かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

聞きかじり

2006-11-20 | 事例
「自宅は大丈夫です。もう手は打ってあります。」そんな事を云う人が居ます。
聞いてみると3ヶ月前に、結婚25年を経た奥様に名義を変えたから、もう差押えはないと云って居ます。
債務者が不良債権になりそうの為に、慌てて保証人が自宅を保全したのです。
名義が違っていれば良い。20年以上の奥様には税法の恩典が有る。奥様の名義にを変えることが自宅の保全の基本と聞いて飛びついたのです。
何冊も呼んだ本にも、そう書いて有りました。絶対の自信を持って実行したのです。
この家は取られております。

「当社は第2会社を作りすべて業務を移行しました。もう、借金や差押えの心配はありません。」相談に来た人が胸を張って居ます。
社長こそ変えましたが、同じ場所で同じ従業員が同じ設備を使って仕事をして居ます。名前は少し変わりましたが、看板はそのままです。
第2会社のポイントは債務継承問題だけです。しかしこれを正面から解説している
本は以外に少なく、私はお目にかかって居ません。
会社を作る方法論だけを読んで、自分なり気に実行したのです。
「こんな簡単なことで、差押えや競売から逃れられるならば、非常に上手い話です。ちょっと甘く見すぎては居ないでしょうか。」と云うと初めて相手も自分の甘さには気付きます。

倒産と云うことに世間が慣れてきたのか、それとも本や風評で勘違いをするのか
自分の資産を守る方法を簡単に考える人が多くなりました。
ちょっとした聞きかじりで、本格的に調べない保全です。
自分で背一杯都合によいように解釈を広げ、保全策を取り、大丈夫と威張っています。
簡単に競売になったり、詐害行為の取り消し判決で大事の資産を失っています。


このような人は一杯居ります。以下は私の廻りの最近の例です。
 個人の預貯金の差押え対策は、預貯金の名義を法人にすれば良いと、聞いた人が、写真同好会会長として貯金をしました。法人でもないですから名義は個人です。80万円、差押えになりました。
 無担保の自宅の差し押さえ対抗策は、第3者に売却するのが一番良いと聞いた人が居ます。倒産3ヶ月前、時価の倍額のローン代金を返済し、義父の名義に変えました。引き続き住んでおります。詐害行為であっさり自宅は競売になりました。  6-7年以上前に流行った件外物件の執行妨害のことを聞いて、保全に応用したした人が居ます。雑種地にビニールハウスを作り、農業が職業の自分の息子と賃貸契約をしたのです。簡単に競売になりました。
 会社を抹消すれば債務から逃れる、会社を解散登記すればよい。粉飾して債務が無い様にして解散登記をした人が居ります。
知ってかどうか債権者は会社など相手にせず、保証人に強行になった気がします。
独りK公庫はこれを知り、正式に問題として取り上げました。この顛末は後日に
譲るとして、当人に、会社解散は何のメリットもありませんでした。

その他、単なる聞きかじりからの失敗談は幾らもあります。
預貯金の差押えは郵便局に預けるのが一番良いと聞いて、失敗した例は特に多いのではないでしょうか。
不動産の名義変更は事件発生の寸前でもよいと信じている人も、また数多く居ります。やった手間と費用が無駄になることは間違い有りません。
また、年金は差押さえが無いということを聞いて、銀行に振り込まれた年金は大丈夫と信じている人は非常に多いです。どんなお金も銀行に預けて1夜経つと預金として見られるとは聞いて居りません。

世の中に、そんなに上手い話はそう沢山はありません。
相手に取られて当然の自分の資産を守ることは、簡単では有りません。
労力や費用は使いませんが、知識と注意力は必要です。
単なる聞きかじりでやった場合、費用と遼力が無駄となり、今後の再生計画に支障を起こしている例をよく見かけます。
しかし聞きかじりは自分の知識の出発点です。
有効に生かさないとなりません。










詐害行為

2006-11-08 | 事例
都心まで高速バスで2時間のところ。俺はこのあたりでは手広い農家。68歳で男の子が二人居るが二人とも農家の跡継ぎを嫌い、家を飛び出している。
兄貴のところは子供が一人だが、早くから農家に見切りを付けて、今は農地を大分処分し、残った田んぼは年2俵で貸しているところが多い。

俺も兄貴のように田んぼをすべて貸すのかな、まだ働けると言っても今の田んぼはもう全部は面倒見れないと思っていたら、ちょうど次男がひょっこり戻ってきた。
「俺に全部農地をくれれば農業を継いでも良い。」と云っている。
40歳前の独り身、仕事や女で問題を起こしての帰郷だろうが、煩いことは聞かない、喜んで其の言葉を聞き入れた。

