かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

返済猶予のネック点

2010-07-31 | 事例
彼の返済防止法の適用は、その銀行においても早い方でした。
何回もリスケの申し込みをして居ります。
この第2地銀はどうしても承知しませんでした。
のみならず、その前の年、平成20年に申し込んだ時は
「返済はしてもらわないと不良債権に成るから、
よいところを紹介します。」と系列といわれる、貸金業者を紹介する有様でした。

今は、その貸金業者の返済も増えて居ります。
「認められなかったら返済は中止だ。」
彼は決意も固く、昨年秋にリスケを申し込んだのですがやはりNO。
そのまま睨み合いかと思われた時に返済防止法は施行されました。

同時に嘘みたいに彼のリスケの要請は通りました。

しかしこの時に既に2ヶ月延滞になっていましたから、
その延滞分と返済が伸びた保証協会の保証料が問題になりました。
「遅延分と、新たに発生する保証料は払って頂かないと返済猶予は認められない。」
と云うのです。両方あわせて120万です。

「冗談じゃない。今頃払えるわけが無いではないか。」
彼は「有りませんから今はお支払は出来ません。何とか努力して、
早急に払うようにします。」
その場を取りつくろって、兎に角、金利だけの返済猶予は成功したのです。

その後、銀行はこの遅延分と保証協会の保証料を催促に来ましたが、
彼は断り続けて今日に至って居ります。

彼と同じように遅延分、あるいは保証料を払っていない実例は、
他にも知っていると云う人も現れ、正規には認められていないにしろ、
払わないことは出来て、ペナルティは掛からないと思っておりました。

それが頭に入って居たのです。
今頃返済猶予をしたい人は、殆どが零細企業、借りたお金も国金か、
または全て保証協会付きです。
そんな人たちに「強くお願いすれば両方とも今後分割返済でOKさ。」
と薦めたのです。
皆、之を信じて、一生懸命にお願いしたのです。

しかし、このアドバイスは全く根拠の無いものでした。
保証協会のこの保証料前払いは予想以上に強固でした。

何といっても、先ず中間の銀行が受け付けません。
「では保証協会に行って直接お願いします。」
銀行は「どうぞ」と云う態度です。ただし保証協会が「うん」と云いません。

「1度借り換えの形にして、期間を延ばせるだけ伸ばせば、
 月ごとの保証料は安くなります。」
「期間を1年でなく半年にしたら如何ですか。」
結局は前払いは変わりません。

どうしても前払いの保証料は変わりません。
では延滞分はどうでしょうか。
私が知る限りにおいては、保証料は良く問題に成りますが、
延滞分が話題に出たことはありません。
これは延滞している人が居ても、借り手が延滞は払わないと
相手も応じないという意識が強いからでしょう。
延滞と前払い、図らずも意識の差が出て居ります。
ほとんどは綺麗に払って居ります。

2日ほど前、2回延滞して居り、とても1時には払えないが、
返済猶予の申請をする人が現れました。
彼の話では国金から絶えず催促は受けているとの事でした。
この際国金が、金融庁管轄か否かと云うことには触れません。
電話でまづ用件を伝えました。
国金はまず、得延滞の事を云ったそうです。
ついで後は直ちに申請をする様に書類を送って呉れました。

来週この返済猶予の話し合いが行われますが、延滞の話の結論がわかると思います。

以前、払わない実例を良く知っているという仲間に電話をしましたが、
彼も始まって直ぐの人手最近はどうなっているか」「わからないといいます、
恐らく最初、はっきりしないうちに戸尾多時とにそれなりkの人が居たのでしょう。

いずれにせよ、この延滞分の追いつきと保証料の前払いは本当にきついです。
折角の返済防止法が、本当に困っている零細企業には、効果が半減します。
何とか考えて頂きたいものです。

それとこの法律は、来年3月で終わりです。
それからは期限が来ると今まで猶予をしていた人に
対しての扱いはどう成るのでしょうか。
零細業者の適用者者は皆さん、非常に恐怖感を抱いて居ります。

安心するような説明が欲しいと思います。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




返済猶予が駄目、総量規制で駄目の人

2010-07-28 | 事例
「私は返済のためにお金は借りません。
 ただ稼いだお金は真っ先に返済します。するとどうしてもお金が足りなくなります。
 生活のためについお金を借りちゃうんです。」

