かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

どこか違う 金融円滑化法の延長

2011-04-29 | 事例
「いいですか。貴方は今迄返済猶予をおやりにならなかった。
 立派な実績です。出来ればやらずに済めば貴方の今後が違ってきます。」
担当と融資の課長の二人ならばまだ解かりますが、もう一人出てきて、
物静かな口調で此方の事を心配して居ます。2回目の話し合いです。

メガバンクの1つです。
保証協会付が2500万、プロパーが2000万、計4500万ですから、
この支店としても小さい取引先ではないかと推測します。

震災の影響か、主力だった東北地方の受注は0に成りました。
それより入ってくるべきお金が軒並み回収できなくなったのが響いたのです。
資金繰りは一気に悪くなりました。

しかし未だ預金残は有ります。普通だったら返済猶予などせず、十分に回ります。
今の状態ですと3ヶ月は持ちません。しかも好転の兆しも全然わかりません。

「震災被害の方に対して、公庫で融資をして居ります。
 貴方のところは公庫から借入はまだないし、決算書も悪くないですから
 非常に見込みが有ります。返済猶予の前に公庫を当たったらどうですか。
 それから、今月は返済日まで日数がなく、事務的にも間に合わないので、
 公庫の結果如何に関わらず、ご返済はお願いします。」

前回来たときの話です。
今月から返済は止めたいのです。
元利合わせて110万の返済は今きつすぎます。
又、今は借りても返済のために借りるようなものです。
公庫から借りてメガ銀に返済してもメガ銀は良くてもこちらはややこしくなるだけです。
それより金利だけにした貰えば、たとい注文が全然なくなっても今年一杯は繋がります。

気は載らないが参考のために公庫に聞きました。
売上の割りに借入が多く、難しく、審査にも時間がかかりそうです。
自分で駄目と結論付けて、もう1度メガバンクにお願いです。
そしたら今日は3人で応対してくれました。
「保証協会が間違いなく、今の借入と関係なく、震災用の別枠で貸せるからそれを借りなさい。」と云います。
「其のほうがお宅のためですよ。」と真剣なまなざしです。

彼はこの震災保証の事を新聞で見て、直ちに保証協会に電話をして居ります。
その結果、別枠といっても、売上に対する総枠規制が有り、彼の場合は、
売上減少によって枠が非常に小さくなり、今ははるかにオーバーしている。
震災保証もNOと云う返事を貰って居ます。

しかし今日は、3人の顔を立てる意味で、一旦引き下がりました。
それで、預金を全部他行に移しました。
今度はもう電話で再度お願いです。何か云われても元金は払わない覚悟です。

話は一転して違う人です。
Bは料亭をやって居ます。
信金1行から4億2000万の借入です。
保証協会付きは6000万しか有りません。
2年前に一旦元金0にお願いしました。
1年据え置きで半年毎、支払額を話し合って居ります。
この場合、其の都度30万づつ元金返済を増やして居ます。
しかし此処も昨年から売り上げはガタ落ちです。
次の切り替えは4月末ですが3月からもう1度元金0に返済猶予をお願いしていました。

ところがこれが予想に反して大変でした。
当初お願いした時は、まだ法律もなく、リスケは大変だと思って居たのが以外にすんなり
認められたのです。
今度は法律も出来た居ます。「すんなりだ」と思って居たのが、支店長自らこれに首を
突っ込んできたのです。
「当初の経営改善計画が狂いすぎて居ります。お手伝いしますから、しっかりした計画を
 造りましょう。本部が煩いのですよ。」

それから支店長は3回も訪問して、其の都度2時間を費やして居ります。
完全にBのところの内情を掴んだと思います。個人資産までわかったでしょう。
漸く支店長の納得する利益計画は出来ませんが、構築したのはBで支店長は内容について
調べただけです。

それにしても露骨に資産調査をされたような気がします。
こうまでしないと今の金融円滑は出来ないのでしょうか。
「震災後、何処も何の業種もガタ落ちですから、本部も真剣です。」
支店長の言葉は与信のために調べたことを裏付けるようなものでした。

