かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

サービサーとの和解

2006-09-27 | 事例
今日サービサーと和解が出来ました。
まだ、電話で了解したばかりです。サービサーから契約書が届き、
私が、振込めば和解完了です。

和解の当事者は私でなく、家内です。
自宅のローンだけが家内も保証人でした。
私の自己破産の時にまさか家内には来ないだろうと思って何もしませんでしたが
サービサーに譲渡され、サービサーから請求が来ました。
残債務は3000万です。その和解です。

自己破産の時、私は都心から離れた辺鄙のところで、ペットボトルのリサイクルをしていました。
工場は勿論競売でした。然し2度の競売にも買い手が付かず、得意先の好意の融資で、家内の名前で、任意売却の買戻しが出来たのです。私の名前では銀行は任売は出来ないと断られました。

工場は守りきらないと私も家族も生活が出来ません。
家内の場合、自己破産も出来ないのです。

以前の弁護士に相談すると、「やはり自己破産しか有りません。せっかくの工場ですが処分が必要です。」と宣告されました。
困り果てて、倒産経験者の知人に愚痴をこぼすと「信頼出来る人だから」とある人を紹介して貰いました。
その人が見せてくれと言った私と家内の所得証明を持って尋ねました。

「これだったら簡単に和解できると思います。
 おそらくサービサーは和解ならば150万だ。300万だと言うでしょうが30万目標で頑張りましょう。」
 まず安心できる言葉が出ました。
「奥さんが交渉の当事者で無いと交渉は難しいと思いますが、これをご主人が交渉出来るようにお願いしましょう。
 普通はお二人だけで行ったほうが良いでしょう。然しこの日でこの時間ならば
 私もそちらに出向きますから、一緒に言ってあげます。費用は心配しなくて良いですよ。
 定年退職したあなた方の叔父と云うことにしますから、そこでは私のことは叔父さんと言ってください。私もあなた方を名前で呼び捨てにします。」

そのほか工場のこと、今の仕事のこと、家内のパートのこと、生活のことなど
具体的に指示がありました。すべて私にも家内にもできる事ばかりです。

豪華な高層ビル内でも、サービサーの応接は取調室の感じでした。
最初毎月ならば全然払えない。「一時金で20万で和解をしてください」と切り出す
その人に、サービサーは「何か舐められている感じですよ。」と相手にもしませんでした。
然し、打ち合わせたとおり、今の生活や仕事をぽつぽつ説明すると漸くサービサーのも現状が理解された様子で態度が変わってきました。

「破産をしたくても、お金が無くて、その破産すら出来ません。この会社で本人を破産してくれるならば、それでも良いです。」とこちらの言に
「破産なんて、しない方が将来のためにも、良いですよ。然し20万では当社も話し合いが出来ません。当社もその線を検討しますから、あなたももう1度払える額を検討してください。」 
と云うやり取りで別れました。

3日ほど過ぎて、サービサーから電話がありました。
200万ではどうかと云う内容です。
とても払えない。まだ20万の借入先も決まっていないと答えると電話が切れました。

以後2年間、梨の礫でした。
サービサーは諦めたかと思い、あの人に聞きました。「サービサーがそんなに簡単に諦める筈が有りません。特にお宅はご主人が破産をしておりますから時効も長いです。そのうちに必ず何か言ってきます。」
案の上、10日前に単なる請求書ですが、届きました。
「お支払いなき場合は法的回収に移らせて頂気ます。」
と云う文句も書いてあります。

「20万で妥協するな。決まる時は30万までは良い。法的回収と言っても何も無いから恐れるな。」
と云うアドバイスを貰って電話しました。
結局は50万で3回払いで了解しました。

「良かったなあ。でも50万は払えるかい。」と心から喜んでくれました。
「お礼は」と聞いても「破産者からもらえるか」と相手にしません。
サービサーに同行したとき封筒に2万円を渡したのがすべてです。
出世払いでよいよ。と言われても50万を払いきるまでは何も出来ません。

今までなんと無く胸につっかえていたもの、それが取れました。
家内も同じ様です。
頑張れば30万でも良かったかなと云う思いも掠めますが、それで長くなった場合は
今の思い、続いてわいてくる活力は無かったでしょう。

