かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

うちの借金

2008-06-27 | 事例
「お前、我が家の借金は2900万もあるんだよ。」
経理を受け持っている母の口癖みたいなものです。
Sにはピンとして来ませんが、今、我が家は物凄いピンチに
立たされているということは朧げながら解かります。

もう20年近い前、当時嫌がる父に銀行は、この不動産を担保に、
強引に当座貸越を組み、枠一杯貸し出したらしいです。
父も母も其れがなんだか解からず放置して居りました。
当初何年かは、金利も相殺ですから、単に送られた
計算書だけを見ても、何も現実には影響がありません。
感じ出したのは、銀行が当座貸越を中止し、証書貸付に
組み替えた時からです。、元利を払わなくてはなりません。
今まで何にも自分は使わないのに、毎月35万の元利を
払わなければならなくなったのです。
銀行に盛んに文句も言いましたが、10年前のことは解からず、
銀行相手にそれ以上粘ることも父母には出来なかったようです。

無借金でやってきた父母は途中で国金から1500万借りて
何とか銀行の元利を払ってきました。
今の借金残は当座貸越の残2100万と国金800万です。
父は83歳、もうボケが回り始めて、隠居に近いです。
母は71歳、経理を見ております。

父の時代は良い得意先が有りました。黙っていても売上は順調に
あったのですがユーザーも代が変わると、皆デーラーに持っていきます。
唯でさえ減って居る修理は、近年の不景気で、尚加速して居ます。
家族の預金も全て使い果たしました。

「今のままやっていても、とても月45万の返済は出来ませんよ。
 先の明るい商売ではなし、止めようと思っています。
 この不動産、安くても9000万には売れそうだから、
 売って私とお父ちゃんは近県に越そうと思っています。
 家を売って借金を返せば6000万残ります。私らは年金も
 貰って居ませんから、其処から5000万頂いて以後貴方には
 迷惑を掛けません。1000万は貴方差し上げますから、今後の
 ことを、それで切り開いてください。」
Sは母親から言われたのです。

Sは知人と相談しました。
「とりあえず銀行の返済を元金だけにして貰いましょう。
 そうすると生活は出来ます。そしてから今後のことを
 考えましょう。選択手は幾つもあります。」

実直なSは49才の今まで、車の修理以外何も身についていません。
だからこそ独身でしょう。
1000万貰ってこれからやって行けと言われても、
どうしてよいか途方に呉れるばかりです。
其れよりは今の修理屋を続けたいのです。
銀行返済を今の半額くらいにして貰うか、
売上で後3-40万増えれば全てが解決します。

「俺、今まで以上に頑張るよ。今の仕事を続けさせておくれよ。」
「でもね。仕事がないんだよ。どうやって増やすの。
 それに銀行の返済を延ばして貰うって、今までわしら夫婦は
 そんな借金を約束通りに返済しなかった事は無いよ。
 伸ばすなんて、耐え切れないよね。」
母親は涙声です。

Sは困り果て、方々に相談しましたが、答えは決まっていました。
「今売るな。リスケをして貰い、貴方も経理のことまで
 解かった上で、結論を出した方が悔いが残りませんよ。」

しかし、結局は母親の意見が勝ったのです。
ついに返済するお金もなくなって、二人は銀行に断りに行ったのです。
その時母親は「自宅を売って借金を清算します。」と明言したのです。

銀行は親切でした。
「もう売れるまで金利も何も入れることはありません。売れた時に
 金利よりちょっと高いものを払ってもらえば充分です。」
二人はさすが天下の銀行だと感激したものです。

此処からは世間に疎いSと母親には解からないことが続きました。
「9000万と言うのは更地のことだ、更地にする取り壊し料を下げろ。」
と値切られました。
そして精算の時は、国金は金利だけですが、銀行は遅れた日から
遅延損害金を引いたのです。その他測量代、不動産手数料など、
それに機械の片付け、郊外の外れに借りた住まいの費用ト引越し代です、
結局最後にの残ったお金は6000万の予定が半分の3000万でした。