法の延長があってから、まだ実例はそんなに掴んで居りません。
ともにすんなりいって居ないのです。
以前のリスケに戻ったみたいです。

しかし、貸したり、条件変更したりするのはこれが本筋とは思いますが、
延長を依頼する者の気持ちを萎縮させるのは事実です。


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比較的手持ち資金のある人の返済猶予

2011-04-25 | 事例
Yは不安です。このままで行けばYの資金は今年中には無くなります。
銀行返済が大きいのです。
もう従業員には全員辞めてもらったし、事務所も今月末には解約し、自宅に越す予定です。
今、新しい仕事に手をかけて居ますが、成功すとも失敗するとも解かりません。
しかし、此方が成功するまで、今ある預金を回したいのです。

今までのインテリアの仕事が駄目だと判断し、自分で探し、自分がお客となって、
何回も通った経験から決めました。
今までの経験に無い飲食の仕事です。
それだけに預金は少し持っていたいのです。

月商800万のところに預金3000万。銀行はメガバンク1行です。
昨年借りたのと、此処で最後の仕事の入金が有ったから残は多いです。
この金は、返済より、新事業に使いたいです。

「金融円滑化法があるから。必ず出来ます。預金残が有っても気にせずに、返済猶予を申し込みましょう。」
薦められるままに銀行に申し込みに行きました。
預金は其の銀行に有りますから、銀行に直ぐに指摘を受けそうです。

担当者はインテリア業界の厳しさを良く知って居ます。
しかし、手持ち資金で一寸引っ掛かった見たいです。
「手持ち残が一寸多いですね。しかし、お宅の仕事ならば大きい仕事のときは前途金も
 相当必要ですから、この位は仕方無いでしょう。」
Yは何事もなく返済猶予が出来たのです。
手持ちの額の多少は余り返済猶予には関係ないでしょうか。

Nはコンピューター関連の業者です。
主にホームページの製作などですが、これがピタリと止まりました。

このNも月商は800万くらいなのに銀行には1000万預けて居ます。昨年借りた2000万の残です。
しかし決算書は手持ち現金が4000万になって居ります。
今迄赤字が多く、適当な粉飾費目が無いために、仕方なく、現金残を増やし、黒字決算に
していました。
今の借りれ残5000万は生涯掛けてもNには返済不可能と思って居ります。

800万有れば、返済の月100万を払っても年内は大丈夫です。
しかし、返済猶予が出来るならばやりたい。これもメガ銀の1つ。早速申し込みました。

この場合は銀行の担当者の云う事が違いました。
「貴方の場合、政策公庫、以前の国金ですね、ここが貸してくれそうですね。
 先ずそちらを当たってください。
 それが駄目に時はもう1度話し合いましょう。」
云っても現金が4000万もあれば、お金を借りる口実が有りません。
と云って粉飾ですとは尚云えません。
結局は公庫に断られ、元に戻りました。

粉飾を見抜いたメガ銀の担当者は、Nにお灸をすえたかったのかも知れません。
いずれにせよ、粉飾の弁解に冷や汗1斗。
でも目的は果たしました。

私募債の返済猶予。
Fはどうしてもやらないといけません。
Fが資金に困っている時、助けてくれたのはこのメガ銀でした。
メガ銀は貸付でなく私募債を発行させて全部引き受けてくれたのです。
お陰でFは今迄リスケをやったことが有りません。Fの社債入金は、他行の返済に回ったのです。
お陰でそれまで多かった他行とのトラブルなどは一切消えて、非常によい環境になって居りました。
社債残はは1億8000万にもなって居ました。

其の社債発行をもう出来ませんと通告を受けたのです。
まだ前回の残があるから、4ヶ月位は何処にも返済猶予をしなくても回ります。
其れまでに手を打たないと成りません。

