彼は自分の耳を疑いました。
当然返済が出来ないならば期限の利益の喪失になるという話と思って居たのです。
それが新規融資は出来ないが今までの金利を下げます。
それで1日も早く1年前の業績に戻してくださいと云う話のみです。
長期為替予約の損失については何も責めません。
本業の借り入れよりはるかに大きな金額、でもそれを何時までに
払えととかその間金利は幾らと云う話は全然出ません。
「為替予約の損失は、本日で全部解約したとしますと、約1億8000万の損失になります。
当然直ぐには返済できない事は解かりきって居ます。只残高をご確認頂ければ、貴社が無理なく
返済できるまで此の話は預からして下さい。」と云っただけです。
続いて検討した彼の会社の実績や計画には此の件は一言も入って居りません。
平成9年6月の事でした。
彼は魚介類の仕入・販売です。殆どが輸入です。
レートは円安傾向、1ドル、115円でしたが、最近は110円か之を切って居ります。
此の動きに目をつけたのはメガ銀行です。
比較的業績のよい中小の輸入業者に長期の為替予約を薦めたのです。
「何も解からないがメガ銀さんの薦めることだ。損は無いさ。」
事実、最近の為替予約では、皆さん黒字を出して居ります。
此の頃は1ドル100円を目標に1年か2年の予約をした人が大勢居りました。
彼も其の一人です。
そして、薦められるままに、レバレッジとか、儲けが倍になったり4倍になる方法も、取り入れて居ります。
当初、暫くは大成功です。商売で儲け、為替で儲かるのですから堪えられません。
特にレバレッジの分は、何で全部これにして、もっと高い倍率のしなかったかと悔やむ位です。
ところが破局は直ぐにやってきました。
円高の勢いは誰もが予想しなった勢いでした。
あれよあれよと云うまに100円を切り、95円まで切って92-93円になってしまったのです。
平成8年の事でした。
さあ、長期の為替予約をしていた中小企業は大変です。
レバレッジは損も何倍かにします。
当初は今までは儲けて居りますから、無理しても払っていましたが、平成8年の秋ごろからは
払えないところが続出したのです。中には早くも40億くらいの損失を出して破産したところも有ります。
彼も、暮までは払えないと覚悟しました。
弁護士に駆け込みます。
「本業の借り入れはリスケもするでしょうが、為替についてはやらないと思います。
破産か民事再生しか有りませんね。」
後で知りましたが、同じ事で弁護士に駆け込んだ人は、同じ返事を貰って居ます。
中には安くない費用の先払いをした人も居ります。
「破産では今後仕事は出来ないし、民事再生でも卸屋や量販店は乗ってこないよ。商売は出来ないと云う
事だな、他の方法を考えよう。」
彼はネットで探したコンサルタントに相談して居ます。
「相手はメガ銀ですから変なまねもしないでしょう。正攻法で行きましょう。
ですから、先ず銀行と話しましょう。本業の借金は当分金利だけにしてください。
為替の損はとても払えません。元金どころか金利も払えません。
それで厚かましいですが、今まで通りの付き合いをお願いします。とね。
勿論NOでしょう。そしたら直ぐに第2会社でやりましょう。
口座の点で問題が有れば、今の会社を続けながら、サービサーに債権譲渡させてサービサーと
交渉する方法をとります。メガ銀は担保の他には差押えはないと思いますが、用心だけはしましょう。」
それで銀行には本業の金利だけを入金したのです。
こんな綱引きが2-3ヶ月続いたあと、銀行から呼び出しが有りました。
それが冒頭に書いた事です。
コンサルタントは他にも同じ様な事件を扱って居たらしいですが、彼のところと全く同じ様な解決をした
みたいです。
彼は業者の会合で、彼と同じような悩みをもっている人が結構居てびっくりしたことが有ります。
「これからこんな倒産が増えるな」と感じたのです。
しかしマスコミの騒ぎにはなりませんでした。
「皆さん、私と同じ様な解決をしたのか。」
しかし最近、円が80円に近くなって、此の騒ぎを漸く政府やマスコミで取り上げて居ります。
どうやら、80円で火を吹くらしいですから、90円くらいがターゲットだったでしょう。
何にも知らない中小企業の親父さんに、こんな長期為替予約を教えるのは明らかに銀行です。
皆さん、彼と同じように銀行は助けてくれるでしょうか。
尤も、彼も、借入残はサインして居りますから、何時催促が有るか解かりませんが。
http://oguchi-keiei.com/postmail/postmail.html ← お問い合わせは、こちらから
