かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

夜逃げ人の年末

2010-12-30 | 事例
「彼のところが此の3連休に居なくなった。あの機械をもって夜逃げしたらしい。」
こんな噂が同業者を駆け回りました。昨年の11月、勤労感謝の3連休です。

会社も住まいも1体とも言えるような近間を親の代から借りて居ます。
近くには同じ金属加工の零細企業がひしめいて居ります。
長年そこで金属加工をしていた彼が夜逃げをしたらしいです。

2年ほど前に彼は最新型の工作機械を購入して居ります。
4000万したと云う其の機械は、今迄使っていた3台が不要になるほど性能が優れておりました。
これ1台有れば十分に用が足ります。5名居た従業員も2名と家族で十分です。
当然、価格競争が有っても負けません。

彼はローンを組みました。当然ながら機械には質権が設定されて居ります。

しかし今迄通りの注文が有ればよかったですが、注文はがた落ち、ローンも返済出来ない状態になって
来ました。返済を滞らせば機械を持って行かれる、そんな思いのために彼は必死に返済を続けたのです。
モラトリアムもなかった時です。ついに金融業者と付き合うようになり、やがて仕入れの支払さえ出来なく
なったのです。
夏ごろから、銀行の返済すら乱れ始め、ついに返済が出来ない月が生じました。
其の月、彼の一家は機械とともに消えていました。

「あんな機械を持って何処に消えたんだ。しかし直ぐに解るだろう。」
しかし年内、トンと一家の行方は解りません。
噂が下火になった早春、親しい友達に連絡が有りました。

「あの機械さえあれば、絶対に食べていかれる。
 今は、機械ごと身を隠し、仕事がもらえれば一番よい。と思って居たのさ。
 ところがそれをしてくれると言う人が居たんだよ。
 そら、得意先で業界の支部長などやったRさ。Rの手引きで機械まで持って逃げたんだ。
 ところが生活費も何もないだろう。当面の費用をRから借りて、それが講じてついに機械はRに
 取られてしまったよ。
 Rは機械のお釣りと言って800万呉れたが、俺にとってはRに騙されたよ。
 800万も減る一方だし、ところで何か仕事がないかな。」

後日Rは弁明して居ります。
「儂を頼って彼は機械と一緒に転がり込んだが、儂だって彼に義理が有るわけでないし困ったよ。
 其れでも頼られた以上、男だから金も貸してやったが、儂だって続かないよ。そこで相談して機械を
 売ってやった。お釣りは全部彼に戻したよ。」

お互いに陰口の応酬になるだけです。得は有りません。
困ったのは彼です。昔の仲間を渡り歩いて、食べるくらいの仕事は有りそうですが、誰も乗ってきません。
破産をして綺麗な身になって居るならば良いが、そうでなければ、頼んだは良いが、そこで差押でも入ると
頼んだ方も大損を食う。破産をしなさい。そうすれば力になるよ。と言うわけです。

彼にとって見れば破産は出来ません。質権のある機械を持って逃げたのです。
刑事問題になりかねません。破産も出来るかどうか解りません。

同業者も此の1年で随分変化が有ります。
破産して居なくなった人も居ます。
任意整理をして何とか続けて居る人も居ます。

どちらにせよ、そんな人たちが羨ましい。
もう一寸頑張ればローンの返済も相談に乗ってもらい、
金融業者だけの返済は何とか和解が出来たのにと
思うとたまりません。

業界の仕事は減って居るものの、暮ともなれば雰囲気が違ってきます。
一人、手を咥えている彼です。

彼には漸く覚悟が出来たみたいです。

年が明けたら破産をしよう。
万一刑事問題になったらそれはそれで受けよう。

来年こそ、彼にもちとばかり、微笑みが訪れて呉れるのを祈ります。


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オグチ経営研究所から年末年始のお知らせ

2010-12-29 | 事例
いつもオグチ経営研究所のブログをご覧頂き、誠にありがとうございます。

今年も残り少なくなりましたが、2011年も皆様にご愛顧頂けるよう
更なる努力を致しますので、よろしくお願いいたします。

寒さも厳しくなってきますが、皆様お体にお気をつけて、
よい新年をお迎えください。

年末・年明けで、手形決済・資金繰り・経営に迷いが生じたら先ずは、
ご連絡ください。早いほど、選択の幅が広がります。


ブログをご覧頂いている方限定で、「無料電話相談」を開始致しました。

経営危機に直面している、または危機を迎えようとしている
経営者の皆様、債務全般でお困りの方、どんな些細なことでも
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喋ってはいけない限界

2010-12-27 | 事例
「君、知った以上は知らん顔は出来ないよ。
 嘘は言えないし、間違いなく処理をしないとね。
 其の破産の弁護士、教えてくれないかな。」
弁護士は執拗に迫ります。
一寸嫌な気がした彼は、何とか誤魔化し、逃げるように弁護士の事務所を後にしました。