スーパーの入り口などで店を開く催事屋商売、彼も繊維雑貨を売り歩く一人です。
かって良かったこの商売も今は売り上げは激減、仲間も減りました。
場代すら出ないことも珍しくありません。

銀行2行からの借金、それと住宅ローンがあります。あわせて30万以上の返済です。
返済がきつく、彼は昨年リスケをお願いしております。
一行は最初はきつくNOでしたが、それでも2回目に元金半分だけを1年間してくれました。
「これで延長はありませんからね。」と念を推されて居ります。
もう一行、かっての国金はそれの右に倣ってくれました。
それで銀行は月に10万に成ったのです。

しかし昨年は商売はもっと落ち込みました。
20万の支払金は出ません。
彼は更に減額をお願いしても駄目だと信じて居ります。
年末か今年になってお願いすれば、返済猶予法もありましたが、
彼はそんなことは知りません。
もう絶対に銀行は返済を続けないと、大変の事になると信じて居ます。
「大変ってなあに」聞かれても返事は出来ません。兎に角大変です。

彼には、返済猶予法は無かったのです。
そんな法律、知りませんでした。

このときに彼はカードで借りることを自然に覚えたのです。
彼がカード借入を始めたのは昨年になってからです。
瞬く間に6件、総額で340万借りて居ります。
しかし返済は月11万です。50万増やしても月の返済額は1万増えるだけです。
彼にとっては「金の泉」でした。

折角減らした返済額も貸金業者への返済が増えれば元の木阿弥です。
しかし短期間に6軒に増やした貸金業者、もう、そんなに簡単には増えません。
その時に国金の返済が自然に遅れました。
やいやい言ってくる催促のために次月までに返済しましたが、
この時は彼は最悪の場合は銀行返済を
一時遅らせてもよいことを体験しました。

返済はきついです。
若し云われたらカードで借りて返せばよいと、
今度は意識的に2ヶ月国金を返済ストップしたのです。
さあ、国金は煩いです。
さすがの彼も参って、またカードから借りて返すことを決めました。

ところが、ところがです。
あれほど「必要なときは何時でも」と云っていた業者が駄目と云うのです。
法律が変わって年収の3分の1以上借りる事は出来ないと云うのです。

慌てて、違う業者に当たりましたが、何処から調べたのか、
あなたは総量規制に抵触するから駄目ですと断られる始末です。
信用情報にのって居るとは知りません。
業界の中でつうつうだからもう何処からも借りれないと
自分で決めてしまいました。

さあ大変です。
返済猶予も出来ない。
借りることも出来ません。
何かわからない、未知の大変なことに成りそうです。
しかしどうしようもありません。

そんな彼を口説きました。
「返済が月に15万だったら何とかやっていけますね。
 返済や支払を交渉しましょう。
 銀行は金利だけにすると月に2万かかりませんよ。
 国金が未払いの2か月分を何か言うでしょうが兎に角当たりましょう。
 駄目と自分で結論をつけては駄目です。住宅ローンも当たりましょう。
 最後の貸金業者も当たります。必ずやれば何とか成ると云う気迫で
 当たりましょう。」

「先ず自宅が若干担保価値がありますから、自宅を保全処置をして
 代位弁済なり破産なりしてもその方が楽かも知れません。
 そうすれば、住宅ローンだけを払って、後は払う必要が消えますが、
 先ず正攻法から行って見ましょう。」

漸く彼にもぶっつかって、行こうと云う気力が湧いてきたようです。
気迫さえあれば「うまく行く」
私は確信をして居ります。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




正常債権をサービサーに譲渡する銀行

2010-07-24 | 事例
「貴方のお気持ちも十分にわかりますが、法律で許されたこと、当庁は注意すら
 難しいです。当事者同士が話し合いで解決するより他ないと思います。」
担当官がこう云った時、彼の張り詰めていた気が一気に崩れ落ちるのが
自分でもわかりました。

金融庁の「それは銀行と話しておきますよ。」と云うお声を期待して居たのです。

2ヶ月ほど前に、彼は銀行から自分に対する債権が、担保付で他に
譲渡されることを告げられました。耳を疑ったのです。
自分は今は確かにリスケを申し出て居ります。
しかし今でも条件通り返済をして居ります。
リスケに対する返事が正式に出ないうちに、譲渡すると決めて居るのは!

