かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

納税に役立った破産

2007-04-30 | 事例
次の手形の決済が、どうしても150万ばかり不足です。
今までと同じです。ノンバンクを利用せずにあらゆる手段を使って切り抜けて来ましたがもう気力がありません。
債権者が押し寄せてくる夢ばかりです。
破産を決意しました。

銀行債務は、父親の物件ですが、担保である現在の会社を売却すればむしろお釣りが来るくらいです。
最近300万のビジネスローンを他の銀行から借りましたが、これも整理できるでしょう。
売掛金は5000万近くあります。それに対し仕入れ債権は8000万です。
未払い税金など、それと給料などに半分の2500万を引いても仕入先には30%の配当が出来ます。
破産でも何とか勘弁して貰えるではなかろうか、とCさんの計算です。

私はその時反対しました。
「30%の配当でも破産をした時は10%にもなりませんよ。
本当に仕入先にことを思っているならば債権者会議を開いてみたらどうでしょうか。」
ただしCさんには126軒の仕入先の前で説明する勇気はありませんでした。

弁護士には400万払いました。
不渡りの2日前です。その日から全ての入金は弁護士に入ります。印鑑も預けました。
不渡りの日に従業員には弁護士から話してもらいました。
Cさんと社長の父親はただ頭を下げて居ただけです。

破産申請は受理されました。
予納金は400万です。管財人も決まりました。
久しぶりにお金がありそうな破産の管財人と云うことで、管財人は大張り切りです。Cさんを捕まえて「回収は訴訟に持ち込んでも全部やりましょうね。」と意気軒昂です。

弁護士の費用・予納金・それに管財人にも費用が懸かるのだそうです。
最初の胸算用とは違って来ました。でも3割出来なくても2割はできるだろう。

案じた回収はむしろ予想以上に入って居ます。完全回収が1ヶ月早く出来そうです。
担保の会社ビルはビジネスローンまで弁済し、4000万の余剰が出来そうです。
他に個人保証はありませんから、父親も老後の資金は出来そうです。
此処までは快調でした。

しかしこれから予想だにして居なかった事が続きます。

税金が未払い分800万のほか、今までの滞納などの延滞金の合計が1200万になる。
どうしても払って貰いたいと云うことです。
その理由はお金があるのではないかと云います。
今まで納税は、散々揉めていました。延滞金が付いて居たのは知って居ました。
しかし弁護士も本税だけ払えば、後は勘弁して貰おうと、若干軽く見ていたかも知れません。
管財人に回って、払わなければならないとの判断になりました。

ついで社会保険です。
200万くらい有ると思っていましたが、なんと延滞も合わせて500万です。

年金基金にはもっとびっくりしました。
滞納が500万と言います。それにもう基金から脱退しなければなりません。
何かよく解りませんが、その費用が700万だそうです。管財人が納得していましたから本当でしょう。

それに対し、仕入先から債権を請求して軒数は83件でした。
後はみんな放棄です。

このほか従業員の給料は払わなければなりません。
この時点で管財人の取り分が約300万だそうです。これ以上破産に時間を掛けても管財人は只働きになります。

そのせいでも無いでしょうが、管財人はそれから直ちに破産を終わらせました。
債権者集会に来たのが4社です。配当はゼロです。

税金は、個人の方でも影響がありました。
担保を売却して保証債務を弁済したのだからそれは税金が掛からないと思っていました。トンでもない間違いでした。

保証はビルの持主の父と息子です。
父の保証分は半分だ。半分は息子分だから、ビルの売却代金の半分は譲渡所得で課税すると言います。息子が破産をしない限り税金をかけるということです。
それと、これも以前父親が不動産売却で滞納になっていた税金が、本税は入金されたが延滞税は本税とほぼ同額のこっているという訳です。
4000万は老後のお金と思っていたのが、1000万以下になりました。

比較的債務者と仕入先には良い破産が出来ると思っていましたが、今までの不徳のために、税金の未払い、延滞税、それに破産に掛かる諸費用で7500万が消えました。






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同じ破産でも費用は違います。

2007-04-29 | 事例
破産。それは弁護士がよく調べ、裁判所に申請します。裁判所は更に管財人を立てて調べ破産を決定します。
費用やそれにかかる時間や手間、人によって違いなどある筈が有りません。
しかし現実には、弁護士や管財人によって違いも生じて居ます。

リストラで解雇された青年が田舎にUターンし、小さいけれど地方企業に就職しました。東京にローンで購入したばかりの自宅があります。
ローン会社に事情を話し、家は売却し、残債務は自己破産を申請する事にしました。
お金がないから、「同時破産」と云う破産を自分で申請しました。
5ヶ月くらいの間に、書類の受付まで2回、その後免責まで2回、計4回、裁判所に足を運んでいます。
費用は約4万円掛かっただけです。
その後、何故か、使用中のカードが使えなくなったと言うこともありません。
妻以外誰もこの破産を知りません。
今は新職場で頑張っています。
私はこの様な破産が、困って居る者を助け、再生させる法の目的であると思っています。