彼はついに破産の決心がついたのです。
今日違う弁護士の所に行って、破産の打ち合わせをしてきたのです。
明日正式に依頼しようと思います。
其の前に、彼は最近起こした交通事故の示談を依頼してある弁護士を訪ねたのです。
此方は、示談の話が280万で纏まるところまで進んで居ります。

交通事故で8ヶ月前まで彼は2ヶ月入院をして居ました。
足の骨を折る大怪我でしたが、それでも
1ヶ月くらいの入院でよかった筈です。
しかし彼はわざと退院を伸ばしました。
其の割りに空いていた病院はこんな患者を喜んで引き受けてくれたのです。

ダイビング機材を、インターネットを利用して販売して居ます。
従業員は居らず彼一人です。
以前は女の子を一人雇っていましたがそれも出来なくなって居ました。

銀行からは1300万借りて居ました。
金融業者からも300万借りています。総量規制で借り増しは出来ません。
返済に、仕入れ代金を回したことが有ります。それから火の車です。
そんな時に彼は車に跳ねられたのです。
考え事をしていたのでしょうが、彼には落ち度は有りません。
足を折ったけです。幸い加害者もよい人で彼を良く見てくれました。
彼は此処で、仕事も顧みずに思い切った入院をしたのです。

保険は「弁護士を依頼して示談をする弁護士基準の保険」です。
何のかんので4ヶ月休業して居りますから弁護士基準ならば其の保証も
出やすいらしいです。
退院から半年あまりを過ぎた11月、ほぼ示談の額が決まりました。
280万です。

此処から弁護士の報酬が惹かれますが、彼は其れでも200万は
手元に残ると計算しました。
「半年以上暮らせるな。破産費用の80万は別に有るからこれで破産して、出直そう。」
そう決意したのです。

会社も一緒に破産をしないと駄目らしいです。
そのために安くして80万と、破産を依頼した弁護士から聞いて居ます。

「助かります。これで破産後も生活できます。」
彼は交通事故の弁護士のところに来て具体的にお金の授受の話をしました。
その時に彼は上の言葉を吐いたのです。

「何?破産?破産ってなんですか?」
弁護士は彼の言葉に引っ掛かりました。
彼は破産の事を弁護士に説明したのです。

弁護士の態度が急に変わったのです。
「君、何で早く其のことを僕に言ってくれなかったの。
 今までの話は一寸ご破算にしようや。君の破産の
 弁護士を教えてくれないかな。」
「どうしてですか。」彼には何が起こったか解りません。

「うん。破産者は自分で貯えなど残してはいけないことになって居るんだよ。
 此のお金は君の今後の生活費だものだな。詰まり貯えと云うわけさ。
 破産してこれがあったことが解ると、君も僕も破産を依頼した弁護士も
 全員不味いことになるよ。」
彼には余分の事を喋っちゃったと云う思いが急に湧いてきました。

「先生、それだったら今の僕の言葉、聴かなかった事にして下さいよ。
 僕は絶対に喋りませんよ。」
「そんな事云っても僕は知っちゃったんだよ。それを隠す事はもっと悪くなるよ。
 今後の事、相談したいから其の破産の弁護士教えて呉れないかな。」

彼はひとまず弁護士のところを後にしたのです。

今のままでしたら、どう考えても此の示談金は彼の手元には入って来ないでしょう。
又弁護士二人が素直に管財人に差し出すとも思いません。二人の手数料として処理をし、破産は資産なしで行うでしょう。

こう考えると、弁護士基準ではなく、ぐんと安くても、
彼が交渉して直接保険金を貰った方が得です。

彼は腹を決めました。
破産は今迄とおり実施します。交通事故の弁護士には「破産を止めた。
だから最初打ち合わせた通りの保険金の処理をしてくれ」と頼みます。
若し弁護士がNOと言ったら、たとい保険の話が駄目になっても弁護士を解任します。
そして別の弁護士を依頼します。それも駄目の時は、弁護士基準が効かない事も覚悟します。

明日、年末最後の交渉をして正月はすっきりして過ごしたいと思います。


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詐害行為の実例より

2010-12-24 | 事例
彼は自宅の半分を妻に贈与し、其の1ヵ月後、あとの半分を、
叔父から3000万を借り、其の譲渡担保として名義を変更しました。
これで自宅は大丈夫と安心しました。
それから3ヶ月目に会社は不渡りを出して居ります。

妻に贈与した理由は、結婚して30年過ぎたら半分贈与すると約束をしていたからです。
もう、それ以上過ぎて居ますが、長男も今年、家を出したから、もう頃合です。
また、丁度其の頃、会社は支払の3000万が不足していて困って居ました。
銀行はもう融資もしません。
叔父から借りて支払をしました。
見返りに不動産を譲渡担保にして居ます。
借りたことも、貸したこともきちんと通帳が証明してくれます。
又会社の支払もこれに合って居ります。
ただし実際には、会社は別に手当てをして居りました。