他行は何処も金利だけで了解するでしょう。
しかしこのメガ銀は社債です。社債って返済猶予が適用に成るのでしょうか。

金融庁にも法の対象になって居るか聞きました。
なって居ないそうです。
しかし担当者は「銀行と相談しなさい。社債は駄目だとはっきり書いてありません。
銀行からの債務としてありますから社債も対象に成るという人も居ります。
様は銀行との話し合いです。」毒にも薬にも成らない返事です。

「社債をやった人を知って居ますよ。
 社債のままでは出来ないと全部を貸付金に振り替えたらしいです。それで返済猶予です。」

何と無く出来そうな雰囲気です。
「インターネットでこの銀行が社債も相談に乗ると有りましたよ。」
其の記事はどう探しても見つけることは出来ませんでしたが、力強く感じます。

5月末、もう1度社債の発行を依頼して、駄目の時は返済猶予をお願いしようと思って居ます。
恐らく円満に話がつくでしょう。

以上いずれもメガ銀でした。
地銀や信金ならばモット深刻の話に成ったかも知れないと思って居ります。


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借金返済は延ばした方が得。

2011-04-21 | 事例
「銀行から、今の様な返済を続けていると、完済までに80年は掛かりますよ。
 そろそろ担保を処分した方が良いと思いますが、検討して置いて下さい。
 と云われました。どうしたものでしょうか。」

彼は、以前は機屋と繊維卸を兼業して居り、羽振りの良かった頃に、工業団地に鉄筋の建物を建てて居ります。
今は機どころか卸も全く駄目で、大きな建物の中にあるのは小さな事務所だけ。
殆どのスペースは3社と賃貸をして、其の上がりの殆どを返済に回して居ります。
残が1億3000で、毎年元金の返済は150万です。此の分で行けば完済まで確かに80年は掛かるでしょう。

8年前、卸も行き詰り、倒産だと騒いで居た時に「建物は立派だ。融通性もある。工業団地内だから
借り手も居るだろう。」と賃貸業に切り替えを薦めた人が居ます。
「そしたら銀行の返済は家賃内返済でお願いするのさ。金利以上ならば、今ならば必ず話がつくよ。」
と交渉の仕方まで教えてくれたのです。

当初は入居者集めに苦労しましたが、其れでも半年くらいの内に全部埋まりました。運も良かったと思います。
又最初は銀行も賃貸をするのを渋りましたが、実際の借り手が現れると、意外にすんなり協力的してくれました。
不良債権を出したくなかったのと、仮に売却にしても、賃貸物件にして方が処分する時に、し易いと判断したのでしょう。

彼は夫婦ともに70才代の後半、子供は此処8年のうちに自立して親元を離れて居ります。
自宅は工場から5キロくらいのところに有って、これも共担になって居ります。

年金だけでは少し足らず、家賃からちょっぴり抜いて、後は全額返済に充てて居ります。
それにしても最初借りた時の約束からは程遠い返済金額です。
古い考えの彼は、「こんな此方に有利な返済は長くは続かない。必ず、自宅を手放す日が来る。」と思って、
その時に対する心構えは出来て居ります。

あの時から8年は経ちます。
テナント業も慣れて来たところです。
相変わらず少ない金額で気が引けます。
最近、世間ではモラトリアムとか云って居ますが、彼には関係ありません。
此処で、一軒テナントが入れ替わったので、久しぶりに担当者と話し合った時に、
「80年掛かる。」と担当者の口から出ました。

常々思って居ることです。
「ついに其の日は来た。」と覚悟しました。
「先に工場を処分して自宅はその後だから、自宅にはあと2年くらいは居れるだろう。」
彼は覚悟して、以前に賃貸に切り替えを薦めた人に報告に行きました。

「処分しても、残債を請求しないと云う事で、貴方方夫婦が食べて行かれれば私は反対しませんよ。
 しかし、実際には、工場だけでは不足だから、当然自宅も売られるでしょう。
 残債も請求があるでしょう。
、それで貴方、生活は大丈夫ですか?」
彼が考えている不安をずばり口に出して反対です。
その人は続けます。

