かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

突っ返された経営改善計画

2010-08-30 | 事例
「昨年の9月、リスケをお願いしてもう1年になりました。しかし全然好転せずに
 逆に苦しくなって居ります。更に延長する様に銀行にお願いしたら、
 再度経営改善計画を作り直して持参 するようにと指示がありました。
 作り直した表をメールしますから目を通してください。」

昨年は一緒に作ったのです。
それまで60%くらいのリスケはして居りましたが、どうしても苦しく、
金利だけにしたいとお願いした時に提出の要求がありました。
現状分析から始まり、改善の方針を決め、数字を積んでは壊し。
積んでは壊しして1日掛かりで作った記憶があります。

相当シビアに作ったのですが、実態はそれすら狂ったのです。
そして今後も簡単に元に戻らない見込みをして居ります。

銀行は春から担当が替わって居ります。
今までの担当は、担当がうんと言えば、それが決定でした。
今の担当は二言目には「本部」です。
いくら支店が了承しても本部がNOといえば、そこで終わりと云うのです。
銀行員は自分の考えでなく、どんな些細なことでも本部の意向のお伺いを立てて、
それに従う物なんでしょうか。

届いた計画は一目で「これじゃあ駄目だ。」と云う物でした。
売上は毎年5%以上の右肩上がり、それに売上総利益率が最近の実績が
16.7%なのに、20%も取って居ます。

今期、大きな土地を売却して、金利だけでも30万少なくなって居ります。
今期は元金返済は0の約束ですが、ご丁寧にこの少なくなった金利分の30万を
返済しております。
計画はこの30万は毎月返済する、1年後は之を倍額にし、次年は更に倍額にする。
後は微増して5年以後は毎月150万返済します。と云う案です。

今後、粗利率は減っても増えないよ。
今は特に落ち込んでいるかも知れないが、売上の毎年5%増は一寸危険よ。
一旦落とした人権費をまた戻して居るね。そんな余裕あるわけないよ。

あらら、これじゃあ赤字が解消されないね。でもこの方が真実だから之を
基準として来年は返済0、次年も0か金利の減額の30万だけ、以後多くても
30万以内、そんな計画をもって行きましょう。
社長も納得しました。

しかし持参した夜、掛かってきた電話は私の常識を破る電話でした。
「あの計画、3時間も担当と話したのですが全然駄目です。
 受け付けてくれません。この計画では返済完了までに
 何年掛かるかわからないそうです。少なくとも今後10年で
 返済が終らない計画でないと、本部は了承せず、且つ、
 内の会社もそんな格付けのグループに入れられちゃうと云うのです。
 最初に私の方が作った案でもまだ甘い見たいですね」

「本当にそんなことを銀行の担当者が云っているならば、
 余りにも其の担当はずれて居ますよ。金融庁に直訴してもよい見たいですね。
 社長、私が作った案でも、私はきつい、現実的でないと思って居るのです。
 社長に自信があれば良いですが、そうででない限り自分の主張をもう
 1度頑張りましょう。」

目の前さえ通ればよい社長は不満らしかったですが、結局は私の説得も
解ったみたいです。しかし、相手の顔を立てて相当数字は水増したらしいです。
私には見せませんでした。

変な電話でした。
「おかしいですよ。今日はチーフも一緒に居て、作り変えた計画書、
 目を鳥栖か通さないうちにもう1度作り直しの要請です。
 今の世相から見てこれでは達成度が怪しまれるし、本当にこの計画で
 よいものならば返済をもっと増やされて、其の管理が大変です。
 と云うのです。つまり最初の計画書すら甘いというのです。
 いったい銀行は何を考えているのでしょうね。」

「そら御覧なさい。私の云う通りでしょう。これをもう1度検討しなしましょう。」
といったもののどうも腑に落ちません。

「それで、急に言い方が違った其の理由はないか説明があったの。
 それともあなたが利き違いをしていたの。」

「いえ、私の聞き違いでは絶対にありません。
 しかし相手も何で急に変わったか説明は有りません。私も聴きませんでした。」
もうリスケが認められればそんな煩いことどうでもよいではないかと云う口ぶりです。

突きかえされた経営改善報告、これは銀行の間違いだったみたいです。
何故そうなったか、理由はわかりません。


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コンサルタントの収入減

2010-08-27 | 事例
昨年まで、たまにはありましたが、彼がおかしいと思う様になったのは、
今年の2月頃からです。約束した振込みが入らないのです。
再生コンサルタントの彼には痛いことです。

彼はきちんとした請求書を出したりしません。
振込銀行を書いたメモに約束した金額と振込日を書いて渡すだけです。
過去何年となくこの方式です。2回以上振込みが有る場合は、黙っていれば
振り込まれるものだと思い込んでおります。
そして月末チェックをすれば、先ず100%間違いなく振込みはされて居たのです。

