かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

手形を割る苦労

2011-02-28 | 事例
「儂だってこんな事、素人だから何も解かりません。
 税理士の先生に聞いたら、ではこれに判子を貰っておきなさいと云って、
 此の文章を呉れました。これに捺印願います。」
手形を割って貰うのに、何か、準金銭消費貸借と云う難しそうな契約書を
手渡されました。

倒産してから8年、同じ場所で同じ商売を続けて居ます。
借地で建物が古く壊れそうのために競売3回でも売れないのです。
それが幸いして同じ場所に居られます。

しかし此の8年、一番苦労したのは利益を出すことも勿論ありますが、
其の資金繰りでした。信金は何とか第2会社に手形用紙は呉れましたが、
勿論貸しても割ったも呉れません。何時しか手形に頼るようになりました。
そして其の決済に苦しむようになって居ました。

手形回収も結構有るのです。
全部割らないと手形は落ちないし、パートの給料も払えません。

最初はロプロ専門でした。
最初、手形割を依頼した時は煩かったです。
「決算書を2期出せ。」から始まって。銘柄なども、いちゃもんをつけて来ました。
しかし1年ほど続けると、逆によい得意先と見てか金利も下げてくれるし、
銘柄も文句を言わずに割るようになりました。
ロプロは当社の銀行でした。

SFCGが倒産した頃から当社の手形割りもひどくなって居ます。
此の辺りまでは、手形さえ割れば其の日暮らしでも何とか回っていたのです。
此の辺りから、ロプロも手形を割らなくなったのです。
2009年の夏までです。初冬にはロプロも更正法申請をして居りますから、
その4ヶ月前くらいまでは何とか割ってくれたのです。

しかしこの時はロプロの変わりは直ぐに見つかりました。
中小企業信用機構と云う会社を教えてもらったのです。
この会社ならロプロ以上に、当社頼っても大丈夫と思って居ましたが、
振興銀行があんな状態になって此処もおかしくなり始めたのです。

昨年、詰まり2010年の夏から割らなくなりました。
丁度こんな頃、あのロプロから電話が有りました。
「手形割引再開します。」の声に喜びましたが、ロプロは以前のロプロと違いました。
銘柄に煩いのです。
ものに成りませんでした。

今迄手を出したことの無い消費者金融やビジネスローンを当たりました。
此のときになって総量規制と云う不便な法律が出来たことを初めて知りました。
私なんか、年金が有りますから給料は10万以内にして居ります。
年金合わせても年収400万以下、総量規制のために、何の足しにも成りません。
それでも2ヶ月は助かったでしょうか。

困り果てたところに現れたのが仕入先でした。
話の弾みに割ってくれることに成ったのです。
2ヶ月続いたら其処が取引銀行に怪しまれたのです。
今までの割引の500万が急に800万に増えたのですから、
普通ならばおかしいと思います。試算表の提出と説明を求められました。
悪いことに其処の社長は、彼の手形を割るのに、会社を通しては居りません。
結局これも4ヶ月で駄目に成りました。
それが、此の一月の末です。

彼は、小金が有るか、手形割引の枠に余裕のある人には内職として
手形を割った呉れる人も入る事が解かったのです。
では割引枠の有りそうな人を見つければよいのです。その気にさせましょう。

そして漸く一人に目をつけたのです。
こんなこと、初めてと云う人は税理士の契約書さえ捺印すれば大丈夫と思って居ます。

彼はうまくいけば、後1回か2回続く感触を持ちました。
今度こそ最後の覚悟が必要でしょう。

倒産するのに一番の気がかりは、本当にすってんてんの生活、
せめて3-4ヶ月の食い扶持を持って倒産したいです。
現金ではどうしても残りません。
あるいは手形ならば残るかも知れませんが、割れません。
期日落ちまで待つ余裕が無いのです。
手取り18万の年金だけで、夫婦と出戻りの娘、それに其の子が3名、
あわせて6名の生活をしないといけないのです。
でも、その時は地代の30万は払えません。
村八分を覚悟して借地に居座るとしても限度が有るでしょう。
此の方法さえ見つかれば、倒産を覚悟します。

2月度が過ぎます。
3月も今のところで割れるでしょう。
4月をターゲットに、今度こそ倒産を考えます。


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別れた亡夫の遺産

2011-02-25 | 事例
元の夫の死に顔は安らかでした。
彼女の気持ちなど微塵も疑って居りません。
自分の子供は何処に居るやら、一言も口に出さず、
別れた妻の手を握ってあの世に旅立ちました。

バツイチ同志の結婚。彼女は一人息子を連れて、
夫の方は3人子供が居るらしいですが、女の方が引き取って
生活して居ります。彼女の息子は夫と養子縁組をして居りません。
籍は夫とは無縁です。夫は小さな町工場を経営し、息子はそれを手伝った居ます。
今の自宅は彼女が前夫と別れた時に財産分けしたもので、最初から彼女の名義です。