電話・FAXでのお問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。
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それが新規融資は出来ないが今までの金利を下げます。
それで1日も早く1年前の業績に戻してくださいと云う話のみです。
長期為替予約の損失については何も責めません。
本業の借り入れよりはるかに大きな金額、でもそれを何時までに
払えととかその間金利は幾らと云う話は全然出ません。
「為替予約の損失は、本日で全部解約したとしますと、約1億8000万の損失になります。
当然直ぐには返済できない事は解かりきって居ます。只残高をご確認頂ければ、貴社が無理なく
返済できるまで此の話は預からして下さい。」と云っただけです。
続いて検討した彼の会社の実績や計画には此の件は一言も入って居りません。
平成9年6月の事でした。
彼は魚介類の仕入・販売です。殆どが輸入です。
レートは円安傾向、1ドル、115円でしたが、最近は110円か之を切って居ります。
此の動きに目をつけたのはメガ銀行です。
比較的業績のよい中小の輸入業者に長期の為替予約を薦めたのです。
「何も解からないがメガ銀さんの薦めることだ。損は無いさ。」
事実、最近の為替予約では、皆さん黒字を出して居ります。
此の頃は1ドル100円を目標に1年か2年の予約をした人が大勢居りました。
彼も其の一人です。
そして、薦められるままに、レバレッジとか、儲けが倍になったり4倍になる方法も、取り入れて居ります。
当初、暫くは大成功です。商売で儲け、為替で儲かるのですから堪えられません。
特にレバレッジの分は、何で全部これにして、もっと高い倍率のしなかったかと悔やむ位です。
ところが破局は直ぐにやってきました。
円高の勢いは誰もが予想しなった勢いでした。
あれよあれよと云うまに100円を切り、95円まで切って92-93円になってしまったのです。
平成8年の事でした。
さあ、長期の為替予約をしていた中小企業は大変です。
レバレッジは損も何倍かにします。
当初は今までは儲けて居りますから、無理しても払っていましたが、平成8年の秋ごろからは
払えないところが続出したのです。中には早くも40億くらいの損失を出して破産したところも有ります。
彼も、暮までは払えないと覚悟しました。
弁護士に駆け込みます。
「本業の借り入れはリスケもするでしょうが、為替についてはやらないと思います。
破産か民事再生しか有りませんね。」
後で知りましたが、同じ事で弁護士に駆け込んだ人は、同じ返事を貰って居ます。
中には安くない費用の先払いをした人も居ります。
「破産では今後仕事は出来ないし、民事再生でも卸屋や量販店は乗ってこないよ。商売は出来ないと云う
事だな、他の方法を考えよう。」
彼はネットで探したコンサルタントに相談して居ます。
「相手はメガ銀ですから変なまねもしないでしょう。正攻法で行きましょう。
ですから、先ず銀行と話しましょう。本業の借金は当分金利だけにしてください。
為替の損はとても払えません。元金どころか金利も払えません。
それで厚かましいですが、今まで通りの付き合いをお願いします。とね。
勿論NOでしょう。そしたら直ぐに第2会社でやりましょう。
口座の点で問題が有れば、今の会社を続けながら、サービサーに債権譲渡させてサービサーと
交渉する方法をとります。メガ銀は担保の他には差押えはないと思いますが、用心だけはしましょう。」
それで銀行には本業の金利だけを入金したのです。
こんな綱引きが2-3ヶ月続いたあと、銀行から呼び出しが有りました。
それが冒頭に書いた事です。
コンサルタントは他にも同じ様な事件を扱って居たらしいですが、彼のところと全く同じ様な解決をした
みたいです。
彼は業者の会合で、彼と同じような悩みをもっている人が結構居てびっくりしたことが有ります。
「これからこんな倒産が増えるな」と感じたのです。
しかしマスコミの騒ぎにはなりませんでした。
「皆さん、私と同じ様な解決をしたのか。」
しかし最近、円が80円に近くなって、此の騒ぎを漸く政府やマスコミで取り上げて居ります。
どうやら、80円で火を吹くらしいですから、90円くらいがターゲットだったでしょう。
何にも知らない中小企業の親父さんに、こんな長期為替予約を教えるのは明らかに銀行です。
皆さん、彼と同じように銀行は助けてくれるでしょうか。
尤も、彼も、借入残はサインして居りますから、何時催促が有るか解かりませんが。
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