かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

保証人には、債務者の情報を教えない

2011-01-31 | 事例
「Aさんの住所をご存知ならば教えてくださいよ。
 私だって、直接本人からも事情を聴きたいのです。
 保証人であることは事実ですから、出来得る限りの弁済はいたしますが、
 本人から何も聞かずに債権者の保証協会の言い分だけを信じなさいと言われても、
 私はすっきりしません。本人から直接聞きたいのです。」

担当者は腕組みをして暫く考えた後に言いました。
「私どもだって、教えたいのですよ。しかし個人情報の問題が有りましてね。
 私どもが教えることは出来ないのですよ。」

Aは私に200万の車を買わせて、更に800万の保証人にして、其の挙句、
忽然と私の眼の前から消えた人です。
保証協会は、そのAが借金を返済しないから私に弁済しろと云って居るのです。
更に、全額弁済まで、私の自宅を担保にしたいと云って居ます。

4年前、乳飲み子と私を置いて、夫は他界しました。
先の見通しがつかない時に、無理して買った小さいマンションが
私の物になったのは助かりました。
託児所に預け、私もスナックで働くようになりました。
その時に知り合ったのがAでした。

車を買い、また事業資金と言って借金の保証人まで頼まれました。
しかし彼を知るに連れて、働く意欲の少ない事など欠点が多く目に付くようになったのです。
私の自宅に引っ越すと言うAを、押さえるのに苦労したものです。
しかし、こうした時に、彼は急に見えなくなったのです。
気持ちは既に離れて居りましたから、ショックは有りませんでした。

しかしそれから半年後に、保証協会に呼ばれたのです。

「急に払いなさいと言われても、其の前に一言彼に確認をしたいのです。
 それまで待ってください。私が探しきれないときは、お宅の言う通りにします。」
私は主張しました。
「当人の住所は解かって居ます。しかし回収は無理ですね。」
と言うだけです。当人が無理だから、子供を抱えた女に払えというのも虫が良すぎる感じです。
更に追い討ちが有りました。
「此の返済の担保に、貴方の自宅をお願いします。
 出来ない場合は、当方としまして、法的手続きに
 入らないと、ならないものですから。」

これで私が弁済をする事になれば、私が最大の被害者でしょう。
それを察しながら責めてくる保証協会に私は何か言わないと気が治まらなかったのです。
事実、私がAと会うと云っても会えるものでは有りません。
私が知っていた住所から割り出すにも、其の住民票すら個人情報で
私にはとれないでしょう。

後日お店に来た弁護士に聞きましたが、保証協会の態度に違法の点は無いそうです。

結果として、毎月2万円の支払となりました。
自宅の担保はしないことで了承しました。
その代わり、万一之を売ったり、他に担保にするときは其の前に
保証協会まで言って下さいと念を推されて居ます。
其れでも担保にしなくて良かったと思って居ます。

全くの第3者保証の時に、保証人は債権者の現状を何も知らないのに、
サービサーや保証協会の方が良く知っている場合が多く有ります。

こんな事も有りました。

たまたま自分の建物のテナントの保証をした人が居ります。相手は保証協会です。
事業の行き詰ったテナントは、此処を引き払い隣町の小さなところに越してしまいました。
やがてテナントを代位弁済した保証協会は保証人を責めてきたのです。

材木業もやって居た大家は、「あなたが弁済しないと、もう貴方のところを保証しません。
のみならず貴方が弁済するよう、訴訟します。」と脅して、自分の不動産を処分して弁済しました。
8000万の保証が6000万まで減って居ります。
しかし保証協会は残の2000万に対しても請求して居ります。

ある日、二人で話している時に、此のテナントが噂に乗ったのです。
「あの方も隣町で仕事を続けて居ります。大分業績は持ち直したみたいです。」
「じゃあ、これ以上私からでなくて、そちらから回収願いますよ。私が行って、
 説得してもよいから、テナントの住所や現状をもう少し詳しく教えて呉れませんか。」
と言った時に、これまた個人情報が出て断られたのです。
そして回収は難しいと言うばかりでした。

「債務者の情報も教えなくて、取りやすいところから取るだけではないか。
 幾ら連帯保証人と云っても、ひどいではないか。」
此の大家はその時、此の返済の話には一切相手をしないことにしました。
そうでなくとも8000万の負債に6000万を第3者が返済したと云う気持ちも有ったからです。

此の件は以後保証協会から一言も言って来ません。

個人情報、確かに勝手に漏らしてはなりません。
しかし、多大の迷惑をかけた債務者の事を、必要あるときでも
保証人に教えない事は正しいことでしょうか。
単に事なかれ主義とは違うのでしょうか。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




保証人確認の捺印をしない

2011-01-28 | 事例
保証人の前社長が、どうしても返済猶予の依頼に、捺印をしません。
此のままですと、返済猶予も認められないでしょう。
借入金は返済が出きず代位弁済になります。
一体どうなるのでしょうか。

彼の父親は、早くから花屋をやって居ました。
手広くやっていましたが、5年前に脳梗塞で倒れてしまったのです。
一命には異常有りませんでしたが、若干体が不自由の事と、会話も不明朗のために、
社長を下りることにしました。
一人息子の彼が直ちに跡を継げばよかったですが、彼も若いし、今の勤めが面白く、
まだ暫くは他の仕事をやりたいと云って後を継ぎません。
その時に古くから居る雇い人に、暫くの間と白羽の矢が立ったのです。

