かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

ある卸し屋の再生

2013-07-31 | 事例
「破産をしなければならないでしょうか。工場だけでなく自宅も取られるのですね。」
目の前には還暦を迎えようとする夫婦です。疲れきった顔には生気が有りませんでした。
15年前です。

相談に載って欲しいと言う夫婦を紹介されました。
自分で縫製をし、安物の衣類を地元の洋服屋に卸している夫婦です。
子供は都会に出たそうです。

その時から更に10年前、工業団地を買い、鉄骨2階の工場を建てたのです。
縫製工場の拡大。一気に図ったのです。世間はバブルに浮かれて居ました。

ところが素人の仕事、トラブルの続出、順調に出来ないどころか、バブルの崩壊が襲って
きたのです。

1億8000万の工場は毎月80万の返済が必要です。
其の前に、工場員の給料に困りました。
僅かな預金などとっくに吹っ飛んでいます。

弁護士に相談してもお金を作ってくれません。
銀行の担当から「破産」と云う言葉の出たときは、自分の事かと真っ青に成ったものです。
そんな時、知人が彼を紹介したのです。

彼が直ぐに調べた事は卸業務に関してです。「卸だけで食って行けるか?」
心配は無用でした。
3名で卸していますが毎月確実に黒字です、律儀な主人の評判も良い為も有ります。

其の主人は今工場に着ききりです。
工場は縫製、主人まで入れると6名です。6名かかっても、3名で売る量をつくりきりません。

彼は直ちに、工場を閉鎖させました。渋る主人にハッパを掛け、即、辞めたのです。
さらに卸の人間も一人退社です。ご主人が代わりに入るのです、
これで確実に借金さえなければ黒字の会社に成ったのです。
商品は全て仕入れに変えました。自社の縫製より、此の場合はるかに利潤も有ったのです。

そして彼は空き室を全て貸しに出したのです。
自社卸のために小さなスペース。隅で奥さんは資金担当です。
貸せるのも、当初は一括借上げを狙ったのですが、足が遅いため、分割に切り替えました。

運がよかったのか、半年後くらいで2階全部の借り手が着いたのです。
これで確実に30万は入ります。
夫婦の顔色も艶が出て来ました。

彼と知り合って1年です。
平行して銀行折衝がありました。
一番気に成ったのは此の折衝でした。

夫婦とも、「借りたお金を返さないのは罪悪だ」という考えです。
縫製を止める頃、金利すら払えない時も結構ありました。
担当者は何にも言わず、奥さんと一緒に溜息です。たまったものでは有りませんでした。
があがあ怒鳴られる方が余程気が楽です。

1年過ぎると返済も落ち着き、元金まで若干払えるようになったのですが此の1年が一番辛かったのには間違い有りません。

二人とも帳票には無関心でした。今後どうなりそうだと言う見込みは、数字と表で知りたいです。
作れないから担当者は代作しようとします。そのためには細部まで突くようになります。
結果的にはこれがよかったです。担当者はもう危機は脱した会社と云うことが解かって
きたからです。
でも二人には要点を聞いて、突いてくる銀行は何より怖い存在でした。

銀行が自宅の事を聞きたりすると、自宅が売られると大騒ぎ、売らないでと翌日夫婦で
お願いに行く有様です。

3年目になろうと言う時に漸く全部建物の賃貸が埋まりました。
卸も主人が戻って、当初1名の計画を2名辞めてもらいました。

暫くして、息子も帰ってきました。
ネット販売を始めたのです。初年度200万の売り上でしたが、今は600万は堅いです。
粗利は50%以上。見込みが有ります。

返済に全てをぶち込み、借りた1億6000万は、彼と知り合う前の10年間は返済なし、知り
合って10年の間に5000万は返済しています。
でも此の借金、普通ならば返済期限です。もう20年有れば返済は確実ですが、このままでは銀行に取られるのでないでしょうか。