結婚してから二人は、近所に収益物件を手にし、半々の共有名義にして居ります。
後は目につく資産は有りません。

彼女は夫の会社の帳簿をつけ、資金繰りをして居ります。
工場は20キロ位離れて居りますが、帳簿付けは自宅、銀行も自宅の近くです。

会社は低調です。夫は元気が有りません。
そんな夫を見ているうちに夫に嫌気が差してきました。
「別れたい。」と思うようになったのです。
「あの収益物件を頂いて別れよう。息子は夫の工場に居れば、
 やがて工場は息子のものに成る。」

考えれば早いです。
銀行借入の保証は夫だけです。返済猶予をした後、夫をそそのかします。
「ひょっとすると工場、危ないかもね。自宅は私名義だから安全だが、
 あのアパートは共有物件だから無くなる可能性が多いわね。
 之を今のうちに守って置きましょう。」

彼女は夫と偽装離婚をしたのです。
先ずは別居です。夫は会社の近くにアパートを借り、実際に移り住みました。
「暫くの間よ。こうしないと本当の離婚と信じて貰えないから。」
そして今迄は夫が運んだ伝票を息子に運ばせて、会社の資金繰りだけは
握って居たのです。
収益物件は彼女のものに成りました。

会社は、返済猶予をしても、受注減は之を上回り、ますます悪化を辿ります。
急に独身生活になり、しかも気苦労の夫は「背中」の痛みをこぼすようになりました。
別居を始めて4ヶ月目に夫はたまらなくなり病院に行きました。
膵臓癌、しかも癌は体の各部に転移して居ますとの事です。
医者から「後3-4ヶ月でしょう。」と囁かれました。

彼女にはそれを聞いても悲しみは有りませんでした。
「息子の承継が自然に早くなった。」内心はほっとしたのです。
でも今の工場は夫の借金があるこれを息子に引き継ぐことは出来ない。
「それには第2会社をつくば良いと聞いている。」
第2会社は難しくは有りません。
しかし、いざ検討をすると、返済などしなくてもどうやっても赤字。
息子が引き継いでも駄目です。そこで考えたのが破産です。
1日も早く破産させたほうが残ります。

工場と夫が破産するのに50万で良いという弁護士が居りました。
弁護士に一任する事です。
入院中の夫に話して同意を取り付け、弁護士にも病院に出向いて頂き、
破産申請を正式に依頼しました。
これで次回の支手は不渡りです。

弁護士には会社個人とも通帳と印鑑とを渡しました。
不明の点が有れば、彼女と息子に聞いてくれと夫に頼んでもらいました。

此のときに彼女は、今ある最後のものを全部貰いたいと考えておりました、

回収した手形が有りました。
息子が乗っていた車は欲しいです。
機械類は若干のお金になるかも知れませんがこれには未練を残しません。
個人でかけていた生命保険や医療保険はどうなるのでしょうか。

手形は裏書をして隠して居ましたが、弁護士に聞かれました。
「夫が何か使ったでしょう。身辺に色々有ったみたいですから。」
弁護士はそれ以上追及しませんでした。
保険の事は此方から有ると云いませんし、聞かれもしませんでした。
車は評価が安かったでしょう。これも息子のものになったみたいです。
機械類は仕入れ業者の方が処分したらしいです。

破産は無事終りました。
それを聞いて夫は安心したかの様に他界したのです。
彼女の手を握って。

野辺の送りを済ませると保険の請求です。
大誤算が発生しました。
彼女も息子も相続人では有りません。
受取人が本人となっていれば相続人でないと駄目だそうです。
夫の元の妻の子供を捜さないと駄目との事です。
医療保険のほうも同じです。病院には立て替えて払って居ます。

それでがたがたして居る時、ともに仮差押に成ったのです。保証協会です。
偶然に会社を訪問し、残務整理をしている息子と会いました。
何も知らない息子はべらべらと社長の死や、雑談として保険の事も喋ったみたいです。
後で知っても間に合いません。
保証協会は之を差押えると借金の殆どは解決します。

手形だけは何とか現金に成りました。
息子は職探し、若いけれど無いみたいです。

最後に大魚は釣り落としましたが、私の資産獲得、まずまずだったと思って居ります。


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共有名義の差し押さえ

2011-02-22 | 事例
まさか仮差をしてくるなんて、彼は思いもしませんでした。
第一、此の自宅は3人の共有名義です。母が20%、妻が10%残りは彼です。
共有物件は競売に成らないか、また、競売をしても売れないと聞いて居ました。
それをやってきたのです。

元の会社の同僚です。
毎月保証料を3万円呉れると云うので、つい1000万の保証をしたのです。
保証は気をつけろと言う事は聞いて居ました。
しかしつい目の前の3万に目が眩んだのです。