中学を出て直ぐに葬儀屋に勤めた雇い人、実直な性格が花屋の社長に見込まれて、
40年近く、花屋に勤めて居ます。
その間に、小さいながらもマイホームも手にしました。
其の雇い人に元社長は息子が社長になるまで社長就任を依頼したのです。
雇い人には嫌も何も有りません。云われるままに社長になったのです。

銀行借入は5000万一寸、保証協会付です。
月に元利とも百万近い返済ですが無理なくやっていました。
銀行は社長交代に関しては、「新社長に保証人になって頂くのが世間の通例です。」
と前社長に保証人になることを強要しました。
前社長は今迄資金など一切タッチした事無く、保証人の事も深く知りません。
簡単に承知をしたのです。

元社長が「銀行からの借入金は私の自宅が担保になって居るから、万一、
此の会社が潰れるような事が有っても、貴方に迷惑はかけません。」
と言ったのも心強く響きました。

此の前社長が1度だけ、銀行から借入をした事が有ります。
元社長と相談して借りたのですが、返済がきつくなったのです。
これは勿論新旧二人の社長が保証して居ります。
しかし、前社長は此の借金は借金を返すためのものだから自分には
責任がないと思って居ります。

前社長は4年社長をやって居ます。
しかし業績は落ちて行きます。資金も詰まり気味です。
年金はもう直ぐです。前社長の大政奉還の意志は固く、漸く其の運びとなりました。

社長業をやっている時に保証人の厳しさを知りました。
5000万の引継ぎ保証、それに自分が借りた1000万の保証、心配になって居りました。
これが社長を交代すると次期社長に引き継がれると思ってほっとしたたのです。

息子が引き継いでも、景気は落ち込む一方です。
供花・献花も少なくなります。花の宅配が大きく減りました。
息子は此処で返済の減額をお願いしたのです。
勿論、直ちにOKです。

しかし、問題は此処から発生しました。
保証協会は返済条件が変わる都度、契約書を作成します。
それには必ず、保証人の署名捺印が必要です。
此の花屋の場合も、元・前・現の3名の署名捺印が必要でした。

前社長は息子から捺印を依頼されたときにびっくりしました。
社長を交代したのに、まだ自分が保証人であることが納得できません。
第一、借りたのは自分の責任では無く、借増だってそれを返済するためでした。
そうした事は全部息子に引き継ぎましたから、もう自分は保証人ではなく、
全く無関係と思って居ります。
下手にまた捺印して、自分に降りかかっては、それこそ大変と云うわけです。

保証協会も「3名も居るからと云って、1名を除外することは出来ません。
どうしてもと云う時は、私どもが認める保証人を立てて頂ければ検討します。」
と当たり前の返事です。

「1度保証人になれば、弁済が終るか、代人を立てない限り保証人は抜けません。
 此のままで捺印しなくても、保証人が抜ける云う事は有りません。
 それどころか、減額が出来なくて、万一不良になったりすると、直ちに
 追求されますよ。」
と云っても当人は聞く耳を持ちません。
ついに電話に出なく、会いに行っても会えなくなりました。

「元金減額でも若干は返済を続けます。それに親父の自宅は担保になって居りますし、
 絶対に貴方に迷惑はかけません。しかし捺印が頂けないと返済は出来ず、直ちに
 御迷惑をお掛けする様になります。」
息子の説得も聞き入れられず、ついに此の債務は保証協会に代位弁済になったのです。

当初、月に30万の返済約束でした。
これならば担保に手をつけないで当分は様子を見ましょうと云う事
でした。しかし、業績は落ちる一方、月に10万が漸くです。

保証協会の態度が変わってきました。
担保処分を言うようになったのです。
それで不足のときは元社長の自宅を狙っている様子です。
何か登記をいじれば直ちに詐害行為の告訴を
します。「その方がやりやすい」と嘯いていました。

もし、前社長が署名捺印していれば全然違った展開だったでしょう。

一体どうなることでしょうか。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




廃業後の生活

2011-01-25 | 事例
「今の調子なら後2ヶ月は大丈夫だ。」
「其の2ヶ月後、どうなるの?」
自問自答の繰り返しですが、これと云った考えも有りません。

小さいブティックが廃業しました。
担保になっていた、自宅は手放さざるを得ませんでした。
しかし其の自宅は私のものでは有りません。
妻の父親の名義です。順調に行けば、いずれは妻のものになったでしょうが、
それを待たずして他人のてに渡ってしまったのです。
いざこざが有りましたが、之を機に妻は実家に戻って居ます。
二人の間に子供は居りません。
私は単身で、近くの安アパートに転がり込んで居りますが、
正式に別れるのは時間の問題でしょう。

手形は切って居りませんでした。
仕入先には頭を下げて、其れでも70%を払いました。
廃業の引き金になったカード・信販関係は弁護士を入れて、処理しました。
費用は閉店の在庫処分内で済みました。
銀行は担保付きで保証協会に代位弁済、そこで事業を続けないために担保の処分を
要求されて、手放したのです。

「私は暫く実家に戻ります。貴方はどうなされますか。」
任売を決めたとき、妻に言われたました。返事が出来ませんでした。
一緒に世話になることなど今の雰囲気で義父に云える筈が有りません。
さりとて安アパートでもう1度頑張ろうといっても承知する女でも有りません。
2-3の言葉のやり取りの後、別居が決まったのです。