「私の債権って今不良債権ですか。期限の利益を失っているのですか。」
「違いますよ。全くの正常債権ですよ。でも今の条件でも常軌を逸した条件です。
 これ以上どうしても銀行では出ませんから、むしろ柔軟に富んだところに
 債権を譲渡して、そこで返済について協議して頂いた方が、みんながよいと
 考えて居るのです。」

理由はともかく、借りたばかりのときは、返済も一時的に滞っていた事も有るらしいです。
父親がやっていた頃です。
しかし、彼が引き継いでの、此処10年以上はきちんと約定通りの返済をして居ります。

ですから彼は、自分が不良債権なんて思った事はありません。
よしんば、10年以上前に何かがあっても、今は双方が正常債権として
認識していれば、全然問題はないと思っていました。

ただ過去に大分もめたらしく、それでも漸く、返済期間は50年。
金利はその間1.8%と云う約束を勝ち取ったと云う、父の自慢話を
絶えず聞かされて居りました。

彼に成ってからも、このメガバンクからは絶えず条件変更の申し出がありますが、
彼はその都度、何とか誤魔化して逃げております。
今回、他で予期しない資金の需要があったために、これ以上の借入を
増やすことも出来ず、返済のお金を一時回すことを考えたのです。

「譲渡する?そんなことが出来るのですか。うちは正常債権ですよ。」
「ええ、でも法律では認められて居ます。現に銀行の正常の貸付金も、
 良く譲渡はされて居ますよ。最も普通なのは、銀行破たんのときですがね。」
「破綻のときは、譲渡でなく、取引者の救済でしょう。いくら法律で
 許されていても、日本一のメガバンクの御行が正常の貸付金を譲渡するなんて、
 許される筈はありませんよ。ましてや銀行以外のところに。」

一旦言い出した銀行の意志は硬かったです。
「当方も申し込んだリスケを撤回しましょう。」と云っても変わらないのです。
この銀行にとって、彼のところの条件は屈辱的の条件だったかも知れません。
彼からリスケの申し込みがあったと同時、やがて不良債権に成ると決め付けたみたいです。

でも譲渡するとなれば、相手はサービサーしかないでしょう。
サービサーがこの債権を持てば、どんな手段でもしてビルを競売にもっていくでしょう。
彼はビルを守るために交渉をして居るのです。

思いついたのは金融庁でした。
「金融庁ならばこんな馬鹿な譲渡はさせないだろう。善良な取引者を守る筈だ。」
金融庁に出かけて行ったのです。

金融庁の係官は彼の話を良く聞いてくれました。
切々と訴えたのです。
しかし、金融庁の言葉は、彼の考えと正反対でした。全面的にメガバンクの
考えに同調したのです。彼の考えが入り込む余地はありません。

銀行は不良債権ではない、優良債権をサービサーに売ることは構わないというのです。
若しこれが日常茶飯事に行われて、今まで安心の出来る銀行と取引していたつもりが、
ある日、銀行の意思だけで、サービサーなどの債権譲渡されれば、どんなことに
成るのでしょうか。銀行を信頼する人など居なくなります。

目が銀行の担当者が云っても、金融庁の担当官が言っても彼には信じられません。

後の成り行きは彼の懸念した通りになりました。
サービサーに渡った債権は、サービサーはこの債権は15年前には不良債権に
なって居たと云うのです。銀行もそれを証言しました。
彼に正常債権が徒言った事は無いというのです。
これがメガバンクの社員教育の一環でしょう。
法廷で平気で嘘の証言が出来る社員を持たない企業は滅びていくかも知れません。
最高裁まで争いましたが敗訴、ビルは競売に成りました。

落札は暑い暑い日でした。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




8000万の借金が訴訟の請求は1000万。

2010-07-21 | 事例
「おかしいですよ。私の債務額は8000万以上ですが、
 今回届いた債権請求の訴状は1000万です。
 訴状にない7000万はどうなるのですか。」
実際の請求額より遥かに低い訴状の請求、こんなことがよく有ります。

請求に対する訴状、いわゆる支払い命令の訴状です。
債務が8000万ですからそれについて争っています。
しかし8000万はおろか、その1%の80万だって払えません。
相手のサービサーはそれを承知しながら「せめて1割の800万くらいは
払ってくださいよ。それが出来なければ、出来るまで毎月3万くらいは
払ってください。」としつっこいです。
話し合いは物別れ、その結果がこの訴状です。