事業が失敗し、自分で会社の整理を進め、担保処分まで一段落したので、後は年金暮らしのために、田舎に転居した小企業の社長が居ます。
しかし、サービサーと、個人で借りた債権者は、田舎まで追いかけてきます。
社長は自己破産を決意しました。
「同時破産」と云う破産が自分で出来、費用も安いと聞いて裁判所に出かけ、教えて貰い、自分で申請しました。
書類不備で2回ほど往復しましたが、ついに受け付けてもらいました。破産は申請が受け付けて貰えれば、成功と聞いていますから、一安心です。
ところが1ヶ月くらい経って、裁判所から「事務連絡」と云う書類が郵送されてきました。
内容は、「会社の代表者が破産をする時は、会社も破産をしなければなりません。
弁護士と相談して申請し直してください。」と云う内容です。
そうなると費用も高く、時間も掛かります。
裁判所の近くに弁護士の看板を見ました。飛び込んで聞きました。
弁護士は上手く処理できるといいます。
10万を弁護士に払い、会社は破産せず、裁判所費用は4万以下で出来ました。

中小企業の倒産の場合、破産などしなくても仕入先は比較的簡単に話が付きます。
しかし銀行はサービサーに債権譲渡するために、逆に2年後くらいから請求が本格化します。その頃は事実上会社はありません。自分だけ、人に解らないように破産を望む人も結構多いです。

東京にそんな社長が居ました。金融関係だけが五月蝿いのです。
弁護士に依頼しました。
会社は別会社をつくり息子が経営して居ます。元の会社が破産をすれば、必ず業界紙に載って世間に知れ渡ります。そうなると、今の第2会社に影響が有ります。会社の破産はしないと云う条件です。
弁護士は全ての費用100万で二つ返事で引き受けました。
ところが裁判所は会社も破産をすることを要求し、破産の申請を取り上げません。それからもう1年以上になります。破産は進んで居りません。
引き受けた弁護士は大変です。本人に代わり、何軒のサービサーから来る請求の断りをして居ります。
内1軒は、痺れを切らし、法的回収に入りそうです。
弁護士はどうするのでしょうか。

飲食業に失敗した青年が破産を決意し、たまたま電車広告で見た弁護士事務所に飛び込みました。
会社も破産が必要だ。両方で弁護士と裁判所の費用が400万かかる。しかし事情を聞けば貴方は、直ちに破産をすべきだ。この場で委任状にサインしなさい。と大変でした。
納得できず、電話帳で他の弁護士を調べました。出かけて説明を受けると、全部を100万でやるとの事です。態度も、直ぐにサインなどとがっついて居ません。
しかし念のために、もう1軒当たりました。
弁護士は答える前にこちらに、「今、債権者は五月蝿いか。」と聞いて来ます。
「今は仕入先で何か云ってくるところは有りません。銀行も梨の礫です。」と
答えます。
「破産はもっと後でよい。しかし正式にお破産まで、借金の断りが大変だろうから僕と契約すればそれも引き受けて、全部で60万でよい。」と云うことです。
この若い弁護士が、相談者のことを一番心配してくれている気がしました。

最近は、余り大きくない、会社と個人のセット破産は、全てで100万と云うのが相場みたいな気がします。

費用面で最近ひどいと感じたことがあります。
債権額12億くらいの破産です。顧問弁護士に相談すると、会社と保証人二人で、予納金だけでも1件400万で計1200万、それに弁護士費用が1件300万で合計2100万
ですが2000万にしましょうと吹っかけられたところも有ります。
「個人はするな。会社だけしなさい。700万ではないか。個人が必要の時は全て住んでから同時破産でよいでしょう。二人で100万とは掛かりません。」
それが私のアドバイスでした。

特別精算と言う会社の整理です。最終の裁判所の許可も下りました。
が、その後の代表者の個人補償は別です。この個人の破産を弁護士に200万払った人も居ます。
同時は山河で来た筈です。それならば高くて30万でしょう。
その時は特別精算の費用も1500万払っています。10億以上の債権額でしたが一寸掛かり過ぎの気がします。
期間が2年以上掛かり、清算書を見せてもらったのも、全てが終わってからでした。

破産は先ず依頼する弁護士によって、費用ばかりでなく、あらゆる面の差がずいぶん有るように思います。
一旦依頼すれば破産者は弁護士の僕になって、何も意見を言えない人が増えます。いや聞くことすら遠慮して居ます。
依頼前には条件を徹底的に話し合う事は必要でしょう。

それでは管財人に移ってからは、完全な裁判所管理の基だから、そんな不平等のことは発生しないだろうと誰しもが思います。
しかし私には残念ながら、有るとしか思われないのです。

その実例は次の機会に報告したいと思います。






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倒産処理は 借金先の分類から

2007-04-26 | 事例
事業に失敗した人たち。方々に借金があります。

この借金をどうするか話をつけないとなりません。法的整理とか任意整理とか言っていますが、その前に、先ずどんなような借金があるか大別してみましょう。

先ず従業員に未払い給料や退職金があります。苦楽を共にしてきた人たちです。「失敗したから払えない。」なんて言える中小企業の経営者は先ず居ません。
次に商売上の仕入れ業者があります。この人たちのおかげで今まで皆生活をしてきました。「仕入れ業者だけには迷惑を掛けたくない。」100中90人は不可能であってもそう言います。

そして次は銀行です。銀行に対しては皆様比較的冷たい考えです。これ以上お金を借りる事は出来ません。そうと解れば、人は手の平を返すように変わります。銀行も今までは恩人でしたがこれからは借金取りに変わります。
特に現在は銀行は債権をサービサーに譲渡します。債務者はサービサーに対しては悪人か害虫と思って対応して居ます。
返したくない。差し入れた担保は取り戻したい。と云う考えに変わって居ます。