それに年金もない老夫婦と50歳になろうとする、
無職の独身者が取り残されたのです。

小さいマンション位買えるかなと思っていたのが外れました。

Sは職探しです。
自動車修理工しか出来ません。

良い働き口があるよう祈っています。





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悔いる返済

2008-06-22 | 事例
「良く頑張ったですね。
 もうこれ以上の返済は無理だって充分に解かります。
 本来ならば此れで残額全てを放棄出来れば宜しいですが、
 銀行と云うところは元 金を1円も負けることは出来ないのですよ。
 もうM子さんの債権を他に譲渡することを決めました。
 其処は少ない金額で、債務残額を負けてくれると思います。」

月100万の返済期間の1年が漸く終わったのです。
今後のことは、期限後話し合うことになって居ます。
さらに減額をお願いに行ったときに言われました。

毎月240万が返済出来なかったのです。
銀行は担保の1部を売却したらと夫に薦めました。
しかし夫は其の言葉に抵抗したのです。売らないどころか、
返済すら止めてしまったのです。結果は競売通知でした。
心労か夫はそのまま倒れてついに起き上がることはなかったのです。
「若し俺に万一のことがあれば相当な保険が入る。
 それで後の会社を頼む。」と言った言葉が忘れません。

今までの主婦が社長です。保証人にもなっていません。
この時銀行は保険が降りると解かって、保険会社・銀行など
精一杯、仮差押を行いました。M子は何がなんだか訳も解かりません。
銀行に対するたまらない恐怖だけが発生しました。投げ出したいの
止めたものは、夫の「会社だけは頼む」と言った其の言葉でした。
競売を取下げ、業務を続けることだと思い、一時金5000万を払い、
月100万の返済で銀行を説得したのです。
そして、担保の自宅と会社は買い戻す話をつけました。
勿論陰に夫の保険金が有ります。

それから1年、事業の難しさを知りました。儲かる筈がありません。
保険の食いつぶしです。銀行には約束通り毎月100万を返済したのです。
その間に自宅と会社は、会社に関係ない娘婿の名前にしました。

この銀行の債務がサービサーに譲渡されると殆ど同時に、以前、
銀行破綻でRサービサーに移っていた債務も又別のサービサーに
再譲渡されたのです。Rサービサーには毎月10万を払ったり、
払わなかったりと云う状態でした。特に夫が他界してからは
全然と云ってよいほど払って居ませんでした。

サービサーからの呼び出しは先ずRサービサーから再譲渡された
サービサーでした。このサービサーは決算書を調べ、現状を聞き、
意外に早く和解しました。
2億4000万の債務が300万で解決しました。

差押になった銀行は残が1億3000万に減っています。
最後の月100万も約束した通りに払ったから、少なくとも200万で
話が付くだろうと狸の皮算用です。

「社長貴方はお金がないと言いながら毎月100万払ってきた
 ではないですか。其れが急に払えなくなったといっても
 我々は、信じられませんよ。ご主人の保険はまだ未だ
 有るでしょう。少なくとも1割の1300万は頂かなければ。」
譲渡されたサービサーの言葉です。
100万づつ払ってきたから払える筈だと云う理屈です。
何も払わなかった処は払えないと認め、払ってきたところは、
しつっこいです。何を云っても1300万と繰り返すだけです。

「我々は、差押などやりたくありませんが、どうしても我々の
 言うことを理解して頂かないと、売掛金でも何でも差押を
 やってみるしかありませんよ。あらゆる差押をして何もなかったら、
 確かに社長の仰る通りと解かるだけです。」
遠慮のない、しかも不躾な言葉です。

借金の1部を一生懸命払うこと、此れがこんなに苦しめるようになるとは
露一つ思っても居ませんでした。払えないと抵抗したほうが傷が浅く早く
解決するなんて事は、M子の常識にはありませんでした。

結局500万で和解にしました。
債務名義を取りに来た時、M子は夫がなくなる前にやられた仮差押を
思い出したのです。

もう再び借金なんて素直に払わないぞと云うのがM子の実感です。

夫亡き後、原因となった銀行債務は片付きました。
しかし今はもっとひどい不景気が押し寄せています。
会社も風前の灯です。

不動産だけは残りました。後は何もありません。
夫の保険金2億は一体何処に消えたのでしょうか。





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掴んだお金

2008-06-18 | 事例
地方銀行は、担保処分後、保証協会に代位弁済されました。
都市銀行の担保も一つを除いて全て処分済みです。

満室ならば月600万の収益物件が残っています。
今は7割かた、400万強しか入金はありませんが、此れは
彼が回収して、管理費相殺後、銀行に返済して居ります。

「何? 家賃は返済しなくて、全部儂が取れって言うのか。」
「貴方だって、もう個人の蓄えはないでしょう。このままっだたら、
 将来どうするのですか。以後の家賃は、貴方が全額保管しなさいよ。
 大手銀行が手を打つまでに6ヶ月は懸かりますから、2000万以上は
 掴めます。其れが貴方の老後の生活費ですよ。」