銀行や、その回収機関と争っているとき、訴状の金額が違うことは良く目にします。
普通の商取引で、このような事など先ずありません。

それも不良債権になって、早いうち、またはサービサーに譲渡されて
直ぐに訴状が申請されるような場合は、請求額も修正なしの本物の額です。
お互いに攻防戦を繰り広げ、債権者にも腹のうちに回収可能の上限が
解っただろうと推測できます。そんな時の訴状です。
訴状の請求額は真物を遥かに割った金額になっているのが普通です。

「あっつ、そうだ。これより若干、安い額を和解金として持ち出したっけ。」
そんな心当たりもするような額です。

こうした訴状は、あの保証協会でもよくあります。
保証協会は普通の回収に於いては、あまり訴状などありません。
あくまで話し合いを尊重です。
その保証協会が一番訴状に踏み切るのは、時効中断のときのような気がします。

全然払ってないか、保証人が払って居て、債務者が払わない事が4年を過ぎたころです。
5年過ぎると時効に成りますから、その前に時効を中断しなければ成りません。
まず、この時に残高確認を要請します。
が、一寸でも躊躇をすると直ぐに訴訟に走ることが良く有ります。
安い費用で訴訟が中断できるばかりでなく、5年から10年に延びます。
しかも債務名義すら手に入りますから、甚だ効果的の訴訟です。

この場合も訴訟額は真物を遥かに切って居るのが普通です。
日常送られてくる残高通知は、元金が1億6000万なのに、訴状は2000万と
云うような事はざらです。

この場合は、訴訟された債権は確かに判決の日から10年に成りますが、
訴訟外の債権は、5年を過ぎると、時効と成ります。
上記の例で行けば1億4000万ガ時効になります。
勿論、保証協会は事実上の放棄は予定の上でしょう。
黙っていて、若し時効が過ぎても保証協会が全部の残を通知してきたり、
または請求してくるようでしたら直ちに時効の援用をしておくべきです。

サービサーのほうは時効中断と云うより、実務本意に考えて居ります。
サービサーが少なく訴訟をしてくる目的は、当初脅しのためと思って居ました。
裁判所から訴訟の書類が届き、自分は被告になって居ります。善良な市民は肝を
潰して返済にいそしみます。
だから少ない金額でよいのだと当初は思って居りました。
しかしそうではなく、これはサービサーが見た回収できる最上限で、
これすら難しいとサービサーが見ている限界額です。

この訴訟の額のほうが少ない場合は、それ以上は放棄する予定です。
ただ債務者に言わないだけです。
時効でなければ請求は出来ますが、差押えもできない弱い弱い債権です。

これも私の感じですが、交渉が進んでどうにも成らなくなったときの訴訟ですから、
比較的差押さえを実行する確率は高いと思います。
そして成果を上げようという態度です。
以前は、脅しの意味か、自宅や会社の近くの銀行を差押えたのに比べ、売掛金が
あったり、敷金があったり、何が何でも差押えようとする気迫が感じられます。

何箇所も加えて、枠一杯を差し押さえ、その額を全部合計しても、
訴訟額を上回ることはありません。ですから一旦差押さえをすると、
それを取り下げない限り、次回の差押えはできません。

そしてその差押えで100万でも200万でも差押えられた場合、相手は直ぐに
差押さえを取り下げ、次回の差押さえをしてきます。
請求枠は訴訟で小さくしましたが、決めた枠は何とかして取りたいという
気持ちで一杯みたいです。

以前は直ぐに債務名義を取って、銀行を3-4行差押えてきたのですが、
こうした方法は終わりました。
取れる範囲で無駄の事はせずに効果を上げたいみたいです。

それはそれとして、この訴状のあり方ひとつ見ても、相手がどのくらいを取ろうと
真剣に考えているか、などいろいろのことが推理されて面白いです。
訴状が来てもいやがらず、良く見ると債権者の考えがわかってきます。
そんな余裕を持って対応したいものです。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




言葉遣いで違います。

2010-07-18 | 事例
「今月はもう払えない。」
そう決めた時、頭を真っ先にかすめた事は、弟とKの事でした。
弟からは2000万、Kからは1500万、もう3-4年借りて居ります。
毎月返して居りますが、結局は減ってくるとまた借りますから、
残はこのあたりをふら付いで居ます。