「約束通りの返済はしたいですよ。しかし、今後の自分の生きる方法を第一に考えるべきですよ。
 工場も自宅も無くなり、其の上借金に追いかけられたのではたまったものでは有りません。
 そりゃあ、重荷になって居るかも知れませんが、出来うる限り今の方法を続けましょう。」
 
そして自分の考えを教えてくれました。
「債権が不良債権となって、保証協会やサービサーに譲渡される時は、必ず不動産も処分されます。
 しかし金利以上を払っていれば、日本中がそうですから銀行も貴方だけを不良債権には出来ないでしょう。
 銀行が何と云って来ても金利以上は払っている。之を続けましょう。
 今の家賃内返済で十分です。
 銀行は不良債権には出来ず、返済を認めるより仕方無いでしょう。

 死ぬまで続けましょう。
 お亡くなりの時は、息子さんが相続放棄をすればすべてが終ります。
 不動産は貰えませんが、借金には追われる事は有りません。」
こんな大意でした。後は交渉の仕方など具体的な注意です。

日本中の中小企業が今の借入の完済に100年掛かると云う時世です。
誰もが、金利以上を払っていれば銀行だってどうしようもないだろうと云うのが此の人の見方です。
みんなが払える世の中になれば彼だって払えるようになるでしょう。
只、途中で古家が住めなくなったとか、廃業したような時に、清算をする様にはなるでしょう。
一番多いのは死亡の時ではないかと云う見方です。
だから借金は、引き伸ばしに出るべきだといって居ます。

彼は銀行が何と云おうが、丁寧に断り、家賃内返済の続行をお願いする積もりです。


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返済猶予で競売が防げた筈ですが

2011-04-16 | 事例
「貴方の自宅、ローンを3社で組んで居ますね。 現在の残は合わせて2100万です。
 それに対して物件の時価は高く見積もって1200万でしょう。
 ローンさえきちんと払っていれば、此処7-8年はローンの方が高いですから、
 その間の競売は防げます。こうしたのを無剰余と云うんです。

 其の後位に振興銀行が500万、貴方の知人が500万つけて居ますから、
 全部認められれば、今の銀行は何も出来ませんよ。特に住宅ローンは
 一般の借入とは別個に見られますから、あなたがもう5年は此処に住みたいと
 云う希望は、他に何か無ければ、先ず大丈夫ですね。」

「きちんと払うというのは、全額で無くても、話し合いの額でも大丈夫でしょうか。」
「今、金融円滑化法と云う法律があるのです。此の後盾も有りますから金利以上
 返済していれば簡単には自宅は取られませんよ。」

彼は、ローンだけは無理しても、約束の額だけは返済すると誓いました。

コンサルはそれで話が終った物と思って居ました。
ところが、それから2-3日後に電話です。

「車のローンが返せないのです。金利だけにしろと云いましたが相手はNOです。」
「銀行が金利だけになれば、大丈夫と云っていたのに。
 車ローンがあるとは一言も言わなかったのに。」
其の車が相当な高級車で月に67000円のローンです。
幸い、他店で安いものが分割で手に入りましたから、解約です。
しかし200万の損失が出ました。不良債権の始まりです。

車は他の返済には影響しないと思って居たら、今度は210万円分のカードローン、
54000円が払えないと云う連絡です。
返済猶予の時はカードローンが無いか、当初必ず聞いて居ます。
ないというので安心していたら出てきました。
「友第に頼まれて電化製品を3店から買いました。友達は直ぐに換金化したみたいです。
 カード返済日までには必ずその分を返す約束です。私には資金負担は有りません。
 だから私はカードは無いと答えたのです。」
けれど詳しく聞けば、今回で4回目に成りますが最初から1回も友達は、
入金してくれないそうです。
彼が立て替えて払っていたと云う事です。

「これも払えないな。ブラックに載って銀行が気付くかも知れないな。
 ところで銀行の返済猶予は皆決まったの?」
「住金と年金福祉は金利だけでOKにしてくれました。
 ところが地銀関係はいずれも返事がありません。」
「一寸気になるな。放って置かずに聞いてください。それから決まるまでは、
 今までの金額が払えれば一番良いですが最悪でも金利以上は払ってください。」
「そう思って居ます。」

