「お前、我が家の借金は2900万もあるんだよ。」
経理を受け持っている母の口癖みたいなものです。
Sにはピンとして来ませんが、今、我が家は物凄いピンチに
立たされているということは朧げながら解かります。
もう20年近い前、当時嫌がる父に銀行は、この不動産を担保に、
強引に当座貸越を組み、枠一杯貸し出したらしいです。
父も母も其れがなんだか解からず放置して居りました。
当初何年かは、金利も相殺ですから、単に送られた
計算書だけを見ても、何も現実には影響がありません。
感じ出したのは、銀行が当座貸越を中止し、証書貸付に
組み替えた時からです。、元利を払わなくてはなりません。
今まで何にも自分は使わないのに、毎月35万の元利を
払わなければならなくなったのです。
銀行に盛んに文句も言いましたが、10年前のことは解からず、
銀行相手にそれ以上粘ることも父母には出来なかったようです。
無借金でやってきた父母は途中で国金から1500万借りて
何とか銀行の元利を払ってきました。
今の借金残は当座貸越の残2100万と国金800万です。
父は83歳、もうボケが回り始めて、隠居に近いです。
母は71歳、経理を見ております。
父の時代は良い得意先が有りました。黙っていても売上は順調に
あったのですがユーザーも代が変わると、皆デーラーに持っていきます。
唯でさえ減って居る修理は、近年の不景気で、尚加速して居ます。
家族の預金も全て使い果たしました。
「今のままやっていても、とても月45万の返済は出来ませんよ。
先の明るい商売ではなし、止めようと思っています。
この不動産、安くても9000万には売れそうだから、
売って私とお父ちゃんは近県に越そうと思っています。
家を売って借金を返せば6000万残ります。私らは年金も
貰って居ませんから、其処から5000万頂いて以後貴方には
迷惑を掛けません。1000万は貴方差し上げますから、今後の
ことを、それで切り開いてください。」
Sは母親から言われたのです。
Sは知人と相談しました。
「とりあえず銀行の返済を元金だけにして貰いましょう。
そうすると生活は出来ます。そしてから今後のことを
考えましょう。選択手は幾つもあります。」
実直なSは49才の今まで、車の修理以外何も身についていません。
だからこそ独身でしょう。
1000万貰ってこれからやって行けと言われても、
どうしてよいか途方に呉れるばかりです。
其れよりは今の修理屋を続けたいのです。
銀行返済を今の半額くらいにして貰うか、
売上で後3-40万増えれば全てが解決します。
「俺、今まで以上に頑張るよ。今の仕事を続けさせておくれよ。」
「でもね。仕事がないんだよ。どうやって増やすの。
それに銀行の返済を延ばして貰うって、今までわしら夫婦は
そんな借金を約束通りに返済しなかった事は無いよ。
伸ばすなんて、耐え切れないよね。」
母親は涙声です。
Sは困り果て、方々に相談しましたが、答えは決まっていました。
「今売るな。リスケをして貰い、貴方も経理のことまで
解かった上で、結論を出した方が悔いが残りませんよ。」
しかし、結局は母親の意見が勝ったのです。
ついに返済するお金もなくなって、二人は銀行に断りに行ったのです。
その時母親は「自宅を売って借金を清算します。」と明言したのです。
銀行は親切でした。
「もう売れるまで金利も何も入れることはありません。売れた時に
金利よりちょっと高いものを払ってもらえば充分です。」
二人はさすが天下の銀行だと感激したものです。
此処からは世間に疎いSと母親には解からないことが続きました。
「9000万と言うのは更地のことだ、更地にする取り壊し料を下げろ。」
と値切られました。
そして精算の時は、国金は金利だけですが、銀行は遅れた日から
遅延損害金を引いたのです。その他測量代、不動産手数料など、
それに機械の片付け、郊外の外れに借りた住まいの費用ト引越し代です、
結局最後にの残ったお金は6000万の予定が半分の3000万でした。
それに年金もない老夫婦と50歳になろうとする、
無職の独身者が取り残されたのです。
小さいマンション位買えるかなと思っていたのが外れました。
Sは職探しです。
自動車修理工しか出来ません。
良い働き口があるよう祈っています。
