かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

嘘はつかない。

2016-01-27 | 雑感
兵庫県のある県議、法廷で「忘れました。記憶にありません。」を繰り返して居た様です。
40年前、ロッキード事件で大物と言われた国際興業の小佐野社長が繰り返したのを思い出します。

ある人が10年間、同じ嘘を貫き通しました。
「すべてが解決しましたからもうこれは止めます。」
年末に挨拶を頂いた時は私もほっとしたものです。

債権問題は、比較的嘘が出やすい状況が多いです。
お金を借りる時、または返済を滞る時など、つい嘘で固める人が多いです。

「近いうちに入金があるから、それまで貸してください。」と言う口実で、入金がその通りに有ったことは少ないものです。
粉飾決算、最大の嘘です。

不良債権の債務者は、自分の住所を教えたくありません。
けれどサービサーはその権限で債務者の住民票を取ることが可能です。
全く家出同然になればサービサーにもわかりませんが、住所を内密にすることは難しいです。

この住所を債権者には大ぴらに教えて、実はそれは見せかけの住所だった人が居ます。
何軒のサービサーが騙されたです。
あまりひどい所で差し押さえなど考えられません。
電話は携帯で何時でも通じます。が、会っても無駄。やがて何軒ものサービサーはすべて
時効になったのです。

都内では月2万円以下の安アパートが一杯あります。
不動産業で、そのアパートの経営者と親友でした。それに頼んで郵便受けだけを借り、
部屋は借りなくて、ただし、住民票はそこに移したのです。

不動産屋の管理人は誰かがそこに訪ねてくると、彼が借りていることを認め、殆ど留守の
事を説明します。そしてこんなアパートだから、住人以外は立ち入り禁止も伝えます。
また、彼は訪問の連絡を受けると、アパートの玄関で待ち合わせ、近くの喫茶店で話し
ます。

実際に家族とは借家ながらも立派な住まいに住んでいます。
債権者には、家内とは離婚が合意されているが、世間体もあり籍などは抜いてない。
いま、家族がどうしているかわからない。

以上一貫して矛盾はなく、連絡は何時でもできるために、どの債権者も信じたのです。

それでも訴訟をした債権者もいますが、何処も差し押さえまでやったサービサーはありません。
そして5年から10年たつと何処も時効が成立したのです。
たまに郵送される請求書を援用して援用したのです。
最後の1軒が昨年末成立しました。

嘘をつき通す事は非常に難しいことです。
彼に場合も親友の大家が居たからこそできたとも言えるでしょう。
自分一人では、できたか疑問です。

私は相談者には嘘は言わないようにアドバイスしています。
言いたくないことは、はっきり言いたくないと断りましょうと進言しています。
その方が結果としては良い方向に行っています。
本件のような苦労した嘘、他の方法を探した方がよいでしょう。


飲めた方がよい

2016-01-25 | 事例
アルコールほど、合わない物はない。
どんなに無理をしても飲めない。よいところ、ビールコップ半分だ。
それ以上は気分が悪くなり。アルコールを楽しむなんてほど遠くなる。
それでいて、今までは、勤めの時も、自営になってからでも、人と接する仕事。
人同士緩和剤が全然役に立たなかったから、考えるほど寂しくなる。

商社に勤務していた時は子会社の管理部門だった。子会社は飲めない本社の担当など、
遣り難かったと思う。
自立してからは、人の債務相談に乗る仕事。少なくても1500人以上と会っている。
相手は人と話などあまりしない中小・零細企業の主、胸襟を開かないと本当の相談も
できない。そんな時に飲めればと思ったことが何回あったか。居酒屋で裸の姿になれば
相談業務はもっと進んでいただろう。

もっと単純の見方もある。人が美味しいと言って居るものが、苦痛だなんて言って居ては、人生大いに損をしている。
飲まないからその分残ったでしょう。冷やかしの言葉も貰うが、そんな話は聞いたことはない。
むしろ飲んで人脈を作った方が、業績にも関係する。
宴会の時は飲まなくても困らないが、個人の付き合いの時は飲めて方がはるかによい。

特に嫌な思い出がある。
その日相手はぜひ飲みたかったらしい。
しつっこく誘われたが、でも断った。
その日、その人は自殺した。
次の日にヤ―サンの取り立てが宣告されて居たらしい。その相談だったか解らないが、
飲んで愚痴の中から活路が少しでも見出されていれば、自殺はなかったかもしれない。
覚悟の上だったと思うことは多額の保険に入っていた。
ただ、それを債権者にとられずに家族に入るよう背一杯守った。これも一緒に飲まなかった私の詫び心だったろう。
でも、後味が悪い。飲めれば違った展開だっただろう。

飲まなくてよかったと思うことが先週、初めて発生した。
その日、警察の訪問を受けた。
此方の職業など聞かれた後、一人の男の写真を見せられた。
「あなたはこの人を知っていますか。何回も会っていますか。」
「知ってます。会っています。私が現在相談中の会社の経理の責任者です。
 15名くらいの会社ですが。」
社長から依頼された。
「資金の方から、資金が不足と言う報告を受けている。損はして居ない筈と思っている。
 おかしいと思うが実態と対策を考えてくれ。」
まず実態を調べるために、経理担当と言って紹介された男だ。銀行折衝もしているとのこと。