それから2ヶ月も経たないうちに又電話です。
「地銀が返済猶予を断ってきました。払えないと云ったら期限の利益を
 喪失するそうです。すると住宅ローンの地銀分は当然不良債権に成るとのことです。
 もう直ぐ配当が出来ますから、そうなったら直ぐに競売をかけると云って居ました。
 5年間どころか、今年中住めるか解からなくなりました。」

当初のときは、無剰余だから5-6年は大丈夫と踏んでいたのが大狂いです。
しかし住金も年金福祉もOK、地銀には金利以上は払っていた筈だ。
それを黙って受け取っていて、今更NOとはおかしい。

現実は何処にも何も払っていなかったのです。
「住金と年金福祉はOKと云いました。しかし地銀が返事をしません。
 何回も掛け合いましたが「一寸待ってくれ」と云うばかりです。
 それならその間の支払いはどうすれば良いですか?って聞いたら、
 話がついた時に纏めて貰えば良いと云うので何も払っていません。
 地銀の結果が出ないと他の2行も払っても無駄と思い、払って居ません。」
解かったような解からない話です。

2年前に個人から会社に切り替えた時に、借入金の処理で、地銀と不和を生じ、
その後信頼を欠いたらしいです。
その後、信販会社の保証で、「一切の条件変更は出来ない。」と云う小額の借金を
3口行い、今回の返済猶予で、これもお願いと一方的に金利だけにした事が、
地銀の頭にきたらしいです。
何か色々あって行内的には不良債権扱いだったと思わせます。

彼だって断り、承諾が有ってから金利だけにしたかったのですが、
本業の悪化がそれを許さなかったと云うのが本当のところらしいです。
だから自分で自分の行為を正当化してコンサルにも報告して居たのです。

金融円滑化法の返済猶予が効かなかった唯一の例です。
此のままでは自宅が競売に成る恐れも十分に有ります。
彼が今までのように本当のことを言わなかったり、
勝手な解釈をしない限り何とか切り抜けれると思います。
今度こそ言葉十分に説明します。


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偽装離婚

2011-04-11 | 事例
「これであの収益物件も誰にも取られないわ。」
彼女はほっとしました。
夫との離婚手続きを済ませたのです。
ついで財産分与された不動産の登記も依頼しました。
月に15万の賃料を上げる収益物件です。

彼女と夫とは×一同士、夫は二人の子供を前妻に引渡し、
息子一人の彼女と再婚しました。
その時彼女は自宅を持って居たのです。
彼女の前夫が急死してローンがチャラに成った物件です。
夫はそんなところに転がり込んできました。

夫は小さな鉄鋼所をやって居りました。不動産は賃借です。 
彼女は経理の手伝いをやっていました。
景気のよいころ、蓄財のためにもう1軒不動産を買いました。半々の共有です。
不景気のために、逆に損失を招きましたが、此処から上がる毎月15万の家賃は、
今となっては夫婦には有り難い存在です。

そんな彼女が「此の会社長く続かない。」と思ったのはそんなに古くありません。
漠然とした考えが次第に固まり、それが確かと思うようになったのは昨年始めです。

彼女は「自宅は結婚前から私のもの。保証人でないから取られない。
あの貸家は二人の名義だから差押される。何とか守りたい。それに息子は夫と
工場で働いているが息子のために工場は守り、息子に工場をやらせたい。」
ともに担保では有りませんが、銀行から融資を受けるとき、貸家の存在は
説明して居ります。
真っ先に狙われることを承知です。

「倒産寸前に夫が自宅を妻に贈与すると、必ず詐害行為になる。」
こんなことを聞いて居ました。
「全く他人に売るのならよいらしいが、老後の為にも家賃の入るあの家を守りたい。」
そんな彼女が知り合いから「離婚して慰謝料と云う名目ならば問題は無いらしい。」
と聞いたのです。
「工場は借り物。機械類は大丈夫と思うが親しい友達に譲渡担保にしておけばよい。」
とも教わりました。