彼は現金より、出来るだけ振込みを依頼して居ります。
金額は90%以上が2万から5万の間です。
継続している顧客には発生して居りませんが、新規の有料相談者なのに、
振り込まない相談者が増えたのです。

「3万円+交通費でお約束しましたが、今お話を聞けばこの費用だって払えないでしょう。
 でも、私、新幹線でわざわざ来たのです。交通費が割引でも1万円かかります。
 この1万だけでもご負担下さい。」
わざわざ呼ばれて地方に出張です。
相談者は喜び、振込み日は1万以上の振込みを約束します。
でも駄目なんです。

こんな負けてあげる人ほど、振り込まないような気もします。

電話をして催促するのも、何となく気が引け、結局は貰いじまいになります。
気にしない様にして居ますが、現実に収入が少ない時等、裏切られたという思いが
強く残り、後味は良くありません。

こんな事も、忙しい時ならば良いです。
あれだけ忙しかった仕事が、今は何分の1かに減って居ます。返済猶予法が出来、
極端に影響を受けて居ります。たまに入る相談は、決まったように会社の整理に
ついてです。

今までの相談は、反面必ず再生策が提案出来ました。
規模とか面子にこだわらなければ、その後の生活の目処は立てることが出来たのです。
ところが、今は其の再生案が出来る方は少ないです。

債権者に対する応対は、どんな方法でもアドバイスできます。
が、生きていく方法を生み出せる人は本当に減ってきました。
ただ今に事業を潰してはならないという一心で、保身等微塵も
考えずやってきた人たちです。

そんな人はつい費用を負けます。
ボランティアでは有りませんからこんなことをしていると、
此方がボランティアが必要になると
思っていても性分か、ついつい負けちゃいます。
しかし振り込まない人たちも、このような人が多いのです。

其の上もう1つ彼の生活を脅かすことがあります。
それは今迄の顧問契約の解約です。
契約者には、もう危機を脱した人たちが今までのお礼として、
または保険代わりに、顧問契約を続ける、そんな人も多かったのです。
こうした人たちが、この不景気に堪らず解約を要請してきます。
勿論断る術はありません。丁寧に今までのお礼を云って応じます。
しかし懐には寂しいです。

顧問契約は激減する。
新規の相談も激減する。
更に相談料は払わない。
今までの収入の半減どころか、其の半減を割っています。

彼は本当に悩みました。
この仕事をやって居る時に資格を2つ取って居ます。今は其の資格は生きて
居りませんがこれを利用する業種に鞍替えしようかとも思いました。

しかし、返済猶予の書き換えを見たり、零細企業が銀行と交渉しているのを
して居ますと、世の中、返済猶予法が出来る頃より、実質的の不良債権が
増えている感じです。
銀行も返済猶予はして居ますが、この弊害を痛感している感じです。
単に先延ばしをしているに過ぎません。
この反動が怖いです。

彼はこの時を見たく、またこの時には彼の出番が多いと推測しています。

その時まで、頑張らないとなりません。50台、子供はまだ高校生です。
再生コンサルタントの再生です。従業員も整理し、事務所も移ります。

もう後に引けない排水の陣ですが、相談のときに相手の話に泣かされて、
つい負けてしまう癖は直らないだろうな。
振り込まなくても、電話の催促、彼にはやっぱりできないな。


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顧問契約 

2010-08-24 | 事例
「破産なんか嫌だと云えば、顧問は怒って顧問契約を解約するかも知れません。」

彼は怖がって居ます。1年以上前から、会社の危機を予想して居りました。
その時に助けてくれる人、顧問を人に紹介されて契約をしたのです。
彼が借り入れている銀行の  元支店長です。報酬は月10万でした。
彼は「顧問はいざと云う時の保険だ。必ず私たちを助けてくれる。」
と思い込んで居たのです。

月に1度、月次決算の検討で話し合うくらいです。
しかし顧問が居ても、会社は苦しくなる一方です。
顧問は動きませんでした。

しかし1度だけ助かったことがあります。
それは一緒に彼と銀行に乗り込んで返済元金を半額にしてもらったのです。
「銀行に顔が利く人でよかった。」心底彼はそう思ったのです。

それでも資金は回らなくなります。
まだ返済している50%を返済猶予すればよいのに、顧問は知らん顔です。
無論彼もそんなことは、とても不可能と思って居ります。
これ以上悪くなれば必ず顧問は神通力を発揮して呉れるでしょう。

その神通力もなく、ついに返済が滞り、代位弁済になったのです。
プロパーが若干ありますがこれも期限の利益を失うことは間近です。

この時です。
顧問が 「破産をしましょう。」と持ちかけたのは。
顧問の言い分は「僕が居るからこの会社は今迄50%の返済が続いている。
普通ならば全額返済に戻って居ましたよ。僕がこれほど苦労をしても、
会社がこうなると云う事はもう破産しかないと云う事です。破産しましょう。
そして僕も辞めさせて頂きます。」