人懐っこい彼から、何回も飲みに行くのを誘われた。
でもすべて断った。
ところが、2-3回訪問して、まず実態が纏まる寸前、、急に社長から、
しばらく調査の延期を言われた。しばらくして今回の警察の訪問を受けたのだ。

警察の質問は口調はやわらかいが芯をつく。
飲み屋の名前が出て一緒に飲みに行ったことはないかと聞く。
飲み屋にも聞いてくれ。私の顔写真を見せればすぐにわかるでしょう。

社長は彼の使い込みを予想していた。それを調査する為に私を依頼したのだ。
そんなある日、普段は盲印の経費伝票をサラッと見た。
経理担当と私の飲み食いの伝票が目についた。これが社長にピンと来た。
可笑しいと思って私の調査を延期し、社長自身が調べたのである。
彼の使い込みがわかったので告訴した。

飲めなくてよかったのはこの時だけ。もし一緒に飲んでいたら、ややこしくなってきたと思う。

飲まなくてよかった。
でも本当は飲める方がよい。








傘寿の宅建

2016-01-23 | 事例
今年傘寿になる人、張り切っている。
「昨年は宅建の資格、見事に失敗したが今年は必ず取る。最年長の取得者で新聞に載るぞ。
 そして事業を再開だ。1億や2億軽く儲けなければ。」
意気は高い。

過去の20億近い借金が完全に返済義務がなくなったと言うことから、生きる目標を
変えたのだ。

バブルの前、本業のほかに不動産をやった。会社の内部留保は見る間に5億になったから大したものだ。
優良納税者に指定、表彰も受けているから本物だろう。
それが手を引きのは早かった。

結果は15億の借入と、内部留保を現金に換えた隠し金が残った。
バブルでやられたのではない。結局は銀行が泣いたのであろうが何億もの金が残ったの
である。これが今日までの彼の生活・会社維持の資金になって居る。

債権の処理はすべて1円も払わず正式に出来た。ただ債権放棄益の関係で社内処理を
してないだけだ。
かって債権者には担保ばかりでなく、それ以外の返済も2億ほどやっている。
帳簿処理をするときは、この分を繰り越し損益として計上したい。

理屈からいえば簡単に出来る筈であるが、債権の時効や税務の時効のことを考えると
素人が考えるより難しいらしい。

この繰り越し損失にに固執する理由がある。

それは「今後また事業をやる。2-3億は意地でも儲ける。その時の節税の材料だ。」

今から事業と言うだけでも驚きなのが、「宅建をとる。2-3億儲ける。」と
言うから凄ざましい。

生活も変わった。
急に新聞も丹念にみて、不動産に関係のある催し物には必ず出る。忙しくなった。

当初は家族も笑っていたが、次第にその雰囲気にまきこまれてきた。
今までは彼の隠し金に頼る生活だった。
手に汗したお金でないから、どうしても優雅で甘くなる。
これが親父を見直してきた。
娘の一人が「パパを手伝う。」と乗り出してくれたのも心強い。

心から不動産商売が好きな人、傘寿になってもまた乗り出すと張り切っている。
若くなった。
失敗してもいいじゃあないか。
家族とも生気が出てきた。
ただ投資の最高額だけは決めておこう。

今年は宅建が受かるといいね。










女性が男を扱う時。

2016-01-18 | 事例
社員は役員2名と年取った男性社員が1名の3名。パートが8名の零細企業。
プラスティックの整形では名も通っていたが、社長が健康上辞めることになった。

8年ほど前に会社が回らなくなり、自ら申し出て今は金融債権者は保証協会とサービサーだけである。
殆どの担保は処分されたが、本社は5名の地主から借りた土地に、建物だけが自前の会社。
それももう木造で45年を過ぎて、蒸気の配管など何時も壊れている。買い手もいないから、何とか創業はできる。

社長が一人張り切って回してきたが、後のやり手が居ない。
もう一人の役員は過去の栄光ばかりを口走っていて、人を引っ張っていく能力は0だ。

親せき縁者を探しても居ない。
その社長が目を付けたのが、パートの中の女性だ。50代になったばかりではあるが、
入社して纏め役の居ない工場で、すぐに纏め役になって居た。
電話は積極的に取るし、注文だったら、その手配もてきぱきしている。
役員就任は彼女はすぐにOK、今までのぐうたら役員を社長にして彼女を補佐役員にし、
安心したか、間もなく社長はこの世を去った。

この二人、仲が悪かった。今までパートで、自然の纏め役だった時は、何も言わなかった。
かえって重宝していた感がある。それが正式に役員になって、バリバリやりだすと嫉妬が
起こるのだろうか。有らあゆることにケチをつけるようになった。
しかし、反面、彼女が辞めたら困る。自分にはできない。いじめ方にも頭を使う。