もう一つ忘れてならないのが公租公課等です。諸々の税金、固定資産税他地方税、それに社会保険です。以前は倒産であっても大多数の人には関係ありませんでした。皆さん払って居ました。しかし5-6年前から、特に此処2-3年前からは、多くの人が延滞して居ります。無視出来ません。銀行に次ぐ多額債権者になって居ます。
しかし租税に対する考えほど、人によってバラつきがある債権は無いような気がして居ります。
残念ながら「国民の義務だ。何より優先しなければならない。」と本音で考える人は本当に少ないです。

この他にあえて分類すると電気料やガス料金など、日常の生活経費と云うべき債務と、消費者金融など、銀行以外の金融業者(ノンバンク)からの借金でしょう。

こうして分類するとグループ毎、特徴があります。
全員纏めて交渉するのも良いですがグループ毎交渉をした方がスムーズにいきます。
銀行と仕入先を1堂に集めて説得するよりも、別々に説得した方が良いと云うことです。
特に任意整理の時は注意すべきでしょう。

例えば任意整理をするときを覗いてみます。
電気料やガス代など、生活経費はどんなときでも払わないとなりません。
従業員に関しては先ず給料だけは何を差し置いても払うのが普通です。
退職金はその時の事情によるでしょう。払えない場合が多いです。
次に公租公課を払うべきですが、そうする人は先ず居りません。
仕入先に分配して居ります。
配分の資金の中にはこれから回収するお金も結構含まれます。
それを税務署や銀行に取られないように頭を使います。
此処までで、手持ちの資産は使い切ってしまいます。

銀行は担保と保証人の保証が残り、此処から回収が望まれますが、公租公課は何もありません。
それを知って居ますから、倒産と云う時、公租公課の差押は本当に素早いです。

ノンバンクがある人ははどうしよう。此れは考えが割れます。
強気の人でそのまま放っておき、その場で対応しようと言う人も多いですし、怖いから自己破産を検討しようと考えを返る人も居ます。
そぜぞれの対応になります。

この様にグループ別に対応が分かれてきます。

しかし、倒産の時に債権者を説得するとき、一番難しいことは次のことです。
倒産をして債権者を説得するときは自分の資産を全部投げ出して公平に分配することが必要です。
これが簡単のようですが難しいことです。
特に一番注意をしなければならないことは、本当に倒産者が自分の全財産を投げ出していると債権者に信じさせることです。
これが信じて貰えないから差押と云う事が生じます。
此れに対してもグループによって違いが見えます。またの機会に具体例を紹介します。

会社の整理、任意整理か法的整理かに始まって、いろいろ決めて行かなければなりませんが、自分が火中に飛び込んだり、事例を見ていると本当の勉強になる事が多くあります。いくつか事例を見ています改めて紹介させて頂きます。




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粘り勝ち

2007-04-23 | 事例
Aさんは何としてもビルのお店だけは守りたいです。

県庁所在地と言ってもただ一人、気を吐いているのは駅前のテナントビルだけです。
デパート形式に立てられたこのビルは、各店個人所有で、この地区の有名店だけで構成されており、入居者やその取り扱い商品には定評があります。
主な地方銀行2行が大手株主で運営役員なのも信用の裏づけになって居ます。

Aさんの店は駅から200メートル、メイン道路から脇に入った3階建ての小さなビルです。
此処が本店でテナントビルに支店を構えております。

毛皮など高級ブティックを扱い、ビルにもお店を持っていますから、一応この辺りの名士です。

売上の翳りが見えたのは、もう7-8年前です。次第に取引している4行に返済が難しくなってきました。
やりくりが限界になって、漸く社外の人に相談をしたのです。
弁護士は「破産しかない。」と云っています。
コンサルタントは「返済を金利だけにしなさい。商売が黒字ならばやっていけますよ。」と言うアドバイスです。
Aさんはコンサルタントの言葉通りに動きました。
資金は回りだし、暫く順調でした。

しかし、売上は」とどめも無く落ちて行きます。
1年以上過ぎると金利も払えません。
「金利が払えなくなったら、覚悟しましょう。銀行に返済を全てやめましょう。
銀行が競売をしてきても立退くのは1年後です。また差押えも直ちに出来ません。
当分商売が出来ます。それまでに背一杯の備蓄を考えます。」
コンサルタントの言葉です。
もう破産一筋の弁護士は相手にしておりません。

「倒産して一番困るのは、Aさん。貴方です。少しくらいの資金が無ければ飢え死
が待って居るだけですよ。もう時間が有りません。返済や支払いより自分の備蓄を考えましょう。」コンサルタントは五月蝿いです。

Aさんは一時コンサルタントの言葉に従いました。何処にも全然払いません。
五月蝿い銀行にも我慢しました。
しかしこのままでは店が潰れるのは分かっています。Aさんは続けたいです。考えた結論は次の通りでした。
「元利とも、前項の返済全てで、10万くらいならば払っていけるではないか。10万を借入高に比例して毎月返済しよう。それで商売を続けることが出来るように銀行に依頼しよう。」