3ヵ月後、会社は倒産しました。
半年くらい経った時、「倒産の3ヶ月前に自宅の名義が変わっています。
詐害行為に当たりますから、名義を戻してください。」と、信金が言って来ました。
勿論、跳ねつけて居ります。

此の債務は、やがて保証協会に代位弁済されて、保証協会が正式に告訴しました。
名義を変えてから2年以上過ぎて居ます。

彼はどんなことをしても此の裁判は勝つと思って居ました。
妻に譲渡したのも、「30年経ったら此の家をお前にやる。」と約束をしていたからです。
只証文は有りませんが、夫婦の約束に一々証文なんて無いでしょう。
それに妻は会社が危険の状態なんて知りませんでした。
受益者が知らない時は詐害行為にはなりません。
そして、名義を変更して2年以上経って居ますから、
詐害行為取消権は時効になって居る筈です。

叔父の場合も同じです。
銀行が貸してくれないから叔父から借りたのです。
叔父は会社の危機など全然知りません。
お金も叔父から彼、そして会社、会社の支払と流れはきちんとして居ります。
自宅を担保にしても資金を調達するのは、経営者として当然の行為ではないか。

此の裁判は時間が掛かって居ります。
妻も、叔父も、両方とも敗訴です。
特に叔父は追及が厳しかったです。
そのためと、年もいってましたから、上告を嫌い、やらない事にしました。

「妻に贈与」は、妻が会社の危機を知らなかったと言って居るが、
会社のトップの妻が倒産まで会社の危機を知らないと云う事はない。
又、此の時期に妻に贈与しなければならない理由も薄い。
と簡単に退けられて居ます。
叔父の場合も裁判の証言などから、叔父が貸せるときは、
彼の不動産を守るのが目的と云うことを知って協力したものである。
又その後、彼から返済はされて居ないと言って居るが、通帳も開示しなく、
不明朗の部分もある。と云うような趣旨でした。

詐害行為の取消しは、告訴から始まります。
その殆どが不動産に関する問題です。
第2会社を作ることなどは一番詐害行為になりそうですが、実際に
これが告訴になった例は此処7年、私の関係することに出て来ません。
第2会社みたいな将来の利益をより、不動産とか譲渡された債権、
つまり資産の現物が狙われて居ます。

一度告訴されると先ず銀行側の勝利です。これも債務者が勝った例を知りません。
特に結婚20年の税法の恩典を利用した自宅の配偶者贈与が有ります。
これは間違いなく詐害行為とされて、敗訴します。
「税務署が認めたものが何故差押えになるのか。」と見当違いの質問も多いですが、
管轄が法務省と財務省、全然違う次元のものです。

私は「詐害行為を恐れずにやりなさい。」と云う主義です。
負ければ今迄掛かった経費は損をしますが、様は元に戻せば終わりです。
刑事問題になった例を知りません。
しかしながら、必ず負けると解って居ることをやることは有りません。

それが為には、其の時になってから騒ぐのでなく、日ごろから危機管理をきちんとやっておけばよいのです。
事件の起こる一寸前に、自分だけに通る都合のよい理由を考え、それで自分の財産は守れるのだと
威張っても、其の時はどうしようも有りません。

「大切な自分の財産を守るために危機管理」近くご紹介します。


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サービサーが御し易い人

2010-12-21 | 事例
今日が電話する日です。
彼は必ず電話を入れます。
そこでサービサーの担当者と毎回決まった同じ様な問答になります。

「仰る事、検討しましたがどうしても無理です。払えません。
 私の方の線でお願いできませんか。」
「そんな事云っても貴方の言う通りの40万では手を打てません。
 和解出来る額は270万です。これ以下はどうしても難しいです。
 もう1度検討して再来週の金曜日の今頃の時間にお電話を頂けませんか。」

こんな様な問答を、もう5-6回繰り返して居ります。
普通サービサーは同じ質問を繰り返さないと聞いて居ますから異状とも云うべきでしょう。

彼は父親の愛人の子供です。
認知されて、父の遺志により、父亡き後、会社の専務をして居りました。
腹違いの15歳上の兄が会社を継ぎましたが、兄は実の兄弟のように、
良く彼の面倒をみました。
此の兄が彼が40歳にもならないうちに急逝し、其の後を兄嫁、2-3年後、
その子供が継いだのです。

馬が合わないと云うのか、最初から甥社長は彼を嫌っている様子でした。
彼も社長として立てて居りません。
その結果、何時やら次第に彼は浮いた存在になっていったのです。
其の彼が手を出したのが、友達に対する投資でした。
友達が会社を発展させると云うので、銀行借入れの共同責任者になったのです。
あわよくば、今の会社からの鞍替えも考えておりました。
そしてこの時に、母名義の不動産を担保に提供させて居ります。