彼の会社は金利だけならば、まだ十分に回ります。
それに破産をすれば、一緒に働いている弟の家庭も、甥の家庭も直ちに生活に困ります。
「破産なんか出来っこありません。それに代位弁済だって、やるべき事をせず、
 此方から代位弁済を持ちかけたようなものですよ。」
私は、怒りがこみ上げてきますが、彼は違います。
顧問さえ居れば救われると信じているのです。
「顧問が破産と云っても、それなりきの考えがあってからでしょう。
 我々に悪いことはない筈です。その顧問が辞めれば、私は全てを
 失ってしまいます。」

こんな顧問になってみたいです。
しかしこの彼と同じような顧問崇拝の人はまだ居ります。

顧問崇拝のあった人が契約を解除するときは大変です。
「僕は何時でも止めるよ。」なんて云って居る顧問は絶対に辞めません。
何をしないでも毎月幾許かを頂けるわけですから。

規模から云って保証協会が利用できない、其処の企業の社長が顧問を切った事があります。
社長は一寸名の知れた顧問を崇拝しております。
顧問も、「この不景気に会社がやってこれたのは、僕のアドバイスが良かったから。」
と、相当な包み金を社長に囁いて居ります。

私は顧問と契約解除を薦め、社長の息子の専務も強く私に同意しました。
顧問に頼らず二人で十分に出来るという考えでしたからです。
社長は次回、顧問の来社日に切り出す事を決めました。
「毅然として言いなさい。功労金など、何も功がないから出してはいけません。」
私はそれだけを助言しただけです。

泰山鳴動して鼠は一匹も出ませんでした。
結局顧問は何も言わず、契約解除を承諾して帰ったみたいです。
しかし社長が緊張していたことは帰った後、椅子から立てなかったと
云って居ましたから相当なものでした。

毒にも薬にもならない顧問を、惰性で契約しているのはまだ良いですが、
高額の顧問は不要になったら直ぐに切るべきです。
社長が頭を下げる人を、社内に何人も長く作ってはよい事はありません。

それと勇気がないために、同行し代弁をして貰うために顧問契約をする人が居ります。
6-7年前迄は実に多かったです。これが金融機関から嫌われるようになり、
減っては来ましたがまだ多いです。
しかしこれは全くの無駄です。むしろ、逆効果です。
相手も社長から直接聞きたいのであって、分けの解らぬ、顧問から聞きたくは
ありません。しかし、社長ばかりでなく、同行したい顧問も実に多いです。
その方が、顧問のお金になるからです。
こうした顧問とは付き合ってはいけません。
こうした顧問は別の機会にまた書きます。

有効な顧問契約、意外と難しいものです。


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社長への貸付金

2010-08-21 | 事例
それは税務署の指摘で一気に騒ぎになりました。
「この社長に対する貸付金、4年前から発生しておりますが、金利を全然貰って居ませんね。」

彼は以前銀行の薦めで投機に手を出し、1億が2000万になった事が有ります。
銀行が薦めた通りにはなりませんでした。
彼が夢見た一攫千金の夢はトンでもない損失を与えたのです。
その時その銀行が彼の損失分を会社に貸してくれたのです。
彼の貸付金はこのときに発生したものです。

税務署はこの金利を最初に遡り、払うことを要求しました。
他にも必要なお金があったため、彼の借入額は1億1000万です。
これに対して、本当は4,5%だが最低でも会社の借入金利と同じ3%を払えというのです。

修正申告をすれば、延滞利息は取られますが重加算税は取られないようです。
やむなく彼は会社から借りて会社に払ったのです。

会社から借りるものではありません。金利を払うから会社は黒字が増えます。
税金をはらいます。しかし、本物の利益では有りません。
蛸が自分の足を食べるのと同じです。
それにしても、少し位の返済ならば、毎年貸付金は増えて行きます。
大変なことだ。何とかこの費目を消さなければ。

悩んで居る時、丁度彼に投機を薦めた銀行の支店長と偶然会いました。
退職し自適の生活らしいです。彼の悩みを聞き、「私にも責任の1端はある。
私が顧問になってそれを解決しましょう。」と親切に言ってくれたのです。
顧問料は月に10万、破格に安い価格だそうです。

顧問は、帳簿を調べたり、損益を予想したり、経営コンサルタント的の
仕事して何もせず、そして決算になりました。
また会社から借り、会社は税金を払い、馬鹿ったいコースです。
彼は堪らなくなって顧問をつつきました。
顧問は案を持って居たのです。