コンサルは反対です。「そんなことをして居れば、銀行が承知をしても、ジリ貧になって倒産後本当に惨めになりますよ。」と一点張りです。
しかしAさんに負けました。
そして次のアドバイスです。
「Aさんとこの在庫2000万くらい動かない在庫がありますね。黒字決算のための架空計上と思っていました。しかし、よく調べてみるとこれは何年も前の毛皮コート
の仕入れになっていました。在庫まだ有りますか。」続けます。
「これを銀行に云いなさい。原価が2000万のコートがあります。今までこれを何とか原価以上で販売すれば資金が助かると思ってやってきましたが、これを500万までに下げます。売れたときはそれを皆様に公平に分けます。
ですから毎月10万円の配分の件を承諾してください。」
銀行の入金になる可能性のある不良債権処理です。

各行は結局承諾してくれたのです。17年秋でした。

暖冬でした。安くしても50万以上の毛皮コートです。毛皮はもう時代遅れです。
それでも奥さんの顔で売りさばきましたが、300万にもなりませんでした。
300万の殆どは自分の経費となり、銀行に戻ったのは僅かでした。

此処まで来て、漸くAさんの債務は期限の利益を喪失し不良債権になったのです。
「今まで粘ったから競売になるのは早いですよ。」とAさんにその準備をさせようとしますがAさんは動きません。
わしはこの店と心中だ。」なんて叫んでいます。

担保の無い2行はサービサーに譲渡して居ます。
本店担保の銀行は任売を薦めてきました。応じなければ競売です。

ところがビル担保の銀行は何も言ってきません。
やがて担保付きでサービサーに譲渡の通知がありました。18年の暑い頃でした。
銀行からこのビルに役員を出向させています。その銀行が競売を起こしたくなかったと私は読んでいます。

外資系の銀行のサービサーです。思いがけない好条件を出してくれました。
12万円の返済を続けると、不動産の処分はしない。と云うのです。
少しきついが何とかなりそうです。

本店はコンサルタントが薦めた貸し店舗で動きました。
1階・2階を貸して、その賃料を返済荷回すことで話が付きそうです。3階に住めます。
他の2行のサービサーと保証協会との話し合いは難航して居ますが今のところ毎月の返済で処理の予定です。
全て話し合いが終わったのは、18年の暮れでした。

今は、死に者狂いでやっています。
其のせいかこの3月の決算は売上も利益の右肩上がりです。

粘りに粘って、また生き返ろうとして居ます。






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宛てにならない友情

2007-04-22 | 事例
こんな信金ってあるでしょうか。
担保の抵当権解除を、世田谷の自宅は4000万、箱崎の店舗の近くの、1LDKの事務所は800万でよいと云うのです。この頃から2-3年前の相場です。
平成17年、第2のバブルが吹き荒れている頃でした。

主人が会長、奥さんが社長の夫婦は、自宅を高く売り、それで事務所を買い戻すことです。
狭くても夫婦だけの住まいには充分です。事務所は店舗の倉庫部屋に移します。

今の借金はとても生存中に返済は出来ません。毎月の返済が年金寸前の夫婦には辛いです。
本業だけならば、仕入、販売とも月2回の現金決済ですから何とか回っていきます。
事務所と自宅を売って、残債務は勘弁して貰い、別会社でやっていくというのが二人の希望です。残額は返済の3倍強ありますが勘弁してくれると信じて居ます。
そして、住居を失うから、自宅を高く売って、その分で事務所を買い戻し、其処を住まいにする予定です。

「大丈夫、世田谷の売却で1000万は高く売れますよ。
ただし売却代金は全部銀行が持って行きますよ。高く売れたからと云って、その分は貴方の取り分ですとは、絶対に言いませんよ。
全部銀行に持っていかれるから、余程上手くやらなければなりません。
出来る人紹介しましょうか。信頼できる人です。」
私はそんな意見を言った事を覚えております。

しかし夫婦は私の意見は聞きません。
古くからの、主人の知り合の不動産屋が居るとのことです。無二の親友で自分を犠牲にしても夫婦のために動いてくれる人らしいです。
事情を聞いて「俺に任して置け。」とポンと旨を叩いたそうです。

間もなく「買い手が見つかった。」と報告がありました。しかし買い手や売却代金の報告はまだです。
そのうちに「俺のほうで上手くやるよ。」と云っていた不動産の測量代55万を持っていかれました。二人に痛い出費です。
としているうちに新提案がありました。
「今時、銀行も厳しく、不動産売却で鞘を抜くのは至難の事。俺の知り合いに一旦売ってほとぼりが冷めてから他に売る。事務所もお前の親戚でなく、俺の知り合いに一旦見せ金を作って貰って、その名義に変えるから承知してくれ。」
無二の親友の好意のこもった言葉です。主人は勿論同意して居ます。

知り合いの銀行の応接で、取引は済みました。4800万を払い、担保解除の証書を貰いました。名義変更はこちらだけで出来ます。
夫婦はそれならば、「親戚の名義には出来ないか。」と不動産屋に云いましたが、「今そんなことをすると銀行に見つかってやばい。暫く知り合いの名義にして置かないと駄目です。」
と、諭され、名義は不動産屋の知り合いの名義になりました。
しかしその後、自分は其処に住み、第2会社も作って安泰です。
残債務に関しては、信金もまだ五月蝿く言って来ていません。