農業委員会に農地の名義変更を届け、村の仲間たちを呼んでお披露目、早速息子も青年会では、何やら役を仰せ使っておお張り切りであった。年2回の農業委員会の
名義変更は勿論一発で認められた。

もう、30年近い前、俺は兄貴の借金の保証をしたことがある。
今は、何銀行でどのくらいの額かも覚えていない。兄貴は国道筋でゲームセンターを開き、見た目には、羽振りは良いように思われた。

其の兄貴が珍しく嫂さんと二人で我が家に来た。事業は何とかやっているが、銀行からの借金の返済に間に合わず、銀行から不動産を処分して返済せよときつく言ってきて居る。
弟のところにも、近く裁判所から書類が届くかも知らないから、弟によく事情を説明しておくようにと、きつく言われたらしい。

その後俺も銀行に呼ばれた。しかし俺はすでに家督を次男に譲ってあるし、自由になる金なんかありゃあしない。
何か銀行は最初から高飛車の言い方で、最初に会って直ぐに、何故この時期に息子に家督を譲ったか、土地が全部銀行に取られると思って、あわてて息子を呼んで、手を打ったでしょうと、飛んでもない事を言い出してきた。

俺は最初、銀行が何を言っているのか、意味が判らなかった。
銀行の言うようなことは、全然知らなかったし、そうして土地を取られなくするなんて事も初めて聞いた。
しかし自分には全く関係の無い事と思って、銀行がしつっこくこの話を持ちかけたが、最後は相手になることも止めた。
そしたらやがて裁判所から何か分厚い書類が付いた。
何の書類か読んでもよく解らないが、何とか取り消しと言うタイトルと仮差押と云うタイトルの二つがあった。

放っておけば銀行の言うことを認めたということになって、息子の農地が全部取られるらしい。伝手を求めて弁護士を頼んだ。
俺は余り裁判所には出かけなかったが、2年以上を過ぎて俺が負けたという判決が下りた。
弁護士の勧めで高裁に上告。6ヶ月過ぎてから裁判官が和解を薦めてきた。

此処で和解なんかすると俺が何か悪い事したみたいで気に入らなかったが、弁護士や兄貴はどう見ても分が悪いから和解の話に1度乗ってみようと泣きつかれ、俺も和解の話し合いを承知をした。

銀行の言う和解とは無茶な話。簡単に言えば、不動産はすべて銀行査定の時価で買い戻せ、登記もしてないビニールハウスは(、新品で設置より)、高価格で買ってくれと云うことだ。その代わりにこれだけでは弁済できない莫大な残額の保証は免除しようと威張ったもの。
兄貴は自分の土地は全部取られる、出来たら自宅とゲームセンターだけは買い戻したいと最初から腹を決めていたが、私はどうしてもこちらが言われるままにやらねばならないか、符に落ちない。
よく考えると和解と言っても競売買戻しより、高い価格で物件を買い戻す事で、残債の免責があるか無いかの違いになるだけ。それならば和解でなくても良いかな。と、最後は、兄貴も弁護士も私の意見に合わせると言ってくれた。

私は弁護士に喋らせてくれとお願いし、法廷ではっきり私の気持ちを言った。
一番言いたいことは、同じに居る兄弟だから、意見をあわせて悪いことをしている。と銀行は決め付けている。
それを通すために、こちらが全然気が付かないような筋書きまで作って法廷と云う場所で言っている。
そして最後が、時価以上の高い買い物をしてくれと云うことだ。
それが日本の銀行のやることだろうか。
正直者が馬鹿を見る世間を銀行が率先して作っていくのではないか。

和解は壊れました。判決までもう少し時間が有ります。
しかし兄は裁判は負けると言って居ます。
その時は農地の競売ですから、実際の耕作者の息子が買い戻そうと思っています。
保証人として、そのくらいの出費は仕方ないでしょう。

頭ごなしにお前は悪い奴だ。裁判までして、全部競売だという前に、こちらが裸になっても、当然だと思うような言い方は今の銀行には出来ないものでしょうか。










身近な法律

2006-11-03 | 事例
裁判所の書記官から送られてきた書類は「事務連絡」となっていました。
同時破産廃止を申請してほぼ1ヶ月になります。
私はいよいよ審議が始まるのだな、呼び出し状かと思って読み始めるとどうも内容が違います。

「あなたの破産の申し立ては、あなたが代表を務める会社の保証債務が殆どです。其の会社が、どうなって居るか資料の提出が不足しています。
それを出して頂いた上で、管財人を選出するか決めないとなりません。其の費用はあなたが負担しなければなりません。残念ながら、裁判所は手続きの進行をアドバイスできる立場でないために、専門家と相談することも一つの方法と思います。」