貸して居たのは信組です。設立が新しいので保証協会の保証は取れません。
保証人で1000万を融資したのです。そして、3ヵ月後に同僚は姿を消しました。
独身だったので身も軽かったのでしょう。

サービサーに譲渡されると信じていた彼に、信組は「譲渡はしません。
最後まで私どもが回収させていただきます。」と宣言。
毎月5万の約束をさせたのです。
でも支払いは3ヶ月後からで頼みました。彼に魂胆があったのです。

彼の自宅は母親名義です。信組も手を出すことは出来ません。
前の道は整備された市道ですが、彼の家の回り9軒が整備から取り残された格好です。
以前から此の工事が話題になって居ましたが、丁度此の頃、
正式に工事が始まろうとして居ました。
母の家も立ち退きです。彼は之を考慮して居たのです。

彼は同じ市内に立て替え地を探しました。
其処に建てたのですがその費用は母が得た補償金です。
之を借りたと云うことで家の70%は彼名義、20%が
母親で10%が妻です。
知人が「銀行の保証人でトラぶっているのでしょう。
貴方は所有者に成らない方が良いでしょう。」
と云っても平気です。

「此処に引越す事は銀行に内緒です。解からないですよ。
 それに万一解かっても大丈夫のように3名の共有としました。
 だから私が弁済をしなくても此の家は安泰です。」

言葉を続けます。
「ある人から教えて頂きましたが、共有の時に裁判所は説明書に
「此の物件は共有であるから買った人は住む事は出来なく、
 且つ賃料を貰うことも出来ません。」と書くそうです。
 そんな物件買ってもお金を捨てるのと同じです。売れるわけは有りません。」
確かに平成10年頃はこんな文句も見かけました。
しかし法の運用は、時代とともに変わる事は忘れて居ます。

知人もそんなに強くありませんから、そうですかと引き下がったのです。

彼の一家が突然居なくなりました。新居に越したのです。
彼は、もう支払いは解消したと張り切って居ます。
住所がわからないと交渉も出来ません。
保証人になった時に勤務の神社は解かって居ますが、
ここが彼の現住所を教える事は有りません。
新住所は住民票から十分に解かりますが、そんな事は忘れて居ます。
これで保証債務から開放されたと浮かれて居ました。

そんなある日、彼が帰宅すると門のところに二人の男が彼の帰りを待っていました。
信組の人です。
しかし今度は彼も必死でした。
「払えません。」と云う事です。言い訳も滅茶苦茶です。
 騙されて保証したと言い出す始末です。
其の挙句が「もう帰ってください。」と追い返す始末。
二人が見えなくなると、これで終ったと安堵の息です。

ところが此の日から10日ほど経って裁判所から書類です。
仮差の書類でした。勿論支払いの訴状も入って居りました。

頭にきた彼は信組の担当者を呼んで八つ当たりです。
「差押えても競売も出来ないものを、何で差押えるのだ。」
と彼の共有に対する知識をぶち広げます。
「こうしないと貴方は冷静に話し合いの場に乗っていただけ無かったでしょう。」
と信組は落ち着いて居ます。
「私ども貴方の給料の差押をしても良いですが、そんなことをして勤め先を
 失うともっと困るでしょう。」
とジャブを入れます。
「共有物件は、今は幾らでも競売に成ります。
 1つは共有を分割所有にして差押をする方法です。
 ある広さが有れば、此の方が良いでしょうね。
 それよりお宅のように分割も出来ない広さで、共有者が家族で、
 持分比が少ない場合は、共有者の分まで全部を競売にしますよ。
 それで売れた後、持分比で共有者に配当するのが普通です。
 ですから簡単に競売は出来ます。」
彼が此の家を建てたお金は、実質は母のお金である。だから此の家は母のものだ。
と力説してもそれは裁判所でご説明願いますと取り上げません。

結局彼は母からお金を借りて半分を支払い、半分は4年分割で話を纏めました。

彼が逃げようとした心、それと間違った知識が彼を不利にさせたみたいです。


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払わなかった支払を 払うまでの迷い

2011-02-19 | 事例
彼だって払いたいです。でも払えないだけです。
只、もう当分此の仕入先から仕入れは無いでしょう。
だから仕入れが発生する方に払って、仕入れが無いところは
少し待って貰おうと云う魂胆です。此処はそんな仕入先です。

2年近く払って居りません。
得意先の倒産で急に払えなくなりました。其の頃から1段と売上も激減です。
どうしても払えません。
当初は非常に気になって居ましたが、何時しかマンネリとなり、
払わなくて平気になりました。
でも、銀行返済を止めた事と、受注が若干上向きになった事とで、
支払が出来そうな気も有ります。