彼女は直ぐにコンサルタントと相談して実行に移したのです。
「離婚して同棲して居てはおかしい。別居が条件です。」
之を守るために夫を口説くのが大変でした。
しかし結局は夫は会社の近くに間借りして住民票も
移し、生活も移したのです。
偽装離婚と解からしては成りません。
離婚のための財産分与で登記も終えました。

其の頃彼女の心には別の意識が芽生えていました。
「此の偽装離婚を本物の離婚としたい。」
只、最近の夫が嫌になって居たのです。
甲斐性が無く真面目だけの夫、そろそろ又一人に成った方がのんびり
出来る。と考えたのです。
「世間は既に離婚したと思って居るから問題ではない。肝心の夫が承知するか。
 でも別居を続ければ本当に別れても同じことではないか。」
どう夫に切り出すか、それだけでした。

別れる頃から、しきりに背中の痛みを訴える夫が検査で癌と判明したのです。
入院は彼女が面倒見ます。夫に取ってはまだ本当の女房です。

其の頃、返済猶予で当分は資金には困らないと考えて居た会社が、
注文が途絶えてついに不渡りの見込みとなってしまったのです。
夫は入院中ですし手も打てない、夫と会社を破産することにしました。
弁護士を病院まで連れて行き、夫の意思を確認させて、
弁護士が破産しますと言った夜夫は他界したのです。

生命保険は受取人を彼女に変えておいたから彼女が手にします。
療養保険は彼女も息子も籍は有りませんから、貰えません。
保険会社は、謄本から実子を探り当てそちらに払うみたいです。
でも病院費用は彼女が払っちゃった。面識の無い夫の実子が立替分を
彼女に払ってくれるか解からないのが気に成ります。

葬儀は簡単に済ませました。
此の頃から仕入れ先が自宅に押しかけて来るようになりました。
破産申請は何処にも連絡してありませんが、簡単な保全命令だけは張って居ます。
仕入先は何処も、そんなもの見てないでしょう。
彼女にはどうしてよいかわかりません。
弁護士は、「死んだ個人は破産が出来ないから、会社だけを実施します。」
と云うだけで今後どうすれば良いか相談に載って呉れそうも有りません。
コンサルタントは、「離婚しているが、入院の時から又私を頼ってきたから
見捨てられず面倒を見ました。しかし本当は離婚して居ますから何もわかりせん。」
で突っぱねろと教えてくれます。
其の通りにして大分よくなりました。

昨日銀行から電話が有りました。銀行にも離婚の事は云って居ません。
「ご主人、お亡くなりになったとの事を聞きました。心からお悔やみ申し上げます。
 ところで奥さんには何も関係ないけれど、最近の会社のことについて
 一寸お尋ねしたいことが有りますから明日自宅にお伺いします。」
良い悪いの返事の前に電話が切れました。

何か嫌な感じ。
貸家の名義変更を聞かれたらどうしよう。
其の口実に離婚をした事を忘れ、彼女は悩んで居ります。


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震災のせいにしたい

2011-04-08 | 事例
「東日本大震災の発生で、資金繰りの影響が出て居りますことをお見舞い申し上げます。」
変な書き出し。そんな書類を持って今日セールスがやって来ました。

「ひいては今後のお取引に付きまして、お互いの信頼関係を構築するために
 次の事項をお知らせまたはご検討ください。」
何のことはない、此方の状況を全部知り、かつ取引条件の改正の申し込みです。
個人の取引銀行や不動産を聞いた上に、
 全額回し手形にし、不足の自己手は期間を短縮して個人保証をつけること
 貴社が生動し出荷までのルートに当社を経由する様にして3%のマージンを
考慮すること。
など常識では考えられない条件を突きつけてきたのです。