大恩のある銀行、返済すべきお金を猫ばばするなんて良心が痛みます。
第一、そんなことをして刑事問題にならないかも心配です。
一方では老後の事はそれ以上に心配です。
結局彼は返済をストップしたのです。
平成15年のことでした。

都市銀行は何もしませんでした。結局6ヶ月くらい経って、
担保ごとRサービサーに債権譲渡すると云う連絡が有りました。
この時までに、彼には共益費を抜いても2000万以上は
残って居る勘定です。

しかしもっと驚くことが有りました。
新しい債権者のRサービサーからも何も言ってこないのです。
びくつきながらも溜まる一方です。
Rサービサーから会いたいと言って来たのは小一年経ってからです。
ですから彼はRサービサーになってからも4000万以上を懐に入れて
います。

さすがに、Rサービサーは面談してからは家賃も自分で管理しましたが、
其れまでの家賃はどうしたか一言も聞きません。
あらゆる質問を想定して返答の準備をして面談に行ったのですが
無駄になる嬉しさでした。

こうして彼は労せずして、6000万強のお金を掴んだのです。
老後には充分だ、知った人ならば誰しもがこう思うでしょう。

最近もなって急に、知らないサービサーと保証協会から、
突然、彼に請求がありました。

サービサーはRサービサーから債権譲渡されたサービサーでした。
Rサービサーは結局物件を売って後は何もせずに放って
約2年で他のサービサーに際譲渡した模様です。
保証協会の方は、長らく払ってないが少しでも払えないかと
非常に遠慮した文面です。

「サービサーは30万で片が付くよ。保証協会はもう少し放って
 置きましょう。恐らく1回限りで後は又当分何も言って来ないよ。」
と此処までは良かったです。
しかし、この後の保証協会は何回もしつこかったです。

「もう5000万も払ったから。許して貰えるかと思って居たよ。」
予期しない言葉が、彼から出ました。
「何? 何時そんなに払ったの? 其のお金はどうしたの?」

彼はこの時初めて、家賃を浮かしたお金の中から5000万を
保証協会に払ったことを打ち明けたのです。

当初、保証協会も普通のおとなしい交渉でしたが、何かの折、
家賃を彼が貯めているらしいと感ずいたみたいです。
勿論全額とは思わなかったでしょうが、相当額貯めていると
感じたのでしょう。そして彼は、保証協会が賭けた罠に
嵌ったのだと思います。

保証協会は「保証人が4人居る。一人1500万づつ払って貰わないと
徹底的に差押をする。何処に預金があっても、直ぐ解かる。」などと
債務名義も持って居ないのに差押えると脅しました。彼はまんまと
それに引っ掛かってしまったのです。

「6000万はありません。5000万でお願いします。」払って
しまったと言うのです。正直者で何も知らない彼は、全員の
差押と云う言葉に震え上がったと思います。
何で其の時に、一言相談しなっかたのかと怒っても後の祭りです。

しかも1000万強残したお金は、その後いろいろな未処理問題が出て、
すべてを使い果たし、今は完全に年金のみと云うのです。
「此れで誰にでも本当のことが言えて神経も使わずに余程良い。」と
笑って居ます。

あの時にたとい100万でも、指導料としてお礼に欲しかったと思っても、
彼を見ては一言も愚痴れません。

彼は一人で保証協会に出かけました。
「当分今まで通り、払うのを免除して貰ったよ。」
と笑って居ます。

若し彼があの6000万をずうっと持って居たら、
人相も悪くなっていたかも知れません。





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ささやかな執行妨害

2008-06-15 | 事例
支線を1時間以上走った田舎の駅、さらに其処から車で20分位の処です。
コンビニもない数軒のです。
其処に彼の豪邸が有ります。
既に一家は町に移住して居りますが彼の故郷です。
工場が此処から近い山の麓だったために此処に住まいを移したのです。