漸くアパートに転がりこんでも、直ぐに働かないとなりません。
所持金は60万を切って居りました。
閉店売出などで造ったお金で、妻にも隠しておいたお金です。
そう、妻にはお金は1円も渡してありません。
しかし、ブティック当時、妻にも小遣として幾許かを渡して
居ましたから、幾分かは持って居たと思います。
無駄と思ったか要求も有りませんでした。

結婚してからはブティックで少し仕事も落ち着きましたが、
それまではいろいろ仕事をして居ります。
ですから、何の仕事でも出来るから、新たに探すにしてもそう苦労しなくても
見つかるだろうと思って居ました。が、簡単では有りませんでした。
尤も探すと云ってもハローワークぐらいしか有りません。
40台の人も多かったです。

思い余って近くに住んで比較的面倒見のよい先輩を尋ねました。
レストラン2店ととラーメン屋3店開いて居ます。
何処でもよいから雇ってもらいたかったです。

結婚前、ラーメン屋は3年ほど働いたことが有ります。
其のラーメン屋で決まりました。
6時半から11時半まで。パートと云う事です。
昼間は他の仕事を探す積もりです。

晩飯付きで、1日5000円。月に12-13万になります。
極端の事を云えば5万の家賃を払っても一人ならば最低生活ができそうです。
ほっとしました。
「腕を上げれば1軒任せるから、その気でやってくれ。」
先輩の言葉もありがたかったです。

「ラーメン屋、自分で店を持てればよいがそうなるまで大変。」
こんな思いが有ったのです。だから中途半端な勤めになったのです。

しかし今後の本命に何がよいかも解からず、ハローワークには時々顔を出していました。
勿論失業保険など有りませんでしたが求職者として認定はしてもらっています。

そんな私がある日偶然にハローワーク前で配っていたチラシを1枚、手にしたのです。
「勉強して資格を取って、しかも貴方は月に10万頂けます。
 当行はハローワーク認定の職業訓練校です。」
見ると介護関係の職業訓練校の案内です。

試験まで有りましたが幸い合格して現在通って居ます。
お陰で収入は2箇所から、月に23万くらいの予定です。
一人で生活するのは十分です。

廃業して明日はどう過ごすか決まっていない人が多い中で私は、
運の良かった者ではないでしょうか。
しかし訓練校は3ヶ月です。
3ヵ月後に有る程度希望の道に進めるでしょうか。
その時はラーメン屋はどうなるか、失っても生活が出来ればよいのです。

そんな心配は真夜中一人の私を襲ってきます。
しかしこれもあるとき思いつきました。
「訓練校は2年間は利用できるそうだ。その時、駄目だったらまた違う訓練校に通えばよい。」
何か急に腫れ物が取れた感じです。

段々と希望が持てそうです。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




有る時払いでよいみたい、長期為替予約の損失

2011-01-22 | 事例
彼は自分の耳を疑いました。
当然返済が出来ないならば期限の利益の喪失になるという話と思って居たのです。
それが新規融資は出来ないが今までの金利を下げます。
それで1日も早く1年前の業績に戻してくださいと云う話のみです。
長期為替予約の損失については何も責めません。
本業の借り入れよりはるかに大きな金額、でもそれを何時までに
払えととかその間金利は幾らと云う話は全然出ません。

「為替予約の損失は、本日で全部解約したとしますと、約1億8000万の損失になります。
 当然直ぐには返済できない事は解かりきって居ます。只残高をご確認頂ければ、貴社が無理なく
 返済できるまで此の話は預からして下さい。」と云っただけです。
続いて検討した彼の会社の実績や計画には此の件は一言も入って居りません。

平成9年6月の事でした。

彼は魚介類の仕入・販売です。殆どが輸入です。
レートは円安傾向、1ドル、115円でしたが、最近は110円か之を切って居ります。
此の動きに目をつけたのはメガ銀行です。
比較的業績のよい中小の輸入業者に長期の為替予約を薦めたのです。
「何も解からないがメガ銀さんの薦めることだ。損は無いさ。」
事実、最近の為替予約では、皆さん黒字を出して居ります。
此の頃は1ドル100円を目標に1年か2年の予約をした人が大勢居りました。
彼も其の一人です。

そして、薦められるままに、レバレッジとか、儲けが倍になったり4倍になる方法も、取り入れて居ります。

当初、暫くは大成功です。商売で儲け、為替で儲かるのですから堪えられません。
特にレバレッジの分は、何で全部これにして、もっと高い倍率のしなかったかと悔やむ位です。
ところが破局は直ぐにやってきました。
円高の勢いは誰もが予想しなった勢いでした。
あれよあれよと云うまに100円を切り、95円まで切って92-93円になってしまったのです。
平成8年の事でした。
さあ、長期の為替予約をしていた中小企業は大変です。
レバレッジは損も何倍かにします。
当初は今までは儲けて居りますから、無理しても払っていましたが、平成8年の秋ごろからは
払えないところが続出したのです。中には早くも40億くらいの損失を出して破産したところも有ります。

彼も、暮までは払えないと覚悟しました。
弁護士に駆け込みます。
「本業の借り入れはリスケもするでしょうが、為替についてはやらないと思います。
 破産か民事再生しか有りませんね。」

後で知りましたが、同じ事で弁護士に駆け込んだ人は、同じ返事を貰って居ます。
中には安くない費用の先払いをした人も居ります。

「破産では今後仕事は出来ないし、民事再生でも卸屋や量販店は乗ってこないよ。商売は出来ないと云う
 事だな、他の方法を考えよう。」
彼はネットで探したコンサルタントに相談して居ます。