3月、新聞で公示価格の発表になった頃、別件で主人から電話がありました。
その時に、気になっていた名義変更の事を聞きました。
「そのまんま。」との事です。
一寸心配になり、更に突っ込んで聞くと、不動産屋との間は全て口約束だけで、自分の名前に戻す約束の書類は何も取り交わしてありません。と云う説明です。
無二の親友は変ななことをする筈が無いと言うことが主人の考えです。

「貴方の気持ちも分かりますよ。しかし万一どちらかに突然不幸が起きたらどうしますか。貴方は自分の不動産を取られるだけですよ。そうでなくてもこうした時は何かの書類があるのが普通です。
先ず名義変更をする様、話しましょう。どうしても現状維持の時は何か書類を考えてあげましょう。直ぐに相手に聞いて御覧なさい。」
さすがに、主人は早速不動産屋に、名義変更を依頼したのです。

事件は此処から始まりました。
不動産屋は名義変更には触れたくない様子です。当初は逃げて居る様な感じでした。
さすがに主人も若干おかしいと感じて、ある日強く迫ったのです。
此処で不動産屋の開き直りがありました。

この不動産は銀行返済のために一時800万を知り合いが立て替えている。
尚その後、知り合い名義のための管理をして居る。その間に不動産は3000万くらいまで値上がりしている。
この値上がり分は主人だけが一人占めにすべきでなく、関係者が均等に分けるものでしょう。それを話し合うのが先決ではないでしょうか。

そして更にこの主張が変わりつつあります。
「もともとこの家を主人にそのまま戻すなんて約束は何処にもしておりません。
第一違法の事では有りませんか。
あくまで私が抵当権解除の承諾も得て、手にした物件で、誰のものでもありません。
ただ貴方が買い戻したいと云う時は、ご事情がご事情ですから、特別な価格で結構です。
その売買をしないときは、私も何時までも賃料0と云うわけに行きませんから、
今後適切な賃料を頂きます。
相手に有利な証拠は幾らもありますが、主人の不動産と云う証拠は何一つありません。だから訴訟も出来ません。
よしんば、訴訟が出来、裁判に勝ったとしても、詐害行為で、その値上がり分は銀行に返済するようになり、夫婦には何も残らないでしょう。

この話はまだ決着が付いておりません。
知り合いが不動産屋の傀儡であることは事実です。
どんな形になるか判りませんが、夫婦は払うようになることは間違い無いでしょう。

永年の無二の親友、大きくひびが入りました。






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素晴らしい奴

2007-04-20 | 事例
今日偶然に一人の男と出会いました。
相変わらずの精悍な顔、仕事もうまく行っていそうです。

彼が親父と飛び込んできたのは、まだ残暑が厳しいときでした。
「今週、手形が不渡りになるそうです。この仕事は続けたいです。今、俺と親父がどうすればよいか教えてください。理由は後でも良いですからやることだけを教えてください。」

今日は月曜日、手形は土曜日の日付ですから中6日あります。
弁護士に聞いたら破産しかないと言われたそうです。その時に知人から以前紹介された私を思い出し飛んできたというわけです。

職人5名を使う小さなタイル屋。中堅ゼネコン2社の下請けです。親父が資金を受け持ち、倅が営業と現場担当です。倅は経理も資金も全然分かりません。

「中6日しかないよ。不渡りは回避できませんよ。会社は倒産ですよ。そうなると今の売掛金が回収できるかも判らないし、やりかけの仕事も完成出来るかも判りませんよ。不渡りを出せば仕入先も、ましてやゼネコンも相手にしないですよ。」
「先生、俺、学校出てから親父の下で本当に頑張ってきました。自分のことより何時も仕事や部下のことを考えてきました。周りの人が、俺を信頼してくれているのが自分でも解ります。今回のことも、真剣に皆さんにお願いすれば、多分解って
くれると思います。
可能性が少しでもあれば教えてください。その通りにやりますよ。
それで駄目だったら諦めます。」
30才少し出たくらいと思われる倅は熱心です。親父は諦めたような顔で隣で聞いて居ります。

「解った。無駄になるかも知れないがやってみよう。」
熱意に負けて私はアドバイスを始めました。
「一番問題は売り先です。ましてや中くらいと言ってもゼネコンです。不渡りを出した会社では、幾ら今まで信頼が有っても駄目ですから、新会社を作りましょう。登記完了までは個人商店と云うことで、今の仕事の続行と今後の取引をお願いしましょう。これさえ出来れば、後は何とかなります。」
とても無理だろうと云うのが私の感じでした。
「自信が有る」というのです。「相手もおそらく、今までも会社より俺と取引をして居ると思っています。2日で結論を出します。」
自信より傲慢を感じる位でしたが相手の気迫に押されて何も言いませんでした。

若しゼネコンが良いといったら、新会社名で直ぐに取引を始めよう。会社はこうして作りなさい。
そしたら原材料の確保です。仕入先は何軒? 小さいところが5軒、大企業が1軒だけ。直ぐに集めて債権者会議を開こう。木曜日、ゼネコンの結果がわかれば直ちにやろう。筋書きはそれまでに行くってあげる。
ただこの大手は説得が難しいよ。多分取引はやめるよ。その時、どこか経由で取れないか。
銀行はまだ心配するな。1回の不渡りでは多分何も行動を起こしてこないよ。
ただ説明はきちんとしなければならないよ。