そんな時に銀行が又呟いたのです。
「最近廃業が多いね。本当は廃業より自己破産をしてすっきりした方が良いと思い
 ますね。」

「さあ、大変だ。あれは内に破産しろと云って居るのだ。
 折角返せる目安がついたというのに、どうしましょう。」








7月30日(火)のつぶやき

2013-07-31 | 事例


保証人全員を解除した公庫は、もう会社から回収出来ないと別れた。
4年後、まだ会社は動いて居るからと決算書と残高承認の要求有り。
請求の復活かと大騒ぎ。絶対に断り抜けと税理士の指導。
公庫はもう明らかに感情的になって居る。
署名や見せても実害はないと言っても聞かない。どうするべきか。








7月29日(月)のつぶやき

2013-07-30 | 事例


会ったり話したりそしてメール、人との交流を毎日つけてもう12年。
先年・一昨年と今年を比較した。過去2年、やはり7月中旬より減って、8月下旬まで続く。
今年はもう少し早く始まって、減り方も一段と深い。決めた。今年はこの間他の事をやろう。
時間はある。でも何をすればよいか。








7月28日(日)のつぶやき

2013-07-29 | 事例


深大寺の流れ、僅かな溜まりで近所の子が何か釣っている。
「生き物など居ないが」それでも立ち止って暫く見ていると何か吊り上げた。
ザルカニだ。昭和の代から姿を消したと思って居た。
そう云えば今年は蝦蟇カエルを1回見ているし、蝉の声も昨年より若干多い気もする。
赤とんぼ、野川に戻るかな。








7月27日(土)のつぶやき

2013-07-28 | 事例


3月期末で不良債権としてサービサーに譲渡された債権。
6月の終わりか7月になってサービサーが回収で動き出すのが例年の姿。
其の動き出しを去年辺りから、余り感じなくなった。今年は全然感じない。
債権がサービサーには譲渡されて居ないか、それだけ不良債権は減っているか、
債権騒ぎは静かだ。








7月26日(金)のつぶやき

2013-07-27 | 事例




「よかった頃は銀行は1行で十分でした。イヤ1行の方がよかったです。
それが今のように落ち目になると困りますね。せめて個人と会社とだけでも銀行は分けて置くんでした。」
僅かな金額だけれど利息の未払いが有った。銀行は個人口座から引くといっている。
其れが痛いのだ。まま成らない。








変な判決

2013-07-26 | 事例
元請の検査も済みました。お金も降りました。
下請けの彼女は、元請から回収して孫請に払わなければ成りません。
元請は待って居た様に、支払をしてくれるのがこの業界のおきてです。
けれど、電話は通ぜず、集金に行った番頭も、「今日はどうしても都合が悪いそうです。」と追い返されて来ました。
「しょないか。明日私が行きましょう。」
夫亡き後、切り回しも大変です。

翌日彼女は早くに集金に向かいました。女の子が一人留守番です。
「お金は預かって居ませんが之を渡す様に言われています。」
何やら、メモが書いて有ります。
読んでいる彼女の顔色が変って来ました。

「本工事は貴社に発注しましたが、貴社は之を全て孫請に丸投げしました。
 検査にも立ち会って居りません。丸投げは違反行為ですから、当社は貴社にはお支払いを出来ません。
 しかし実際に工事をした孫請には、貴社との契約代金はお支払いします。
 其の契約書を持参して孫請に集金に来るよう伝言願います。」

翌日はメモが内容証明となって届く念のよさです。
彼女は即訴訟を覚悟しました。
今までの入金は孫請に殆ど払ってきました。そのため、彼女の取り分が大きいのです。
入らないと給料支払いがおぼつきません。

弁護士を依頼するお金も有りません。事務員と二人、本とネットが頼りです。
地元の簡易裁判所を訪れました。
係官は親切です。何も知らない中年の女に丁寧に、訴状の意味から書き方まで
教えてくれました。

彼女の読みは訴訟を起せば相手はびっくりして払うだろうと言うのが本音でした。
ところが、もう直ぐ答弁書の締め切りだと言う時に弁護士名で反論書が来たのには
びっくりしました。
「えらいこっちゃ。弁護士相手に喧嘩せねとは。此方金なくて弁護士も立てられなくて。」

えい、ままよと裁判所に電話して、こうしたときの応対を聞きます。
第1回の公判までに準備書面を作るらしい。彼女は事務員と二人でネットと本を首っ引き。
相手の反論に対抗します。こんな時、夫の友人だった人が尋ねてきて一部始終を聞いたのです。

「奥さん。これじゃあ負けるよ。相手の言い分にただ反対ばかりして居るだけでしょう。
 証拠も少ないし。其れより攻めに変りましょう。」
知人は、工事を丸投げと云っているが、設計と計画は下請け中心で協議をして居る。
その画表は全て揃っている。検査に立ち会わなかったのは其の当日、立ち会うと云う
人ばかり多く、雑然とする為に、事前に施工主にも立ち会わないことを了解を得ているではないか。
又、尤も大切な事は、此方に不手際が有るならば、知った時に何故直ぐに言わなかったのか。
施行の始めから終わりまで10ヶ月も有ったのではないか。不審と思った時に直ぐに言って貰えば防げた事でhないか。
検査が通りお金が降りたからでは、難癖をつけたとしか思われない。そんなことを手際よく纏めてくれたのです。

この裁判に取り掛かる前、元請は孫請に対して工賃分だと契約書も調べず見込みで代金を
渡していいます。
其の方が有利になると相手弁護士の判断らしいです。
どちらかと云えば下請けに味方の孫請はどうして良いのか解からず、「では預かって置きます。」
と単に金額だけの簡単な預り証を発行しております。

しかし、この孫請は裁判の終る前、ついに破産をしています。
預かり金は返して居ませんし、管財人から彼女に請求もしてませんから、
多分、破産はこの工事代金として処理をしたのでしょう。

裁判は普通より長くかかりましたが全面勝訴でした。
しかも、裁判官はこの時の判決金額を、孫請が預かった金額とは関係なく、元々下請けに支払う金額で判決したのです。

高裁まで進むかと思いましたが、相手は其れもしませんでした。
弁護士も降りたのでしょう。
一方彼女は差押をしようと調べました。差押の材料は何にも有りません。

がっかりした彼女でしたが、彼も入札業者の1員で有る事を思い出しました。
何時かは必ず、今度の判決以上の受注があるでしょう。
彼女は何年でも其れを待つことにしました。

忘れかけた3年目、市の発注を受けたと言う噂が入りました。
知らん顔をして調べました。それに、市の土木課には、亡夫の知人も何人もいます。
情報獲得に苦労しません。
彼女はこうして検査に通り、市役所の買掛と決定になった時に、3500万全額を差押えた
のです。

孫請に支払う分が2200万、彼女の取り分が900万、差額の400万は金利や手数料で、こちらの戴きです。
孫請の支払いは、今後孫請が請求に来たら支払います。破産したため、もう請求がないものならば有り難く頂いて置きます。

これで本件は終了と云うことに成りました。

最初にケチなことを考えた元請、丸まるの損をしたみたいです。
しかし、裁判官の判決、孫請代金の取り扱いは正しい気がします。
恐らくこの時は弁護士も嫌気がさしていて、控訴しなかったと思います。


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7月25日(木)のつぶやき

2013-07-26 | 事例


調布の社会福祉協議会より車椅子を10年近く借りて居る。
一寸悪くなると直ぐに交換してくれるし親切だ。
使用料は月に300円、3ヶ月毎に自主的に持参。振込も駄目ならば、前払いも駄目。
3ヵ月毎が殆ど半年払いになって居る。今回長かった13ヶヶ月。文句もなかった。
銀行の返済とは比べ様がない。








7月24日(水)のつぶやき

2013-07-25 | 事例


7月上旬以後、新規の相談の電話やメールがぐんと減った。
それだけ景気が良くなったのかなと思うが違う見たい。たまにある相談が皆、実に元気がない。
何をやっても駄目だと投げやりを感じる。時間を掛けて何とか元気つけても2度目の電話がない。
「不渡りだ。差押だ。」と騒いでいるより嫌な雰囲気。








7月23日(火)のつぶやき

2013-07-24 | 事例


「どこか違う。」感じても具体的に違いを指摘できない。
発注元がOEMから自家生産に成ったために、下請けは自分の商品を販売し始めた。
けれど其の商品が感心しない。下請けだった商品とは同じであるが、有名品と比較すると
どこか違う。垢抜けして居ない。経営者が気づかぬことが一番恐ろしい。