しかし、仕入先はこれ以上待ちきれんでした。
それどころか、自分が思い切った縮小か廃業を余儀なくされようとして居ります。
昨年12月始め、最後通告を彼に送りました。

「今年中に全額払ってください。お支払なきときは弁護士に
 依託し法的処置を取らせて頂きます。」

「払えといっても無理だ。今年中などに払えるはずが無い。
 法的処置と云っても差押える物は何も無いよ。あえて言えば売掛金だけだが、
 儂のところの売先は仕入先も取引している。そんな処を第三債務者として
 差押えすれば、儂ばかりでなく、仕入先まで得意先に睨まれるだろう。
 だから、売掛金は無いだろう。」
昨年中は、彼は放っておいたのです。

情勢の変化が起こりました。
暮から注文が飛び込み、続きそうです。5回分割くらいならば払えそうです。
それに仕入先からは、返事をしなくても何も云って来ませんが、噂によると
廃業が有そうです。そうすると得意先など怖くないから、売掛金の差押を
やる率が高くなりそうです。
彼は遅くなりましたが、一月下旬、慌てて仕入先に返事を送りました。

「2月末から5ヶ月分割でお支払します。ご承認ください。」
そして念のため、侘びを兼ねて、相手の社長に電話をしたのです。

相手の社長は冷たかったです。
「返事は12月中にとお願いした筈です。無かったものですから私は
 処理を全て弁護士に依頼しました。もう決めた路線は変更は無理と思います。
 したがって此の件も、どうしてもと云う場合は、弁護士と打ち合わせ願います。」
彼は送った文書だけは弁護士に回してくれと頼むのがヤットの状態でした。

しかしそれから小1ヶ月、弁護士から何も云って来ません。
反対ならば、その旨の通告が有り、訴訟になって居そうなものですが、
今のところは平穏です。
しかし、2月末までにはもう1週間しか有りません。

彼は自分が相手に送った「2月末から払うといった第1回分」を払うべきか、
払わざるべきか悩みました。

若し払っても相手が訴訟を起し、差押え有ったならば、当然彼は其の得意先とは
取引中止となり、支払は無駄になります。
また相手に示した支払計画は相当無理した計画ですから、
途中で挫折するかも知れません。その時はそれまで払ったものが無駄になります。

でも、今現在は彼は次のように割り切って居ります。
「弁護士が何も言って来ないと言う事は、儂の返済計画を見て、
 第1回の実績を見て居るのではないだろうか。それが出来るならば、
 後も大丈夫だろう。そうすれば訴訟なんて云って居る間に、入金は有るし、
 訴訟の費用や手間も掛からない。そう読んで様子を見ているのでは無いだろうか。」

彼は弁護士にも支払計画を書いて送ります。
そして、2月末までに何も変化が無い場合は振り込みます。

そうすれば、相手はもう訴訟など出来ないでしょう。差押えは止まります。
気が重かった2年越しの借金、ここで綺麗にします。


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気違いじみた借金の回収

2011-02-15 | 事例
「此の四半期は新規の債権は殆ど購入できませんでした。しかし手持ちの債権の回収に力を注ぎ、
 回収額はむしろ前四半期を上回りました。」
数字の説明もついて居ります。上場しているあるサービサーの営業報告です。
新規の債権買入は殆ど無いのに、回収額は前四半期を上回って居ります。

そう、と云うのはサービサーの回収が今迄よりきつくなって居ることを意味します。
きついってどんな事でしょうか。
相手は法務省の管轄化にあるサービサーです。
許されたことしか出来ません。
「全て法で許されたことしかやって居ません。きついと言われても困ります。」
しかしそうでしょうか。
1例をご紹介します。

元金1400万、遅延損害金1660万、此の債権がサービサーに譲渡されたのは3年前です。
最初挨拶程度の文章が来ただけで、放っておいたらそのまんま、後は何も連絡有りません。
「何か言ってきたら和解にしよう。100万で十分ではないだろうか。最悪の時は150万か。」
彼はこう考えて居ました。

1年程過ぎたある日、急に電話がありました。
高姿勢でした。
「文書で債権は私どもに移った。そして振込銀行と担当者まで連絡しました。それが梨の礫です。
 一寸誠意が無いのでは有りませんか。直ぐに返済をお願いします。」と云う趣旨です。
むっとしました。
「和解をお願いしたく待って居たのです。御社からも何も連絡が無かったものですから。」
何か売り言葉に買い言葉になった見たいです。

100万円で和解したい希望をその時に伝えました。
担当は、稟議を通すため、決算書と彼の所得証明を希望したため、所得証明は断り、決算書を送って居ります。
100万で和解が出来ると彼は信じ込んで居ましたから、言われるままに明細もつけて送ってしまったのです。
最悪の場合は150万出せばと思って居ましたが、其の必要も有りませんでした。