今後やるべきことをくどくど言わず、話しながら箇条書きにしたものと一緒に渡しました。

その晩です。電話が鳴りました。彼です。
「先生。ゼネコンと話しました。2件とも同じような事でした。相手は担当と課長です。個人では口座が出来ないから、こうしなさいと教えてくれました。
今のやりかけの仕事にも支障を起こさず出来そうです。
明後日に正式に決まります。
それを聞いたら夕方債権者会議を開きます。そのやり方を明日もう1度詳しく教えてください。

結論から言って、自分でも信じられないくらいに全てが上手く進んだのです。
第2会社に以降の件、今の取引先の続行。
仕入先も棚上げしてくれました。ただし大手1軒だけは他所を通じて仕入れに
なりましたが、仕入価格が上がらぬ様に、メーカーが配慮してくれました。
そのメーカーの債務は房総に有った担保でおつりが来ます。
銀行は、次回の手形、1ヶ月の間に方針を決めましょう。
今回の資金不足を起こした元凶の自宅兼事務所は手放さないと駄目でしょうが、
此処は処分まで当分住めます。

一週間もたたないうちに全て答えが出て知ったのです。

何とか成功したのは彼の力でした。
色は少し浅黒いがっちりした体格です。
少し声が大きいです。結論を早く出して、人を、分け隔てることなく、はっきり
物をいい、約束は破った記憶がないと云います。
今回のことも、その上で、全然知らないことに恐れなく飛び込んだ勇気が実った事でしょう。

何をするのも人が中心です。信頼されるのは特に才能が必要ではない。少しだけの日常の心がけです。それと何事にも飛び込む勇気があれば充分です。
思い知らされた相談でした。






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言えない最初の一言

2007-04-19 | 事例
サラ金からお金を借りて、返済できない時に、他のサラ金から借りて返す人。
たちまち多重債務者になります。
「一月待ってください。」と言える人、「強引に返さない人」も居ます。これらの人は、多重債務者になる事はありません。
この、先ず困ったときに「1ヶ月待ってください。」と云えるか云えないかは結果において非常な差になります。

銀行に約束通り返せない人も多いです。リスケと云う言葉が流行ったように、返済緩和の交渉も一般化して来ました。が、それでも何も言えない人は結構居ます。
銀行には、自分の資産が全て担保になって居ます。
「今月の返済~」と言っただけで、担保は全て競売になると思っています。
最初一言相談すれば何でもないことを、言わなかったばかりに、やがては会社も家も取られた人、これまた多いです。

債権者会議です。
「最初、何も言わず「申し訳ありません。」と頭を下げましょう。
そうすれば後はぐっと楽になり、説明も出来ます。」
主役を勇気付け、励まします。
しかし最初から、「私は冒頭に誤ります。」と云う人は皆無です。
何度の説得し、怖くないからと含んで教え、漸く承諾させるのが普通です。
しかし、最初に誤ることが出来れば、大体がその後の債権者会議は大概成功に終わります。後の第2会社の協力の件もスムーズに出来ます。

しかし、どうしても言えない人も居ます。
結局は弁護士一任の自己破産となります。
第2会社どころでなく、隠し資産も全部追求されて自分は文字通りの破産者になる事も目ずらしくありません。

会社がおかしくなり、整理が必要と云う時に、まだ奥さんにも言えない人が、結構な比率で居ます。
こうした時、何より大切の事は奥さんも知って、夫婦一枚岩になることです。
それが、その時まだ奥さんの顔色を伺って居るようならば、結局は何も出来る人ではありません。
これも奥様に打ち明ける最初の一言が出ない人です。

こうした一言は、顔を合わせた時の挨拶みたいな物です。
それが出来るか出来ないかで、その後の結果に大きな影響を及ぼします。

「未知のことで、初めてのことです。だから怖い。」と人は言います。
しかし未知の世界に初めて行く旅行、怖がる人なんて居りません。
一寸した心の持ち方で、結果は全く違ってきます。

私はそうした最初の一言が言えない人を励まし、未知の世界で迷わないように、道案内をするのが勤めと思っています。
人が勇気を持ってそこを一人で歩めるようになれば、会社も家庭も安泰となってくるでしょう。

会社が行き詰ったり、多重債務者になった人が立ち直って例は枚挙に遑がありません。
しかし、こうした成功例に小説のような奇手・珍手を用いて成功した言う例は殆どありません。
皆さん、勇気を持ってことにぶっつかり、勝利をもぎ取っています。

蛮勇では有りません。勇気を持って未知の交渉にもぶっつかる。これは自分や会社を守るためにもっとも必要な事と思います。






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破産でも 自宅は取られなかったが

2007-04-16 | 事例
この辺りでは、目だった豪邸では有りませんが、見劣りがしない邸宅です。
其処の主人が最近破産したと言う噂を聞きます。そう言えば表札が外されていました。
しかし、時々出入りする車は、以前から見覚えのあるベンツです。

中小企業の経営者と聞きました。マスコミも振り向かない小さな企業です。
地方ですと破産をすれば地方版を賑わしますが、此処、都会ではそんな事もありません。

此処の住人、社長は以前にも倒産し、任意整理をして、自分は無一文になって居ます。
今回は破産までして居ります。しかし、どうしてか自宅も車も変わらず使用して居ります。