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経理を受け持っている母の口癖みたいなものです。
Sにはピンとして来ませんが、今、我が家は物凄いピンチに
立たされているということは朧げながら解かります。
もう20年近い前、当時嫌がる父に銀行は、この不動産を担保に、
強引に当座貸越を組み、枠一杯貸し出したらしいです。
父も母も其れがなんだか解からず放置して居りました。
当初何年かは、金利も相殺ですから、単に送られた
計算書だけを見ても、何も現実には影響がありません。
感じ出したのは、銀行が当座貸越を中止し、証書貸付に
組み替えた時からです。、元利を払わなくてはなりません。
今まで何にも自分は使わないのに、毎月35万の元利を
払わなければならなくなったのです。
銀行に盛んに文句も言いましたが、10年前のことは解からず、
銀行相手にそれ以上粘ることも父母には出来なかったようです。
無借金でやってきた父母は途中で国金から1500万借りて
何とか銀行の元利を払ってきました。
今の借金残は当座貸越の残2100万と国金800万です。
父は83歳、もうボケが回り始めて、隠居に近いです。
母は71歳、経理を見ております。
父の時代は良い得意先が有りました。黙っていても売上は順調に
あったのですがユーザーも代が変わると、皆デーラーに持っていきます。
唯でさえ減って居る修理は、近年の不景気で、尚加速して居ます。
家族の預金も全て使い果たしました。
「今のままやっていても、とても月45万の返済は出来ませんよ。
先の明るい商売ではなし、止めようと思っています。
この不動産、安くても9000万には売れそうだから、
売って私とお父ちゃんは近県に越そうと思っています。
家を売って借金を返せば6000万残ります。私らは年金も
貰って居ませんから、其処から5000万頂いて以後貴方には
迷惑を掛けません。1000万は貴方差し上げますから、今後の
ことを、それで切り開いてください。」
Sは母親から言われたのです。
Sは知人と相談しました。
「とりあえず銀行の返済を元金だけにして貰いましょう。
そうすると生活は出来ます。そしてから今後のことを
考えましょう。選択手は幾つもあります。」
実直なSは49才の今まで、車の修理以外何も身についていません。
だからこそ独身でしょう。
1000万貰ってこれからやって行けと言われても、
どうしてよいか途方に呉れるばかりです。
其れよりは今の修理屋を続けたいのです。
銀行返済を今の半額くらいにして貰うか、
売上で後3-40万増えれば全てが解決します。
「俺、今まで以上に頑張るよ。今の仕事を続けさせておくれよ。」
「でもね。仕事がないんだよ。どうやって増やすの。
それに銀行の返済を延ばして貰うって、今までわしら夫婦は
そんな借金を約束通りに返済しなかった事は無いよ。
伸ばすなんて、耐え切れないよね。」
母親は涙声です。
Sは困り果て、方々に相談しましたが、答えは決まっていました。
「今売るな。リスケをして貰い、貴方も経理のことまで
解かった上で、結論を出した方が悔いが残りませんよ。」
しかし、結局は母親の意見が勝ったのです。
ついに返済するお金もなくなって、二人は銀行に断りに行ったのです。
その時母親は「自宅を売って借金を清算します。」と明言したのです。
銀行は親切でした。
「もう売れるまで金利も何も入れることはありません。売れた時に
金利よりちょっと高いものを払ってもらえば充分です。」
二人はさすが天下の銀行だと感激したものです。
此処からは世間に疎いSと母親には解からないことが続きました。
「9000万と言うのは更地のことだ、更地にする取り壊し料を下げろ。」
と値切られました。
そして精算の時は、国金は金利だけですが、銀行は遅れた日から
遅延損害金を引いたのです。その他測量代、不動産手数料など、
それに機械の片付け、郊外の外れに借りた住まいの費用ト引越し代です、
結局最後にの残ったお金は6000万の予定が半分の3000万でした。
それに年金もない老夫婦と50歳になろうとする、
無職の独身者が取り残されたのです。
小さいマンション位買えるかなと思っていたのが外れました。
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