「相手はメガ銀ですから変なまねもしないでしょう。正攻法で行きましょう。
 ですから、先ず銀行と話しましょう。本業の借金は当分金利だけにしてください。
 為替の損はとても払えません。元金どころか金利も払えません。
 それで厚かましいですが、今まで通りの付き合いをお願いします。とね。
 勿論NOでしょう。そしたら直ぐに第2会社でやりましょう。
 口座の点で問題が有れば、今の会社を続けながら、サービサーに債権譲渡させてサービサーと
 交渉する方法をとります。メガ銀は担保の他には差押えはないと思いますが、用心だけはしましょう。」

それで銀行には本業の金利だけを入金したのです。
こんな綱引きが2-3ヶ月続いたあと、銀行から呼び出しが有りました。
それが冒頭に書いた事です。

コンサルタントは他にも同じ様な事件を扱って居たらしいですが、彼のところと全く同じ様な解決をした
みたいです。

彼は業者の会合で、彼と同じような悩みをもっている人が結構居てびっくりしたことが有ります。
「これからこんな倒産が増えるな」と感じたのです。
しかしマスコミの騒ぎにはなりませんでした。
「皆さん、私と同じ様な解決をしたのか。」

しかし最近、円が80円に近くなって、此の騒ぎを漸く政府やマスコミで取り上げて居ります。
どうやら、80円で火を吹くらしいですから、90円くらいがターゲットだったでしょう。
何にも知らない中小企業の親父さんに、こんな長期為替予約を教えるのは明らかに銀行です。

皆さん、彼と同じように銀行は助けてくれるでしょうか。

尤も、彼も、借入残はサインして居りますから、何時催促が有るか解かりませんが。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




嵐の前の静けさ  不良債権は多発する

2011-01-19 | 事例
世間は静かです。
あれだけ騒いでいた倒産とか、再生と云う言葉が全然聴かれなくなりました。
何と言っても金融円滑化法の威力でしょう。
モラルハザードとか債権不良化の先延ばしと言われても、今は威力を認めざるを得ません。
今の安泰、誰しもがこの続行を望んで居ります。

「安泰して居る間に建て直しですよ。」
皆そのつもりです。
しかし生きるだけがやっとの身。そんな余裕が有りません。
やきもきして居ると、1年延期になりました。
1年延長は金融庁の「此の1年は余り余裕もなかったでしょうから、
今後の1年で銀行と相談しつつ体質を変えてください。」と云う有り難い配慮からです。

でもこの恩恵を蒙っている皆さん、もう此処まで落ちて居れば、
簡単に返済できる体質には戻らないことは解かって居ります。
でもそれは自分だけではない。此の法律の適用者の殆どがそうだという事も解かって居ます。
正常な体質に戻らないと一人を責めることは、何十万人かを責めないとなりません。
だから、政府も簡単に法の中止は出来ないのではないだろうか、
詰まり今の状態で、其の都度延期で過ぎていくのではないだろうか。
皆さん、身勝手の思いに捕らわれて、自社の改革案も出来ないままに、今は平穏です。

今回の延期もモラルハザードとか不良化の先延ばしと、当事者以外、評判が悪かったです。
しかも、貸し手・借り手の双方から頼りにされて居た、保証協会の緊急保証制度は廃止しました。
「保証協会は借入金の100%保証しますよ。」と云う特例が元通りになったのです。
一番は銀行泣かせでしょう。
貸し出しが100%保証協会の保証付ならば、銀行にとってはリスクなしで
無条件に利息と云う利益が入ります。しかし、其の保証が100%でないとすれば、
銀行もおちおちしては居られません。
ましてや此の法の該当者は、普通ならば返済猶予なんて出来る企業ではないからです。

「リスクを増やして貸付金も増やしなさい。」なんて言われて黙っている銀行も少ないでしょう。

それでなくとも、不良債権と云うものは芽が小さいうちに摘んでおかないとなりません。
それを法が邪魔をしている感じです。
すると、貸し手・借り手でない人までが、銀行の意見に相乗りです。
此の法律はこうしてみると、今回限りで、もうこれ以上の延期はないように思われます。

この1年の間に何とか建て直しをしようと思いますが、
肝心の収入増が見込まれない今日、気持ちだけの問題になりそうです。
そうすると、中小零細の倒産や自主廃業がまた一時に増えるような気がします。

倒産と云うと、最近、急に農協が方々で問題が起こり始めたらしいです。
今までは銀行が騒いでも、同じ債権者の農協はどちらかといえば債務者に好意的でした。
ですから、今までに農協に責められて困ると言った人は有りません。
組合はがっちり組合員を守って居たかに見えます。

農協も金融監査は今までは全中監査のみで、いわば身内の監査。
監査方法が代わって金融機関と同じになったのです。
こんな監査は経験がなく、農協も漸く、内容をチェックし改めようとして居ります。
そのために若干手綱を締め出しました。
農協の持つ延滞債権は、其の管理から見ても、銀行の比ではないでしょう。
何時かは整理や区分けをやらなければならなかったですが、丁度其の時期が来つつあると居えます。

こうして見ると今は平穏、明日も平穏で有っても、近い将来また小額の不良債権が
多発すると言っても過言ではないと思います。
今度は大手企業は巻込まないでしょうから、額的に少なくかも知れませんが件数は
多く、かつ自主廃業と云う形で逃げる人も大勢でしょうから、大きな社会問題には
ならない可能性が有りますが、そんな現象が起こると思います。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