彼女のやり方はすぐに社内だけでなく,外部にも彼女贔屓が多くなった。彼女も自信を強め
業績も変わってきた。しかし内部は目に見えてよくなったが、肝心の業績はどうしても
もう一歩増えない。注文だけはどうしても増えないからだ。

今の社長はかっては営業でに回っていた。が、その横柄な態度と納期などの約束を守らないために
すっかり得意先が離れたしまったのだ。でも今の時代、買う方もよいメーカーは無いはずだ。
かって、いろいろあった現社長でも、頭を低くして誠意をもって回ってくくれば、品質は優れているこの会社。
注文も出るだろう。何とか社長にそうさせたい。

悩んでいるその時、あるコンサルタントが言った。
「確かに、この会社の欠点は営業が弱いことだね。でもみんながその気になれば復活はできますよ。
 出来ないには、役員2名が仲が悪いからですよ。
 
 私に言わせれば、女性のあなた次第でできます。
 自分がやったことでも、男性の手柄にしてやれば、男なんてたちまち変わってきます。
 ガミガミ言っては駄目です。優しく煽ててごらんなさい。これ以上言わなくてもあなたには分かるでしょう。
 面白くないかも知れないが、人はそういうことは見抜いています。
 結局は貴方の為になります。」

考えたこともなかった。
人が驚くほど様変わりをした。
当初社長が一番驚いた。しかし社長も変わってきた。何より会社の雰囲気が変わってきた。
社長が何年ぶりか出張してとってきた注文が、何より工場の意気を上げた。

落ちこぼれのこの会社、何か延びていくような気がする。



零細企業同士の買収

2016-01-13 | 事例
「今年はついています。」
と飛び込んできた知り合いがいます。
聞けば、今後扱いたいと思っていた部門だけが纏まった小さな会社と知り合ったそうです。
ズバリその会社を買収したく、そこの旦那、つまり社長と交渉中でした。ところが、師走も半ば、旦那は交通事故で急死したのです。
残った家族で旦那の後をやりたいという人は誰もおらず、結局はただ同然で株を全部譲ってくれると電話があったそうです。
株があれば会社も自分の物と同じです。
知り合いは喜びを隠し切れません。

「でもね」
反論しました。
その会社の内容を把握していますか。特に債権者を掴んでいますか。
会社が自分の物になるという事は、その会社の借りて借金も自分の物になります。
借金について責任を負うため、多ければ大変なことになります。
借金の明細はご存知ですか。

ところが知り合いの返事は、予想もしていませんでした。
その借金は奥さんが全借入の保証をしています。
旦那が死んだから今では奥さんしか保証人は居りません。
奥さんはこのことをよくご存知で、間近く破産をするらしいです。
そうすれば、借金について責任のある者はいなくなります。
こちらに回ってくることもないでしょう。

彼は8000万の借入れは保証人の破産によりなくなると思っているのです。
債務者は会社という概念がどこかにすっ飛んでいる見たいでです。


中小企業で何も知らない親父さんの会社、こんな考えの人は結構いるのではないでしょうか。

この会社も偶然私のところに来たから、株の買い占めでなく、営業譲渡の形に切り替え交渉します。
会社そのものの譲渡を受けたならば大変な事になるところでした。

「今年はついています。」と勇んできましたが、そのために大きな損失につながることを免れました。
確かについているかもしれません。

初詣

2016-01-03 | 雑感
以前は正月と言えば、まず近くの天神様、大晦日の夜中に初詣、明るくなると京王線沿線の深大寺、
大国魂神社・高幡不動とお参りするのが常だった。
最近の元旦は天神様のみ。それも夜が明けてからだ。
やがてそれも崩れて元旦に初詣もしない年も出てきた。

天神様すら、初詣の列が鳥居の外までつながっていて、待つだけでも小一時間はする。
大國魂神社など、鳥居をくぐって、お参りが済んで鳥居を抜けるまで人込みを3時間は我慢が必要。
初詣というのは、こんな人込みを待つのと違うと思うようになったからだ。


今日も我慢して天神様だけはお参りした。その足で深大寺に行こうと思ったがふと違う考えが湧いた。
「いや何時も散歩の途中で見かける小さな神社はどうなっているのだろうか。」
普通は閉め霧になって居る小さな神社。
その神社やお寺を2-3回って見よう。

さすがに何時ものように閉め切りの処はない。氏子か、2-3人から5-6名の人が居る。
お札も破魔矢もあるのか無いのかわからないが、何となく正月気分がある。
私が何十年前に、初めて布田天神を初詣で拝んだ時とそっくりだ。
「本当にここを好きだからお参りにきているんだ。」
何か急に嬉しくなった。
こんな気持ちが次第に信仰になるのかもしれない。

一つ一つの理由は省略するが今年の景気は回復すると思っている。
これらの人を本当に見守ってくれるのが、こんな産土神だろう。

大きな神社仏閣はいつでも訪れることはできる。
こんな小さな神社、明日も回って見よう。