事の発端は、3月末に、4月の手形のジャンプを打診したのです。
その理由に震災不況を挙げたのです。

そもそも、日本全国の名勝・観光地の土産物にお菓子を卸して居るメーカーでした。
10年前、放漫経営で倒産して居ます。
彼は之を弁護士も依頼しない任意整理で乗り切りました。

第2会社ですから銀行は宛てに成りません。
しかし、最初の頃はまだ良かったです。
大阪に本社工場が有り、京阪が主力でしたが、此の倒産のために地元では
シャットアウト、販路は東北や九州が主体となっていました。
でもその後の経営は、運賃1つをとっても違います。
販路が遠方に成った事は、じわじわ効いてきました。

それに加えて、彼は全国を股にかけた商売が忘れなかったこともマイナスでした。
そのためにリストラも行わなかったのです。
しかし、時代は悪くなる一方でした。
強気の「作り過ぎ」は在庫に化けるだけです。
赤字にこそ成りませんが資金は不足する一方です。
彼は之を販売材料が出来たくらいにしか考えません。
しかし。これからの彼は資金との戦いでした。

第2会社に手形帳を与えた信金が有りました。勿論貸付も手形割引もしません。
しかし手形帳だけは与えたのです。彼は之を200%にも利用したのです。

第2会社になって当初の5年間くらいは手形を少し切ることで逃げれなしたが、
5年を過ぎた頃は支払いは殆ど手形になっていました。
しかも売上は落ち込む一方。彼はパートに払う給料を1部運転資金に回し始めまいた。
最終的には未払いが2年分くらいになって居ます。
パートの口など無いところですから彼のやり方も通ったかもしれません。

不味いことに今まで手形を割っていたロプロが会社整理とかで手形を
割らなくなったのです。
今までの資金不足の上に手形すら割るところがなくなりました。
此の頃になって、漸く彼はリストラに眼が向くようになったのです。

それまで給料の遅配など嫌気を出して辞める者も出てきました。
其の彼等は結託して2年間近い遅延給料の支払いを求めてきたのです。
当初は訴訟にして、勝訴はしましたが、差押えるものが無く、
裁判に勝ってもお金には成りませんでした。
共産党の市会議員を立てて、毎日押し寄せてきます。

此処まで来ると倒産したくても倒産できません。
倒産費用どころか、明日からの生活費が揃わないからです。
以前、「今のうちに倒産しよう。そうしないと大変なことに成るよ。」
と云ってくれた人が居ります。
彼は2度倒産すれば、もう社会人として生きていかれないと頑張ってきたのですが、
今と成ってはそれ以下です。

此の頃に成っての資金繰りは、得意先か仕入先にすがるより有りません。
縋ると云っても騙すことに成ります。
何時刑事問題に成るかとひやひやしながら、仕入先で自己手を割ったりしていました。

長く続かないことは自分が承知です。
でも、惰性でしょうか、今回も更に広くお願いしなければ成りません。
其の中に硬いと噂さされる処が有ったのです。

依頼したのは震災が起こってからです。
取引先が東北に多い。震災を理由にすればよい。と瞬間のひらめきです。
実際には東北の取引は大幅に減少して居ります。

若し、彼の工場が実際に津波を受けてならば、単に工場だけを失うことに成るでしょう。
切ってある手形も落とさなくても世間は認めるでしょう。
古い機械を買えば簡単に再興できます。それも震災の被害を売り物にして。

今日のメーカーは手形ジャンプはしないでしょう。
彼も4月末を覚悟しました。
彼のことだ。何か生きる道を探すさ。こう思って居ります。


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任意売却の駆け引き

2011-04-04 | 事例
「あなたが保証して居ますKさんのご自宅、当社の返済が1000万になるように、
 近く売却を予定して居ります。ご了承ください。」
保証人の彼は、4ヶ月くらい前に「期限に利益の喪失」、3ヶ月くらい前に
「保証債務の履行」と云う内容証明を貰って居ります。
物件は昨年11月に債務者Kから、「あの物件は競売より任意売却が
良いというので本日銀行が紹介してくれた
不動産屋に依頼しました。」と報告を受けえて居ます。 
「あの物件が1000万、少し安すぎないかな。」Kは一寸歯がゆい思いでした。