需要の減ったタイル製造業、不景気をまともに受け、
返済はもう出来ません。競売も見えてきました。
どんな事をしてもこの家を守りたいです。

町の2-3の不動産屋は全く同じ事を言って居ます。
「売れる場所ではないよ。何もしなくても大丈夫さ。2回目の時、
 特別売却で競売価格の80%で買い戻せばよいでしょう。」

銀行に返済を止めた時から心配だった彼は、期限の利益の
喪失通知を受けると同時に手を打ったのです。
家は相当広いです。其の1部を甥で彼の会社の社員に
間借りの形式をさせたのです。住人票だけを移したのです。
勿論甥は町から通っています。

其れと家の前、道路までは100坪くらいの空き地です。
両隅に登記もしてなく、固定資産税も払っていない車庫があります。
彼は知り合いにこの土地を、以前から貸してあることにしたのです。
契約書の日付は偶然か、競売法が変わる1ヶ月くらいの前でした。
空き地ででは効果が薄い、其処に知り合いが車庫を建てたという
筋書きです。

賃借権と件外物件、そうしたものを作り上げたのです。
まるで平成10年頃流行った執行妨害です。
彼は唯でさえも売れない物件、それに賃貸借や懸崖物件が
絡んでは買う人は居ないという見込みです。

任売の価格は折り合わず、思惑とおりに競売になりました。
何せ費用だけは2億以上かけた住まいです。まだ10年たっていません。
銀行と彼の主張に開きが大きく、話し合う前の段階で意見は、
一致しません。彼は一回の競売では落ちないだろうから、
2回目の競売の特別売却で買い戻す方針です。

物件調査には立ち会って賃貸を良く説明しました。
母屋に入るには隅を通らないとなりません。
便利のつもりで立てた家が田舎向きでなく、かえって使いにくいと
説明もしました。
其の甲斐あってか競売基準価格は3100万と建築費の1割強です。

現況調査報告書は甥の賃貸を認め、売却日から6ヶ月以内に
要求あれば明け渡すことまで書いています。
肝心の知り合いとの空き地の契約は単に契約が、
あるとしか書いてありませんでした。その為に彼はこの契約は
認められて、知り合いはずうっとこの場所を占有しても良い、
そう判断したのです。そんな物件は売れる筈がありません。

入札になりました。
知り合いは念の為に基準価格前後で入札を薦めましたが
彼は無視しました。ところが此れが落ちたのです。
価格は2500万、基準価格のほぼ8割です。

彼はびっくりしました。
しかし入札に対して文句を言っても仕方ありません。
此れは現況調査報告書に知り合いの賃貸借は有効だと
言うことを書かなかったせいだと直ぐに異議の申立てです。

しかし此処で彼は次の事を知ったのです。
「現況報告書に書かれた権利関係はその後、裁判官が判断して
 物件明細書に記載する。其れは判決と同じ重みがある。
 公示されれば先ず変更は出来ない。だから物件明細書が
 出たらすぐに申し出ないと駄目です。」
彼は物件明細書と云うものがあると初めて知ったのです。

物件明細書には次のように書かれていました。
「同人の賃借権は対抗要件を満たしていない。」
又、車庫は「同人の賃借権は抵当権に遅れる。但し6ヶ月が
明け渡しが猶予される。」
甥の賃貸も同じことです。

買った相手は北海道の会社です。
後で調べるとこうした物件を買いあさっているらしいです。
目的は元の所有者に買い戻させることが第一でしょう。
しかし相当高くなります。

執行意妨害など過去の話、今は不可能と考えたほうがよいでしょう。
彼も下手な工作をするより、任売が駄目と解かった時、
入札を覚悟すれば、売却可能価格に100万円の加えれば落ちた訳です。

彼は居座りを覚悟して居ます。
どうやら業者は強制執行のつもりらしいです。

幾ら人が強制執行の恐ろしさを説明しても頭に入りません。
執行前の調査、もう済みました。

どうなるでしょうか。  





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うまい借金の処理

2008-06-11 | 事例
「信金の為に工場も持てた。自宅も買えた。信金様様だ。」
其の信金が今は取り立ての一方です。
工場は大手の商品のあるパーツの一手受注です。
受注は激減しました。