サービサーの答えは稟議が通らなかった事でした。
彼が幾ら異議を言っても相手にしません。のみならず、訴訟を申し立てたのです。

彼はチャンスと思って、裁判の場で100万での和解を申し立てましたが、サービサーは之を蹴り。
不調に終り債務名義が渡ったのです。
支払の訴訟に債務者が和解を申し立てるのは、最低でも其の額が払えると云う事ですから、
それで手を打つ債権者は居ない様です。無駄の申し立てです。
遅延損害金まで入れた3060万で敗訴しました。

裁判の直後、彼に電話が掛かってきて居ります。彼はこの時に初めて150万の線を出しましたが、
「単位が違います。」とそれ以上話す間もなく、電話が切れました。

それから十日ほど過ぎてからです。
1軒の得意先ら電話が有り、売掛金の差押を知りました。
「差押をするならば、まず預金と聞いて居る。」
銀行関係は最大の注意をして居りましたが、得意先は無防備です。

決算書から的を絞ったみたいです。10軒ほどでした。
銀行も差押えられ、丁度債務名義一杯押えて有ります。
やられたのは、350万ほどです。

得意先に平謝り、何とか取引だけは続行できました。
其の話が収まった頃、サービサーは差押を取り下げてきました。

「これでもう何もかも終わりだろう。安心して居れるな。」と思って居た矢先です。
今度は売掛金のみ、また差押さえが有ったのです。今度は前回より軒数を増やして居ます。

差押さえの取下があった時は、むしろ、もう1度直ぐに差押さえが有るということだ。
差押さえ後教わりましたが遅いです。
得意先には何とか誤魔化したものの、此処で愛想を着かされた得意先が何軒も有ります。
殆どの得意先から、「今度有れば即取引中止ですよ。」と念を推されて居ます。

そして不味いことには、前回差押さえが出来た得意先は今回も出来たのです。
完全に弱みを掴まれました。

そして前回より早く差押えの取下げが有りました。
差押えの予告でしょうか、
今度有れば完全に企業は成り立てません。

自分を押さえて和解を申し込みました。
「一体幾らをお考えですか。」
「当社には払うお金など全然無く、運よくスポンサーが居ました。スポンサーは800万と云って居ます
 が。」
一寸待ってくださいと10分くらい電話口で待ちました。
「残念ながら当社は其の額では無理です。全部で3060万ですから3000万、丁度でしたら可能です。」
淡々と言う担当の言葉が彼に突き刺さりました。

相手がどうなっても回収はするのだ。いま、何でもこんな傾向です。
でも1段とサービサーには強いみたいです。


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後継社長に失敗

2011-02-12 | 事例
信金の専務が保証人の彼に示した条件は次の様なものでした。
「子会社のK国産材を続けるならば信金は応援します。
 勿論今回のS材木の保証の弁済は直ちには求めません。
 ただし、K国産材をやって行くには条件が3つ。
 1つはS材木を弁護士が介入した任意整理をしてください。
 それからK国産材の社長を今のS社長から変えてください。
 その時にS社長の身内はご遠慮願いたいのですが。
 三つめは、此処の保証も貴方にお願いしたいのです。
 今のままですとS木材はもう直ぐ破産ですよ。此のままですと
 保証人の貴方にも御迷惑をお掛けします。」

彼の希望とほぼ一致していました。
S木材の借入保証は約1億。彼のところも、他所目は兎も角、
実際には分割しても保証はきついです。
K国産材が続けば、何とか取り戻してくれるのではないか。
そんな考えも有りました。

材木置き場、乾燥倉庫、製材場、加工場など山の麓でも広い土地が有ります。
半分は信金が1位で無剰余です。機械類は殆ど償却済み、S木材を任意整理しても、
K国産材はやっていく場所と機械は有ります。

しかし問題は社長を探すことでした。
信金の専務は、S木材より手広くやっている彼ならば、
簡単に後継者を探せると思ったのかも知れません。
現に彼の工場からS木材に何回も技術指導に行っている社員も居ります。
そんな状態を信金は全て掴んで居ります。

S社長には一緒に働いている娘婿が居ります。
此の娘婿ならば、むしろ後をやりやがって居ります。
人柄を見ても悪くないと考えて居ますが、信金は身内と云う事で賛成しないのです。
こんな山里の材木屋、社長に成れそうな社員も居りません。

彼は技術指導をした社員にも当たりました。同業者にも当たりました。
みんな長いこと噂になって居たS木材を知って居ます。やろうという人は居りません。

これが成功しないと、信金はS木材の保証人として
直ちに1億の請求を突きつけるでしょう。
「最悪は儂とこの支店にするか。その時は社員も
 支店長として転勤もしてくれるだろう。」
覚悟を決めかけた時、社長になる人物が現れたのです。