返済猶予法と不良債権

2011-01-16 | 事例
「銀行に返済しなければ、少しは資金繰りは助かるよ。そりゃあ、本業が赤字だから長くは持たないが
 時間は稼げるさ。その間に次のことを考えよう。」
嘗ての10名の従業員も、今は二人だけです。
銀行に何回もリスケをお願いしたのですが、銀行は聞き入れませんでした。
「赤字の商売ならばやっても意味がないから、どこかで一線を引いたら。」
「返せないですよ。」
「その時は不動産を売却してください。後のことはそれから話し合えばよいでしょう。」

一昨年の秋までがこうした状態でした。
それが一変したのです。
「モラトリアムとか言う法律が出来たそうだ。」
駄目元とお願いした元金返済猶予は簡単にOKです。
最も驚いたのは公庫でした。
書類を送ると、電話だけで行かなくても返済猶予OKです。
銀行以外に借入は有りませんから助かります。

しかし彼は解かって居ました。借り入れ返済がなくても本業の利益が出て居ないのです。
個人のお金は殆どつぎ込んで、もう宛てにするのは女房のへそくりです。
幾ら有るか知りませんが少しは宛てになるでしょう。

「今までは資金に追われて考える暇がなかったが、これで少しは一息つける。此の間に考えよう。」
考えることは、止めた場合の今後の生活です。それに銀行は仕方ないとしても、業者に掛ける迷惑を如何に
少なくするかと云う事です。

「中小企業等金融円滑化法」俗に返済猶予法がでて、何も知らなかった零細企業は最初戸惑い、そして助かりました。
それまでもリスケは有りました。しかしリスケは銀行主動でしたから、どうしても企業の希望通りでは有りません。
赤字のために、断られる零細企業も少なくありませんでした。
「潰れるのを待つ。」です。
それが簡単に、難しい書類も跡にして元金返済猶予がOKです。
半信半疑で知り合いやコンサルタントに確認する人も有りました。本当です。
昨年2-3月には、あまねく範囲で広まったでしょう。
零細企業は一寸一息ついたのです。

「本業はトントンないし赤字だから、此の法律も単に企業不良化の先送りに過ぎないよ。
 中には先を待てない会社も出るさ。しかし其処は整理以外、為す術のない会社だね。」
取り沙汰されたとおりです。
でも企業の倒産・自主廃業は目に見えて減りました。取りあえずの効果は有ったのです。

其れでも持ちこたえなくて、零細企業の倒産や自主廃業は出て来る、それに万一この法律が廃止になると、
一気に倒産・廃業だけでなく、返済さえなければやっていける企業の再生の話が出るだろう。
こんな批判は止まりません。

彼もわが身の事でありながら同じように考えておりました。

しかし彼の考え・態度は自分では気がつかなくても変わって居たのです。
「銀行に返さなくてよいならば、後は自分の本業だけの問題さ。これが駄目ならば俺は何をやっても駄目と
 言うことだ。此の条件で食べていけるようにしなければ。」
確かに売上は激減し、粗利も落ちて居りますが、それに匹敵するリストラは実施済みです。
そして一番違うことは、今までと違い、資金不足と云っても手が届く様な額に変わって居ます。

2万3万のお金も自由にならなくなってきましたが、何とか頑張り、今の状態ならば本業だけで何とか
やっていけるという自信がついてきたのです。
銀行以外のノンバンクからも借りて居る人たちも、弁護士に依頼、僅かなお金で返済が可能になると
これも頑張ろうという気持ちが湧いてきた見たいです。

変わり身の早い中小零細企業、今より更に景気が悪くならない限り、銀行返済を止めれば食べていける道を
開いたみたいです。
だから会社整理も自主廃業も減って居ます。

大きな眼で見れば、経済規模は小さくなったが、零細企業も倒産や自主廃業を免れそうです。
そのために全体では失業率などの問題を起こしているでしょうが、彼には関係のない話です。

問題は此の法律の退け時です。
やり方を失敗すると、それこそ不良債権の先送りになります。
余り長引かせると、徳政令と同じようなものでモラル的によくありません。

でも、返済が出来るようになるには、景気の復活と言う大きな助け舟が必要でしょう。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




競売を免れたが、一寸したミスで

2011-01-13 | 事例
「R銀行に金利を払っている限り、工場は安泰さ。」
彼の結論でした。
11行から4億を借りて居ます。R銀行からは2億です。
工場はR銀行と2番に保証協会が付いて居ります。
保証協会は4行・1億5000万の保証です。
銀行に返済をしなければ、どの銀行も競売できると信じていた彼が、
最終的に得た結論です。

「銀行に金利だけでも払っていれば、競売なんかしないよ。
 だから工場を長く使用するには金利だけを払いなさいよ。」
知人の言葉がこびり付いて居ました。でも月商2000万足らずの小さな鉄鋼場、
返せる筈が有りません。しかし、やがて彼は、無剰余である限り、無担保の
銀行は不良になってもどうする事も出来ないと解かって来たのです。

保証協会も抵当権者です。最近呼ばれました。I銀行が代位弁済をしたのです。

女性担当者は、優しかったのです。
「まだI銀行1行しか来て居りませんが、他に3行保証協会を利用して居ますね。
 全部が代位弁済になったら今後のことに話し合いましょう。」
そういって今の債権残高を示し、彼に残高確認と今後の返済の約束を書かせただけです。

