駄目だと言った時に開き直れ。それではどう
 しようもないから、御社の好きの通りにやってください。と、口調は柔らかくね。」

今までほ他の債権者から何回も差し押さえられているから、差し押さえの見当はつく。
それは心配しないが、財産開示とは何ですかと心配気。

心配するなと大略を説明してもピンと来ないらしい。
しかし、例えどんな事があっても何にもなければ怖いものは何位もないじゃあないかと言って納得させる。

最後に彼から言われた。
「無料相談と言っても何回も先生の力を借りて居ます。
 心ばかりですが、5,000円振り込ませて頂きます。銀行を教えてください。」
額によらずうれしいし有り難いがこの数字何処から出たのだろうか。
考え込んでしまった。







システム金融の泣き所

2016-03-02 | 事例
先日、システム金融のことで電話を受けました。
「システム金融って、まだあるのですか。」と聞いたのですが、まだまだ健在らしいです。

10年以上前は闇金融の筆頭でした。保証人も担保もない人が簡単に借りられる方法です。
小切手を切って、書留速達で相手に送ります。そのコピーをFAXします。するとその日のうちに現金が振り込まれます。
調査もなく、担保や保証もありません。
「返さない場合はこの小切手が不渡りになります。」それだけです。

そのため、借り手は多かったです。が、返済も厳しかったのです。
借りた金額に2割から3割多い金額を3分割して7日置きに返します。そのまま1年続ければ
何倍になるでしょうか。目の球が飛び出る高利です。

ですから3分割の最初は無理して返しても2回目から返せません。それでまた追加をお願いします。
こうして2-3か月の間に、みるみる増えていきます。
貸す方もその様なところは必ず倒産とわかっています。だから2-3回貸すと仲間に盥回しです。
半年まともに付き合えば倒産必至です。

十何年か前、そんな借り手から抜け出す相談を受けました。見当もつきません。
「高利だ。暴力団か。怖い。」それが第一印象でした。
考えました。
「彼らの担保は不渡りにすることだ。逆手にとって不渡り平気と言う作戦を取ればどうだろうか。
おそらく。彼らの泣き所だ。それにアジトも2-3か月ごと変えているという事は何より警察が怖い。
 長期間の取り立てはあり得ないし、万一乗り込んで来れば110番ですぐに解決する
 ではないか。
 それにこうした不法の小切手だから不渡りにしない方法もあるかもしれない。」

直ぐに実行させます。
「いいか。不渡りの事前に強く言いなさい。
 どうしても払えない。不渡りにするならばしてください。それですべてが終わりです。
 もし、不渡りのしなければ、あるいは生き延びるかもしれません。その時はお返し
 することも出来る可能性はあります。と、付け加えなさい。」

信金の支店長は言いました。
「違法でもなんでも銀行は決済の義務はあります。この場合次に回ってくる1回分だけでも
 供託できませんか。相手は争わないと思います。供託金は戻りますよ。」

最初の時は実にうまくいきました。
全く読み通りでした。
不渡りにもならず、押しかけも来ず済んだのです。
銀行に行ったのは少し早まり過ぎでしたが、支店長の言は勉強になりました。

以後のシステム金融の処理は同じ方法で言って居ます。
1回だけ乗り込んできたことが有ります。
「帰れ」と言っても帰らないためにすぐに110番に電話しました。
直ぐに駆け付けてきました。ちょうど県警でも不法融資の取り締まりの力を入れて
居たらしいです。それも幸いしました。
どうなったか知りませんが相手がひどい目に会ったことだけは事実です。

先日の電話。
「払うな。」とアドバイス。
「今日明日の分は払わないといけないですよね。」人の良いことを言って居ます。
「甘いことを言って居る場合ですか。
 やりましょう。結果だけは教えてください。」

無料相談で約束しても後日結果報告をしてくれた人はいません。
ある相談者に同じ事を云った事が有ります。「成功報酬が必要ですか。」と、言われた事が有ります。
無料相談をする人は絶えず報酬の話が出ないかとひやひやしているらしいです。

この場合も、その報告の電話はありません。
もし、話が中途半端になると、再質問が有りますが、それもないから
上手くいって居るだろうと推測しています。

この対応策は、相手が最も此方の弱点と思っていることを脱ぎ捨てる方法です。
そうすれば此方は強くなる、そのよい例と思っています。








有りそうでない時効の裁判

2016-02-15 | 事例
「これって時効ではありませんか。」
相手は手強い保証協会です。

支払いはいずれも保証協会の振り込み用紙です。
最初1年は保証人・氏名で振り込み、その後は5年間、氏名のみで支払いしてきました。
会社の代表者と言う事はどこにもありません。会社が債務者です。

普通4年を過ぎると残高承認を要求されるらしいですがここだけは不思議にありませんでした。
勿論その間、支払った事や、裁判上の請求など全く無関係です。

「今度振り込み用紙が切れる時は,自分から時効問題を切り出そうと居ましたが、2-3日前
 急に呼び出しが有りました。保証協会です。印鑑の持参もお願いします。とのことでした。
 時効を切り出したいですが、構いませんか。
 若し、切り出すとすればどの様に切り出せばよいでしょうか。」

保証人は真面目に払って居ましたが、5年以上債務者が何もしてない事は確実です。私の感じでは100%時効です。
「この通りでほかに何もなければ 時効に間違いがないと思いますが、こんな事、私も初めてです。
 私も、今まで何回となく、保証協会の時効騒ぎに臨んだことがあります。しかし、いずれも裁判を待たず此方が負けています。
 時効ではなかったのです。その都度、保証協会は、時効でない理由を親切に教えてくれました。
 貴方も、いきなり内容証明よりも、1度保証協会に、この件時効と思いますがと持ち出した方がよいと思います。」