手形こそ切ってありませんが、銀行に4億の借金、約100万の金利とも
毎月150万は出て居ります。
弟とKで60万、売上が2000万をきれば直ちに回らなくなります。
それが此処3ヶ月1000万です。今月は1000万を大きく割りそうです。

仕入先には泣きつき、3ヶ月前より内払いの形です。
増えてくる内払いの残高に早くも警戒の目が強くなって居ります。
それが今月は約束していた半分も払えそうもありません。

しかし彼は会社を潰す気などさらさら有りません。
滞って居る債権さえ、待ってもらえば会社は回っていくと思って居ます。
様は現債権を払えるまで待ってもらえばよいのです。

彼はKには万一本当に会社が行かれたときは、機械類を一切譲渡する契約をし、
確定日付をもらう手筈をしました。
弟には売掛金の譲渡契約をし、登記をする事を教わりました。
ともに直ちに実行しなければ、今でも遅すぎて詐害行為に成りそうです。
最も売掛金は本当に弟に譲渡するのでなく、1時の避難です。

「民事再生など、この会社ならば相手にもされないよ。
 結局は破産か、任意整理で再生だね。」
「任意整理のときは弁護士を依頼すると、安くても300万は必要だね。
 それに一旦引き受けて結局は破産させられる場合が多いですよ。
 だから自分でやった方が確実だね。」
彼は、てくどくやり方まで教わって居ます。

知り合いの弁護士に破産の費用は特に安くして200万と聞いて肝を潰した彼です。
300万なんてどんな事をしても払う筈が有りません。

漸く任意整理に決めて、自分が実行すると決めました。
今まで、方法を決めるすら大変でしたから、いざ決まってしまうと、
もう峠は過ぎたような気に成ります。任意整理で皆了解をとるのも、
相手に云えさえすれば了解はもらえるでは無いだろうか。

今からきつい交渉をしなければ成りませんが、早くも出来たつもりです。
肝心のリストラや改善計画など手もつけません。

任意整理は何と云っても先ず仕入先です。
全部で35軒ほどの仕入先は、今まで内払いでも10万以上は13軒、
最高額でも400万です。
皆集めて債権者会議を開きなさいと教えられましたが、
13軒を回ったほうが早いと直ちに回り始めました。

此処で重大な間違いをしたのです。
「配当は2割以上は無理ですよ。それ以上は放棄して貰うんですよ。
 これがポイントですからリハーサルもしないで大丈夫。?」
この懸念が本物になったのです。
彼は今から1年間、会社が持つと、後は何とかなる。1年は続けること。
それには仕入先が材料を入れることだと考えたのです。
「とりあえず今は20%しか配当が出来ません。しかし後の残債務は
 1年以内に必ず返済します。証として1年の手形を切ります。」
その方が払えないというより、仕入先には雲泥の差と思ったのです。

そして言い切ったのは良いですが、数字的の裏付けは何一つありませんでした。
今月来月の業績見込みはおろか、現在の債権債務すら説明が出来ません。

それとお願いする態度が債権者から見れば大きくみえたのでしょう。
仕入先は口先だけで騙されると受け取った見たいです。
神妙な態度でひたすら謝り、懇願すれば、恐らく何処も彼に協力したでしょう。
良かれと思った一言が、逆にみんなの疑惑を招いてしまったのです。

この頃に成ると、今まで3ヶ月間、金利すら十分に払わなかった6行の銀行も
今まで以上、訪問や呼び出しが増えました。この延滞さえ待ってもらえば、
来月から今まで通り返済しますと云っても、信頼されません。

同業者の多いこの地方、興信所情報にも載るし一気に噂が飛び交うようになりました。
それと、今月から順調に払う筈が、今月も払えそうもありません。

彼の倒産者らしくない態度とともに、彼は資産隠しも出来ているだろうと、
仕入先から突かれるようになったのです。

売掛金や機械類もまだ譲渡契約すら作って居らず、仕入先の1軒に仮差しと成りまました。
恐らく、仕入先だけで分けるようになると思います。

所をわきまえた言葉、それと態度、注意が必要です。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




肩代わりをさせられた親父の借金

2010-07-15 | 事例
保証協会サービサーの持ってきた書類は残高確認書です。
「これに債務者として捺印願います。」と云うことでした。
明細には、主債務者として彼の名前が載って居ます。借りた張本人です。
「何で俺が主債務者? 俺、お金を借りた覚えは1度もないのに。」
そう、保証協会サービサーは、そ知らぬ顔で彼を主債務者にしているのです。
こうなるには6年の歳月が費やされて居ります。