「あの、全部が代位弁済になると、工場は直ぐに取られてしまうのですか。」
「あ、工場ね。当会もRさんの後に付いて居りますが、当会の取り分はないと
 思いますよ。いずれにせよ此の担保はRさんの出方で決まります。」
此の言葉は彼に大きなヒントを与えたのです。
彼はR銀行さえ競売をしなければ工場は守れると判断したのです。

機械設備も大切です。
しかしこれは2年前、知人からお金を借りるとき、集合物譲渡担保契約をして居ります。
どんな意味を持つか良くわからず、借りるときに捺印しただけですが、
これが今になって利用できるとは思いもしませんでした。
ある民族系の銀行が要求したとき、此のことを思い出して事情を話したのです。
それからは何も言って来ません。
彼は此の件で何か要求が有れば知人との契約書を見せれば良いと思って居ます。

銀行は「稼動している会社の売掛金など、どうもしないよ。」とも聞いて居ます。
彼はR銀行さえ注意すれば他はどうもならないと腹を決めたのです。

親父が造った鉄鋼場、小さいときから彼は此処以外の世間を知りません。
中学を出て直ぐに此処で働き始めました。一家の生活を支えて呉れる大切な場所です。
今も毎朝、心をこめて清掃もし、盛り塩まで備えて居ります。

R銀行1行になったとは云うものの、月に50万の返済です。
2000万で10%の粗利、人員が10名ではやっていけません。火の車以上です。
ついに仕入代金も満足に払えません。
「此の不景気ももう少しで治まるだろう。売上さえ一寸伸びれば昔通りに
 直ぐ戻るさ。戻ることを考えると従業員も首には出来ないし。」
毎日がやりくりしきった金繰りです。

ついに1部の仕入先は債権の棚上げを交渉して居ます。
1年間の棚上げです。
この事は直ちに同業者に知れ、地域の騒ぎになって居ります。
しかし、一方ではまだ、材料を供給するところもあり、工場は動いて居ります。
潰れるだか、継続だか解かりませんが、相変わらず工場からは機械の音が聞こえます。
まだまだ簡単には手を上げる雰囲気では有りません。

しかしながら此の頑張りも此処まででした。
彼は売掛金を殆ど差押されたのです。
社会保険の滞納がずうっと揉めて居りました。
税務署は「売掛金も直ぐやるよ」と言われて居りましたから未納の税金は有りません
月に5万づつ納めて居りましたが認めません。
決算書を出せと言うので、出さないといけないと思って出しました。
これが基になって居る感じです。

文句を言いました。
「貴方、会社は潰れると言ったではないですか。だから差押えたのですよ。」
「言葉の弾みで出たんです。本当に潰れます。勘弁してください。」
しかし駄目でした。
税務署とか社会保険は「会社は潰れる」と言うのは絶対の禁句です。
知らなかったでは済まされません。
言われて決算書を提出したのも失敗でした。

工場は今は盛り塩をする人も無く、落札を待って居ます。
同じ頃、彼の自宅も失うでしょう。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




「期限の利益の喪失」の争い

2011-01-10 | 事例
バブルの終りかけた頃、彼の父親は東京下町の一画、先祖からの土地にテナントビルの計画をしました。
融資は、此のビルの3フロアを借りるスポーツジムを探してくれたM銀行です。

ビルは華やかにスタートしましたが、問題はジム以外の場所です。
望む入居者が決まらず、また落ち着かず、当初は苦労しました。
そんな期間が10年続きました。10年目でこれも超優良のカラオケ会社が入り、
ジム以外を借り切ってくれたために、それからは落ち着いて居ります。

ただし、カラオケが入る前は銀行返済もママならず、一時は返済も中断して、
何回も銀行と話し合って居ります。
一時は銀行が48年返済に変更して面倒を見てくれたことも有りますが、
何時の間にか、それが当初の30年に戻って居ります。
彼は此の頃から父親に代わり、全てを仕切って居ります。

江戸時代からの名主の家柄、地域に対する愛着は非常に強く、
自分の家に対しても誇りを持って居ます。
私鉄駅の東側は、此のビルがメインです。
彼の任務は此のビルを守り抜き、地域を発展させることです。
張り切った毎日でした。

ところが彼にも泣き処が有りました。資金繰りです。
彼が引き継いだ頃からやりくりして居たのがそのまま続いて居るのです。
もっと大きな誤算は税金でした。年に2億近い賃料です。税金も多額です。
之を払う原資がどうしても出ないのです。

当初は信金などから借りもしましたが平成14年頃からは貸してくれる処もなく、
どうしようも有りません。
ついに彼は銀行に条件の変更をお願いしたのです。
「当社は貴行から返済期間48年の約束をしましたが、
 何時の間にか当初の30年になって居ます。
 之を約束通り48年に戻してください。」

何せ、このあたりの名家です。簡単に銀行も折れると思いましたが、
此処から長い争いが始まったのです。銀行は調べて、仮に其の額にしても、
租税など考慮するとここは順調な経営は難しいと判断したらしいです。
折も折、世間は不良債権問題で湧き上がっていました。
M銀行は一寸でも其の気が見える貸出先は直ぐに不良債権にする事で有名でした。