娘婿はログハウスの販売にも力を入れていました。
そんなころ隣県から熱心に展示場に足を運ぶ人と知り合ったのです。
その人は定職が無く所謂髪結いの亭主、妻の稼ぎで暮らして居る人でした。
木材に興味が有りログハウスとか、発電場で使うチップなどに興味を持って、
其処から自分の仕事を探そうと考えていたようです。

どんな話し合いが有ったのか報酬は40万と云うことで簡単に決まり、
彼の許可を仰ぎに来ました。
人材に困っていた彼に異論は有りません。しかも木材については一端に口を利きます。
信金の専務も了承してK国産材は新しい先導者が決まったのです。
経営どころは会社も良く知らない人間が、社長に決まっちゃったのです。
実務は娘婿が取り仕切る手筈です。

娘婿は利口者。何も出来ない新社長に代わり全部を取り仕切って、
しかも彼や、信金の前ではうまく社長を立てて居ます。
しかし此の社長、実務はやっぱり弱いのです。誰も社長の仕事を教えてくれません。

「会社内を綺麗にしよう。」くらいを除くと新社長の出る幕が無いのです。

しかし、こんな社長でも絶対に必要の時が有ります。
どうしても、新事業導入のために、仕入れ資金、1000万ほど欲しいです。
信金は融資OKの態度です。しかし保証人と新社長の保証が条件です。
新社長は保証は初めてです。何とか借りました。

ところがこの見込みが狂って今度は運転資金までもが詰まってきたのです。
此のときに新社長は初めて本当の資金繰りの難しさ、それに誰に聞いたのか、
保証人の怖さを知ったのです。

其れでも署名をして300万追加融資は受けました。
でも会社の中は回収がどうやら、支払をどうするなど
資金面で騒いで居ります。

次の休日、新社長は故郷に戻り、それから2度と会社にも、此の辺りにも姿を現しません。

娘婿が健在ですから業務に支障は有りません。

信金の面子上造った、頼まれ後継者。
参謀さえよければと思ったですが、甘かったです。
全部の事を知り、何でも処理できる後継者なんて、探せるはずがありません。

会社は少しは綺麗になりましたがそのための月40万は高すぎたようです。

其の後は自然に娘婿が継いで居ります。
信金も認めて居ます。

此の娘婿の後継、あるいは参考になるかも知れません。
また筆を取ります。


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家族従事者の身の始末

2011-02-09 | 事例
「会社、もう駄目か。」
駄目になれば、自分たち夫婦より、長男夫婦、其の子供3名の生活が一番気がかりです。
失業保険もかけて居りません。それより42才の特技1つ無いものに働き口など有るのでしょうか。

以前は次男も長女も此処で働いて居りました。
「此の企業こ家中がすがりつくのは危険だ。」と警告を発したのは、顧問の税理士でした。
税理士は、彼の身内全員が此の会社で生活をしていることに,強く何度も忠告したのです。

税理士は経理担当の次男の特技を知って居りました。
「此の辺り、都会と違ってパソコン教室など無いでしょう。
 しかし興味をもっているお年寄りは結構多いですよ。
 次男の方はパソコンに詳しいですから、パソコン教室を
 開いたら如何ですか。」
丁度近くの会社が閉鎖し、その時に其処にあったコンピューターを次男が
6台ほど事務所に運び込んで居たのです。
「ほら、此のビルも4階が会議室で、空日が多いですから、
 あそこを使用しましょう。電源関係だけチェックをすればよいでしょう。
 それに生徒は、此の周辺だけに折込を流しましょう。
 1度やってみれば解かります。」

簡単な思い付きが成功に繋がりました。
生徒が10名も集まったのです。
しかも2人は噂を聞いて隣町からわざわざやってきたのです。
謝礼は7000円ですから、生活出来るまでに行きませんが何とか仕事の目処は立った様です。

「隣町からわざわざやってきた。では隣町で塾を開いたら。」
これが大当たりをしたのです。此の街よりも一段と小さい街、塾など何の塾も有りません。
味を占めてその隣町にも開きました。
講師も雇い、コースも4コースに分け、長続きを計り成功して居ります。

之を見て長女もその気になりました。
家業の鞄など設計兼デザインを担当し、こうした仕事に興味をもって居ます。
服飾会社に意外に簡単に転職が決まったのです。

しかし長男は違います。
「俺は長男だ。此の会社を守り通す。」
しかし会社の状況の数字を握って居た、弟は居ないし、製品の事に煩かった妹も居りません。
営業が得意と云っても細かい設計やデザインなど不向きのために、
次第に半加工の材料を仕入れし、外注で製品にする様になっていました。
かつ受注もOEMが多くなっていました。
しかし仕事が少ない時のOEMは困ります。
何時仕事が来るか解からないのに、外注確保すら難しいのです。
長女が会社を去って未だ1年過ぎて居ませんでした。