借金、確かに返さなければいけないでしょう。
然し返せない時は返さなくて良い法律もあります。
でもそれすら出来ない人も多いと思います。
住宅ローンなど、妻が保証人の時は、夫が破産をすれば自動的に妻も免責になることは無理のことでしょうか。
その時は妻が資産を隠すだろうと考える人は人生が楽しくないと思います。











迷わせるアドバイス

2006-09-19 | 事例
区の法律相談の弁護士の言葉でした。
「銀行に借金の返済どころか、給料すら払えません。自己破産しかありませんね。費用は会社と保証人のご夫婦ですから私なら100万くらいと思います。」

私を入れて7名の小さな会社です。景気の復活どころか、此処3ヶ月くらい売上が急減しました。後、2ヶ月くらいで完全に資金は枯渇します。少しでも余裕のあるあるお金は、すべて注ぎ込み、今は僅かな入金待ちだけです。
今後どうすればよいか、迷った末の弁護士相談です。
私の一番の目的は家族に影響を及ぼしたくない。ただそれだけでした。

弁護士は自己破産だけを説明しました。然しどうも納得できません。一番私が知りたい「家族には影響させたくない」と云うことについては的確な説明がありません。相談する人を変えました。

ついで訪問した弁護士はトンでもない人でした。
自己破産までは同じです。然し費用は350万掛かると云う事です。
表を見せながら説明してくれましたが、正しいのか間違っているのかそれすら私には判りません。
一番困ったのはそれからです。直ぐに契約しなさいとそれから4時間も身柄拘束です。弁護士の押し売り、初めての、そしておそらく最後の経験です。

350万有れば仕入れ代金の半分は払えます。弁護士に払っても債権者に払っても私には同じ事と、弁護士は言っていましたが納得できません。
本やインターネットで探した会社再生コンサルタントを訪問しました。

結論から言いますと、結果が不満足のために何軒も訪問するすべになりました。
どこも最初は同じ言葉でした。
「売上減で今の会社が続かなくなる。現代のもっともポピラーの倒産スタイルです。しかし安心してください。貴方は必ず救われます。」
此の後は違いました。

「第2会社で事業を守ります。貴方の生活は保証されます。」と切り出す人も居れば、「今のままでは自宅は取られます。ローン中と言えど自宅は守りましょう。」と難しい言葉で説明してくれるところも有ります。
「会社の整理とは」と弁護士もどきの人も居りましたが、どこも私がこれだと思う事を言ってくれません。
どこか違うのです。
家族を一番守りたいという問いに、「奥さんだけにはすべてを打ち明けて協力しことに当たりなさい。」というアドバイスです。
これが家族を守ると云う答えでしょうか。

どんなコンサルタントも質問と答えとどこかピントが合って居ない事が多いです。
人員を減らし、給料を下げると採算は取れると言っています。最小の人員が必要とおそるおそる反論すると、その枠にあった仕事は必ず有りますと言われます。
第2会社など、やる前から成功した気分です。
質問をすり替えている感じが一番多いです。

最後は「早くしないと駄目です。直ぐに委嘱契約を契約しましょう。」と云うお薦めになって居ます。

こうした問題ですから、弁護士やコンサルタントなど、個人によって、出口が違うと思います。
それは判りますが、出口が違えば家族はどうなるかと云うことについては全然わかりません。
話を自分の得意な分野に引き込むのでなく、いろいろの違いを判るように説明いただければ私ももっと判ったかも知れません。

そうした質問は、質問がすり替わって他の答えになってでて来ます。

最初後2月後と読んだ2月がもう半月過ぎました。
具体的な対応については、まだ何もやっていません。
どうするかも決まっていません。

どの先生と契約をすべきか決心は付かないでしょう。いっそ誰にも頼まず、何もせずにその日の来るのを待っているのが一番良い気もしております。











ブログに書けないこと

2006-09-14 | 事例
今日も差し押さえに対する対策を丁寧に教えました。
法律の立法主旨とは違うことです。然し教えておかないと今日の相談者はやがて
飢え死にするかも知れません。
事業再生コンサルタントなんて言って居ても、本当の仕事は倒産者のための倒産相談です。