少し足りなかった時、商工ローンから借りました。
今はこの利息を払うのに懸命です。借り増しのため、最初より元金は
増えて居ます。途中で借金の怖さに気付き、借り増しは止めました。
しかし金利払いに四苦八苦です。
Gは、駄目元で信金に追加融資をお願いに行きました。
この時、Gは苦しい原因の一つに商工ローンの借入を挙げたのです。
Gは信金には正直に何もかも喋ったほうがよいだろうと言う思惑が
有ったからです。其の後、信金は人が変わったように回収に童に
なってきたのです。当時、信金の死活問題もあったらしいですが、
Gはそんなこと何も知りません。

「本気で競売をするな。」
「金利も払えない」と信金に言った時に感じました。
元々信金から借りて手にした自宅と工場ですから取られるのは
仕方無いでしうが、同時に仕事も失います。

親子4名と彼が面倒を見て居る叔母と甥が工場で働いて居ります。
何としてでも、この急場を防がないとなりません。Gは必死です。

まともな金融機関から、お金が借りれる筈がありません。
さんざん考えたGがとって道は次のようなことです。

保証人でない妻に、消費者金融やカードでお金を
借りまくりさせたのです。勿論保証人はつけません。
ただ必要のところは給与の明細など水増ししました。
それでも結構集まりました。4-5百万になったでしょうか。

Gも借りるか保証をすればこの倍以上は揃います。
しかしGは其れを特に避けています。借金で負われるのは
妻だけで、会社とGは関係させないと言うのがGの計画です。
ですから叔母に保証をさせたのはあります。

同じ事を叔母と甥にもやらせました。
そして2ヶ月間は返済して居ります。「詐欺呼ばれ対策」です。

こうして若干のお金を握ると彼は全ての返済を一切ストップしたのです。

彼は2-3ヶ月粘らせて妻と叔母、それに甥を破産させました。
3人一緒で割安です。

ついに自宅と工場は競売になりました。
しかし工場は借地で交通の便も良くありません。
機械を動かすだけで1000万位以上掛かるでしょう。
競売でも簡単には売れないと見て居ます。

其れを見越して競売価格が出る前に安く買戻し交渉をして居ます。
そして今度は商工ローンと交渉です。図太く金利の過払いまで
交渉して居ます。此れが3人が借りまくったお金で、何とか
処理できたのです。

自宅だけは競売になり、彼はマンションを借りました。
後は銀行の残債請求だけです。

Gの会社は売掛金を差押えられると簡単に参ってしまいます。
得意先は1軒だからです。第2会社で安心して仕事を
やりたいのですが、発注元は頑として新口座を認めません。
新口座にするならば取引停止と云うわけです。

彼は新らしく借りた自宅に本社を移しました。そして今までの
電話は全て自宅に転送するようにしたのです。工場は電話を変えて、
仕事関係は全て新電話番号で連絡をする様にしました。

やがて信金の負債はサービサーに譲渡されましたが、
サービサーはまんまと此れに引っ掛かったのです。
昔の電話番号で何時電話をしても、Gの妻が出て肝心の本人は居りません。
「仕事はなく、破産するお金もなく、私だけが留守番で残っています。
 主人は職探しの毎日で、全然会社には寄り付きません。」

此れを信じてサービサーは2億の残債務を240万で和解して居ります。
お金が無いというので100万は現金。後は毎月2万の5年分割です。
Gはもっと粘ろうかと思いましたが、万一サービサーに工場に
来られたら、一発で本当のことが解かります。
早々にサインをしました。

Gはこうして自分の家族と叔母と甥の生活を守り抜いたのです。

今度はGも本当の幸せを掴むでしょう。今後の奮闘を祈ります。





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最後の仕事

2008-06-09 | 事例
彼の職変えは急ぎます。
売上が激減して居て赤字どころか、本部危うしの声も聞いています。
先にFC本部に倒産されれば、戻ってくるべき加盟金600万までも
戻らなくなります。