忽ち失敗です。
友達に弁済能力がある筈が無く、責任は彼に回ってきます。

此処で彼は母の自宅も別荘も失って居ります。
独身で母一人と子一人の生活は川向こうの郊外に都落ちしました。

この事は直ぐに会社に解りました。
甥の社長は激怒です。会社にも一族にも泥を塗ったと云うわけです。
同時に、彼を会社の片隅に追い払う絶好の口実ができました。
「役員を解き、商品管理課勤務を命ず。」
何のことはない倉庫番です。こうすれば彼は会社を辞めると見たのです。

彼は会社を辞めませんでした。
専務の頃「貴方のような方が我が社には必要です。」なんて云われた処の、
何処も見向きもしませんでした。
ハローワークや新聞広告で探す事は彼にはできませんし、其の積もりも有りません。
彼は此処を辞めると他に働き口がない事を知ったのです。

給料は下がるし、人からは相手にされなくなりましたが耐えるだけです。
其の上、借金残が譲渡サービサーから追求を受けるようになったのです。

彼はサービサーに譲渡された元本は1300万しか無いから、
3%の40万くらいで話がつくだろうと多寡をくくって居ました。
ところが、サービサーが切り出した和解額は270万、20%にも相当します。
無理をすれば、何とか払えるでしょうが、今の給料の彼には絶対に払いたくない額です。

一方サービサーは、やり取りの感覚から270万ならば払える相手と確信したみたいです。
以後の交渉で、270万を割ったことは1度も有りません。
もう1つ、サービサーが掴んだ事は、差押えと云う言葉に対する彼の拒否反応です。
「これは差押をするすると云って脅せばどうにか何るな。」そんな印象を持ったみたいです。

それからは彼はサービサーの手玉です。
言葉の端はしに差押をちらつかせながら、絶えず彼に宿題を与えるのです。
 幾らだったら払える?
 分割だったらどう?
 周りに助けてくれる人は居ない?
などの当たり前の質問を出して、2週間後か3週間後に返事を求めるのです。

小心の彼はこれにより46時中、弁済の事を考えて居る様になりました。

我慢できなくなって彼は返事を怠った事が有ります。
途端に訴訟です。
彼は泣かんばかりに、支払を検討するとサービサーに誓って居ます。
これも今度若し給料など差押えられれば、完全に会社は首になると云う恐怖感が根底に有るからです。

しかしこんなことがそう長くは続きません。
ついに、給料を差押えられたのです。

甥社長は「こんな屈辱的なことをやられる人はもう会社には置けない。」
と叔父を怒鳴る有様。

彼は此処において、会社に入れることだけを確認して、ついに270万を払ったのです。

彼は会社の首、サービサーの差押を余りにも恐れ、それがサービサーに全部知られていたのです。
自分の一番の弱みを握られては其の勝負、負けです。

これで、此処から3月目に彼は不況を口実に首になって居ます。

サービサーの御しやすい人の紹介です。


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競売を取り下げてきたら用心が必要

2010-12-18 | 事例
彼はびっくりしました。考えもしなかったことです。
そして怒りが湧いてきました。
差押取下通知を貰ってから1週間も過ぎて居ません。
それなのに前回差押えられた得意先からまた「差し押さえがあった。」
と云う連絡が有ったのです。

1週間くらい前に彼は裁判所から差し押さえの取下げ通知を貰ったばかりです。
「これで差押えもなくなった。もう大丈夫だろう。」
そう思って居た矢先です。
同じ債権者が、同じ得意先の同じ売掛金を差押えたと云う連絡です。

一旦差押えればもう2度と同じところに同じ差押えは、
当分はできないと、勝手に思っていました。
「家財道具が差押られた時は、1年間は、当事者は勿論、
 他の債権者だって家財の差押えはできませんよ。」
嘘か本当か知りませんが、彼は之を信じて居ます。だから自分の場合も、
1年くらい期間をおかないと差押えはできないだろうと、思って居たのです。
それを!
差押えて、取り下げて又直ぐに差押える。
こんな猫がねずみをもて遊ぶような事が有ってもよいものなんでしょうか。

彼は1億2000万の借金が有ったのですが、サービサーは2000万で訴訟を起して来ました。
何故2000万になったか理由はわかりません。
勿論敗訴です。しかし2000万以上は差押えもできませんから、
実質的に放棄と同じだと彼は聞いて居ます。
其の2000万に対しては支払を求めて来ましたが、彼に払える道理がなく、
今回の差押えになったのです。

差押えはひどかったのです。
銀行が5行、それに業者が20軒、あわせて25箇所有りました。
サービサーには取引銀行も得意先も教えてありません。
5-6年前の決算書に載って居る処で、今は付き合い無いところが殆どです。
恐らく差し押さえ先は古い
決算書から求めたのでしょう。
其の差押え先にそれぞれ差押え金額が30万から500万で、
2000万を分けて差押さえが有りました。