倒産者が一番愕然となるのは、倒産後の生活の保証が何も無いことに気づいた時で
す。
当初は借金だけに気を取られて居ります。倒産後なんて考えもしませんが、やがて倒産をすると生活は出来なくなることに気づきます。

法律も弁護士も債務の処理だけは熱心ですが、その後の生活については何も言っていません。それどころか、倒産の処理のときは塵一つ残さず、債権者に弁済を強要して居ります。
借金の処理後、食べていけなかったら生活保護を受けなさいという事でしょうか。

債務者はその時のために今から少しでも資産を残しておこうと企みます。
勿論業務と云う資産を残せれば一番良いです。
事業を再生するにしろ、別の仕事を探すにしろ、その仕事で食べていける様になるまで、繋ぎはどうしても必要です。

然し法律は、まず不動産の差押さえについて厳しくしました。それまでは運営の方法によっては債務者も有利に取り図られたのですが、それが出来なくなりました。債権者の運営下手を法律の改正によって改正したのです。
今年は差押え者に自分の財産を教えなければならない法律まで出来て居ります。
5-6年前流行った執行妨害と云う言葉は死語になりそうです。

然し倒産者にとって見れば、それでも残せる物は残したいです。欲が深いのと違います。生きていくためです。万一ちょっとでも余裕があれば、事業再生に回してこちらもスムーズに行きます。

その方法を、考えてもどうしてよいか解りません。そこでそうした時の助言者を必死になって探すのです。

零細事業相手の良心的な再生コンサルタントほど、深刻に考え、相談者の今後の事をアドバイスをします。
然しそれはブログには書けないことが多いです。
教えることが他人に知られたくない秘密のことが多いからでしょう。

債権者が債務者が明日の糧が差押えられなくなれば、倒産の世界もぐっと明るくなるのではないでしょうか。

















待つ

2006-09-12 | 事例
会社の借金の保証をして居ます。
2年ほど前から倒産状態で事業もやって居ません。わずかなばかりの自宅兼用の会社の土地は競売で売れました。銀行から借入の債務は1年ほど前にサービサーに譲渡されました。勿論借金は全然返して居りません。

サービサーから呼び出しがあり、出かけていきました。二人で応対してくれました。やさしい親切そうな応対です。
「競売で家が売られ、住むところも安定していない。ましてや仕事はこれから何をしてよいか解らない。申し訳ないが借金なんて払いたくも払えません。」
こちらの応対もうなずいて聞いていました。
「親戚で心配して、お金を貸してくれるから1時金300万で何とか和解にならないか。と申しています。会ったばかりでこんな事を言って失礼でしょうか。」
債務残は2億以上です。

二人の顔に少し緊張の面持ちが走りました。
やがて上司と思われる方が口を切りました。要旨は次の様な事でした。
「サービサーにも採算があり、仕入れ価がありますから、それに見合った価格で無いと和解は出来ません。お申し出の金額は、私どもから見れば、桁が一桁違っているのでないかと思われるような、砕けて言うと舐められたと感じるような金額です。」

その日はサービサーも「今はいろいろなご事情で無理があるでしょうが、何とか円満に話をつけたく、ご検討願います。電話をお待ちして居ます。」と云う事で帰りました。

10日くらいたって、サービサーの若い方から電話がありました。
「どうです。何か良い線は出ませんか。」「あれで背一杯です。」と云うのに対して「どうです。1000万は出ませんか。」とささやくような声です。
「300万も借りないと出ない数字です。1000万が届く筈が無いでしょう。」サービサーがどう取ったか解りませんが、それで電話は切れました。

1月くらいたったでしょうか。いきなり裁判所から「訴状」と云う書類が届きました。サービサーから「払え」と云う訴状です。
びっくりしました。がこうした事に詳しい人から、
「借りて居て払わないのが事実ですから、どんな優秀の弁護士を依頼しても負けます。裁判にも出ないで放って置いても同じく負けます。
同じ負けるならば、徹底して放って置きましょう。同じ負けです。そして負けても相手に出来ることは差し押さえしか有りません。どちらにしても差し押さえの出来る債務名義と云うものが相手に渡るだけです」


