かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

会社の危機に、手を打たなかった人

2010-01-31 | 事例
工場が競売になりました。
其の上、機械も5台、引き上げられたのに義父はまだ平然としていました。
仕事は勿論続ける積もりです。こんな調子で今までも過ぎて来ました。
銀行もリースも税務署も押しかけてきたのに、父は平然として相手にもしませんでした。
売掛金は差押えられ、工場は競売になり、リース物件は引き上げられました。
其れでも仕事は続けえ居ります。しかし今回のサービサーが取ってきた回収手段、
義父はどうやって切り抜けるのでしょうか。

県北部は大手企業の城下町です。本家から独立した子会社が、
近くの町の支配者になって居ります。
うちはそんな会社の一社と取引も長く、信頼もされていました。
私たちは親しみをこめて親会社といって居ります。
鉄板加工が仕事です。材料は支給されて居ります。
社員6名、パート6名、その他一族5名でやっていましたが不景気には負けました。

仕事はどんどん減ってきます。当然社員も遊びが多くなりますが、
義父は其れに対して何もしません。
従業員に指示して居ります。
「仕事が無いならば親会社からスクラップを貰ってきて、
 それで何かリサイクルを考えなさい。」
これが最近義父が出した唯一の目新しい方針でした。
無料で引き上げたくず鉄板は庭に山になって居ます。片付けだけでも大変です。
おまけに親会社は無料のボランティアと思って、少し溜まると電話を呉れます。
全く無駄以上のことをやってくれました。

古い人間なのか義父は、雇った人間の解雇など出来なかったでしょう。
自分は日々の売上だけを知り、入金は全てを自分の懐に入れて必要資金だけを
出す方法です。手形はありません。真っ先に納税や返済が滞りました。
ついで給料が満足に払えません。銀行や税務署、その他のところも社長に、
1度会いたいと押しかけてきても、顔すら見せません。
居留守も何回も度重なれば出来ません。
夫や私もおろおろするばかり。

其れでも田舎のこと。他に働く場所も無いために従業員は辞めません。
その給料も随分少なくなって、特に私たち夫婦にはきつかったです。
そればかりでなく、二人で300万ほど、カードで造らされて居ります。

こんな事でしたから債権者の動きも早かったです。
先ずは税金です。売掛金は90%まで親会社ですから差押えるほうも簡単です。
其の月は、全員給料は貰えません。
ただし、これで本税の650万の滞納は一応はなくなりました。
延滞税はまだ本税と同じ位残って居ります。

それを知ってかどうか、今度は銀行です。担保の工場の競売です。
こんな鄙びた工場の不動産、買う人など居ないだろうと思って居ましたが、
案に相違して競落してしまいました。
丁度其の頃、リースで買った工作機械、古くからあった機械を担保にして居ります。
プレス機・コンプレッサー・搭載用ドライやーなど5台が姿を消しました。

誰もが、これでもう1巻の終わりと思って居ましたが義父は慌てません。
親会社から、売掛金差押さえの顛末について書類を書かされて、厳重注意だけで
取引は続行できる状態でした。
勿論親会社は競売や機械引き上げは知りません。

「義父の自宅で仕事を続ける」と言い出したのです。
自宅は3年前に他界した義父の父親の名義、だから今回差押さえも無かったと思います。
最初の工場でした。中古の機械が納屋に寝て居ます。

義父の父親が無くなった時は、連れあいも他界して居りました。
相続人は義父と義父の弟ですが、弟も亡くなり、其の子供二人が相続人です。
其の二人はうちの工場で働いて居ます。義父は此処ならば差押さえは絶対に
ないと信じて居ります。其れに此処で使う中古の機械など、金を出しても
引き上げるところもないでしょう。
安心して仕事が出来る楽園です。

従業員も工場が競売になれば殆ど止める。身内だけでやって行けば、
まだ何とかやれると思っていたと想います。
しかし、田舎で増してや年寄りの働き口が無い所、半分は残りました。
義父は引導を渡す事はできません。

しかしそれより飛んでもないことが起こりました。
夫の自宅が差押えられて競売になりそうです。
絶対に大丈夫と信じていた自宅がです。

相続で不動産の名義変更をしない場合は債権者は裁判所に言って、
法定相続分の差押さえが出来るらしいです。
法的な相続放棄手続きもせずに、私は相続しませんと言っても、
それを認めさせることは大変です。ましてや義父はずうっと其処に住んで居りますし、
他の相続人に借りて居るという賃料も払っていませんから、むしろ全部を相続したと
見なされるらしいです。争っても勝ち味は薄いとの事です。

勿論義父は裁判に出席などしませんし、弁護士も依頼して居りません。
もう直ぐ判決です。
すると直ぐに競売でしょう。

今度こそ完全に工場の継続は出来ません。
義父は相変わらず無言です。





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不思議だった保証協会サービサーの回収

2010-01-27 | 事例
保証協会から来た1通の残高通知書、遅延損害金が元金を遥かにオーバーして居ります。
年に2回ほどの通知、彼は払っては居りませんが気になります。
ましてやこの通知書、残高が違って居るのです。

会社は破産、2800万保証協会に代弁済されたのはもう9年も前です。
彼には払える筈がなく、払うつもりも有りませんでした。
しかし、ソッポを向けなかったのは、この保証人が彼を含めて3名居たのです。

母と義妹です。
母は、今住んでいる兄の自宅の土地が母の名義です。
この土地は兄が事業のために担保に入れて居ります。
しかし母はこれ以外に保証協会が気付かない収益物件を3棟ほど持って居ります。

義妹は弟が他界したために、自宅はローンも消えて自分のものになって居ります。
保証協会はこれを知って、早くに義妹に保証人である通知を出して居ります。
つまり保証協会は彼からは回収できなくても保証人からは回収出来ると踏んでいたのです。

会社が破産して2年ほどは保証協会は何も動いて居りません。
2年くらい経って、保証協会サービサーに回収委託されたときから急に忙しくなりました。
サービサーは「必ず、至急に、返済の方法について話し合いましょう。
そうしないと義妹の家を差押えるしかありません。」と牙をむき始めたのです。
彼が「妹はパートで収入が少ない」など泣き落としに入っても効きません。

ついに彼が怒り出し逆に保証協会を責めたのです。
「保証協会だって保証人でしょう。義妹を責めるくらいならば、
 保証人のあなたが負担したらどうですか。」
その他、理由にもならないことを挙げて保証協会サービサーの担当者を責めたのです。

担当者は一旦帰りましたがまた翌日やって来ました。
「貴方の仰るとおり保証協会も保証人です。つまり今の3人の保証人と
 立場は全く同一です。しかし、保証協会は立て替えて債権者に
 全額払って居ります。これを各保証人に責任額を請求する権利は、
 求償健と言ってあります。つまり一人700万づつになりますから、
 それを請求させて頂きます。」

こんなこと、聞いたことが有りません。
「保証協会を含めた保証人数で債権額を割って、それを各自の
 責任額として、代払いした保証協会が、各自に請求するなんて。」
なんとなく正しい理由のようです。
其れに対する反論など彼には思い浮かびませんでした。

このときに彼は結局、義妹の分と母親の分を、母親から借りて一括で払って居ります。
母親の分も払ったのは、万一母親の不動産がばれたときは怖かったからです。
母親と義妹の別々の和解書を貰ったときは本当にほっとしたものでした。

後は700万、彼の分です。
当然払えません。「暫く、待って呉れ」と言ったのですが、
催促もない事をよいことにして今日まで過ぎて居ります。

何時しか年2回になった残高通知書は金利と元金とが同じ位です。
それより癪に障ることは其の残高通知書は彼の負担分の700万ではなくて
保証協会負担分まで加算されて居ります。
断ったときには言おうと、今は、彼は特に文句をぶっつけて居りません。
其の前に、こんな状態ならばおそらく時効は成立するでしょう。

その後、彼は注意をして居ますが、保証協会でも保証協会サービサーでも
債権額を彼のように保証人ごと分けて請求してくるなんて聞いたことがありません。
彼に取った方法が正規の方法か、または彼の場合のみ、全体の50%を回収するために
取った方法か見当が付かないのです。

それと時効が近いせいか、時効のことも気になります。
債権者は破産ですから、其の日から1円も払って居りません。
其の後払っているのは全部保証人です。
保証人がいくら払っても時効は中断しないと聞いて居ます。
破産のとき、保証人の時効は10年、と言うことは10年を過ぎると誰もが時効になります。
彼は後1年我慢をすれば少なくても彼だけは時効になると思って居ります。

彼は残高通知を仕舞込みました。
一寸気にはなりますが、いずれにせよ払いません。





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モラトリアム、貸し手の抜け穴

2010-01-23 | 事例
「金利は払います。元金だけをとりあえず1年間、返済免除願えないでしょうか。」
彼が銀行にお願いしたのは昨年の9月です。口頭だけです。
彼には依頼書を書いたり、ましてや経営改善計画など聞いただけでお手上げです。

彼は個人営業でチェーンの鮨屋をやっていました。
それと自宅兼用のアパート経営をして居ります。

鮨屋は、全額保証協会付。
1本の300万だけを兄が保証をして居りますが、他の6000万は彼一人の
保証です。アパートの3000万は不動産担保で且つ兄が保証です。

平成21年は付いて居ない年でした。
前年くらいから赤字の月が多かったのですが、
特にこの年、鮨屋の客足が急速に衰えたのです。
其れでも本部は過酷のことを言ってきます。
ついにチェーンを脱退せざるを得ませんでした。
以後、つつましく個人店に切り替えて居りますが、
それとて黒字になるのは時間が掛かりそうです。

アパートも5軒の店子で満杯ですが2軒欠けたのです。
直ぐに埋まるだろうと多寡をくくって居りましたがなかなか埋まらず、これも赤字です。
ただしアパートはキャッシュフローでは助かって、まだ資金面では赤字ではありません。

銀行の担当者は冷たかったです。
返済が何時も遅れ勝ちだった彼には愛想を付かして居たようです。
「Gさん。元金全額の棚上げは無理ですよ。保証人の兄さんに頼んで払ってください。」
其の兄は保証協会の保証分を全額払って後は知らん顔です。
アパート分を保証して居ますが、実際に兄に請求があるのは不良債権になってから
2年くらい経ってからでしょう。また来ても押さえられる物は何もありません。
保証協会分は自分も利用しているから払ったのです。

地銀の担当はどう頼んでもリスケを承知しません。検討すらしない様子です。
ついに彼は10月分は返済出来ませんでした。金利も払っては居りません。
そして11月、12月も払えません。都度、彼はリスケを銀行に依頼しております。
ただし銀行は3ヶ月払わなかったから代位弁済と冷たく言って居ります。
かつ、保証協会が代位弁済になれば、個人のアパートも売却せざるを得ないと
脅して居ります。

丁度其の頃世間でモラトリアム法案が通ったのです。
するとこの頃から銀行の言い方が違って来ました。

「Gさん。貴方の希望通りに金利だけにしましょう。
 しかし、今まで金利の未払い分と、新たな保証料だけは払って頂かないと駄目です。
 これはモラトリアムとは関係のないことで、絶対に必要な事です。」
軽いものだと承知をして其の額を聞いてびっくりしました。
全部で140万というのです。

保証料が1年として約70万。後は会社借入の分の金利です。
金利は払うと言って居るのですから、未払い分は払っていただけないと困ります。
と言うのです。

よしんば、金利を全額支払い延期、保証料だけにしても払えません。
払える余裕は20万以下です。ですが明るい材料も有ります。
アパートはこの3-4月の異動期に何とか決めますと不動産屋は胸を敲いて居ります。
鮨屋はまだ黒字の目鼻は付かないと言うもののお馴染さんが生まれつつ有ります。
それなのに。

「お金がないんです。
 其の金利も全額棚上げとか、保証料も救済処置はないんですか。」
頼んだものの彼の声も次第に小さくなります。

考えてみれば金利と保証料、均して考えると月間100万以上のものを払って居るのです。
仮に此処で支払い延期してもらったところで、将来この分余分に支払えるか分りません。

アパートさえ失えば、保証人の兄にも大きなダメージを与えずに済みそうそうです。
現在家賃を商売につぎ込んでいることは事実です。
しかしなくなっても、これからならば、商売はやっていけそうです。
そして、アパート分までは返済出来ませんが、保証協会分は毎月20万くらいの
返済ならば何とかなるような気もします。

「不良債権にすると言って、銀行は払わない方が
 得だよと遠まわしに俺に教えているのかな。」
そんな様にも思われてきます。

1月中旬、担当者が一括で払えるか最終の返事をお願いしたい。
と聞いてきました。彼は払えませんとはっきり答えました。
このまま代位弁済になるか、アパートは資金的には黒字で、
返済はきちんとしているのに、本当に競売するのか分りません。

でも彼の心は決まって居ます。
「払えない。だから払わない。それが生きる道。」

彼は保証協会に代位弁済になるのを待ち増すます。

モラトリアム。せっかくの救済法案ですが、貸し手が応じたくない時に
この保証料のような抜け穴が他にもありそうです。





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信組の回収のすごさ

2010-01-20 | 事例
駅前の一等地。
開発が進んで来たために、この一角の小さな土地の所有者11名が、
結束して等価交換でビルを建てました。
8階建ての3階までが彼らの所有です。25年前の話です。
彼らは土地の出資に伴い、会社を作りましたが目的はビルの運営だけです。
高配当に所有者は、誰もがびっくりしました。

彼らはこの権利を誰にも犯されないように、厳しい決め事をしました。
丁度ゴルフ会員権で社団法人性と同じ様なものにしようとしたのです。
土地は全員会社に出資、代わりに株で受取、株の譲渡は基本的に禁止、
他の株主が全員一致で認める時のみ、自分の全株を一人に譲渡することを認める。
相続のときも一人だけに認める。ただし、会員同士の株の譲り合いはよい。

つまり、この権利を11名以上には絶対に増やさないようにしたのです。
将来誰かが自分の事業に失敗してこの株式を差押さえられようとしても
出来なくしたのです。Yは、この意見の推進者でした。

Yはこの株主の一人です。しかも11名の互選で運営事務まで行って居ります。
年間2500万の配当があるのですから、彼には心配事などある筈が有りませが、
実際は金繰りに毎日、追われる日々でした。

彼は、Y家が持つ不動産の運営、それに何店かの子供服の販売店チェーンを
して居りましたが、ともに赤字で、銀行借入の返済に四苦八苦の状態でした。
保証人の父親は、いわゆる町の名士で信組の理事長を長年勤めた人です。
そんな関係でYも信組がメイン銀行でした。
Yの経営がうまくいかなくなったのと、父親が理事長を退任したのは
関係がありそうです。

父親の退職金4000万が出るかどうか随分気をもんだものです。
それも心配するほでなく、手にした時はほっとしたものです。

そんなこともあり、信組がたまらなくなって、担保不動産の処分を
依頼してきた時は、Yは快く不動産を処分したものです。
不動産を処分すれば借金は消えて、お釣がある筈ですが、
この頃になると不動産価格は超下落です。
多額の借金が残ってしまいました。

この頃から、急速に信組とY家の仲も疎遠になっていました。
残る不動産は、父親自慢の自宅だけです。
父が華やかの頃は此処で街の名士を集めて園遊会を催したことがあります。
其の処分は、Yにはともかく、父親にとっては堪らなかったでしょう。
それも、かって自分が理事長を勤めた信組が要求して居るのです。

「俺も母さんの治療のために此処から移ろうと思って居たんだ。」
Yの失敗を責めるのではなく、こう言って足の悪い母も住み易いところに越しました。

其れでもまだ大分残が残ります。
信金はY家の全てを知って居ます。もう差押さえるものは何もありません。
Yはこれで信金も諦めるか、それともサービサーに売却するかと思っていました。

「私等信組は会員の方からお預かりした大切なお金、
 1円たりとて回収しなけばなりません。Yさんには
 未だ資産もお有りです。それを払って頂けませんか。
 それまではサービサーに譲渡などとても出来ません。」
信組はビルの権利をさして居ります。

「このビルの権利は1代限りで他人に譲渡などできません。
 確かに配当はあります。これを頂いたら必ずこの中から払えるだけ持参します。」
逃げるYに対して、信組の説得は執拗でした。

「貴方から信組に譲渡すると言って頂ければ10名の人は必ず当方で説得します。
 説得に応じない場合は諦めます。
 どうしても反対の場合は、振り込まれる配当は差押さえが出来ますよ。
 しかし今まで貴方との間で、法的行為は全然有りませんでした。
 以前の理事長を差押えしたなんて、直ちに町中に噂です。
 何とかご協力お願いします。」

Yの最後の砦です。心のよりどころにもなって居ます。
失うと、仕事すらなくなり、完全に生活の道も閉ざされます。

険悪の空気が暫く続きましたが、「今の理事長の訪問を受けた。」
と言う父親から電話があって、それも捨てる決意をしました。

最後の最後のものすら取られました。
それを狙った信組、サービサー以上の力でした。
しかも法的の力は何ひとつ使って居りません。

Yの行方は誰も知りません。





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返済を拒む人

2010-01-17 | 事例
「貴方の会社は、此処で返済を止めればまだ続きます。
 今まで頑張って来ましたが、此処で元金の返済を依頼しましょう。
 それより他にやりようがありませんよ。」
同じ様なことを繰り返しながら、もう小一時間経ちます。
どうしても元金猶予の依頼をする意思は生まれません。

「元金を返済しないと、いざと云うときに借りれないでしょう。それは困ります。」
「いざと云うときはどんな場合ですか。」
「大量に注文が入った場合などです。回収までが時間がかかり、
 材料代や下請けに早く支払うときなどに、出来なくなります。
 せっかくのチャンスを失います。」
こんな様に思い込んで元金緩和を依頼しない人は意外に多いのです。

「信金さんが言っていました。もうどうしても融資は出来なくなりました。
 しかし、先々月融資を受けたばかりですし、その時に支店は本店に対して
 これで決算までは大丈夫と言う稟議を書いたらしいです。其の兼ね合いも
 あるから3月の結果が見える4月末までは何とか頑張って欲しいと言われて
 居ります。そこで決算の結果を見て相談しましょうと言われて居ります。
 それを破ったとなれば、もう儂ら一生涯銀行からは借りることは出来ません。」

此処何年も借りたお金は返済と赤字の穴埋めに使われて居ります。
借りる都度、資金計画を提出しておりますが、借入金は減るどころか増えて、
かつ債務超過にもなって居ます。

借りる都度、提出した資金繰り表は、支店担当者の注文もあり、
右肩上がりにして居ります。計画と実績の違いが大きく現れ、
それがさらに信用を落として居ります。

そうなればなるほど、返済だけはきちんとしないと銀行に見放される。
今の銀行の見放されると、もう相手にしてくれる銀行なんて無いと堅く信じて居ります。

ただし、信金の方は、当初多かったプロパー貸付は、セーフティネットなど
利用して殆ど保証協会の貸付に変えて居ります。
信金も何時、此処が手を上げても平気です。

「どうしても返済するならば、人件費と下請けの手数料を減らすしかないですよ。
 それとも、私は絶対に反対ですが、ノンバンクを当たりますか。」

以前に個人だけ、ノンバンクの個人整理を弁護士に依頼したことがあり、
以後今日までどのノンバンクも貸せないらしいです。
方々を当たっているみたいです。ブラックリストに乗って居るのでしょう。
何処も相手にしないみたいです。だからこそ、唯1行今まで相手のしてきた
信金からは絶対に妙な目で身らfれたくないと言う気持ちです。

「貴方はチャンスを失いたくないと言ってますが、この2-3年の間に、
 其のチャンスと言うのが1回でもありました?」
無かった見たいです。
「今、従業員の給料や下請けの手数料を払わないと、
 もう彼等からもそっぽを向かれるでしょう。その方が怖いです。
 此処に返済用にとってあるお金で、そちらを支払いましょう。
 仮に将来、チャンスがあった時は、駄目元で信金に依頼するしたり、
 下請けにも協力をお願いする事で乗り切りましょう。

 問題は今日会社を潰せば、明日どんなに良い話があっても何の役に
 立たないと言うことです。なんとか、今の営業を維持すれば、返済を
 無くすれば、未だ当分は大丈夫です。」
漸く当人に、明日、銀行に行かせる決意をさせた時は、さらに一時間過ぎて居りました。

リスケも知っている。モラトリアムも知っている。
しかし当社は、銀行の返済は絶対続けると頑張る人は意外に多いのです。
今は助けてくれなくても最後は見捨てないだろうと一途に思い込んで居ります。
特に地元の金融機関をそう思って居る人たちには「まだ俺は返済だけは続け得ている。」
と言うことは信念以上のものを感じます。

この人は、幸い銀行以外には借りて居りませんでしたが、そちらに手を出す人は
決まってこの考えを 持った人たちです。其の点早くから返済を減らすと言うことに
気付いた人たちとは、雲泥の相違となって現れてきます。

誰だって返済を止めたく有りません。しかし止めないと自分が参ってしまうときは、
蛮勇を奮って止めざるを得ないでしょう。
今、止めると助かる人たち、モラトリアムが後押しして居ます。
恐れずに止めましょう。  






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サービサーの和解金額

2010-01-14 | 事例
昨年暮れから正月まで、思いがけなくサービサーとの和解が4件続きました。
いずれも違ったサービサーで、かつそれまでに何回となく和解を持ち掛けましたが
全部断られ、高い和解金を要求されて、一時やけになって居た様なところです。

保証債務で自宅まで競売になったIさんは、最初の請求から6年目です。
競売は銀行でやって居ますからサービサーはまだ1円も回収して居りません。
残債は3億以上。何処から計算したのかサービサーは1300万の要求でした。
払える派zがありません。それから凍結状態が続きました。
その間に債務名義を取られて、空振りでしたが、銀行の差押さえを受けて居ります。

担当者は強気でした。1300万を1円も負けようとしません。
しかし昨年暮れ担当が替わりました。
このときに担当は話し合った後、暫くたって一気に70万の線を出してきて居ります。

これは破格の扱いだ。1%にもならない。
是非和解すべきだと薦める人が多かったのです。
Iさんも同じ様に思って居りましたが先立つものがありません。
「お心ざしは有りがたいが其のお金すらありません。しかし手許には15万くらい
 破産をしようと溜めたお金があります。もう少し溜まれば破産が可能です。
 それまでお待ちください。」

結局15万の和解でした。

Aさんも銀行に返済を止めてから7年目です。
父親の保証債務です。父親の自宅とAさんの自宅は競売済み。
幸い父親の自宅だけは知人に買い戻させてもらいました。
残債務が1億2000万。サービサーは300万まで譲歩して来ました。
しかし、こうなってからサラリーマンの道を歩きだしたAさんに
払える筈がありません。おまけに子供は有名校に通って費用は高いです。

これも新年から担当が替わり、新担当は改めて50万の提示を出し直して来ました。
結局は40万で和解しましたが、長年の心の重石が取れて気分的には爽快です。

Sさんも2億の債務がサービサーに譲渡されました。
最初呼ばれたときに、Sさんはホームレスに近い格好で訪れて居ります。
4日も風呂に入ってないためにすっぱい臭いすらします。
「自分は払いたいが現在どうしようもない。養子で入った為、
妻にも追い出されはしないが、別居同然でろくに家にも帰れない。
 兎に角払いたいが、どうすれば良いか。」
サービサーは「出来るようになったらいくらでも良いから振り込んでください。」
と話し合うより早く追い出したたい様です。

そのまま5年近く、何の連絡もありませんでした。
Sさんは時効になるだろと思っていたら突然の電話です。昨年十二月です。
しかしそれは最初から30万の和解の提案でした。
Sさんの正月は本当に晴れやかでした。

もう一人も負債は1億6000万です。
「あのときに銀行が融資約束を破らなければ当社は倒産しなかった。」
とKさんは主張し1円の返済も拒みます。
相手は訴訟を仄めかします。
「訴訟。こちらも望むところです。徹底的に争います。
負けたらそこで破産をします。」
結局20万でした。

いずれも銀行で競売を経験した人たちです。
銀行は競売を全部済ませて、抜け殻をサービサーに譲渡して居ります。
当初は高い金額を要求されて居ります。
そこで債務名義などとられ、あるいは差押さえなどもやられて、
2年以上の期間を経て居ります。それが担当者が変わった時などに、
急に今までと桁の違う額で和解になって居ます。

同じ様なことが違ったサービサーで4件続けば、サービサー回収の
パターンの一つかなと思われるくらいです。

其れにしても最初、高い線で切り出し、それを下げるまでは時間が掛かります。
いくらサービサーが頑張ったってそんなに急にお金が出来るわけがありません。
唯、精神的に苦しめて居るだけに過ぎないのです。

こんなサービサーと違い、最初目玉が飛び出るくらいの途方もない和解金を要求し、
それを金輪際変えないサービサーもあります。
「4000万です。」残債務は2億4000万です。
「今はなくてもこのくらいは稼いでください。当方はこれが限度です。」
こちらはそう言うサービサーの担当者を精神病病院に入れたくなります。
4000万も稼げるくらいならば倒産なんてする必要はなかったでしょう。
倒産者が簡単に4000万稼げる時世ならば、日本の不況なんてとっくにどこかに
素っ飛んで居ります。
サービサーの社員に常識を叩き込みたくなります。

其れにしても今回の4軒、良かったです。
いずれもどうしても駄目に時は破産を考えていました。
破産は破産で弊害が起こります。

サービサーも粘っても無駄かどうか見分けをし、下手な粘りは止めて欲しいものです。
そんな法律がっ出来ない物でしょうか。





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モラトリアム 出来る人はいいな

2010-01-11 | 事例
年末、やっと手形は落としました。
その代わり、従業員の給料が払えません。
15名中13人までがパートですから。
最高が12万円。でも一番払える人5万円が漸くでした。
平均すると3万くらいしか払えませんでした。案の上、
新年になってみると出勤者がまた減って12名になっていました。

私は平成14年、1度倒産しております。
当時は従業員も50名くらい、負債総額は14億でした。
不渡りを出しました。しかし法的整理もせず、さりとて私的な
債権者会議も開いて居りません。唯、経過説明と現状報告、
其れに後日送る若干の配当額を通知しただけです。
勿論轟々たる非難でしたが全部無視しました。
誰も此処まで怒鳴り込んでは来ないと読んだのがあたり、
何時しか仕入先も騒がなくなっただけです。

銀行だって差し押さえるものなどありません。
地主7軒の借地の上に建った千坪の工場は広いだけ、
二階建てでしたが二階は消防署に使用禁止を命令されて居ります。
継ぎ剥ぎだらけの工場が売れる筈がありません。
何回も競売がありましたが今日まで無事です。

そして、以前からあった会社を、娘婿を社長として第2会社とし、
やって居ります。幸い地元の信金が手形用紙を呉れまし。
最大限これを利用して商いを続けて居ります。

困るのは資金です。
今度手形が不渡りになれば、もう完全に商売は続かないでしょう。
しかし、第2会社とは言え、本体は一度は倒産した会社です。
資金が潤沢の筈がありません。
其れに市況は倒産時よりどんどん悪くなって居ります。

こんな時に、ある程度纏まって現金が動くのは給料だけです。
つい給料に手をつけて遅配が始まったのです。
最初はきちんと遅れて他分は払って居ましたが次第に払えなくなりました。
今の賃金未払いが7000万、いかに多くの賃金を払わなかったか分るでしょう。
現状、残っている人たちも、大体9ヶ月くらい貰ってないと思います。

多くは貰わぬまま、会社を去った人たちの分です。
収益にあげるわけにもいかずに帳面に計上して居ります。

辺鄙で、ほかに働く場所のないところ、其れでも一家の働き手は
とっくの昔にこの会社から去って居ります。
今は働いている人たちは、殆どが所帯の生活責任者ではありません。
だからこそ、こんな状態であっても続いてい居るのでしょう。

昨年、子供を持った未亡人が、未払い給料の請求で訴えたことがあります。
勿論相手は勝訴しました。すると続いて何人かが訴えたのです。
しかし、それまででした。訴えても払えなければ差押さえしかありません。
何もないのです。

私にとっても、辞めた人に払うくらいならば、
其の前に今働いている人たちに満足に払いたいです。

モラトリアム こんな法律が出来たそうです。
私だって銀行から借りているならば、こんな法律が
なくてもとっくに支払いをしていないでしょう。
其れにしても、銀行に返済しなければ資金問題が
解決されるなんて私にとっては、まことに羨ましい限りです。
こんな法律にすがって居る人たちはまだ贅沢と思います。

本当にお困った居る者。そして本当に事業を続けようとして居る者は、
私の様に従業員の給料をも払わない人ではないでしょうか。

「会社をやっている価値がない。会社を止めろ。」
取引先だった社長から、内職の婆さんまでにも何回も罵倒されて居ます。
其れでも事業だけは守らないと、と思って続けて居るのです。

こんな私たちに合ったモラトリアムが出来ないものでしょうか。
国でも、公庫でも私が払えない給料を代払いして、それを私が
借りたことにするのです。おそらくJALに出すお金の何分の一かで
多くの事業主と働き手が助かり、零細企業の活性につながると思うのです。

其れにしてももう13名。これだと最低の人員を切ってしまって、
尚効率が悪くなる。其の場合保健所の指導を全部守れなくなる。

そして月末の手当てはまだ付いて居りません。
しかし私は何があっても絶対に会社は続ける覚悟で居ります。





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モラトリアム 現場のその後

2010-01-08 | 事例
「銀行がなかなか元金低減にうんと言ってくれないです。」
「銀行は今月末、代位弁済をするといって居ます。
 うちは此処4ヶ月持てば確実に資金は乗り越えられるのです。」
最近、こんな電話が多いように感じます。

モラトリアム、中小企業金融円滑法案が通り、金融庁も力を
入れている筈だのに一寸時代を逆行している感じです。

一方では金利すら減免してもらったと言う声も聴いて居ます。
其の中で何故?
今日はそれだけに付いて述べます。

そういえばモラトリアムと騒ぎだした昨年8月か9月ごろ、
手形貸し付けの書き換え拒否とか、新たな保証人とか担保請求とか、
かっての貸剥がしを思わせる電話が突発的に増えた事も有りました。

そんな電話が治まり、モラトリアムも施行されて「もうリスケの
問い合わせなどないだろう。」思っていると逆に返済に関する
電話が増えたのです。

いずれも今まででしたら、リスケ交渉で軽く銀行が承知を
しただろうにと思うような案件ばかりです。

時にはこんな電話も混じって居ります。
「銀行に返済元金を今の30%位にしてくださいと
 お願いに言ったら断られました。」
工務店の奥さんです。資金は奥さんがやって居ます。
モラトリアムなんて言葉は知りません。
資金が枯渇してきたから兎に角メインの地方銀行に依頼に行ったらしいです。

今期は赤字ですがそれまではずうっと黒字。
リスケをしてもらえばもう融資がなくても十分に回っていく、
これを助けてやらないと、せっかくのモラトリアムが使い物に
ならないような話です。

これは良く聞いてみると、公庫やプロパーは今まで通り返済して、
保証協会付き分のみリスケを依頼したものと分りました。
何処も均等にと教えると直ちに解決しました。
モラトリアムでも、銀行に関して公平でないと、
まずいことは変わって居りません。

こんな相談もありました。
3が月先にはまとまったお金が確実に入るんです。
それまで持てば何とかなるのです。唯返済を止めた頃は
まだ不確かなことで、最近確定したらしいです。
それなのに銀行は3ヶ月も過ぎ、今月4ヶ月目になるから
代位弁済をすると言って聞かないです。
銀行は上位ランクの地銀です。

これも業績や将来の見通しなどから押して、今までのリスケ交渉ならば
完全にOKされていた案件でしょう。
「資料は銀行に言われるままに出しました。銀行との仲も非常に良いです。
 銀行は当社の近い将来のことも分ってくれて居ます。
 それなのに承知しません。第一、モラトリアムが通った現在、
 若干問題があっても認めるべきではないでしょうか。
 それをさせるにはどうすれば良いでしょうか。」
と勝手のことを言って居ます。

この人は昨年9月ごろ、モラトリアムは施行されると自分で結論をだし、
返済を全てストップし、銀行に金利までのリスケを希望してらしいです。
このときに銀行と揉めてそれが尾を引いていると思いますが、当人は
現在は施行されているから当然の話と威張って居ます。
詳しく聞くと当人の言って居ることに信憑性が欠けることも随所に見られます。

これは早急にお会いして私なりきに事実をつかみ、
其の上でアドバイスをしようと考えて居りますが、
この様にモラトリアムを自分の都合の良いほうに
解釈している人も多いみたいです。

唯、総体はモラトリアムは借り手に有利になっているみたいです。
銀行も「しよ無い。」と割り切っているみたいです。
冒頭の金利の減免も大手銀行がしたのを見て居ります。

電話が多くなったのは、今までリスケなど知らなかった人たちが、
返済金の低減が出来ると知って、間違っては困るから念のために
他に聞いたと言うことみたいです。
だから電話が増えたのも1時的なものだと思って居ります。

以前はリスケを申し込んでから、決定までに2-3回あった電話も
最近は1回だけが多くなって居ますから、これも簡単になったと
云う効果の一つと解釈しております。

この時限立法は長くありません。
この法律が施行される前もリスケは自由に交渉出来ました。
これが終わったときに、リスケは施行前と同じ様に自由に
交渉できる雰囲気も戻ってくるでしょうか。





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銀行が変わってきた

2010-01-05 | 事例
「U銀行が私にこう言いました。信じられるでしょうか。」

今まで銀行3社に交渉して来ました。
「為替差損の返済は、損失した分は勿論、其れにまつわる金利も
 何も返済できません。しかし本業の為の借入は、金利はお支払い出来ます。
 本業は黒字ですが、為替の方に継ぎ込んだためにすっからかんになったもので、
 本業分も返済出来なくなりました。しかし、これは1年くらいで元に戻り、
 返済する計画です。

 為替のほうは取り返しがつきません。当分は何もお支払いできません。
 まことに虫が良いお願いですが何とかならないでしょうか。」

2行はよいとも悪いとも言わず、業績や他の2行の動向などを
詳しく知りたがっています。
特に今からの計画と予想は突っ込んで聞いて来ます。
何の隠しもなく説明している積もりですが、「今頃、前期より実績が
上がる計画なんて作文だろう。」と疑って居るのが分ります。

もう1行はその場で否定しました。
「為替の資金を入金しないなんて許されることでは有りませんよ。」
「そうだろうと思います。しかしそうなると当社は倒産しかありません。
 それより生きていて少しでも返済出来る方が良いと違います。」
それには答えず、今からの見込みを知りたがって調べて居ます。

「3行の中では当行が7割位を占めるでしょうが、
 今解約するとして当行だけで約5億の損失ですね。」
つぶやいて居た行員の声にも力が入って居りません。

円高のために外資の為替予約に失敗しました。
110円の時に100円で3年先まで予約したのです。
自社で輸入のために必要なドルは毎月40-50万ドルです。
これだけでも4-500万の損ですが、時にレバレッジが効いて
1000万以上の損が出る月もあります。
残っている分を全部解約すれば5億と言う銀行の言い分も本当でしょう。

この日から暫く銀行の訪問が続きました。
現状調査と将来の見込みです。
何も作為をして居りませんからすべて事実を述べることにして居ります。
この態度はどの銀行にも好感を呼んだみたいです。

此処1年近く、月次も赤字です。
でも調べると本業は立派に黒字になって居ます。
為替祖差損が足をひっぱって居ます。
本業は右肩上がり、今時珍しい会社です。

しかも最近、ある上場企業と契約し、今まで他社が納入していた分まで、
切り替えてもらうことにしました。覚書まで取り交わして居ります。
「本業は絶対に黒字にして、しかも伸びる。」
彼の言うことが信じられるのです。

彼は銀行が必要とする説明が終わると、後は本業のことだけで
飛び歩いて居ります。
返済は、彼がお願いした通りに払っているだけです。

さすがの彼も、途中で心配になって、いざと云うときの差押対策も考えました。
が、肝心の売掛金が筒抜けです。
相手はしっかりした上場企業、裁判所の命令には従います。
差押対策はしても無駄、そう決めて何もしませんでした。

「私どもは次のように臨みたいと思います。
 本業のほうは金利だけで1年間、よろしいでしょう。
 金利もでこぼこして居りますが、全部1.8%にします。
 為替のほうは今日で解約と言うことにして損失額だけを
 はっきりしておきましょう。ただし、実際には其の為替を
 私の方が引き継いで、円安になって処分したときのみ利益を
 還元します。さらに損失が出た場合は請求しません。
 100円に戻ればよいですがね。
  
 私どもは貴方の言葉を信じます。
 これからも全てオープンで行きましょう。
 それから、他の2行にも私どもの方針を言って、
 できれば同じ様に協力をお願いしてみて下さい。」

今までの銀行のイメージとは違った言葉です。
特にこの銀行は、以前起こった不良債権のときや、
続いて発生したビジネスローンの不良問題の時は、
有無も言わせずサービサー送りをした銀行です。

確かに2年ほど前からビジネスローンの不良の扱い時に、
直ちにサービサーに送ることに躊躇が見られました。
自行の利益のためかなと思っていたのですが、今日のような
返事につながって居たのでしょうか。

「私どもは貴方を信じます。そして本業が黒字で
 ある限り返済のことで会社を潰すような事はしません。応援します。
 貴方も隠し事なく、全てオープンで付き合っていただけませんか。」

その後まもなく、東京でも私と同じような扱いを受けた会社が
あったことが噂で耳に入りました。
昔のメイン銀行ってこんな感じだったでしょうか。

一方友人の一人はやはり為替損をしたのですが、
其の時に大きな資産隠しを図ったのっです。
回収依託したサービサーが、徹底的に取立てに入った例も見て居ります。

なんとなく、暖かさを感じました。
全銀行がこんな感じになると、日本の復興も間近いのではないでしょうか。  






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性悪説

2010-01-02 | 事例
「私、夫が帰ってくれば、まず離婚届に捺印を貰い、慰謝料として
 自宅の名義を書き換える書類に署名捺印して貰い・・・」
夫が家出した時の妻の言葉でした。
夫に頼りきった小さな会社、夫は耐え切れなかったのです。
ノンバンクが返済しきれずついに、遺書を残し家出をしたのです。

評判の仲の良い夫婦で有ったらしいですが、残された妻からは
夫を想う気持ちは有りませんでした。
自分達を残して消えた夫がたまらなく憎かったみたいです。
夫の遺体が見つかれば、経済的には一挙に解決しますが、今のような
調子ならば家族はどん底です。おまけに何ヶ月と給料も家に入れて居ません。

ノンバンクが押しかけるようになって居ました。何も分らない妻は
この対応もあり、消えた夫が憎くてたまらなかったのでしょう。

「奥さん。私だったら、万一戻ってくればまず風呂に入れて、
 熱い味噌汁を出してやって、次に子供と一緒に寝かしてやりますよ。」

其れに対して妻から出る言葉は今後の自分と子供の事だけで
夫を想う言葉は一言も出ません。

しかしこの言葉が15日目くらいから次第に変わって来ました。
「どうやって食べているかしら。悪いことをして私たちに
 迷惑が掛からないようにして欲しいね。」
次は
「スーパーのカードだけもっているから、あれで生活して居るのかしら。
 とすればあのカードだけは入金しないとまずいかしら。」
そして
「この寒い夜空に何処で寝ているのかしら。
 早く戻ってくれば暖かいお風呂にいれてやるのにね。」

妻の心が性悪説から性善説に変わってきて居ります。
そんな変化が私に感じた時は非常に嬉しいです。
以後のアドバイスにも熱が入ります。

普通、私は人間の最後は性善説になると思って居ります。
しかし、どうしても人を信じられない職業もあります。

「経営者は倒産する時、債権者に返すべき資産を思いきり
 隠し取るのが普通です。おそらく、しない人は居ないでしょう。
 だからこそ私たちは、回収に時間をかけて相手がぼろを出すまで
 待って居るのです。」
まったく同じ言葉を2軒の大きなサービサーの部長から聞いて居ります。
いや銀行の代理人の弁護士からも聞いたことがあります。

私はよく会社を任意整理をするときに、債務者に言います。
「1000万をあなた方の今後の生活費として残せないかな。
 有れば借家であっても一家4人2年は暮らせます。2年の間には、
 その後の生活も築けるでしょう。債権者には悪いがこのくらい、
 罪とは言えないと思います。」

しかし、実際にはいくら努力しても1000万残せる人は、
中小零細企業の現在では皆無でしょう。
「3ヶ月は食べていけます。」と言える人も少ないです。

サービサーや、顧問弁護士はこうした人を追い詰めて居ます。
普通の人間には出来ません。サービサーの従業員の入れ替わりが
激しいことは、性善説を信じる人たちにとっては、人を追い詰める
ことは耐え切れないからでしょう。実地でそれを行わない上司だけが、
性悪説を振り回し、債務者と部下を苦しめて居るのです。

しかしこれらはまだ良いとして、私が一番不審に思うのは、
裁判所の基本的な考えです。
裁判所の考えは「倒産者は隠し資産を持っている。」
と性悪説の代表者だからです。
この考えのために、中小零細企業は望む破産すら出来ないことが多いです。

何も出し尽くした。これ以上責められるのは我慢できないと言う
中小企業者を破産させて気分的にも楽にさせてやりたいです。
破産の金もありません。だから経費も時間も掛からない「同時破産」を
させたいです。
それが「会社の資産処分を明朗に」と言う理由で、会社も調べないと
経営者が何をしているか分らない。と決め付けて居るのです。
必ず会社も破産をしなければならず、管財人が必要な破産しか認めません。
そんな破産の費用などありません。

裁判所のこの態度が破産を難しくさせ、サービサーを付け上がらす基に
なっているような気してたまりません。

世の中不景気になるほど、性悪説は、はびこります。
しかし、人間として、少しでも善を信じて生きたいものです。

冒頭の夫婦も夫が帰って来ました。
妻はまず風呂に入れて、後は味噌汁と子供です。
結局は離婚になりましたが円満に話は付いて居ります。

性善説を信じ、それで行動したほうがうまくいく場合のほうが
多いのではないでしょうか。





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