親父は個人で肴を仕入れ、温泉街の旅館に卸して居ります。
何時借りたのか、借金が3000万、1部を義兄が保証しております。
彼がそんな親父の後を継いで何年か、見よう見まねで覚えた仕事は、
何時の間にか、彼が主軸となって居りました。

そんな頃から、景気が悪く、温泉街の旅館も落ち込む一方。
彼のところも、うだつが上がりません。

銀行の返済が出来なくなり親父に代わって彼が交渉するようになっていました。
世間知らずの彼が、その保証人にならされる事はいとど簡単なことでした。
僅かなリスケと引き換えでした。
彼にはまだ保証人の重みが解らなかった事も有ってです。

景気は落ちる一方、彼のリスケは若干でも返済できる方向に進むどころか、
切り替え時のたびにリスケの度合いを増やす交渉です。
最初が僅か元金の40%のリスケしか しなかったためです。
毎月の返済額は増えるどころか、毎年減って居ります。
保証協会がなんと云おうが、お構いなく、
彼は毎年リスケの度合いを増やす申請です。
これが保証協会の逆鱗に触った見たいです。
4回目のときに銀行を飛び越えて、保証協会に呼ばれたのです。

「銀行は貴方のところの元金減額を希望しております。
 しかし、今までを見ても全然改善されて居りません。
 別の保証人と相談してよろしいですか。」
彼が最も恐れている義兄に何か云いそうです。
肝を潰した彼に保証協会は、たたみかけました。
「あなたが保証人でなく、父親と共同債務者になってください。
 そうして頂けると今回は認めます。」
信金は何も云いませんでした。
こうして彼は共同債務者に成ったのです。

でも、保証協会から届く書類は、父親を主債務者とし、彼を債務者として有りました。

市況は、冷え込むばかりです。
信金の薦めもあり、ついに代位弁済になりました。
しかし営業は普通に出来ます。他に借金はありませんし、手形もありません。

この代位弁済の効果はありました。
今まで金利とも10万近く払っていたのが5万に成ったのです。
返済が若干遅れても今までの信金のように煩くありません。
「代位弁済っていいな。」
彼は真剣にそう思ったのです。

それから2年目、つまり今年です。
約束した5万円も払えなくなりました。生真面目な彼は、何回目かまた
保証協会サービサーに泣きつくしかありません。
するとサービサーは「条件付で承諾します。」と、彼が主債務者で
有るという残高確認書を作ってサインを求めたのです。

今になると彼も連帯保証人や債務者などに簡単に成るべきでは無いと心得て居ります。
サインは断りました。
すると、今度はサービサーの独断場です。
「それならば5万円どころか、当初の契約通りに払って頂くだけです。」
「代位弁済に成っても、当初の契約通りの返済をしなけばならないのですか。」
と言えるほど彼の頭は回りません。
「それが出来ないならば、貴方の義兄さんに請求させて頂きます。
 拒否された場合は法的回収も有り得ます。」
大工の義兄には差押えるものなど何もないことを忘れてか、彼は震え上がりました。
こうして彼は、主債務者と成ったのです。

彼が払わなくても、差押えの材料は何一つありません。
唯一の自宅は山の中、「時価で土地つき80万でも売れない。」
と地元の不動産屋の言葉です。
それも、母名義で、しかも古くから農協の担保になって居ます。

回収する術のない真面目な借り手。
保証協会が何故彼を保証人にし、共同債務者、
主債務者としてきたのか理由がわかりません。
次に彼がやることは返済ストップです。
保証協会は自分がでっち上げた主債務者の彼をどうするのでしょうか。

貸し手がする債務者の肩代わり、いろいろな事例を見て居りますが、
この場合だけは債権者の真意がよくわかりません。

銀行がねらった、あくどい肩代わり、これはまた次の機会に紹介します。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