「君、破産をしよう。」
これが顧問の答えでした。
「彼は社宅で自宅はありません。資産0で通せます。
 彼が破産をすればもう借入金の税金など払う必要はありません。
 会社はこの貸付金は不良資産になりますが、これは今までも、
 銀行は不良資産と見て居ましたから 同じ事。
 後は、会社は利益に応じて、ゆっくり帳簿から落とせばよい。」
と云ういとど簡単な解決策でした。
ついでながら彼は破産の前に社長を降り、破産が終ったらまた復帰をすればよいと
云う事です。

「そんな簡単なの事か。良かった。もっと早く教えてくれればよかったのに。」
二人で念のために、弁護士に聞くことにしました。
顧問の銀行と契約して居る弁護士事務所です。
大きな事務所で何十人と弁護士が居ります。
その中で二人出てきて相手をしてくれました。

「駄目ですね。破産など出来ません。」
弁護士の一声です。
「経営者の破産は必ず会社の破産が必要です。会社は破産をする必要は
 全然ありません。それに債権者から請求されて困って居る事実もありません。
 破産はできないでしょう。」

「では なにか良い方法はありませんか。」
暫く考えた後一人が口を開きました。
「どうせ不良債権ですね。思い切って只みたいな金額で、
 ファンドに売る方法はあります。当事務所もやったことがあります。」

不良債権だけのファンドを組むというのです。具体的にどうやるのか解りません。
「着手金150万ならばお受けいたします。」
実際にはいくら掛かるかわかりません。それより本当にそんなことが出来るのでしょうか。
若干でも回収が出来る不良債権ならば解りますが、この場合は本人が売るのです。
そこがまた本人に回収に来ることなどできないでしょう。
大事務所の弁護士様の言でもちと眉唾物です。
第一着手金の150万すら用意できません。

顧問は、最近言い出して居ります。
「私が折角弁護士まで探してきたのに、それも採用して
 頂けないならば私は、顧問を降ります。」

しかし一から十まで顧問に頼りきりの彼は、自分の知恵袋を失うように、困り果てて居ります。


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失敗した会社整理

2010-08-18 | 事例
彼が「会社破綻」と騒ぐのはまだ早かったです。
家庭用品や家具を作るのに必要な金具を作っている鉄鋼場です。
30年以上に成りますから、お客はがっちりついて居ります。

同郷人の相談相手になっている、会計事務所の所長は、
彼のところも良く把握しております。
所長はまだまだ彼のところは心配ないと見て居りました。
万一の時は、まだ銀行返済の元金は月に100万くらいありますから、
之を完全に金利だけに絞り、工場もプレスと管材だけにすれば歩留まりも
あら利率もよい、若干のリストラはあるが、これで十分に乗り切れると見ていたのです。

同郷人でYと云う男も彼の面倒を見てくれた一人です。
彼が銀行融資も止まったとき、銀行の変わりに1000万の枠を設け。
その範囲で何時でも貸してくれたのです。
金利は5%でしたが。業者から借りるのと比較しても雲泥の相違です。

Yから融資を断られたのです。
2ヶ月前から、「残が増えている。1000万以上は無理だから。」
と警告されていたのですがもう1300万になって居たのです。
彼がいくら頼んでも首を縦に振りません。
それどころか工場の機械類1式を譲渡担保の契約さえさせられたのです。

彼がこの時、会計所の所長が薦める改善案を直ちに実行して仕入先や銀行に
協力を求めれば、恐らく断るところはなかったと思います。
しかし彼はそう受け取らなかったのです。
「世の中そんなに甘くないよ。協力どころは直ぐに差押さえさ。
 Yだって何時機械をどこかに異動するか解らない。
 しかし俺はどんなことがあっても会社は続けるよ。」

そんな時に甥が何処から聞いたのか彼に再建屋と称する男を紹介したのです。
彼はこの再建屋に全てを賭けたのです。
資金不足で、疲れ困り果てている彼に、「資金は心配するな」と胸を敲く再建屋は
力強く見えたのです。実際はこの頃は、ちょっぴり足りないだけだったのです。

「第2会社をつくり、工場を賃貸借します。
 すると工場は競売にならないか、万一なっても、多額の立退き料が貰えます。
 また営業では第2会社が売ったものは差押えになりません。」
こう言って直ちに第2会社を作りました。
再建屋が社長です。この費用は彼が全部出して、決して少ない金額では有りません。

「今の請求は1年間棚上げを依頼しましょう。差し押さえなど絶対にありません。
 万一有れば私がストップさせます。必要だったら手形を切ってもよいです。
 1年後は第2会社が落とせます。そして、工場は続けますから、後の出荷は
 協力をお願いしなさい。どうしても買えない時は現金でも仕方ありません。

 銀行は金利も止めます。競売になっても1年くらい時間がありますから、
 その間にどうでも手は打てます。」
そればかりではなく、再建屋は競売対応と云って彼の不動産の名義を
半分自分名義して居ます。いざと云う時のいちゃもんの材料と云う理由です。
担保余力のある不動産も有ります。