止めると決めたとき、長男は彼に言いました。
「親父、止めてとなると、俺にも希望が有ります。」
長男の言いたいことは次の事でした。
「どうせ直ぐには仕事は無い。その間遊んでいるわけにも行かないし、
 他のことは何も出来ないから今の仕事を何とかするより他有りません。」
と切り出した事は、今の仕事の中にも儲かる仕事はある。
そして一人でも外注などを使えば出来る仕事も有る。
それを出来るところまで続けたいと言うのです。
「此のビルも競売で立ち退きまでには、うまくすれば2年ぐらい住めるそうだ。
 その間は家賃も何も無く住めるから之を利用しないわけは無いよ。」
と調べて居ます。

実は彼も同じ事を考えて居たのです。
しかし全員解雇するのに、自分だけ仕事をしてはと、妙な心遣いをして居たのです。
「自分ではない。息子がやるならば結構なことだ。応援も出来るし。」
また世間にも言い訳の使い分けが出来ます。
廃業ともいえますし、仕事は続けますとも言えます。

2年持ってくれれば妻も年金が出ます。
夫婦だけならば、借家でも何とかやっていきます。
問題は長男だけと思っていたら、自分で答えを出してくれました。
当面はそれで生活が出来るだろうと考えていたことです。

団結して事に向きうには家族全員が一丸となったほうがはるかに強いですが、
其の逆の場合も有ります。
でもこんな時代嫌ですね。


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気になる「何も言ってこない借金」

2011-02-06 | 事例
「差押さえが有る筈だが? 仮に無くても何か言ってくると思うけれど?」
こんな思いの人は多いと思います。

「当社はよそ様と違い、売掛金の差押などいたしません。」
こんな事を言って居たサービサーも担当者が変わると一変しました。
サービサーに移って3年目に債務名義を取ってきたのです。
お店は古い看板をつけて、社名も変えていません。
だから「払える。」と思ったのでしょう。そしていきなり差押えです。
用心はして居ましたが、「まさか此処まではしないだろう。」
と思って居た県庁がやられました。
すると、相手は其の入金が終ると、直ちに差押を全部取下げたのです。
「良かった。」と思ったのは当社の大間違い、次の差押をする下ごしらえです。
近隣の市や町を片っ端から差押えたのです。
執念に驚きました。しかし今度は空振りです。
其処に電話が有りました。「500万で和解しよう。」と云うのです。
相手にしませんでした。それから2年近くになります。音沙汰有りません。
あれだけの事をしたサービサー、今後も黙っているのでしょうか。

「4000万で和解します。」
此の言葉にびっくりしました。原債権は2億4000万です。
第一4000万あれば倒産などしません。
「ご名家でも有りますし、不渡りをお出しになった訳でもない。
 只銀行に返済出来なくなったと云う事です。それに事務所兼お母様の
 ご自宅は義理のお兄様が買い戻していらっしゃいますね。
 4000万は十分に払える金額と思います。」
此方の提示した300万とは雲泥の差です。
驚いたことには、それから1週間もしないうちに訴状が着いたのです。
会社と社長の私にです。話し合いも何も有りません。
たった1回、私の方が訪問しただけです。
訴状も印紙だけで50万近いと思いました。
其のころは、会社は既に無く、私のマンションは競売、
それを機に妻と離婚し、私は安アパートに単身で居りました。
債務名義を取ってどうするだろうと思って居りましたが、
此の訴状後、音沙汰が無いのです。
債務名義さえなければ、とっくに時効になって居ます。
高い費用までかけて、債務名義を取り、5年以上も何もやってこない
其の理由が解からないのです。
私は名義が自分の会社を作りたい。また一線でやりたいのです。
若しそれを待って居るものならば其の執念に驚きます。
一体私は表面に出ても平気なんでしょか。

「債務は2800万です。保証人は社長の貴方とお母さん、それに弟さんです。
 弟さんは他界しましたから奥さんが債務者です。ご長男の自宅の土地、
 お母様の名義ですね。それに義妹さんは担保無しの自宅ですね。
 此のままでは、お二人とも差押えになります。
 保証協会は支払義務の無い保証人です。
 しかし今回は私どもも負担し、1人700万としませんか。
 それでお母さんと義妹さんの分は直ちに弁済お願いします。
 社長は後日分割で700万払って頂ければ結構です。」

こんな約束で1400万払いました。
実質私が払ったことは保証協会も察して居たでしょう。
次は私が700万払わないとなりません。
請求が有れば月に2万くらいは仕方が無いなと
覚悟して居りましたが請求が有りません。
それでもう5年は過ぎて居ます。
何か言ってきたら直ぐの時効の援用をしようと思って居ます。