しかし其の中に県庁と市役所が有ったのです。
今の取引先は官公庁のみです。此処には当然売掛金は有ります。
しかも彼は官庁に対する売掛金は、
差押え禁止と思って居ましたから無防備です。
しかし、サービサーは此処には売掛金は無いと見ていたでしょう、
市役所は50万、県庁は200万でした。

結局此の差押えは市役所の50万と県庁の200万を差押えられて終わりました。
県庁は出先全部を調べるために時間がかかり、裁判所が結論を出したのは、
差押えられてから2月近くたって居りました。其の前に、彼は差押を
オーバーして対象外に有った売掛金は、直ちに回収して居ります。

サービサーが差し押さえ金額を裁判所から回収したのは、それからです。
そして此の差押えは一応の段落を付けました。
彼に、差押取下通知が来たのはそれから直ぐです。

それを見て彼は尚も安心したのです。
「もう当分大丈夫だ。」

ほっとする間も無い取下げから4日目、市役所の親しいものから電話です。
「又差押が有りましたよ。」
びっくりして県の窓口に電話しました。同じです。

「違法では有りません。今までは債務名義一杯に差押えて居ましたから、
 追加の差押えは出来ませんでした。それを取り下げた訳ですから、
 今回に差押えた250万を引いた1750万は直ちに差し押さえが出来ます。」

それから1週間ほど経って彼にも差押命令書が届きましたが、
前回の実績が有った市役所と県庁、3000円ほど残の有った銀行、
其の他は取引が全然無い近隣の役所、軒並でした。

県庁と市役所はまだ有ると思ってやったのでしょう。
回収済みでしたから被害は有りませんでしたが、半年もすると又売り掛けが発生します。
再起不能になるところでした。

知らない人は、取下げが有ると、喜びます。
それが次回の差押えの為などと考えません。
しかし実際には差押取下げは次回差押えの予告版になって居ます。

債務者が潰れようが、自分さえ回収出来れば構いません。
そんな意味を持つ差押取下げです。
十分な注意が必要です。


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妻の狙い

2010-12-15 | 事例
どうしても支払の金が足りません。
一時、自分のお金を立て替えるだけだと思って、妻に預金の残高を
聞きました。妻の返事は曖昧です。答えたくなさそうです。
怒りかけた彼に妻は呟きました。
「私、貴方と別れたいと思って居ります。」
「そんな事は後にしてくれ。俺は今通帳の残を知りたいんだ。」
「あの通帳のお金は、全部私が頂きます。」
だから答えたく無いと云う態度です。

胃痛と思っていたら癌と宣告され、1月ほど前に退院したばかりです。
幸い手術もたいしたことが無く、入院は1ヶ月ほどでした。が、
此の間に妻は預金の名義を全て自分の名義に変更したらしいです。
印鑑もカードも通帳も全部妻が持って居ますから簡単です。

結局彼は自分のお金を会社に立て替えることが出来ないばかりか、
其の残高も解らず終りました。
しかしこれが糸口となり、二人は破局を迎えました。

暫くして妻が家を出たのです。
それと同時に弁護士が尋ねてきました。
原因は只「性格の不一致」としか解りません。
お互いに浮気でない事だけは事実です。

恐らく金繰りのために、彼は家でも暗い顔が続いたと思われます。
妻に言葉すらかけない日が続いたでしょう。
まだ離婚届けには捺印してありませんが別居が続いて居ります。
今の世の中、こんな独身者もどきが多いみたいです。

もっと悪質な奥さんも居ます。
家が2軒有ります。銀行から借金をして居ますが奥さんは保証人では有りません。
自宅は早くから奥さんの名義。もう何が有っても詐害行為などと云われないでしょう。
もう1軒は貸家です。夫婦の半々名義です。

会社が左前、銀行に返済しないことに決めました。
必ず貸家の方は差し押さえが有ると考えました。
逃れる方法は只1つ、夫婦が離婚して、財産分与に貸家を全部、
名義変更することです。
旦那は同意しました。
次に偽装離婚と思われないためには別居です。
幸い自宅は奥さんの名義ですから奥さんはそのまま、
旦那は会社近くにアパートを借り、住民票まで移しました。
奥さんは実態完備のため、実際に旦那を住まわしたのです。

さあ、離婚が全部整ったところで、これは本物だ、
偽装離婚では無いと旦那に告げたのです。
間もなく会社は倒産して、旦那の行方は解りません。
奥さんは昔やったという手芸をやって幸せに暮らして居ります。

もっと酷いのが有ります。
夫は40台前半、奥さんと10才違いです。
夫は若いのに近在の銀行では名の通った不動産屋です。
郊外のマンション敷地の斡旋が主作業でしたがついに行き詰まりです。

夫は銀行と協議し、担保物件の任売に懸命です。
此の時に彼は多額のお金を浮かしたのです。違法行為ですが彼はうまくやりました。
其のお金を預けては何処に預けても危ないと思い、自宅の押入れに隠したのです。
やがてお金は7000万も溜まりました。