M銀行が強調したのは「お宅は不良債権では有りません。しかし、当行は
お宅の望むような返済方法にはとても無理ですから他に債権を譲渡します。」
と云うことです。
不良でもない債権を銀行が譲渡など出来るかと金融庁に聞きに行きました。
金融庁は「法律で出来るとなって居ます。庁として反対できません。」
と云う答えです。
自分で買おうと見積もりを出したが、安すぎるとして結局は
あるファンドの譲渡されたのです。

ファンドも不良債権ではないから返済さえしていれば競売は出来ないということ。
彼は返済に必死でした。
しかし其処も2年で、あるサービサーに譲渡しました。

サービサーは最初から返済より物件処理を望んで居ました。
そこで「此の債権は当初から不良債権」と云ってはばかりません。
ついに彼は「不良債権ではない」と訴訟を起したのです。

此処から法廷の争いになりますが、サービサーだけでなく、
ファンドも銀行も手の平を返すように彼の処は不良債権になって
居ますと証言するのです。
以前彼が父親から引き継ぐ前に、不良債権になったと証言するのです。
彼は懸命になって当時の書類を出して反対しましたが、1審も上告した
高裁も敗訴になりました。

しかもその間、サービサーは家賃の差押と競売を同時にやってきたのです。
競売は担保のビルと自宅です。
彼になってから返済は滞った事は有りません。今も供託をして居ります。
しかも、此の原因のことで裁判中です。
それなのに競売など出来るのでしょうか。

しかし其れでも担保であり、返済の見込みが困難と裁判官が判断すれば、
家賃差押えも競売申請も出来るらしいです。私も此の時、始めて知りました。
これは裁判と別にどんどん進行し、裁判を理由に競売の延期などは採用して
もらえません。

其れでも彼は意気軒昂でした。
「絶対に裁判は勝つ。ビルは守る。」
自分に言い聞かせるように絶えず言って居ました。

最高裁に控訴して、法定が開かれる前に競売は落札しました。
買い手はサービサーの関連会社で、入札価格は時価の2倍くらいと
馬鹿高い価格でした。

昨年暮れ、彼の1家は自宅を引っ越しました。
近くです。
住む慣れた土地から離れられないでしょう。
そして彼の情熱は冷めません。
「今迄やられ放しでしたが、銀行が如何にあくどい処か、十分に解かりました。
 引き続き戦い、世間に知らしめます。最高裁も背一杯やります。」

一寸でも日の当たる年にならないものでしょうか。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




SFCGからの借金の顛末

2011-01-07 | 事例
今年の正月は何年ぶりかの寛げる正月でした。
昨年までは盆も正月もなく借金の返済に悩まされたものです。
銀行・保証協会は言うまでもなく、システム金融や個人の高利までありました。
一昨年には殆ど片がつき、昨年最後まで残ったのがSFCGでした。

義兄の酒屋が破産したのが5年前、其の借金の大部分を保証して居りました。
返せる筈がなく債権者と揉めて間に、自分の会社も回らなくなり、方々から
駆りまくったのです。

此の中にSFCGが有りました。義兄の会社の保証で、当時はまだ羽振りの
良かった彼は毎月10万づつ返済して居ました。
しかし会社が景気が悪くなるに従い、方々から駆りまくり、
ついにSFCGからも妻の名前で借りたのです。

当初は此の2つの債務を返済しておりましたが、それも2-3ヶ月、
ともにどちらも返せなくなり返済を一時棚上げの申し出をしたのです。
確か一昨年の初めでした。

SFCG に申し込むと担当者は、あっさり認めてくれました。
只、返済先を変えて、Aファイナンスと云うところに、両方合わせて
毎月10万を返済してくれればよいからと言うことでした。
債権が譲渡なのか、回収依頼なのか解かりませんし、書面1つ貰って居りません。
それに何故かAファイナンスは振込みでなく、集金に来て居ります。

ところが2回払った時、SFCGは破産です。
それでもAファイナンスは、集金に来ました。
そこで「お宅はどう言う資格が有って集金にお見えになって居るのですか。
私に対する債権はどうなっているのですか。」と聞きますとそれから集金に
来なくなりました。
以後SFCGからは何の連絡もなく、彼は儲かったような気分で居たのです。

世間ではSFCGの債権の2重譲渡など騒いで居りましたが、
私の所は何処にも譲渡されて居りません。
関係ない事で、もうこれに関する請求はないと思って居ましたら、
半年以上経った昨年の2月、突然S銀行・T保証会社、それにY法律事務所の
3箇所から、手紙が届きました。
書式、印刷文字、封筒など全く同じもので、普通便でした。

S銀行は「あなたがSFCGから借りたお金はT保証会社に譲渡しました。」
T保証会社は「S銀行から債権を譲り受けました。此の回収をY法律事務所に
委託します。」
Y法律事務所からは「T保証会社から受託しました。」と云う通知です。
全部が同じ日付です。
「おかしいな。Aファイナンスと云うのは一体なんだったのか。」
そんな思いが頭を掠めましたがとりあえず放って置きます。
どこかから何か言ってきたら対応すればよいのです。
それにしても「死んだ子の復活か。」と思うとよい気もしません。

此の時点で保証債務の約1000万の請求が有りません。消えて居ます。
そしておかしいことに妻が借りた分の、SFCGの債権譲渡通知を今迄貰っては居りません。
この通知が一番大切ではないでしょうか。
これがないと、今日貰った各社の手紙は全て砂上の楼閣になってしまいます。