今まで4回の職変えをして居ます。
社会に出ての最初は勤め人でした。大手の外食産業でした。
野心を持って独立したのは8年目です。

それから飛び付いた事業は全てフランチャイズでした。
何も知らない若者に全てを教え、開店をさせるFCは、
独立を志す若者には格好の寄り処でした。

彼は最初、今までの仕事と似ている飲食の仕事に取り組みました。
希望に満ちた日々でした。世の中、脱サラ時代も幸いしました。
3年ほどは良かったですが、4年目になって直ぐ近くに同じ
バーガーのチェーン店が出来てから急激に流れが変わったのです。
此れがつまずきの第1歩でした。

どのFCも、その日の売上金を直ちに本部に振り込みます。
半月後に其の中から材料代と本部費を差し引き、残を儲けと
して振り込んでくれます。サラリーマンと同じ、本当の
手数料稼ぎですから、何時も詰まった日々です。1度売上が
少なくて使用人の人件費さえ稼げないようなときは持ち出しです。

今のお店はDPEです。もう6年ほどになります。
最初は此れで漸く安定したと思いました。
店員を一人使っても充分に利益は取れました。
しかし始めた頃、既にあったデジカメがこうまで
影響してくるとは思いませんでした。2年前から赤字に
転落したのです。今は生活費が出てきません。
妻のパートが支えています。

しかしそうした中で彼は借金の返済44万を続けています。
27万は保証協会付の借入返済。17万はノンバンクの返済です。
リスケを依頼すれば若干は可能でしょう。しかし彼はあえて
其れをしなくて幾ら苦しくても、彼は考えが有り、返済最優先で
続けて居ります。

彼は赤字に転落して何とか将来をと考えましたが、
どうしても食べていけないと結論付けたのです。
やむを得なく、5度目の職業を探したのです。

勤め先さえ決まれば、直ちにFCを脱退し、加盟金を
返済して貰い、借金も場合によっては払わなければ、
彼の人生は取り戻せます。しかし転職など、勝手に
週刊誌が騒ぐだけで40才近い男に何の職もありません。
自分でやるより他、道は見えません。

自分でやると思っても、資金は大してなく、遣り方もわかりません。
それらを親切に教えてくれ、素人でも直ぐに飛び込むことが出来るのは、
自分が今までに3回経験のあるフランチャイズしかありませんでした。

始めはハンバーガーの争いに、本部より自分が負けたため。
2回目はFC本部が倒産してしまったため。3回目はカメラの
技術革新に負けた。FCそのものが悪いんではない。
私の運もなかったのだ。うまく選べば必ず成功する。
彼はこうして自分の今後の生き方を決めたのです。

何時までも続く商品で、大衆に飽きられず小資本で続くもの、
彼が選んだのはラーメン屋です。しかし今は日本全国何処に
行こうがラーメン屋は有ります。

彼が選んだ場所は自分の田舎です。
近県の郊外店、交通の便が良く、周りの景色も悪くありません。
格好な借り物が有りました。若干手を入れれば直ぐにでも開けます。
そのための資金を借りるために保証協会だけは無理しても今の返済を
続けます。現在の店の支店開業と云って融資をして貰う予定です。
支店の開業資金は面倒見ると聞いていました。

妻の保証のノンバンクは、当初は別居生活も止む得ませんから、
期限の来年6月まで頑張ります。

彼は新商売を何度も考えて居るうちに絶対成功すると
思うようになったのです。フライチャイズの本部には
日参して加盟店を承諾させました。

ある程度煮詰まった時、彼は、同じような事業主が集まる
「事業を立て直す会」ではこのことを打ち明けました。
誰も賛成しません。
ラーメン事業はもう遅いとか、場所が悪いとか、
FCなど時代遅れとかさんざんです。
FCに頼るとは結局自分に自信がないからだと云う発言には
正直本音をつつかれたように、びくっとしました。

その後も彼はうちあけた人全てに反対されております。
しかし反対はしても代わりの進路を助言した人は一人も居りません。

彼はやるつもりです。
恐らく職を変えるのは此れで最後と決めております。

保証協会に融資の申請をします。
保証協会が地元ではなく一つおいた県にDPEの支店を
出すからと言う理由で本当に融資をするのでしょうか。

保証協会の800万の融資が彼の将来を決めます。





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隠したお金

2008-06-03 | 事例
30代後半のKは独身です。
銀行の借入が返せなくなって居ます。
「私は3行より、2億2000万借りています。残念ながら
 現在1円すら返済する余裕はなくなりました。
 しかし、今の事業は石に齧りついても、守り通します。
 そして必ず借金をお返しいたします。」