彼は会社のことは家庭に持ち込まない主義でしたから、
「奥さんは今の会社のことは全然知らないだろう。
もう直ぐ知人の居る沖縄に引っ越そう。」と計画して居たのです。

しかしこれもある日奥さんから「貴方近頃一寸おかしいではない?」
と詰問されて現状を白状しなければならない羽目に陥りました。
「お前には苦労はかけないよ。沖縄で楽しく暮らそう。」と云う彼に反対です。
「私は生まれた此の地がよいわ。それだったら別れましょう。
 慰謝料は3500万、現金で。それに自宅は、私の名義にして下さい。
 ローンは貴方の名義ですが、私が払えなくなるまで、払います。
 そして、私が住みます。払えなくなれば自宅は取られますが貴方は
 残の処理をお願いします。」
何の事は無い、押入れの隠し金を知って居るのでしょう。

かって、中国人女性と同棲し、押入れに隠した1000万を持ち逃げされた男を
知って居りますが、これよりはよいかも知れません。

今から10年ほど前、銀行に借入金の返済が出来ず、中小企業の不良債権化の
問題が起こりました。
夫婦の仲は此の頃と明らかに大きく違います。
当時は夫婦で建て直しに頑張ったものです。
どちらかが逃げようなんて話は先ず有りませんでした。

其の頑張りが二人分以上の力を出して立ち直った会社も多かったのです。

今は違います。
男は働かされて、其の実は取られ、挙句に捨てられます。
絶対に男女同権では有りません。
可哀想なのは妻の掌で踊る男なのです。



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継続も廃業も出来ない小さな会社

2010-12-12 | 事例
Mには早くから覚悟して居た事が有ります。
「ひょっとすると、此の会社も完全に行き詰めるかも知れないな。
 どうしても回らない見通しの時は、大量に 仕入れて、易く売り、
 其の金を廃業後の資金としよう。」
誰でも考える、在庫をバッタ売りして当分の資金を稼ぐことです。
一部の仕入先には迷惑をかけますが、それは仕方ないと割り切ります。

しかしそうならないように頑張らなければなりません。
Mはたいしても無い私財を全部つぎ込んで頑張ったのです。
彼の作る物は鉄板を加工した、汎用性のある部材です。
「製品メーカーならば何処でも使うものだ。だから競争も激しくなる。
 価格の下げ合いだ。やがて自然に手を引く人が出るよ。
 最後まで生き延びた奴の勝ちさ。」
 
事実、彼の頑張りが有って、彼は勝ち組の一人になったのです。
「さあ、もう余り、競争相手は居ないから、自然に注文は戻ってくるよ。
 その時は価格も正常価格になるだろう。」
此処に大誤算が生じたのです。
信じていた彼の思惑は見事に外れました。

製品メーカーも変わって居ました。やはり減っていたのです。
それに生き残った会社も、製品自体の価格を大幅に下げて居たのです。
そのために、材料価格を現在の仕入価より、高くするなんて考えられませんでした。

工場は製造すればするほど赤字です。
之を陰で助けて居た私財は、使い果たして居ります。
此処にきて初めて「工場を閉める。」事を考えました。
其の資金が必要です。ぼんやり考えていた、「どんと仕入れて安売りをし、
資金を掴んで工場を止めよう。」と云うことを実行に移すことです。
これが大きな的外れでした。

仕入れして直ぐに売るわけでは有りません。
加工しますから、幾ら汎用部材でも予め、受注が必要です。
しかし何処も価格の如何に拘わらず在庫を持とうとしないのです。
これでは、作ることも出来ません。
もっと悪いことは、「Mが安売りで大量の受注を目論んで居る。」
と云う噂が鋼板問屋の耳に入ったらしくと入荷が思わしくなくなって来たのです。

倒産も出来なくなりました。
さあ、生きることを又検討です。規模を小さくする必要が有ります。
正常は20名の行員が、この時は既に10名くらいに減っていました。
これでも多く、半分以下にしなければなりませんが、最低でも3名以上の
行員でないと工場は回りません。

金が無いと云いながら、今までは5万・10万の金は平気で懐を素通りて居りました。
今では1万の金も自由になりません。
第一給料は無くて、かつ年金が自由に使えないような生活が続いて居ります。
工場を止めたい、しかし止めようがない。このまま長く続く筈がない。
その時はどうなるだろうか。

最近、相談事がぐんと減りました。
私だけでは無いみたいです。
「事業再生を目的とした債権関係の相談」が激減して居るみたいです。
たまにはモラトリアムを知らない人が相談に見えましが、相談者の殆どの人は
Mさんのような人が多いのです。

「土壇場まで頑張ろう。」と歯を食いしばってやって来たのが逆に仇となり、
タイミングを外し、今ではどうしようも無いのです。
モラトリアムで一時資金の余裕が出来たと勘違いしたのも裏目でした。
延命しただけです。
そのために、とって置くべき自分のお金まで使かっちゃったと云うのです。