再生に妻子のわがまま

2010-07-12 | 事例
彼が会社の危機を妻子に伝えたのは、会社の支払日の半月前でした。
妻は家庭の主婦、夫の会社を覗いたこともありません。
一人息子は、早くから彼の後を継いで鉄工所の主に成るのを嫌ってサラリーマンです。
家庭を持って、近くに住んで居ります。

手形こそありませんが、支払日に額が狂った、遅れたなどの事故が
あればたちまち評判となり、後の材料の入荷は、おぼつきません。
半月後の今月の支払、どう算段しても払えそうもありません。

弁護士事務所に駆け込みました。
「破産しかありませんね。
 費用は200万くらいと思います。その時の財産は全部なくなりますが、
 翌日から手にした資産は、全部貴方のものに成ります。」

「やっぱり破産しかないか。」
念の為に以前講演会で知り合ったコンサルタントにも打ち明けました。
「貴方の会社、借金を全部棚上げすればまだまだ続きますね。
 リストラをすればよい会社になりますよ。」
コンサルタントの第一声でした。

借金が多いですから第2会社がいいです。
幸い得意先は第2会社でも取引をして呉れそうです。
普通は準備に3ヶ月はかかりますが、今回はその時間がありません。
とりあえず今月末は1か月の支払延期を依頼し、月が明けたら直ぐに
仕入れ先の債権者会議をしましょう。
それまで回収したお金は今後の為に貴方が全部保管をして下さい。
そのための支払延期です。
債権者会議で仕入先に旧債権の切捨てと新会社の協力を依頼します。
配当はその時の売掛金の中から払います。
現金が貴方に残り、配当も20%は堅いでしょう。
誰もが破産など強要しないで、第2会社をすんなり認めるでしょう。

要はお金を掴んで第2会社でやれば大丈夫と云うことです。

息子も呼んで、その晩打ち明けました。
妻は自宅担保の銀行の保証人です。借入と担保は見合って居ます。
息子は1銀行の保証協会分だけです。2500万あります。

さすがにこのときは二人は何も言いませんでした。
出るのは、夫を、父親を、思う慰めの言葉でした。

しかし2-3日すると二人の言い方がだんだん違ってきました。
妻は、保証問題に成った時、自宅を手放すだけで片がつけば良いが、
他のことまで請求されると叶わない。
当分何とかここだけは返済を続けて欲しい。と言い出したのです。
すると息子までが、今の自宅を売ってローンを清算すると800万ばかり残るから、
之を持って引っ越すよ。と言い出す始末。結果、ここだけは払って貰いたいなと
強い希望です。家族思いの彼は、嫌とは云えませんでした。

さあ、大して残りそうもない資金から、2銀行だけの返済続行をすることにしました。
これで、この3名には、妻と息子は助かったという感じです。
しかしこれが、資金を残すという鉄則を破る元に成ったのです。

一方では、支払延期の交渉は続けて居ります。
この中に、妻と奥さん同士が日本舞踊で知り合いのところがあります。
妻はそこだけは払えといって聞きません。

他にも予期しない支払があり、残す筈だったお金が全然残らなくなりました。

のみならず、二人のうち一人から名前だけでよいから第2会社の社長になって
貰うと云うつもりが二人の同意を取ることが出来ません。
息子は勤務先で兼業禁止になっているというし、妻はそんなこと思ったこともなかった。
出来ませんと強硬だし、この分では、社員の誰かを立てるしかありません。
そうなれば、5-6年先に彼が手を引くとき、また揉める要素を作るみたいです。

何のことはない、妻子の言うことを聞いていたら、持ち金はなくなるし、
肝心の第2会社の社長は居ないし、彼は第2会社で遣って行く事が出来なくなったのです。

一方では、1ヶ月以内にお支払しますと、支払延期をしたのに、
その後音沙汰ありませんから、仕入先の騒ぎは大きくなり、
何処も材料を入れるところが無くなって居りました。

結局彼は自己破産をせざるを得ませんでした。
しかも何も残さずに、つまり明日からの生活費も残さずに破産に走ったのです。

この破産では妻も見間違いがありました。
競売で処理した為に、自宅は債務より安く処分をされたのです。
残は妻の責任と成りました。
長男が僅かの払いを毎月続けることで保証協会と話がついたことが唯一の救いでした。