要は今のままでは破産の申請は受付できません。弁護士と相談したほうが良いではありませんかと云う裁判所のアドバイスです。

売上の殆どは1軒で占める月商800万の印刷屋です。仕入先も5-6軒ありますが、殆どが大口1軒です。銀行借入は1300万。第三者保証人2名です。
然し個人借入は、ビルの建設資金1億数千万、この保証には知人の母子が二人でなっており、母子の自宅まで担保に入れております。

平成15年の12月28日、支払いや借入返済が出来ないどころか、僅かな手形も決済できなくなりました。
これが倒産と言うものか、母子の保証人はどうなるだろうか、など考えているうちに、自分では意識しないうちに、腹と首を切ると言う自殺未遂を起こして居りました。

命には別状無く20日ほどで退院出来ました。
この間家族は近くの弁護士と相談して、出来るだけ整理をやっていました。
仕入先は前述のように、5-6軒、大口は1軒です。
今時、珍しい割腹自殺、未遂であっても債権者は驚いたと思います。皆様、支払いはどうなっても良いから、早く体を直せと励ましてくれたらしいです。
また合わせて1300万足らずの会社の銀行借入は保証人の二人が立替払いをしてくれたようです。

一番大きい、ビルの建築資金の1億数千万の保証は、銀行が、母子の担保を売却すれば、二人の残額の保証債務は免責すると云ってくれました。
此処までやれば、後お金もないし、自己破産までも必要ないだろうと弁護士は30万を請求し、手を引きました。

銀行はビルを売りました。
私はもう僅かな年金しか収入はないからと、東北のある町の外れに引っ越しました。1年と少し前です。
しかし、それから、何処で住所を調べるか、支払いに関する電話がかかるようになったのです。
先ず、公租公課です。公私ともに払わなかったものか、新たに発生したものか解かりませんが、額は少ないけれど請求があります。
また、銀行に払ってくれた保証人からも、僅かづつでよいから払えないかと手紙が来ます。
仕入れ先の、元気かと励ましの挨拶の間に、少し催促が入ります。

知人が「資産が何もない人は、自分で出来て費用も易い自己破産が有る」と云っていたのを思い出しました。
債権者の皆さんは悪いが、自己破産をし、一旦 けじめ をつけるべきだろうと判断しました。
そしてから自分で出来ることがあれば、それをしてお返ししようと決意したのです。

教えてくれた人は「私は専門ではないから」と断りつつ、裁判所に行って、説明を受けたり、書類をもらうことを教えてくれました。
「裁判所が申請用紙を受け取ってくれれば、先ず破産も出来たも同じだ。私も提出前に書類に目を通してあげましょう。」と云ってもくれました。

参考のために、裁判所の近くの相談した弁護士が、費用は60万かかると云っていましたが、自分で申請すると、夫婦でも4万以下の費用で済みます。
其の申請書を受け付けて貰った時は、本当にほっとしました。もう大丈夫だ、必ず破産になるだろうと、関係者に協力依頼を兼ねた挨拶状も出しました。

そこに裁判所から事務連絡の書類が届いたのです。

会社も破産をしなさいということでしょう。
確か会社はもう終わった同然で、今後何も起こらないと、口では説明した筈だがと思いますが、何にもなりません。

近くに破産問題も引き受けますとチラシがあった司法書士が居りました。
夫婦で30万ならばやりますと言うことです。

頼みました。
しかし今の私には30万と云うと途轍もない大金です。
夫婦の1ヶ月半の生活費です。
自分で出来ることならば、時間は一杯ありますから何でもやります。
今回の件も、会って少し説明して頂けると、おそらく自分でも出来る事だったと思います。
事務連絡、そこに電話をしてよいか解かりませんでした。
電話をしたかったですが出来なかったです。

裁判所も忙しいでしょうし、また、公平さを保つために説明できないことも有るとは思います。
しかし、何もかも、専門家を頼めと言う前に指導も会っても良いと思います。

そうして頂くと今まで遠かった法律が手近に来るように思います。
専門家を何人も作るよりも、各人が慣れる事の方が、はるかに価値は高いのでは
ないでしょうか。










中小零細企業経営者の皆様

2006-11-01 | 無料相談のご案内
11月です。今年も2ヶ月を残す所となりました。
商工会議所・商工会・各種業界経営者の皆様、
年末の資金繰りは、如何でしょうか。
日銀は、再度金利を上げるとの報道もあります。
一番の影響を受けるのは、中小零細企業です。
中小零細企業に取り巻く環境は、まだまだ厳しい状況ですが、
日頃からの危機管理は、自らの会社を救います。

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