原因は本業が悪い。だから人に相談しても同じだ。
自分で解決するより他無いと思って居ます。
だから相談も減って居るのでしょう。

「もう自分でやる事が困難ならば、破産をして債権問題だけは整理をしよう。」
でも、此の破産費用すらないのです。
「会社の経営者は保証債務が原因の破産は会社も破産が必要です。」
裁判所の慣例でしょうが、こうした習慣は、苦しんで居る者を
尚苦しませる結果になって居ます。
小額管財の破産、経営者が自ら行えれば20-30万で出来る筈ですが、
それが許されなく、弁護士を通す
こととなれば60-100万に跳ね上がり、破産が難しくなります。
結局は以後の債権問題で悩ませることになるだけです。

返済猶予法、これが打ち切られて、少しでも銀行の返済が生じれば、
此の様な人は爆発的に増えるような
気がします。いったいどうなるのでしょうか。


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破産をしなくて良かった。

2010-12-09 | 事例
「近々お伺いします。」
3ヶ月ぶりの電話です。8月の後半、半月くらい付き合った人でした。

彼が「破産をしたい。」と云ってきたのはまだ最近の8月中旬でした。
「今はお金は全然有りません。どこかから借金したいですが、
 量規制でうまく行きません。それを何とかして借りて、絶対に
 払うべきところを払い、2-3ヶ月の生活費を残して破産をしたいのです。
 300万ほど貸してくれるところを知らないでしょうか。
 それと私の場合、破産しかないと思いますが、どう思いますか。」

長く住宅リフォームを専門にやってきて、今では社員が一人になってしまったと云うのです。
伝手と雑誌の広告で需要を探しているが、全然無く、売上は昨年の半分以下になりました。
借り入れ返済も出来なくなって、ついに業者から借りる様になりましたが、
総量規制で、借りられません。
やむなく親戚から借りたが、これも限度になりました。
もう破産しか有りません。

私に対する目的は、「お金を貸してくれる処」を教えて呉れと云う事だった見たいです。
破産は既に決めていたのです。

確かに、業績は急激に落ちる居ます。
お金も全然無く、此の状態では再起の仕事も、破産も出来ないでしょう。
彼が悲観的になる気持ちはわかります。
でも私が気になったのは受注の方法でした。
今までは、伝手と雑誌の広告だけです。その広告から業務の内容を詳しく知ることは難しいです。
「一般のお客が簡単に此の会社を知って、老舗だからと信用さえしてくれれば。」
そんな感じを持ったものです。

9月決算ですから、今期の決算書はまだ無く、昨年の決算書はそんなに悪くありません。
「これだったら振興銀行ならば貸してくれるかも」
300万を彼に当たらすとOKです。
借りたのが8月の30日でした。
それから間もなく振興銀行は破綻しましたから運が良かったというべき
でしょうか。
彼は100万を工賃主体の外注費と絶対必要な経費、、100万を当面の生活費、
100万で破産をしようと決めて居たのです。

「破産はいつでも出来ますよ。
 それより破産をすると生活はどうなるのですか。100万くらい直ぐになくなります。
 其の後、勤めも無いし、自分で事業も出来ないし、それこそ悲惨ですよ。
 又銀行はお母さんが保証人ですが、自宅は取られてしまいます。
 
 もう1度再建に向かって動いてみませんか。
 素人考えですが私にも若干案が有ります。」

「弁護士は破産しかないと言って居ました。私もそう考えて居ました。
 それを破産をするな。とは予想外の言葉です。」
彼は戸惑って、居たみたいです。

「私は、今日限り、顔を出さないから、私の意見を参考にして、
 もう1度やることを薦めます。それで3ヶ月経って効果が無い時は
 破産もやむをを得ないでしょう。」
私は、3ヶ月は借りた300万で持つと判断したからです。

そんな3ヶ月目に電話が有ったのです。

会った表情は晴れて居ました。
「あの時破産をしなくて良かったです。
 破産は何時でも出来ると云う言葉が身に滲みて、頑張りました。
 特に9月は債権者からは責められるし、
 仕事はないし、むしろ破産をしなかったことが悔やまれました。

 しかし、先生から言われた通り、ホームページを知り合いに易く頼んで、
 徹底的に変えました。特に風呂場に力を入れて、使用部材から、
 価格など入れたのが効を奏し、今では日に4件くらいの
 電話問い合わせが有ります。大体5件に1件は決まります。
 こんなに早く効果が出るとは、夢にも思っても居ませんでした。」

彼のホームページ、ついでに業界各社のホームページを見てのアドバイスが、
まんまと当たったのです。電話で問い合わせ、そして会い、其の生真面目な
印象が、初対面の人に信頼を得たかも知れません。

「まだモラトリアムをして居ますが、今では資金も回る目処が付きました。
 振興銀行、これは絶対に返済して行きます。
 あの時、借りれたから、今の私が有るからです。
 それに何より、破産をしなかったことが良かったです。
 親戚や母も助かりました。」

