本局のある都市から離れた他県の山里。国税も二人で良く通ったものです。
延滞金まで含めて億近く有ります。
無剰余の担保すら差押、何年来放って有ります。
嘘は言わない経営者です。
申告は毎年赤字かよくて0です。消費税だけは、確実に滞納として増えていきます。
ありの儘の申告で、国税の調査も良く受け入れてくれます。
それだけに始末も悪いのでしょう。
何回調査をしても差押えるべきものは無いです。
1度、金庫に有った30万位のの回収手形を差押えたのが収穫らしい収穫でした。
普段は金庫に1万あれば良いほうです。
しかし、未収税金が有って、事業を続けている以上国税は回収しなければなりません。
ありきたりの事をやっていたのでは駄目だ。
不動産は既に差押済みですが、先順位が大きく、国税には入らないでしょう。
国税は一気に売掛金を全て差押に入りました。
彼の会社は食品加工をして居ます。金融関係の債務も大きい為、其の差押対策として第2会社をつくり、全てを経由する方式を取っていました。
国税は之の今月分の請求を全額、販売会社に差押えてきたのです。
差押です。集まったお金は全て国税に納めなければいけないでしょう。
会社には1円も入りません。
気違いのように彼は周りの無料相談の弁護士から、司法書士、民商まで
助けを求めましたが誰にもどうしてよいかわかりません。
そして国税ですから怖いのです。
全員が、「もうあんたは助からない。」と野辺の合唱です。
悲嘆のどん底に居る彼は、この時に一人の男を思い出しました。
勝手の倒産の時、アドバイスしてくれた男です。
その後、本社不動産が競売になったとき、奇想天外のアイディアで不動産は何処にも渡らず
彼はすんで居ります。中国工場や北海道の子会社の倒産整理など、幾つもの難問を解決して
くれた人です。
「いい加減に潰れた方が、世の為、人のためだよ。」
軽口を聞きながら真剣に考えて居たのでしょう。
「お前、何としても今日中に現ナマで20万作れ。其れを持って明日朝一番で故きう税に飛べ。
其の20万を先ず差し出すのさ。それで来月から20万づつ必ず払うからと約束して差押を
取り下げてもらえ。いいか。土下座しても御願いしろ。」
「そんな事、出来ますか。」
「出来るも出来ないも、遣らねば、会社は完全倒産だ。遣るのさ。お前が遣るんだ。
20万と云う金額が多いか少ないか解からないが、其れが限度だろう。」
今まで男の言った事に間違いは有りません。
兎に角やあるしか無いさ。
恥も外聞も有りません。
国税に『行ってお願いしたのです。
あっけなく出来ました。
国税も予測して居たような処理でした。
20万を受け取り、「今後間違いなく払うな。」と念をおし、其の念書を提出させました。次々に一番の差押です。
「差押は取下げは出来ないよ。執行を延期してやろう。」と、
「本差押の回収が終るまで50年掛かります。50年間執行延期御願いします。」
と云う執行延期願いを出さして終わりです。
男は彼に言いました。
「言いか、これが最初から販売店直接に差押が有ったならば、こんな事は出来なかったよ。
其れが、伝票経由の卸店に一括での差押だったろう。
国税は最初から本気で売掛金の全てを差押えるつもりは無かったと読んだのさ。
イヤ其のつもりが有っても出来ないと云う事は承知して居たのだろう。
国税も今は直接、販売店に差押はできない。苦肉の策の差押だったと思うな。
しかし、この売掛金、仕入支払が悪いから、実際はひも付きで、販売店から仕入先に直接
送られる分が2/3は有ると聞いている。手元にどのくらい入りそうか国税も調べられない
よ。
そんな無理した差押さ。こうなると最初から計算されていたとは言わないが、
実際にはそうなったね。」
良くわかりませんが、之で又首が紙一重で繋がったのです。
月20万、延滞金にもなりません。
彼は懸命に続けて降ります。
気のせいか、若干楽にりつつあるように思って居ます。
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