しかし、いきなり1年の棚上げを云われた仕入先は怒りました。
こうなった経緯も説明なし、今後の計画もなし、納得する債権者は居りません。
何回も説明を迫ったのですが、元々計画などありません。
それに影に黒幕も居る様です。忽ち業界の評判となったのです。
今年の6月の事でした。

世間って可笑しなもので、こうなると彼に注文を出すところが増えたのです。
「お前のところ潰れるだろう。その前に材料を無駄にしないで製品を作って儂の
 ところに入れてくれ。安くしてもらえばいくらでも買うわ。」
これが商人のど根性でしょうか。
この話に、彼も、再建屋も乗りました。
そのために有り金を敲いて材料仕入れです。
ただ買いは現金でも、売りは短いけれど掛けになります。
その間の生活費まで、彼は再建屋に頼らないとなりません。

この頃になると再建屋は急速に彼以外の人から嫌われて来ました。
強引のやり方だけでなく、何となく信頼できないところが見えるからでしょう。

現金で買った材料を使い果たし、納入し終った頃、突如その全部が仮差しになったのです。
差押えたところは大手の鉄鋼業者です。
あまりにも見事でした。内通者が居たかも知れません。

再建屋は、「駄目ですよ。最後の詰めが甘かったですね。」と先ず彼の甘さのせいにして、
「もう工場の続行は無理ですね。次は不動産の売却の時です。
 私は皆に嫌われて居る様ですから、それまでは顔を出しません。」
と消えました。

彼はもう誰からも相手にされません。
破産しようにも費用がありません。
いやそれより明日からの生活費がありません。


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女の力

2010-08-15 | 事例
ハローワークの紹介で来たのは60近い、小柄な貧相な女でした。
元銀行員の経理では日々の数字も掴めなく、社長は何時もいらいらして居ます。
元銀行員は堪らなくなって自分から辞めた後釜です。5年ほど前の事です。

それまでは資金繰りも盲目でした。1ヶ月の日繰り表すら満足のものではありません。
指示もされなかった彼女が、之を作ったのが入社1ヶ月にもなって居ないうちです。
最初は 落ち もありましたが2ヶ月目には先ず完全のものとなりました。
これが社長の全面的な信頼を受けたのです。

銀行は貸し渋って居ました。
次第に彼女は回収や在庫など、資金に関係するような事については、
最初は資料作りから、そして次第に口を出すようになったのです。
しかし、下手(したで)に出て、煽てて営業員に接する彼女には、
反感を持つ者も居ませんでした。

今まで数字がつかめなかった社長にも変化が起こりました。
何時やら資金のことは彼女に全面的に任せるようになって居ました。
銀行も社長より彼女相手です。
社長の出番は会社の方針を述べるとき以外はありません。
営業部長も回収管理や、在庫管理は余り自分では言わずに彼女の口から言わして居ります。

一見、管理が行き届いて以前に比して見違えるようになったのは彼女の功績です。
しかしこの陰には大きな落とし穴が有りました。
あの何時も怒鳴っている社長と営業部長の怒鳴り声がなくなったのです。
ぴりぴりしたあの空気が失われてきたのです。
それと社長の安心感です。
「彼女が何でもやってくれる。危なくなれば直ぐに警告してくれるだろう。」
あれだけ煩かった出金に対しても自分は甘くなっていたのです。

ますます不景気は強くなり、毎月の様に手形決済の心配が続くようになりました。
彼女は内部では強かったですが、外で稼ぐことは出来ません。
それがもどかしく、不安になって会社の中で騒ぎます。社長・部長と
違って効き目があります。
そして無事1ヶ月が過ぎていく、そんなパターンの繰り返しとなって行ったのです。

事態は、ますます悪くなっていきます。
この中で社長と彼女の間に微妙な違いが生じていました。
例えば社長は利益のために、従業員の給料を一気に30%カットしようとします。
彼女は反対です。
回収とか在庫低減とかその前にもっとやることがあるからそれを改革しましょう。
人件費の切り下げは2段階に分けてそれが出来なかったら、最終は30%にしましょう。
など少しの違いが生じるように成っていたのです。

そんなときに、有力得意先の破産がありました。
既に割ってある手形は倒産防が降りるまで待ってもらうとしても、問題は今月分です。
手形を直ぐに割って、振り出し手形の決済資金にする予定でした。
その手形がありません。大騒ぎと成りました。銀行は助けt呉れません。

社長は観念しました。
しかし事無く、手形は決済されたのです。
彼女がそうっと3000万ほど隠し資金を作っていたのです。

しかし、この山之内一豊の妻的行為はいままで疑いもしなかった社長に、
彼女を疑わせることに成ったのです。
「そんな重要なこと、俺に黙って隠し金を作るとは! 
 今迄、危機だ危機だと騒いでいたのは、お芝居か。」
社長の怒りの中には、最近のしっくりしない彼女との思いがあったに違い有りません。
彼女にとってみれば、あれば使ってしまう社長が怖くて、どうしても防衛策が
必要だったのです。
「みんなのためと思ってやったことが、疑惑を招くとは。」
社員は感じない、社長と彼女だけが感じた事です。