事業をする者が破産をするときは慎重の上に慎重を重ねたいと思います。


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振興銀行の無茶を金融庁に尋ねたら

2010-12-06 | 事例
借りて居る銀行は3行です。信金と公庫とそれに振興銀行です。
返済猶予と云う言葉は知って居りました。
しかしそんなことせずに頑張ろうと懸命にやってきたのですが
もう限度です。
改めて返済猶予をお願いすることにしました。

公庫と信金はともに金利だけ、期間は1年ですんなりと認めてくれました。
しかしともに条件が有ります。
「3行とも全て同じ条件にして下さい。1行でも足並みを揃えない場合は、
 改めて協議しましょう。」
詰まり何処も横並びと云うわけです。

残る1行は振興銀行でした。
経営がおかしくなった事だけは知って居ります。
それだけに妙なところに債権を譲渡されて、此方が困るような事をされてはと思い、
きちんと条件通りの返済を続けて居りました。
「困ったな。此処も返済猶予か。」
彼は思い切って振興銀行に電話をしたのです。

閑散とした事務所、恐らく営業活動はして居ないでしょう。
人影も4-5名しか見られません。
第一責任者らしい人も見当たりません。
「当行は皆さんと歩調を合わせることは出来ません。
 期間が半年ならば金利だけで考えます。但し、6ヶ月目は残金全てを
 返済してください。それならば結構です。」

「一寸待ってください。借りた時の返済でも5年間で返済すればよい事になって
 居ます。と云うことは今日でまだ1年経って居りませんから、半年過ぎても
 まだ3年半以上有ります。それを何で一括で返済しないとならないのですか?」
「それ以上は私にはお答えできません。機構から強い指示を受けています。」
機構?そう云えば私の借入金も中小企業保証機構とかが保証して居たな。
保証会社の指示か。彼は簡単にそう思っただけです。
しかし幾ら話してもラチガ開かず、之を正直に言うと返済猶予が駄目になります。

一体こんな無茶な条件が有るものか。返済猶予法の精神にも反する。
そうだ、金融庁に電話して、振興の非を確認し、是非とも訂正して貰おうと
考えたのです。

金融庁の人は親切でした。話も良く聴いてくれました。
「それで、振興銀行も同じ条件でないと困るのです。
 特に6ヵ月後に一括返済は法の精神にも反している
 と思います。この点だけでも金融庁からも注意して、
 訂正する様にお願い出来ないでしょうか。」
肝心の此処にくると金融庁の担当官の言葉の歯切れが悪くなりました。

「一括返済とは確かにひどいと思います。しかし金融庁は此処まで関与できません。
 あくまで当事者間の話合いと云うことになります。」
「そんな事云ったって相手は権限も無い連中しか居りませんよ。
 それに機構って云って居ますが機構ってなんでしょうかね。」
「機構と云うのは預金保険機構の事と思います。それにそんな権限の
 無い人たちと幾ら話しても結論は出ないですね。」

「肝心のところで頼りにならないのは御庁だって同じですよ。」
と云いたいのを我慢して、教えてもらった保険預金機構に電話をしました。
これ又、同じ様に「今は確かに管財人ですが、そのような当事者間の話合いの
ことに口を挟むような指示はいたしません。
同行は来年5月、第2日本承継銀行に譲渡されることになって居ます。」
これも此方の期待する返事は出ませんでした。

金融庁が出来る前のことですが、銀行が担保でない定期預金を拘束する場合が
良く発生しました。この時は、大蔵省の理財局にお願いすると、必ず拘束を
解いてくれました。あのお堅い大蔵省が庶民の味方だったのです。
ところが金融庁に変わった為、同じ事を金融庁に助けを求めたことが有ります。
「民事不介入のため、そのようなことは出来ません。
 あくまで当事者間で話し合ってください。」
其の返事を貰ったときは、本当に腹が立ったものです。

しかしその後金融庁も変わり、質問し易くなって居りますが、
変わらないものが有るように思います。
例えば、借りて居る2行が合併。保証人は残が幾らも無い其の片方だけを
保証して居ります。
すると強制的に他方の分まで保証人になったと言い張るのです。
この時金融庁はあくまで当事者間の話合いで解決することであり、
庁として関与出来ないの返事を頂いたことが有ります。
こんな事も有りました。
期限の利益が喪失されて居ない正常債権を、ファンドかサービサーに
譲渡すると云うのです。
「メガバンクがそんな事をしたのでは、庶民は銀行と付き合えなくなる。
 許されるのか。」
このときの返事は「民法で債権譲渡は許されて居る。法に基づいた行為は
注意することが出来ない。」私の感覚が来るって居る様な感覚になります。
今回も、それと同じ事を感じました。

振興銀行の返済猶予の件は、自分で結論を出しました。
しかし、金融庁の持って居る感覚、一寸庶民からかけ離れている事を感じます。


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