恐らく、家族一丸となって第2会社に立ち向かえば、うまく出来手居たと思います。
家族に口を出させる事、慎重にしたいものです。


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします




犯罪もどきの行為

2010-07-09 | 事例
「銀行って期限の利益の喪失通知も出していないのに仮差が出来るんですか。」
有力な地方銀行が2000万の保証金を積み、預金の1億円の仮差をしたらしいです。
今は殆どない、工事引き当て、間違いない施工主で期間も短いために、銀行はつい貸したのでしょう。

27日に入金に成ります。でも銀行との約束の貸付の返済日は念の為に月末になって居ます。
ところが、その27日に施工主から振込みがある筈なのに入金しません。
他の下請けにはこの施行主から同日入金に成ったところもあります。
心配になって電話をしても留守です。
しかし、翌28日、銀行が訪問しようとする前、社長の彼が訪問してきました。
用件は、なんと月末返済の2億の返済猶予の要請です。

社長の彼は確かに入金があったことを認めました。
当初この銀行に入金する予定でしたが、急遽変更したことも白状しました。
どうしても下請けには払わなくてはならず、殆どそれを払って、今はいくらもないと云うのです。
その振込みのコピーは本日持って来ては居りません。後日届けるとも云いません。

支店長と担当は必死です。
「あの融資は特別で、どんな事情があっても返済延長は出来ませんと、
 あれほど約束したのでは有りませんか。必ず直ぐに返済して下さい。
 1部を支払いに回してもまだ大分残っている筈です。」
宥めたりすかしたりしても、彼からよい返事は出ませんでした。

直ちに、会社と彼の口座は拘束されました。
翌月2日には期限の利益の喪失通知もなく、銀行5行が合計で1億仮差に成ったのです。
実際に取られた金額は80万でした。

「貴方の行為は犯罪になりかねませんよ。
 事前にご相談いただければ、当行も、それなりきの対応は出来たと思います。
 または支払った明細などエビデンスを見せて頂いても違って居ります。
 1億入って、翌日はもう金が無いから返済猶予して下さいなんて事は、
 普通は有りません。
 最初から、返せないつもりがあったと云っても良いと思います。」

あの時はこうも言われました。
なんと云われても彼は反抗の言葉を出さず返ったのですが、
唯、頭の中は、「銀行、破産をかけて来るかしら。」
もう一つ、「本当に銀行、刑事告訴をしてくるかしら」の2点でした。

こうした硬い約束にも拘わらず、借り手が約束を破って、返さない例はいくらも見て居ります。
公平に見て借り手が最初から計画してのでは無いかと思わせるようなことです。
しかし犯意を否定されると実証の術はありません。

同じ様な例に、借りて直ぐに返済猶予を申し込む事もあります。
「もう貸して呉れない。最後の融資だ。それならば、こちらも返済ストップだ。」
「返済猶予を申し込むが、その前にいくらでよいから借りて置きたい。」
申し込みの前に、借りれたら借りておいた方が良いに決まって居ます。

そんな人達は、返さないことを頭に入れて借りて居るのです。
ですから借りたら直ぐに返済猶予を申し込んで居ります。

自己破産の時なども、今月・先月借りたお金は特に注目されて調べられます。
そうしたお金をどこかに隠して居ないかを疑っているのです。
以前保証協会の保証で借りた所が、翌月、民事再生を申し出て保証協会の
反対で駄目に成ったことも見て居ります。
債権者から見ると「そのつもり」があったように見受けられるのです。

よしんば、「その積もり」が無いとしても、そんな間近な事が解らない様ならば、
重大な過失とこちらを責めたいのでしょう。

私は、次のように相談者の皆様に言って居ます。
「返済猶予を申し込むときは、最近借りたときから、
 中2ヶ月は過ぎてからにしましょう。
 経験的にこれならば、妙な目で見られることはありません。

 また、返済が出来なくなり、銀行が仮差をするときは、
 ほとんどが期限の利益を喪失する前です。
 それだけに、銀行にも強い言い分がある時だけです。
 万一、之で争っても、こちらは負けるどころか、
 時には刑事問題にまで発展する事を覚悟が必要です。
 それだけに銀行も徹底してやります。

 しかし、此処から、刑事告発や破産申請などまで進んだ例は見たことがありません。

 返せない時は銀行は必ず相談に乗りました。今は法が見守って居るから
 特に借り手には有利です。しかし、と云って、詐欺まがいと思われるような
 行為だけは、許して貰えませんから、心しましょう。」


http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから


日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします