何回も説明を聞き、頭の中ではトレイニングを繰り返しています。
腹さえ決めれば何でも無いと頭では思いますが、体の震えは止まりません。
3日後に不渡りを出します。
明日、仕入先だけを集めて債権者会議を開き説明しょうと思っています。
銀行には4行で3億近い債務がありますが、仕入先は28軒、仕入れ債務は6000千万以下です。
コンサルタントからくどく言われました。
「法的整理も必要ない。弁護士も頼むことは無い。
両方ともお金と時間がかかり、しかも債務者のことなど全然考えませんよ。債務者の個人資産は
全部整理のために取り上げられ、自分は明日からの食い扶持さえ有りません。
そのくらいならば任意整理をしなさい。」
と檄を飛ばされ、そのやり方を何回も聞いています。
コンサルタントは非弁活動に触るから、債権者会議には出れない、貴方が一人でやりましょうと励まされて居ります。
事前に弁護士にも相談しました。
予想に反した高額の費用です。それだけあれば仕入先に配当の上乗せが出来ます。
しかし弁護士案は銀行の無担保債権にも配当するために、仕入先は殆ど無配になってしまいます。
自分で債権者会議をすれば仕入先には2割配当も出来ます。
しかも期になる個人資産も、弁護士が入れば殆ど残らないでしょうが、任意整理でしたら等分の自分の食い扶持位は残せそうです。
そして肝心の事は相して取られた個人の資産は仕入れ先の配当には殆ど関係しないようです。
任意整理をすることに決めました。
一緒に、仕入先の債権者会議に出てくれる人は居りません。片腕だった専務は、不渡りを耳打ちしてから急に逃げ腰になっています。
家内は私も役員になって居るから、出てもよいよと言いますが、私が惨めな姿を見せたく有りませんから、候補にして居りません。
コンサルタントも言って居ました。私一人で十分だと。
殺されはしない。一人でやろう。
しかし、前夜、震えるのです。声も十分に出ません。
頭のトレイニングは出来ており、喋ることや会の進行まで何回もそらんじています。
恐いと感じないが震えるのです。メモを取ろうとしても字が書けません。
不思議なものです。
次の日、会議場に行きました。
最初の一人が見えて、式場を案内すると、いつか震えは消えています。
続いて皆さんが揃うまで、目で謝ったりして居ると、完全に震えはどこかに消えていました。
渦中に飛び込む前は恐れが出て居ましたが、いざ飛び込んでしまうと度胸が据わるのでしょう。
まな板の上の鯉と同じさ。会場はまな板だったよ。コンサルタントは軽く言っています。
声が変る人は実に多いね。中には出なくなる人も居ますよ。その後、電話で声が普通に戻ってきたら、
其処はもう解決されたと読むのさ。とも言っています。
良く鬱になる人も多いと聞きますが、経験からは此の段階でお鬱になるような人は殆ど居ないと
思います。第一こうした場合、トップが鬱になったという例は知りません。それ以下の人たちは
仕事で鬱になる事は有りますが、社長は鬱にもなっていられないと云うのが、現状の中小企業
でしょう。
こうしたとき、時々発生するのが此の得体の知れない「震え」です。
逆に言えば、トップが急に声が出なくなったり、声代わりをしたと云う場合は其の会社はピンチに
陥って居ます。
仕入先は債権者会議で解決した後に、銀行関係の折衝が待ち受けて居ます。
この時になると、不良債権者の雰囲気も解かり、皆さん折衝に震えると言う事は有りません。
堂々と返せない説明、今後の見通しなど説明して居ります。
中には銀行だけに迷惑を掛ける人が居ります。
前の様な債権者会議と云う慣らしの場が有りません。
こうした人の中には最初もの凄く緊張する人が多いです。
でも此の人たちも最初一言発生すると、ぐんと落ち継いできます。
ですから銀行に云った時、先に「此の旅は御迷惑をお掛けしますが」など
謝りの挨拶を真っ先に比較的大声ですると気持ちはガラッと軽くなります。
不良債権になる。と云う事は金銭ばかりでなく、心にも大きな負担をかけます。
先ずこの此の割り切りが一番必要です。
最初、自分で意識しないのに、勝手に出てくる、妙な気分が有ります。
でもたいした事では有りません。
自分から渦中に飛び込むと自然に何処かに消えて行きます。
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