前回の経験から、社長の危機管理は徹底して居りました。
破産後もその家に住めると言う事は、買った時から自分の名義にしなかったと云うだけです。

前回の倒産の後、社長は当時目新しかった家具調コタツに目をつけました。
塗装渡木工の町の高松の業者に組ましたのです。
1台1万円儲かる商品が、量販店で飛ぶ様に売れたのです。この時に不動産をもう
1度手に入れました。

自宅は妻の会社の名義にしました。妻には、妻と義母の出資の形で小さなブティックを経営させて居ます。
全てを現金でなく、可能なだけローンを組みました。社長は保証もしませんでした。
結婚して最初の会社を興すとき、義母からお金を借りています。もう完済して居ますが確定日付の入った借用書が残っていました。それを基に2番抵当も組みました。

車も妻の名義です。
全て自分と妻の名義をきちんと分けています。どんな債権者も妻名義のものには触れることは出来ません。

コタツの時代は終わりました。エアコンの時代になったのです・
生産もマレーシアに移りました。
その間、紆余曲折の結果、ついに社長は破産を覚悟しました。

前回の時とは違います。
今回は注意しました。特に業績が年々落ちてきたために、資産隠しは徹底して出来ました。
主に妻と義母と妻の会社の名義を利用したのです。
会社だけならば惜しくありません。
次の仕事の具体案は決まっていませんが当分ぶらぶらしていても不自由は起こしません。
全て危機管理の賜物でした。

そんな頃妻の心は揺れていました。
毎月のように見える紳士が居ます。1回に100万以上注文します。
その時、その時に変わった女性を連れてきますが、男女の間柄とは見えません。
しかし、その紳士に3回ほど誘われていたのです。
連れてくる女の人は、殆どが会社や取引先の人らしいです。
女性に好きな衣装を送ると見違えるように良くなる。衣装代なんて安いと紳士は言っています。

若い頃から、ガツガツ働き、特に近年は危機管理とか言って自分や母の名義を使用しそれも五月蝿くて仕方有りません。
あの紳士に比べればと 嫌になってしまったのです。

別れようと覚悟して居ます。
原因は性格の不一致です。
慰謝料なんていりません。お互いが自分の名義の物だけを貰えば良い事です。

家も車も預金の殆ど私のものになるわ。
相手は裁判に出来ない。裁判にして隠したことが判ればすべて吐き出すようになるわ。
本当に困っているようならば500万くらいあげても良いわ。

妻は恐ろしいことを考えています。紳士が耳打ちしてくれたことです。

もう直ぐ裸で家を追い出されるとは知らず、男はしばしの休息を取っています。






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預金が一番危険だ

2007-04-14 | 事例
つつましい生活資金や老後のための預金。次の生活の道を見つけるまでの倒産者の預金。
しかしそんな預貯金を遠慮なく差押が持って行きます。

預貯金の差押、そんな実例を3つ4つ紹介しようと思います。

76歳の一人暮らしの老婆が郵便局を差押えられました。3万4千円ほど有りました。
年金の残です。収入は年金しかなく、通帳が金庫代わりです。
裁判所にも文句を云いました。「年金は差し押さえ禁止では無いか。」
裁判所は答えました。
確かに年金は差し押さえ禁止です。」しかしそれが一旦預金になれば年金から預金に代わり差押えは自由です。
老婆の年金は戻りませんでした。

個人名ならば差押えられる。団体名ならば差し押さえ出来ないと郵便局に「カメラ同好会会長 自分の氏名」で預けた人が居ます。80万溜りました。
見事に差押されました。
同好会会長は何の役にも立ちません。

シティバンクは差押さえがないと、あるコンサルタントから教えて頂きました。
第2会社は順調です。隠したいお金も増えて行きます。
浮かれ気分になっていた時、シティバンクが差押えられたのです。800万です。
「私どもも日本の法律を守る義務があります。裁判所の命令には従わなければなりません。」
差押えに応じるなと無理を言っている債務者に答えた銀行幹部の言葉です。

倉敷市、海辺に児島地区と云う離れた市街があります。瀬戸内海荷面し、対岸は香川県の坂出です。
児島の人が先ず児島の銀行を数社差押になりました。空振りをしたためか続いて倉敷の街中(まちなか)銀行数社。これも空振りです。
もう1回やられました。岡山市かと思って居たら海向こうの坂出の金融機関です。
これも勿論空振りでした。
Sサービサーは何で躍起になったか判りませんが、この後売れもしない土地を3回競売に掛けています。

必ず銀行は差押えに来ますよ。若し預金があったら名義を変えるか、京都市街の銀行に預けましょう。滋賀県の老舗に薦めました。
「銀行とは長い付き合いです。個人的にも付き合った中です。そんな事やるわけがありません。」
しかし、定期預金1200万を差押えられました。
此処から極端な人間不信が始まりました。
頭取以下幹部を殆ど知っている老舗は、それからは何かあると銀行に乗り込みます。会わないと大声を上げています。
真冬でもパッジを身につけない丈夫な老人です。
銀行も本当に困ったと思います。

京都の20台独身の女性です。
父が死んで20日目、自宅の周りの銀行は勿論、福島県の銀行まで差押えられました。
其の時点では相続放棄をしていません。保険金が目当ての差押えです。
5-6年前、勤務の状態で福島県に住んだことがあります。
その時、この銀行を利用して送金したのです。
それが元で京都の人でも福島県の銀行に隠し預金があると疑われたのでしょう。
銀行の執念が怖いと感じた時です。