今の事業は月商で600万、2億2000万は孫子の代まで返済は無理さ。
腹の中では思っても、面談中の行員にはそんな失礼な事は言えません。
事業を受け継いでから5年。其の間に2億2000万も借りて今は無一文と
言い張るKが信頼できません。

「私ども得意先は2軒だけです。しかし年に
 1回決算書の提出が、取引の前程となって居ます。
 赤字ですと取引は中止されます。」
Kの説明は続きます。
「ですからそれなりきに黒字にします。売上も水増しが必要です。
 其れを5年間続けてきたからです。つまり実質は赤字ですが、
 其の補填だけでなく、消費税も所得税も粉飾分を支払わないと
 なりません。借りたお金は全部それにつぎ込みました。」

払った税金などは直ちに計算できます。赤字補填と云っても
推測は出来ます。どう計算しても8000万のつぎ込みが背一杯です。
その他のお金は何処に消えたのでしょうか。

しかしKは自分の思っている通り動いています。
「必ず返済は致します。暫くは此れでお願いします。」と、
利息の1割にも満たないお金を3行に振込み、事業を続けています。
唯、今まで4人でした従業員は、3人になって居ます。

こんな事が通る筈がありません。
間もなく、Kの債権は保証協会に代位弁済、其れと2軒の
サービサーに譲渡されました。
Kは同じ事を新債権者に言って通すつもりです。

保証協会は「仕事は続けます。必ず債務に対して責任を持ちます。
今のところは月10万の返済でご容赦願います。」と言うKに対して、
1年間は様子を見ようと言うことになりました。

サービサーは違います。
とにかく申し合わせたように直ちに債務名義を取られました。

1行のほうは、仕事もうまく繋がっているみたいであるから、
分割でよいからと相当額の要求です。
そんなお金はないと云っても引き下がりません。
「私ども売掛金など差押しない方針ですが
 場合によってはやらざるを得ませんね。」
脅しだったかそのまま何も行ってきません。

もう1行は直ちに預貯金の差押です。
勿論空振りです。すると直ぐに財産開示の請求です。
どうやら此れが目的だったみたいです。

財産開示の目的は一つ、2億2000万も借りて、
此れを使いきったらしいが、その使途を聞きたいのです。
勿論財産開示ですから、こんな過去のことを答える必要も
無いでしょうが、裁判官までが、多額のお金であり、現在の
資産にも関係あるかも知れないから、被告は明らかにしなさいと、
サービサーに加勢しているようです。

「その時の通帳を提出しなさい。」
と言うことになりましたが、
「現在の財産に無関係だからと、見せる必要は無いでしょう。
 それに本日は、持ってきて居りません。」
と頑張ります。
この言い方が少し裁判官の感情を壊したみたいです。
「現在の財産を正確に知るためにも、通帳を見せなさい。
 若し紛失して居る場合は、銀行に其の動きを出して頂く。」からと
言う発言までになったのです。

結果として彼は8000万の隠し預金が見つけられました。
勿論取られます。此れでも勘定は合わないのですが、
サービサーもそれ以上追求はしませんでした。

それに、もう1行からは売掛金を差押えられました。
人材派遣会社は55日くらい会社が立て替えますから、
派遣社員には被害が無い約2月分の売上を差押られたのです。

サービサーの弁護士には脅されましたが、Kは辛うじて刑事罰を
逃れた見たいです。

Kの遣ろうとしたことは弁解の余地が無く悪いことです。

しかし代表者が30台後半の独身者、しかも決算書の売上は、
月商1000万、そんな会社にたとえ3行であって2億2000万を
貸し付けた大手銀行には反省の余地は無いものでしょうか。





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返せない者の選択

2008-06-01 | 事例
Kは、弁護士に依頼する寸前、破産をやめることにしました。
自分で、第2会社を作り、これで対抗することにしたのです。
当初、銀行に借金の返済が出来なくなった時、弁護士が
薦める破産しか頭にありませんでした。破産することが借金を
返せなくなった者の義務とも思って居たのです。