「残債務は確か2150万だった。1000万が担保の売却で
 返済が出来れば俺が払うのは1150万か。」
債務者のKは小さい左官業。残は彼が払うより他ないでしょう。
彼の自宅兼会社は無担保です。
Kとの間柄は、Kは保証人には迷惑をかけることを自覚し、何でも彼には報告し、
彼の考え通りにすると云う気持ちを持って居ます。
彼もKを責めようとは思って居りません。

「あそこが1000万か。俺が手直しをして新築もどきにして売れば1800万には売れるな。」
彼は内装工事屋です。手直しはお手の物です。
早速知り合いの不動産屋に相談すると、此の辺りは坪100万以上、土地代が1300万、
上物が新築同様ならば500万ならばよいところでしょう。と云う返事、売買費用まで
含めた全ての費用は300万から400万、俺が買ってやろうと思い立ちました。

彼は直接銀行に電話をしました。
「私が買います。」
しかし1日置いた銀行の返事はつれ無かったのです。
「残念ながら貴方様には価格の如何を問わず、売ることは出来ません。」

知り合いの弁護士に聞いても要領を得ません。
競売などに詳しいコンサルタントに相談をしたのです。
「貴方に売らないと云うのは、あなたが保証人だからですよ。
 債務者と保証人には売れないです。
 だから貴方の会社ならば価格さえあえば銀行は同意します。」
コンサルは簡単に売らないという銀行の言葉を解説します。
しかし続けて云いました。
「Kさんが11月に売却を依頼して、最近価格が出たと云う事は、
 買い手が現れたということだと思います。
 Kさんと仮契約でも出来ていれば今から間に合うか危ないですよ。
 何もしてない時は、仲介人は両方を競り合わせようとして価格を吊り上げます。
 それに注意しましょう。
 Kさんから仲介人に彼の会社が買うことを伝えましょう。」
と細かいことを具体的に教えてくれたのです。

仲介人は案の状、価格の吊り上げをやって来ました。
売買代金は、先ず今話中の人も入るから、銀行の取り分1000万を1100万にして下さい。
そのほかに第2担保の解除料50万とKの引越料30万を加えた1180万になります。
それに経費は仲介手数料40万と私どもが隣家との境界線やその他を全て明確に
しますから其の費用50万を出してください。
尚、境界線を決めるとき、実坪は登記簿より若干少なくなっても承知ください。
何のことはない、全部で1270万を払って、登記より土地が狭くなり、
しかも登記費用がこのほか必要です。
これでも、損はしませんが何か足元を見た吹っかけです。
そして「私は専属専任契約を頂いて居ますから、持ち主に代わって何でも出来ます。」
という口ぶりです。

心配する彼とKにコンサルは勇気付けます。
「何が有ろうが競売以外は持ち主の意見が一番強いです。
 持ち主が売らないといえばそれまでで、其れでも仲介人は
 売ると云う事は出来ません。銀行は1000万を入れれば良いと
 云って居ますから、他の諸経費を入れて50万載せればよいです。
 それを云って、相手が嫌だといえば、競売にすればよいです。
 
それに専属専任媒介契約の説明も無かったらしいですが、いけないことですね。
一番おかしいといえる事は、此の契約は11月に契約をしていれば、もう切れて居ます。
それを自分で勝手に日付を入れて自分は正式 な仲介人といっているのが、変ですよ。
関係官庁に云えば、貴方の言い分は直ぐに通ります。

ただし円満に契約できるならば、このままにして、相手が何か脅すようならば、
Kさんが此のことを云いましょう。

結果はKの「此の家は彼の会社に売ります。それが出来ない場合は競売にします。」
の一言ですべてが決まりました。

何も知らない債務者の任意売却、銀行とつるんでいる仲介人には何処かに弱みも
多いみたいです。
自分で納得してから処分しましょう。


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