預金の差押さえだけでも、何回直面しているでしょうか。
それを聞いて、銀行に預けるのは良くない。箪笥預金が良いと決意した人が居ります。
300万づつ束にして、それを新聞紙にくるみ、ガムテープでぐるぐる巻いて、貸金庫にしまいます。本人はそれをミイラみたいだからと、ツタンカーメンと呼んでいます。3つ作るのが目標だそうです。
本当に良いのでしょうか。

こんな例は限りがありません。
また、同じとき、同じ場所で同じ金額を差押をされるならば、銀行やサービサーより税務署の方が こちらは助かるなど、差押についての説明も必要です。
そうして「其のお金、何処に隠すのが良いの。」と云う質問に答えるようになります。

そんな疑問、近いうちに解きましょう。






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其のお金、何処から出てきたの

2007-04-13 | 事例
親身になって付き合っているからこそ、彼の生活まで全てが分かっているつもりです。
絶えず、サービサーに追われて居ると云う観念の彼は、慎ましいと云うより、悲惨に近い生活を送って居ます。

サービサーはしつっこく彼を責めてきました。あれだけ銀行に払ったのだから、何もないと思うのが普通ですが、逆にサービサーはあれだけ払えただからもっと払えると見ているのしょう。

銀行預金の差押えは、最初7行、2回目は3行と2回遣られています。最初10何万やられただけですから、空振りに近いと云ってよいでしょう。
2回目は外国銀行まで入っていました。
今の売掛が判らないだけ、良いと思って居ます。

今は昔の顔で依頼された仕事を、以前からの知り合いに回し、それで食べています。
あれ以来、妻とも別れ、携帯だけが外部との連絡では、仕事も充分に取れません。
一人、安アパートに帰り、焼酎一杯で寝る彼には、いろいろの疲れが濃くにじみ出て居ました。
こんな生活も限度に来ています。

そんな彼の携帯にも、サービサーからの電話は3-5ヶ月に1度間違いなく入って居ました。和解を薦める電話です。
しかし、3億9000万の会社保証債務に対して、サービサーは当初は6000万、今は1600万を主張して、こちらの30万と云う線とは話になりません。

時効でも早く来ないかと思っても、訴状や差押さえで中断されており、及びも付きません。

破産はして居りません。破産をした方が遥かに楽で、安く付きます。
また、他に保証人も居ません。
彼一人ならばとうに破産をして居ます。
しかし、保証人債務は、会社が先ず破産をしなければ、個人の検討が出来ないと裁判所からのアドバイスがあり、破産を躊躇して居ります。会社は比較的名が通って居ます。破産をしたとなれば、直ちに人に知られるでしょう。すると今僅かでも来る庭の維持の仕事も、直ちに無くなるでしょう。

彼のところは祖父の時代から、日本庭園で有名な造園業者です。それだけに得意先はお寺などが多く、全国的に散らばっております。
硬いところで、破産などして、知れ渡ると仕事は直ちに他所に流れるでしょう。
と云って、破産をしなくても、今の携帯だけの営業は、持っても後1年くらいと見ています。事実上会社が無くなって居ることは、自然に知られていきます。
その意味では今年1杯が和解の時です。

「そろそろ決着をつけませんか。」今回は少し間を空けて、半年振りにサービサーから携帯に入りました。此処で和解出来なければ、1年経てば破産でも同じ事でしょう。
旧債務は処理できますが、営業の手がかりは完全に無くなるでしょう。つまり、生きる術を失います。

「何とか100万を出します。検討してください。」
2-3日のうちに返事しますとサービサーの担当者の電話は切れました。

サービサーの提案が出ました。
「500万の1時金。後10万づつ3年間払ってもらうこと。3年目に再度話し合いましょう。
または1時金ならば800万です。
以上が当社の出せる背一杯の条件です。
10日後までにご検討願います。ご返事がない時は本提案も水に流してください。」
慇懃無礼とはサービサーのためにあるような言葉です。

私は出せる筈が無い。今回もお流れだ。と彼とも話し合い、明日では余り早すぎるから7日くらい経ったら返事をしてくれと別れました。

断った事を確認しようと思って居た矢先。彼から電話がありました。
800万円で和解します。先ず相手から和解書に捺印してそれを送ってきます。文面がそれでよいか、見てくださいと云う電話です。

「お金どうやって都合したの。内緒で持って居たの。知人や親戚で貸せる者は居ないし、それともバックでも付いたの。」
不審がる私に明快な返事が返ってきません。
借りるのでもないし、バックが付いたのでもない。結局は自分が隠し持っていたと考えるより他ありません。が、会社がおかしくなりだして直ぐ付き合ってきた私にはこんな大金を隠し持っていたとは信じられません。

しかしこうした経験は彼だけでなく、他にも経験があります。
山内一豊の妻のお金のように思いもかけない大金が再生の時に忽然と沸いて出ます。
今まで隠し金が有ると片鱗も感じたことが無いお金です。

解らないのはお金、持っているようで持っていなし、無い様で忽然と出る事もあります。
そしてこれだけはどんな人にも言いません。
どうなって居るのでしょうか。

唯私にはそんなお金が無いことは事実です。
家内には、家内には  解りませんが、あると良いですね。  






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