もう彼女は何も隠して居りません。
自分にはいざと云うときに、皆をあっと言わせる力はありません。
いややっていません。
「男だったらもっと強引に出来るかしら。」
そんな思いが掠めます。


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時効の援用

2010-08-12 | 事例
初めてのサービサーから書類が届きました。
今までのサービサーから債権譲渡を受けたから、払うようにとの支払督促です。

譲渡通知はまだ届いて居りません。先にこれが届きました。
それにこの通知書も変わって居ます。
「払えない時はその理由を連絡するように。無い場合は法的回収に切り替えます。」
と嫌に挑戦的です。
しかも連絡人名が紙面の何処にも記載されて居りません。
管轄の営業所名と電話番号だけです。

残高の証として同封されて居た書類は、今までのサービサーが平成15年に
銀行から譲りうけた時の残高通知がそのまま入って居ります。
その時から今日まで元金は1円も変化ありません。
遅延損害金は元金と同じくらいの額に増えて居りますが、
一見して時効と云うことは解ります。

競売や訴訟など時効の中断時効は勿論ありません。
そんな書類を送りながら、「連絡なき場合は法的回収に切り替えます。」
と脅してくるのは腹が立ちます。

電話で何か一言と思いましたが大人気なく、直ちに時効の援用の書類を送りました。

普通ならば必ず担当者の名前があって交渉責任者が解りますが、これは解りません。
社長宛に送ろうかと思いましたが、結局は名宛は法人でも有効と思い、営業所宛に、
配達証明で送りました。

何か云ってくれば楽しみですが、何も云わずに、請求もなくなるでしょう。

最近、銀行の不良債権には時効が絡むものが多いです。
さすがに、保証協会とか公庫(国金)には少ないですが、
サービサーの譲渡債権の中には多いです。
良く調べて援用をすると殆どが成功します。

過去に有った失敗例は忘れません。3つ有ります。紹介します。

1つは、老父が息子の保証で時効に成ったと思ったのが、
時効ではなかった事があります。
老父は5年間、自分の名前で郵便局から払い続けました。
信組は厳しく、老父の家の売却を求めて居ります。
5年以上経ったので改めて援用通知を出したのです。
そしたら相手は直ちに支払の訴訟を起して来ました。
相手の愚かさにびっくりもしましたが、この裁判、逆に敗れました。
中に1枚息子名で自筆の振込控えがあったのです。老父もその事実を
忘れていたのです。
裁判には負けて老父の家はやがて競売に成りました。

80歳を過ぎた元社長、彼が20年前借りた債権がサービサーに渡っていました。
この頃の資料は今は何一つ残って居らず、ただ1つ、元社長が克明につけた
メモ帳だけは社長が持って居ります。
其処にはこの借金の動きも記載されて、最終返済日も載って居たのです。
何よりこの借金が気になっていた元社長は、5年を過ぎて直ちに時効の援用をしました。
直ぐに反対の書面です。
「その後もう1回払っており、それから推すと時効まで後2ヶ月ある。」との事です。
証拠も添えられていました。
それから2年後、元社長は他界しました。
その時まで、この借金がただ一人の身寄りの娘に回らないか気にしてそうです。

公庫には7年間も払って居りません。老婆が債務者です。珍しく督促が来ました。
息子は老婆に代わって時効の援用をしました。
しかしこれに何の返事もなく、公庫は再び請求です。
息子は最初の内容証明のコピーを同封のうえ、公庫に突っ返しました。
すると今度は公庫は支払の訴訟を申し立てたのです。
当然裁判ですが、これは敗訴に成りました。

時効に成る3ヶ月前、時効中断の内容証明を配達証明つきで送ってあったのです。
勿論これは時効延長の唯一の手段ですから、内容証明の前に何回も家族に念を
推して居ります。配達証明の印は、老母の印でした。
部屋中を探したら、状差しにあったのです。
恐らく郵便屋が祖母宛の重要書類と知って、わざわざ裏木戸から入って、
老母に手渡したものでしょう。
認知証の気がある老母は忘れていたのです。

時効は難しいものでは有りません。
しかし5年の歳月に渡って、資料の確認だけは必要です。
これさえ確実ならば、時効の援用はどなたでも出来ます。

それにしても、今日送ったサービサー、すんなりと認める事を祈ります。


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残暑お見舞い申し上げます

2010-08-12 | 無料相談のご案内
残暑お見舞い申し上げます
立秋とはいえ、連日の猛暑にいささか参っておりますが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか。