一週間後、保証協会と面談でした。案の上債務承認で時効の中断とのことです。
彼は軽く尋ねました。
「この件、時効になって居るのと違いますか。」

相手が急に落ち着きが無くなったのは事実です。でも次の言葉が続きました。
「いや時効ですね。貴方が承認をしないと、当会は直ぐに裁判に入ります。」
6年間、債務者は何もして居ませんいという此方の質問には答えません。
結果、双方とももう1度調べて1週間後に会いましょうと云う事になりました。

その間、此方も自分の考えが正しいか、いろいろの人の意見を聞きました。
勿論弁護士にも聞きました。
「保証人が幾ら払っても時効の中断にはなりません。その点、本件は最初の1年は振込
 用紙に 保証人明記されています。これは大丈夫ですね。問題は後の5年です。単に名前だけです。
 個人か、会社社長か解りませんね。」
そこまで考えなくてもよいことまで心配してくれます。

「あるいはこんな主張をするかもしれません。求償権と言って、保証人は保証協会の債務者になってます。
 だから保証人が、保証協会が払えば時効は中断すると言う論法に成るかも知れません。
 そうとしても債務者が時効になることは確かです。そうすれば何があってもこちらは強いです。
 争いましょう。」

一番ありそうですが、お目にかかれない保証協会の時効の裁判、今度こそ勝訴を背景に見れる可能性が強くなりました。

「でも今までは時効だとはっきり理由を説明してくれたが、今回はなぜその説明がないのだろうか。」
一つだけ疑問が残ります。

1週間過ぎて会った時、相手の説明が有りました。
「保証協会が支給した振り込み用紙を使用していれば、その時点で時効は中断します。
 これが理由です。」
これだけが時効になって居ない理由と言うのです。
それでしたら、毎月その振り込み用紙で払っていますから、時効の中断のための残高承認は不要の筈です。

調べても、そのような事は少なくても保証協会と取り交わした書類には一言も書かれていません。

「儂の生存中は、月に1-2万ならば一生涯支払っていきますよ。
 でも儂ににもしもの事があった場合、すべてをチャラにしてくれれば、こんな事、問題にしません。
 その時はローンの切れた自宅も子供に残せます。
 死んでからも、身ぐるみはがすような行為は今のうちにクリアにしたいのです。
 そうなってくれないですかね。」

「そうですね。そうなれば一番良いですね。
 ダメ元で保証協会に話してみましょうよ。」

何としても一方では裁判はお嫌い。
内心期待しているこの裁判、今回もお流れになるかな。








相談者が信じられない

2016-02-06 | 事例
昨年暮れ、ローンとそれ以外の担保があって完全な無剰余の自宅が強制競売になった人が居る。

彼は次のように聞いてそれを信じ切っていた。
「自宅はローンと担保で完全な無剰余になります。きちんとローンを払って居れば
 少なくとも時価とローン残が同じになるまでは競売もなく住むことが出来ます。
 そのほかに担保まで有りますから、まず、競売はありません。
 万一、間違って競売申請をしても裁判所が取り下げ勧告をします。」

その理由などは解らないが、競売は無いと信じ切っていた彼に、「競売開始決定」が届いたのである。
無剰余だから、取り下げがあるなんて説明はとうに忘れている。
そのために彼は飛び上がった。

不動産屋の知人も多い。彼は聞いた。誰もが無剰余の競売なんて知らない。
裁判所が競売をするというから、競売は行われと殆どの一致した意見。彼はおびえた。

困り抜いて私のところに相談に来た。

「物件時価より担保の方がはるかに多いですね。そんなもの、競売にはならないです。」
私の一声だ。
これが不味かった。彼の信頼感が一挙になくなった。
「それそれ、それで相談に来たのです。現実に私のこれがそうなって居るのです。」
強制競売者はサービサーだ。
「サービサーはこうした事は知り抜いて居る。なんでこんなことするのか。」
少し私も困った。その態度を見て、彼はますます私は素人と同じと思ったみたいだ。

私は無剰余の競売について説明した。
無剰余と言う言葉すら呑み込めないから理解までには程遠い。
「必ずこれは取下げになる。あなたは何もせず、じっとしていればよい。」
と説明しても、話がうますぎるという顔色だ。
けれど懸命な説明に、納得のふりをして帰った。

帰ってから、大勢の人に聞いた。
誰もが私の言を信じない。競売を取り下げるのが裁判所だ。
裁判は公平で、決して彼の味方ではない。
貴方の為に取り下げ勧告すると言うのは、話が出来過ぎだ。と言うのが殆どのの意見。

そうなることを心配して、何回も連絡した私に黙って、競売をやめるには早期和解しかないと彼なりきの結論を出した。

いずれにせよ、その頃はサービサーも申請のミスに気付いたらしいから、和解も大幅に負けた。
それにしても彼は相当な金を工面し和解をした。
サービサーは競売を取り下げた。
彼は普通だたっら払わない多額のお金を払ったのだ。

大勢の異なった意見。その中から真実の意見を探し出すのは実に難しい。間違えば命取りだ。
私が信じられなかったことは、最初の私の態度にあっただろう。
スタンスがぶれていると見られたのである。

ただ同じような事はいっぱいある。

真実を信じさせること。
相談に乗る者の勤めであろうが、これほど難しいことはない。