こんな例だけでなく、「直ぐに法的回収をします。」とか
「ご検討ください。」と云って1年以上何も無い例など意外と多いのです。
放棄したかと思って居ると3年経って言ってきた場合も有りますが、
その時も含めて意外と諦めムードです。

しかし債務者の方は気が休まって居りません。
再生の仕事など、全くの裏方以外には落ち着いて居られません。
債務者・債権者一緒にしたマクロで見ると大きな損失です。

「貴方の債権、私のところで処理しますから。」と囁かれ、
生き返ったように仕事に夢中になり、再生した人も居ります。
こうなって欲しいと思うのは引かれ者の小唄に近いでしょうか。


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サービサーと連絡しすぎて失敗した例

2011-02-03 | 事例
2年越しに決まったことは、「1時金ならば此の和解は270万です。」と云う事でした。
270万、彼にはどうしても払えない数字では有りません。
しかし、弾みでやった友人の保証、癪に障ります。
それにサービサーって粘るほど負けてくれると聞いて居ます。

友人が倒産したのはもう5年以上前の事です。
其の2年前に彼は此の友達を保証して居ります。
特に義理など感じませんから、単に格好良いところをみせたかったのでしょう。
学生時代の友達でした。
「前途有望な企業だからメガ銀もビジネスローンと云って、担保なしで貸してくれるんだ。」
友人が誇らしげに言った事を覚えています。

言い換えれば行きずりの保証でした。したがって、その後も連絡など滅多には有りません。
そんな彼が、いきなりサービサーから手紙を貰ったのです。
「友人の借金を譲り受けた。未払いになって居るから保証人の貴方とお話したい。」
と云う内容です。
驚いて、解からぬままに友人に連絡しても連絡つきません。

サービサーでは彼は熱弁を奮って居ます。騙されて保証したものであり、
かつ彼には弁済する資力など有りません。
そんな彼をサービサーはひるまず追求して居ます。
本人は地方会社の1サラリーマンですが、サービサーは親が県会議員、
親戚にすがればある程度の額は払える筈だと読んで居ます。

金額の話が出る前に、訴訟となり、債務名義を取られて居ます。

此の事は今迄強がっていた彼に、差押を大きく意識させたのです。
差押と云う言葉が急に真実のものとしてのしかかって来たのです。

担当者が冗談ぽく、「家財道具から何まで差押える処もあるそうです。」
と言ったのが身に滲みます。

しかしそれと払いは別です。彼は頑強に払いません。
そんな彼に届いたのが「差し押さえ予告」でした。
振るえ上がりました。しかしまだ払う気持ちは有りません。
5000万以上の借金はとても払えません。

差し押さえ予告通知を貰った彼は、それからは大変です。
何時来るか、何を差押えるかも解かりません。
毎日毎日が辛いのです。こんな気持ちが続くならば
早く来ればよいのにと思っても全然来なく針の筵です。

もうたまらない。此方から電話しようと思って居た時、
サービサーから電話が有りました。
担当が替わったと言う挨拶です。
「そろそろ幾らでも支払が出来ませんか。」
「私も此の件終らせたいです。が、一体幾ら払えばよいのですか。」
彼も始めて金額に触れて居ます。
「いや。払えるしか頂かませんが幾らだったら払えますか。」
逆質問です。
「30万、気張っても50万以上は出来ません。」
サービサーには幾らでも値切れると聞いて居ます。
「それは一桁違います。それじゃあ当社はとても出来ません。」
電話を切りそうなサービサーに彼は飛びつきます。
「幾らだったら良いの。」
「貴方のほうで検討して2週間後の何日、何時に電話を下さい。
これがきっかけに彼は2週間おきに自分からサービサーに電話を
掛けるようになったのです。

「そんな電話、もう放って置けよ。」
そんな忠告に彼は真顔で答えます。
「親父が趣味で集めていた懐中時計が有ってね。
捨て値でも2000万は下らないと言って居たよ。」

しかし此の律儀さが逆にサービサーにやる気を与えたのです。
「普通の人は、放っておかれるのが一番よいのです。
それを逆に絶えず連絡取りたがっている人とか、相手の動向を
 絶えず知りたがっている人は、何かやられると困ることがあるからです。
 そうした人は我々も徹底してマークします。」
RCCの部長が言ってたのを思い出します。
此のこの代表的サンプルでした。

サービサーは漸く和解金は1時金で270万と云う線を出し、後は何を言っても譲りません。
彼は其れでも2週間後と連絡を図っていました。

しかしそれにも関わらず、此の繰り返しを1年近く続けて、
いきなりサービサーは彼の給料を差押えて来ました。
其処の社長から父親の耳にも入りました。
彼は言われるままの270万を払い、和解は成立しました。

真面目な連絡の約束、律儀に守ったが故に、ひどい態度をとられたようです。


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