お盆休みを迎え交通機関では、各地で混雑されているようで、東海道新幹線も
前年度に比べ103%の予約状況とか。景気回復の兆しが、こんなところからも
チラホラと見え始めたようです。しかし、中小零細企業を取り巻く環境は、
恩恵を受けない状況が続いています。

先程も顧問先から早急に来てくれと電話が、ありありました。
金融機関から返済猶予の見込みが狂っているから盆過ぎに見直し案の
提出の要求があったようです。
早めに手を打っているところでさえもこのような状況です。
迷ったら先ずは、行動あるのみです。

ブログをご覧頂いている方限定で、「無料電話相談」を開始致しました。

経営危機に直面している、または危機を迎えようとしている
経営者の皆様、債務全般でお困りの方、どんな些細なことでも
お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせは、
042-483-3604(10時~17時)
お盆休みも休まず営業いたします


※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。


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離婚は女の方から

2010-08-09 | 事例
K工業は1流商社の子会社。業績が悪く整理する事が決まりました。
プロパー社員の40名は全員馘首です。割増金が付きましたから、
社員の苦情もありませんでした。

驚いたことがありました。
社員の年齢は20台から50台まで満遍なくある普通の会社ですが、
退社後直ちに離婚をした人が3名も居たことです。
1名は以前から別居でした。
これは解るとしても後の2名は、仲間の噂すらなかった人です。
共に奥さんが比較的外交型とは聞いていましたが、カラオケ好きは兎も角、
浮いた話など皆無の家庭です。

以前から別居していた人は、自宅を売却、退職金も2つに分け、
子供は女が連れて分かれたそうです。
後の2人は違います。
女は体1つで家を出て、自宅も子供も男に残して去った様です。
街の雀の噂では、会社最後の晩、ねぎらいの言葉でなく、離婚届にサインを迫った。
男は考える時間もなく署名をしてしまったと云って居ますが、真偽のほどはどうでしょうか。

ただこの話が女から出たのは間違いないと思います。
一人などは暫く旅行をして安らぎたいと云って居ましたから、
彼から追い出すなんてありえません。
年金にはまだほど遠いですが、女は少し纏まった物を手にして、
暫くは自分の時間に浸ると云うことでしょうか。
それにしても計画的で用意万端整っていた事です。

ただその後の男の様子も、落胆して居るわけでなく、悪びれても居りません。
会社勤めの最中ならば世間体を気にしますが、それもなくさっぱりして居ます。
離婚万歳かも知れません。

ところが、自営業の人も会社が破綻した時は離婚が多いのです。
ただ、6-7年前までは、そんな時は妻は必ず夫に付随して、局面の打開を図ったものです。
2本の矢は2本分以上の働きをしてその後の立ち直りも早くしっかりとしていました。

しかし、夫婦瑞祥の一方では、「こうした人たちは離婚が多いな。」と
漠然と感じては居りました。
はっきり離婚が多いと感じてきたのはまだ5-6年前からです。

最初は夫の会社や仕事など全然知らない奥様然とした妻、そんな夫婦が多かったです。
夫は日ごろから妻を床の間の飾り物にして居たくらいですから、未練があります。
しかし妻は今までは不自由を感じなかった経済が急に詰まるのですから堪りません。
世間体と、金の切れ目が縁の切れ目です。

この場合も切り出しは殆ど妻からです。
男は反対だけれど、結局は承知をして居ります。
それだけ男が女を愛しているのでしょう。
女に苦労をかけまいとしてきたのですから、今後もそう有りたい。
一緒に居ると苦労の連続だ。望むならば別れよう。

切ないまでの男の心根です。しかし出て行った妻は振り向きもしません。
長く持ったとしても、担保の家がなくなるときが二人の最後です。

しかし、最近は零細企業が多いです。それ以上の企業は片がついたからです。
零細企業は奥さんは大概、同じ企業で働いて居ます。会社の様子は解って居ます。
こんなときに、少しでも資産があり、奥さんが保証人でないときは、兎に角、
その資産は守らないとなりません。
このときに奥さん連の皆さん、思いつくのが、偽装離婚です。
「資産を全部自分名義にして離婚の財産分与や慰謝料とするのが一番よい。」

このときの男で賛成する人は居りません。偽装離婚すら嫌います。
「離婚で有っても、その真似事であっても、良い事はない。」といいます。
そり上の理由は聞いたことが有りません。
私もあえて聞かないようにして居ます。

ただ、女の怖さが影に有ります。
男は見抜いているかも知れません。
「偽装離婚でも、夫が全て承知をして居れば、そのまま、本当の離婚になっても、
 もう出来ているからすんなり出来る。夫が以下に反対しても通らない。」
女は偽装離婚を建前に、夫に署名させながら、自分では何時でも本物に切り替える
選択権を握ったと思っていることです。
ご主人に代わって義憤を覚えます。