暫く何も有りませんでしたが5月、連休明けになって1変しました。
Y法律事務所からの電話です。借主の妻を指名です。
最初2-3回居留守を使ったのですが、担当の弁護士は熱心です。
次の日には必ず電話をよこします。
逃げ切れないと観念し、妻に2-3の注意を与えて電話に出しました。
相手の最初は本人確認の後に債務が有るかの質問です。

此のときに「SFCGから何も私のところに言って来ては居りません。
それなのに貴方にこんなこと答える事はないと思いますが。」
「だってこれはきちんと債権譲渡の登記をしてありますよ。
これが何よりの証拠です。」急に弱気になった妻に「借りたのは
私の名前でも実際には主人がやったことですから、後は主人と話して
ください。明日は主人は居ります。」と引き下がらしたのです。

「借金は有りません。」
彼は翌日、弁護士からの電話に、言い切りました。
「債権譲渡の登記は債権があったと云う事とは無関係の筈です。
 法律事務所が素人相手にこんなこと言ってもよいでしょうか。」
どう探しても債権譲渡通知はないと判断したのです。
今からでは作成できる筈も有りません。

S銀行もT保証会社も破産したのはそれから間もなくです。
以後今日まで、何処からも何も言って来ません。
妻名義の借入残は1200万ですがもう大丈夫でしょう。

此処4-5年の間に本当に彼は年をとったという感じです。
そんな彼を見ていると何も言えません。
「良かったなあ。これから頑張れるさ。」と云うのが一杯でした。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




乱の年

2011-01-02 | 事例



 皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします 

                平成23年 元旦




        


年が変わりました。
中小零細企業にとっては、昨年は「静の年」とも言うべきか、静かな年だったように思われます。

今年はどんな年が予想されますか。
私は「乱の年」になりそうな予感がして居ります。

昨年は、返済猶予法が大きな助け舟になりました。
リスケが一般化したとは言え、まだまだ銀行が元金の返済猶予をしてくれるなんて、
思っても居ない企業がまだまだ有りました。
或いは、リスケを申し込み、銀行に断られ、途方に呉れている企業も有りました。
それらの企業がほぼ無条件で元金返済を0円まで認めて貰ったのです。
非常に助かりました。
倒産も自主廃業も激減したのです。
「静かな年」だったのです。

しかし、大きな矛盾点が幾つも有りました。

その間に利益体質に改善すべきの筈が、出来なかったのです。
景気が少しでも上昇して居れば、改善はそれなりきに出来たでしょう。
ところが景気は下がる一方でした。

景気が悪くなると、皆さん自分の身を守るために、縮小策に走ります。しかしリストラを始めとして
縮小策はいずれも景気抑制になります。
お金が流れない限り、景気はよくなりません。

現在不景気のために取られている施策、先ず人減らし、リストラ、少し違うが少子化など企業や
家庭防衛の道はお金を使わないと云う事に於いて、全て景気の足を引っぱる施法なんです。
それに円高と云う海外からお金をもって来る道が狭くなって、景気は落ち込む一方でした。

改善が進む筈の企業は、もっと苦しくなって営業利益さえ出なくなってきました。
さあ、返済猶予をしてもお金が回りません。
保証協会はもう枠一杯、プロパーは見向きもしません。
こんな時、今から伸びると予想された振興銀行も破産と云う最悪の事情。
其の前から個人で金融業者に助けを求めていた零細企業は総量規制と云う形で
完全に逃げ場を失ったのです。

普通は破産より自主廃業は4-5倍の軒数と言われて居ります。
しかし昨年は意外と零細企業の破産の比率が多いのではないかと思って居ります。
自主廃業をする方は、仕入代だけはきちんと清算をします。不義理は金融業者だけにです。
しかし、もう金融業者からお金が全然入らなければ、最後には仲間からの仕入代金を犯すより
方法は有りません。そしてそれも出来なくなった時は、夜逃げか破産しか有りません。
昨年後半はそんな事を感じさせる相談になりつつあったと思います。

そうした問題をそのまま抱えて年が改まりました。
問題解決の処方箋は何も有りません。
只一つ返済猶予法の1年の延長がほぼ確定しているだけです。
しかし噂に依ると、その内容は若干変わるみたいです。

返済猶予実施中の企業が、更に1年の延長を依頼しても、前回提出の改善計画と比較すると、
売上を先頭に利益、粗利率など全てが狂って居れば、銀行はどう対応するのでしょうか。
不良債権を先延ばししたいがために此の計画未達を黙認すれば、一体今の経営改善計画って
なんだろうかと云うことにもなります。

借りるところは全然なく、あえて言えば総量規制に抵触しない業者のビジネスローンのみです。
早くもあのロプロの営業が走り回りだしました。
いずれも15%の金利は守ってくれるでしょうが、15%の金利を払って商売できるほど今は甘くありません。

こうしてみると、赤字体質の資金繰りに耐え切れない先ず零細企業、続いて中小企業が騒ぎ出す年になると
見て居ります。
又力ある銀行は不良資産の先延ばしを整理すべく動きだすと言う気もします。

こうして本年は「乱の年」になります。

中小零細企業はこうなった時に対応できるように心構えをつくり手を打って於かないとなりません。
此の対応策が一番大切ですが、企業によって異なりますし、本日はあえて触れません。
只、若し自分がそうなったときにどうなるだろうかと云う事を確認し、其の対応策をもっているべきでしょう。

本年も楽では有りません。
力になります。
頑張りましょう。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから

電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。

日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします