「そう言う事は違法行為になります。
私にはそのお手伝いは出来ませんし、むしろ間違った処理は是正しなければなりません。
そう見られる事こそ、きちんとやりましょう。」
税理士は忠告のつもりか解りませんが、彼にはこの上も無く、融通の聞かない冷たい言葉に聞こえました。
どう考えても会社は続きません。1年の間に、会社ってこうも悪くなるものでしょうか。
3月納期の仕事が最後で、途絶えてしまったのです。
決まった販路や販売方法はありません。唯、口コミのみで今迄仕事が続いたのが不思議です。
それが、ぱったり切れちゃったのです。
会社を思い切って今のインテリア商売を止めます。後は友達の伝手でペットカフェを計画中です。
会社に2000万余のお金が有ります。
之を何とかしてっ新会社の元手にしたいのです。そして今までの借金は払えなくなります。
下手なやり方で失敗しては何にもなりません。顧問の税理士に相談したのです。
一昨年までは社員も8名ほど居ましたし、普通預金は常時5000万以上はありました。
銀行も貸してくれました。しかし昨年はガタ減り、特に後半は半年で6000万位でした。
此処までの落ち込みを銀行が気が着かないうちに、3千万借りたのです。
勿論この時の試算表は粉飾して居ます。すんなり借りれました。
最後の仕事が済み、社員を解雇して、彼一人です。
仕事のお金も入り、手元に4000万近いお金が残ったのです。
丁度3月の終わりでした。
会社を止めるならば、会社にあるお金の2000万、彼が自由に使いたい。
又、彼は2000万、会社から借入が有るのです。
この2つをうまく処理したいのです。
税理士は「会社にある2000万を社長に上げてそれで社長は借りた2000万を処理する。
社長には2000万の贈与税がつくでしょうね。」と彼を脅します。
思い切って税理士を解雇しました。
知人が新しい税理士を紹介してくれました。
新税理士は開口一番言いました。
「世間で不祥事が多いせいか、特に最近は税理士にも厳しくなって居ますね。
数字を弄ることは禁じられて居ります。
特に、粉飾で利益を出す事は、先ず難しいと考えて下さい。
只、私は、決算日も過ぎてからのお手伝いですから、与えられた伝票を正確に処理をするだけになる
でしょう。」
この税理士は、どうやら大きな赤字を、黒字にするために税理士を変えた理由と踏んだみたいです。
彼は前の税理士と気まずくなった理由を正直に説明しました。
すると彼は安堵の色を浮かべながら次のように言ったのです。
「そんなことですか。簡単です。
結論から言えば何もしないで、会社をもう1年置いておくのですよ。
事業税だけは払うを覚悟します。
理由は次の通りです。
税務署はお金が有る無いより、利益の額を重んじます。
それで税額さえ決定すれば彼等に任務は終わりです。
後は、今でも債務超過ですから、何もしないでも良いですが、
自宅に会社を移し、もう1年会社を存続させれば、残っている現金も
自然に0になりますよ。
そこで会社を休業状態にしても、誰も会社の貸付金を社長の所得に
するとは言いませんよ。
言ったところで取れるものが無いでしょう。
それに税務署以外は、帳面を調べる権利もありませんから、
この間に銀行債務の交渉を始めます。
ご希望は簡単に解決です。」
結局新税理士は何もせず、普通の事をやって、彼の既望を満たしてやったのです。
多くの人が、銀行の融資を図るために、また、建設入札のために
経審の成績向上のために、粉飾で利益を増やします。
其の手法にはあらゆる方法が有ります。
しかし、中小企業ならば、これは一般人などの害は与えません。
あえて言うと銀行だけで、本来は銀行が見破らなければならない事です。
税務署などは逆に増税になると喜ぶかも知れません。
そのためにこうした粉飾で問題になった例は私は知りません。
逆にこの反対は大変です。
先ず自分の懐に入れたか、日本人が大嫌いなモラルハザードの問題が起こります。
税務署は黙っていません。債権者も必死です。
切羽詰った時に、どうしても自分の成績を弄りたくなります。
それが本当にその人が生きていくのに必要だった場合、私には責める事は出来ません。
しかし、視点を変えて考えると粉飾などせず、ほかの解決法も結構存在するみたいです。
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