形はいろいろ違っても、弱い女が強い男を利用して100%自分に尽くさせてきたのです。
男にその力がなくなったとき、最後の活力まで吸い取って自分は生きようとする姿です。
「種を守っていくのはやっぱり雌のこの強さだ。」と自分を納得させて居ります。


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偽装離婚の本音

2010-08-06 | 事例
「夫と別れます。どうすれば良いでしょうか。」
ご主人は年金を貰って居ります。奥様はもう2-3年で貰えます。
「主人の会社がおかしくなって、銀行の返済も今月は兎も角、
 来月は確実に出来ません。すると一斉に銀行の差し押さえが入るでしょう。
 それまでに離婚をして差押えに対抗します。」

「と云うことは偽装離婚ですね。それならそれで考えますが、
第一差押えされる物件はあるのですか?」
「景気の良い頃、買った、今貸し家にしている物件があります。」
20年くらい前に、ご主人と半々の共有名義で購入し、以後貸し家にして居る物件があります。
担保でがんじがらめの会社や自宅は仕方ないとして、無担保のこの家はどうしても
守りたいのです。でもどの銀行も、この家があることは知って居ります。
詐害行為だけはしてはなりません。

「離婚は二人で役所に届けるだけでよいですが、財産分与のことですね。
 これだって、話さえ決まれば二人の合意だけで良いですが、財産分与契約を
 つくり公正証書にしておけば、後でもめる材料にはなりませんよ。それより
 家庭裁判所に離婚の和議を申請して中に入ってもらった方が、真実らしくて
 尚よいでしょう。

 それより、お二人が別居することが絶対の条件ですよ。
 普通は離婚の前、何ヶ月も別居しているのが離婚者の普通です。
 それを離婚してからも一緒に住んで居たとなると、偽装離婚と云う事が、
 直ぐに見破られますね。」

自宅は主人名義だけれど、主人が家を出ます。
会社に寝泊りが出来ますから、主人は其処に移ります。
私は自宅に住んで居て、競売に成ったら直ぐに明け渡します。
その時主人と一緒になる事はいたしません。
奥さんは細かく考えて居ます。
ご主人の財産を倒産間際に奥さんの名義にしても詐害行為に成らない方法です。

奥さんの書いた筋書きはご主人の気に入りません。
いやご主人は理由を問わず離婚するなんて嫌いです。
お芝居でも駄目だと思って居ます。
しかし奥さんは、そんなご主人を説得して何とか離婚に同意させました。
勿論偽装離婚ですが、人から疑われては成りません。

「ご主人は住民票さえ移せば、その日から体まで移す必要はありまんよ。」
しかし奥さんは「世間は何処でどう見ているか解らない。離婚は別居からですものね。」
と実際に別居を始めたのです。
例え1ヶ月でも先に別居して、次に離婚をすれば偽装離婚など、
人は考えないと云うのです。

こうして奥さんは主人を口説きました。
 離婚届にはんこを押す。
 貸家を奥さんの名義にする。当然貸家からの賃料は奥さんの取り分です。
 それに、まだ動いていませんが、年金法の改正で50%は奥さんが貰えます。
家裁に離婚の調停を電話をしたら20日くらい置いて、その日を決めて呉れました。
之を軸にして動けばよいのです。
調停までは別居。調停後直ちに離婚届。不動産の名義変更。年金庁に届けます。

「私ねえ。これ偽装離婚と云って居ますが、本当は本物でもよいの。
 もう主人には花は咲かないわよ。全部取られてマイナスから二人で出発より、
 別れて私は私でやった方が遥かによいと思うの。借金はないし、家はあるし、
 おまけに年金は半分貰えるでしょう。家の家賃と両方で立派に生活は出来ますよ。
 何時本物の離婚に切り替えても、もう届けなど全てがそうなっているから、
 気を使う事もないしね。」
奥さんが私に洩らした言葉です。

今回の会社の資金不足を生かして奥さんはご主人に対して、徹底的に有利の立場を
作ったのです。偽装離婚のままでもよいし、本当に離婚してもよいのす。
唯一の不動産は自分の名義に変えるのです。

一寸待ってください。
奥さん、世の中そんなにうまく行きますかね。
自宅を取られて、貰った家は賃料を稼がなければならず、何処に住むのですか。 
住宅費だけ余分な出費に成るのガ読んで居ますか。

それと奥さん。年金は半分貰えますかね?
これはサラリーマンの妻が、支払っていた時間に関して半分の権利を持つという事で、
奥さんが貰えるわけでは有りませんよ。ましてや奥さんは厚生年金の受給資格が
ありですから、良く調べないとその話は解りませんよ。

女は怖いものだと思います。
一番信じている妻がこんな考えだと知れば、純情な男は世のなか嫌に成ると思います。


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