Kは、最近知った第2会社の方に傾いたのです。
知人が、破産を決める前に他の意見も聞いておいた方がよいよと、
別の相談者を紹介してくれたのでです。その結果です。

「破産は、借金は無くなりますからその点は楽です。しかし個人資産も
 無くなります。早い例が今乗っている車も取られるでしょう。
 それに、一番困るのは、会社が無くなりますから、当面仕事は無く、
 生活に直ちに響いて来ることです。」

「第2会社の方は、借金については、後で保証人とサービサーが
 交渉しなければなりませんが、其れとて和解額は残債の3%か
 5%が相場です。今お持ちの資産など、うまく守れます。
 車も大丈夫です。勿論仕事も続けられます。勿論簡単に第2会社が
 出来るとは思いませんが、私だったら先ず第2会社にチャレンジを
 します。破産は其れを失敗してからでもよいですよ。」
そんな言葉を信じて、第2会社の方を選んだのです。

しかし、第2会社の件も早くも暗礁に乗り上げました。
得意先が、「新規の口座は作れない。」と言うのです。
詳しく内情を説明する事も出来ません。Kの会社は危ない会社だと
判断されれば、材料支給が無くなります。此の事だけでも、Kは
第2会社案を諦めざるを得ませんでした。

結局Kは其れだったら、今のままの会社で行こう。
それで出来なくなったら、その時は其の時さと腹を括ったのです。
此処で又破産に戻るつもりはありません。結局お金が返せなくなっても、
債権者ができるのは差押だけだと云う事が解かってきたからです。
破産もしない。第2会社も作らない。今の会社でやって居て、
差押対策を考えた方が一番効果があると思ったからです。

腹を決めたKは強いです。
もう銀行を恐れません。言葉に気をつけて全然返済しません。
おかげで工場は辛うじてですが、回って居ります。

銀行は工場の任売をKに言って来ました。
建物は会社所有ですが、土地は借地です。しかしその土地は
地主が他に貸そうとしても、工場以外に使いようが無い場所です。
親戚の名前で安く買戻しました。

結局、借りたお金を銀行に返済できなくなったKは、
工場の買戻しをしただけで何もして居ません。
それで商売はつつがなく続いています。
「返済が出来なくても平気さ。担保の買い戻しさえ
 出来れば、銀行もそれ以上何も出来ないよ。」
もうKは、不良対策は全て任せろと言う気分です。

そのまま債権はサービサーに譲渡されました。
Kはサービサーの呼び出しなども無視しません。
きちんと出かけ、自分は払えない説明をして居ます。
明細は見せませんが決算書と試算表は見せております。
そして支払いしません。

今度の担当は少しきついです。
今までと同じ、言葉使いも丁寧で紳士的ですが、きつい事を言います。
「払えないのならば月に1万円でよいから払って下さい。
 それで一定期間過ぎたら又話し合いましょう。」
と提案するサービサーを毅然として撥ね付けたのです。

ついにサービサーは「法的回収に入ります。」と宣言したのです。
売掛金の差押は困ります。しかし一番最初にこのサービサーは、
売掛金の差押だけは遣ったことの無い会社と言いました。
ないと思います。その他は何を差押えてきても対策は取ってある。
大丈夫と多寡を括っていた面もあります。

売掛金さえなければ、何があっても良いと考えて居たKに
届いたのは、予想もしなかった書類でした。
「工場の買戻し資金は実際はKが出している。其の証拠にはKは現在、
 他人が借りている土地の賃料を払い、建物の賃料は払っていない。」
と詐害行為の取り消し訴訟をし、建物の仮処分をしてきたのです。

Kが渡した決算書や試算表から推測したのだと思います。

この裁判は、買った当人が金の出所を説明できず、
ついにKが出したと認めてしまったのです。

今まで順調に来たKの借金対策も此処に来てボロが出始めました。
今度強制競売があったら地主を利用しようと思っていたKに、
今までしたことがないと無いと言っていた売掛金の差押もあったのです。

会社は倒産せざるを得なくなりました。
最後のたった一つサービサーの対応を間違えたからです。
最後の選択、小さくても致命傷になります。
Kの取ってきた選択は正しかったでしょうか。





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