もっともだと思い、何もせずに放って起きました。やがて敗訴と思われる文章が
また裁判所から届きました。
これで相手は何でも差押さえが出来るな。何を差し押さえするだろうか。
家中赤紙を張るようなことは今はしないそうだから、やられてもいいや。
と一応は覚悟して日を送っていました。

然しどうした事でしょうか。サービサーはうんとも寸とも言って来ません。
差押さえが無いならば、電話連絡でも、何か無いとこちらも落ち着きません。それが全くの梨の礫です。
可笑しいけれど、こうなると次第にいらいらしてくるのです。

こちらから電話をしようと思いました。詳しい人は反対しました。
「相手は此方からの連絡を待っているのです。何もしないと次第にいらいらしてくるのを相手は知っています。此方から連絡する人は耐え切れないことを証明しているようなものです。必ずサービサーが思うような有利な条件で和解をさせられます。
私の知っている方で、連絡を取った方は、害した不利な和解をして居ます。」
もっともだと思い、連絡を堪えております。

漸く勤務先も決まりそうです。
知られたく有りません。給料の差押さえが有ります。
相手からの連絡を待つ。こんなに大変とは予想だにしませんでした。












管財人

2006-09-08 | 用語集
法的整理の場合で裁判所から指名されて、
整理会社の財産を管理する人をいいます。
権限の幅が大きく、資産負債の処分はもちろんのこと、
整理会社が再建する場合は、執行責任者にもなります。
通常は弁護士が指名されます。











弱い者苛め

2006-09-03 | 事例
82歳になる老女の預金が差押えになりました。
2月に1度、振り込まれる20万未満の年金を何より頼りにしています。
必要な都度、僅かづつ降ろしています。通帳が金庫代わりです。

降ろしに行ったら降ろせません。残はまだある筈です。
行員の人が教えてくれました。
「差押えになりました。気をつけないと次回入金があればそれも差押えられますよ。」

私は老女から聞いたときは信じられませんでした。
年金は差し押さえ禁止債権ではないか。早速裁判所に電話をしました。
「確かに振り込まれたばかりの時は年金です。然しそれが何日も預けてあると、年金と云うのではなく、預金といったほうが適切になります。もう年金ではないから差し押さえ出来ます。」
裁判所の説明でした。

6年前、夫は他界しました。子供は居ません。夫の保証をしていました。他界後もなにやら書類が一杯届いています。然し何のことやら解らずにそのままにして居ます。今回も何で差し押さえられたか解りません。

こんな弱い者いじめと思われる回収方法が増えているような気がします。
サービサーの回収がそれだけきめが細かくなったのでしょうか。
今日もこんな相談がありました。

「あなたのお父様は保証をしたまま、お亡くなりになられました。あなたはその相続をして居ます。不本意ですが私共はあなたにご請求申し上げます。」父は平成8年に他界して、その後を弟が引き継いで経営した居りました。その会社が3年前に倒産しました。今頃名前も聞いたことの無いサービサーと云うところから請求が来たのです。
相続の時に何も貰ってなければ、借金の相続を知ったときから3ヶ月以内ならば
相続放棄も出来ると聞きましたが、相続の時に現金700万を貰い、税務申告して居ます。
その間、夫の名義ですがマイホームを手に入れました。ローンの保証はして居ます。
パートで100万少し収入がありますが、中高生の子供二人で余裕など全然ありません。

とにかく、1度会って、こちらの現状を説明しよう。話し合いはそれからだと思って居ります。

サービサーの中に、どうしようも無いような債務を譲り受け、強引に回収をしているサービサーが有ると思います。
決まって老人や寡婦のしかも相続や保証債務です。
こんな人を相手に、「払わないと支払い督促の裁判ですよ。」なんて言えば、大概払えるだけは払います。
誰かに相談をしたくても、相談料も満足に払えません。そんな人たちを親切に教える人も居りません。

政府の取った不良債権処理の残務整理の一つです。
こんな人たちと会う都度、誰にと云うことなく、無性に憤りが湧いて来ます。