彼が臍をかんだのは3月です。
その付けが今回ってきました。資金繰りがこのままでは11月、
お手上げです。
ことの発端は県下で3つの市に宅建の受験教室を開いて居た業者が
東京に引き上げる。誰か後を探していた話に載ったのです。
3つの教室は何れも黒字であるが、業者は東京の総合教室に力を
集中する必要が出来たためとの説明でした。
生徒や先生、教室の賃貸などそのままを完全に引き継いでくれれば、
その他の費用は要らないと云う事でした。
今まで拡大戦術で失敗の無かった彼です。飛びつきました。
此れを期に彼の教室をこの地方にも広げる足懸りです。
しかし実際はそう甘く有りませんでした。
在籍者名簿は昨年11月も入学名簿で有って、その後の退学者は
入っていませんでした。経営は事実上若干の赤字だったのです。
今年取り返せばよいと、張り切って、宣伝をしたのにも係わらず、
今年の入学者がぐんと減りました。多額な宣伝費は完全に持込で、
通常月次でも相当な赤字になります。
一寸でも余ると拡大策に全部利用するために、余裕資金などありません。
しかも現在は銀行から借りれない状態です。
急速に資金は詰まってきました。
彼は塾や各種の教室の経営者です。
算盤塾と書道教室、他人がやっていたのを引き継いだのですが、
彼になってからもう40年近くになります。
彼には信念がありました。
「どんなことでも、教育は廃れることは無い。絶えず右肩上がりだ。
その証拠に、算盤塾や書道教室は今でも生徒数は微増しているではないか。」
だから彼は事業をどんどん広げたのです。
算盤塾の分校ばかりでなく、他の分野にも大きく手を広げました。
進学塾は言うに及ばず、各種のライセンススクールやカルチャースクール、
幼児英才教育など、あらゆる分野まで手を伸ばし今回の他の地区まで
進出をしたのです。
そんな彼が勇み足の失敗があります。
彼は教材を全て自分のところで揃えます。其れを強気の見込みで
生産をしすぎ、15ヶ月分の在庫を持ってしまったのです。
平成12年、ライセンススクールとカルチャースクールに力を
入れ始めた頃でした。勿論直ちに資金に影響します。
この時は銀行に依頼したり、やりくりで何とか乗り切りました。
金融機関も何処も応援してくれたのですが、彼の経営能力に疑問を
持ったらしいです。此れが彼のつまずきの最初でした。
2年後に起こった危機は教員の過剰採用です。
此れも強気の見込みで教室と教師を早くから用意して募集を掛けたのです。
カルチャー教室も世間で騒ぐほど盛んではなかったようです。
場所はキャンセルできても、教育者が先生を採用して直ちに
馘首に出来ません。リスケで対応しようとしましたが、
銀行の態度は冷たかったです。
危機に関して、彼の方針は生徒数を増やす事しかありません。
このことは、銀行の不信を買って居ます。
この時は、ある国会議員が中に立ち、漸くリスケが出来たのです。
でもこの議員介入は各銀行にもっと不信感をもたらせたように思います。
そして今後のリスケについて釘を刺されています。
教室仲間の会合で彼は宅建教室の愚痴をこぼしました。
「景気が回復して失業率が減ってきたからさ。」
一人がにべなく答えます。
「景気がよくなって雇用が拡大すれば、誰もライセンスなんか取らないよ。
何処でも直ぐに採用してくれるからさ。ライセンスなんて一握りの
エリート階級のものに為るよ。」
もう一人が付け加えます。
「受験生もそうだな。少子化と云うけれど塾に通う生徒は
児童数の減少以上に減っているよ。今や勉強しないでも高校や大学に
入れる時代だからさ。」
今まで人生は競争しか無いと考えて居なかった彼に、
思いがけない言葉でした。心当たりがあります。
生徒一人ひとりのやる気が、又粘りが最近は少なくなってきています。
拡大が駄目ならば縮小ですが、特に塾やライセンススクールの
縮小は在校生の事を考えると、非常に難しい問題です。
彼の先輩に大検資格が与えられる専門学校の経営者ですが、
生徒数が減ったために廃校を決意した人が居ります。しかし当時3名居た
生徒は転校も出来ず、先輩は、2年間3名のために学校を開いて居ます。
彼らを卒業させて先輩は破産をしました。
教育者としては立派でも、人間競争は負けです。
宅建の3教室だけでも、今後1年は赤字でもやらなければなりません。
前年は算盤と書道を除けば皆赤字になっていました。
今からどうするか決めないと先生の給料が払えなくなります。
彼にはどうしてよいか解かりません。
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その付けが今回ってきました。資金繰りがこのままでは11月、
お手上げです。
ことの発端は県下で3つの市に宅建の受験教室を開いて居た業者が
東京に引き上げる。誰か後を探していた話に載ったのです。
3つの教室は何れも黒字であるが、業者は東京の総合教室に力を
集中する必要が出来たためとの説明でした。
生徒や先生、教室の賃貸などそのままを完全に引き継いでくれれば、
その他の費用は要らないと云う事でした。
今まで拡大戦術で失敗の無かった彼です。飛びつきました。
此れを期に彼の教室をこの地方にも広げる足懸りです。
しかし実際はそう甘く有りませんでした。
在籍者名簿は昨年11月も入学名簿で有って、その後の退学者は
入っていませんでした。経営は事実上若干の赤字だったのです。
今年取り返せばよいと、張り切って、宣伝をしたのにも係わらず、
今年の入学者がぐんと減りました。多額な宣伝費は完全に持込で、
通常月次でも相当な赤字になります。
一寸でも余ると拡大策に全部利用するために、余裕資金などありません。
しかも現在は銀行から借りれない状態です。
急速に資金は詰まってきました。
彼は塾や各種の教室の経営者です。
算盤塾と書道教室、他人がやっていたのを引き継いだのですが、
彼になってからもう40年近くになります。
彼には信念がありました。
「どんなことでも、教育は廃れることは無い。絶えず右肩上がりだ。
その証拠に、算盤塾や書道教室は今でも生徒数は微増しているではないか。」
だから彼は事業をどんどん広げたのです。
算盤塾の分校ばかりでなく、他の分野にも大きく手を広げました。
進学塾は言うに及ばず、各種のライセンススクールやカルチャースクール、
幼児英才教育など、あらゆる分野まで手を伸ばし今回の他の地区まで
進出をしたのです。
そんな彼が勇み足の失敗があります。
彼は教材を全て自分のところで揃えます。其れを強気の見込みで
生産をしすぎ、15ヶ月分の在庫を持ってしまったのです。
平成12年、ライセンススクールとカルチャースクールに力を
入れ始めた頃でした。勿論直ちに資金に影響します。
この時は銀行に依頼したり、やりくりで何とか乗り切りました。
金融機関も何処も応援してくれたのですが、彼の経営能力に疑問を
持ったらしいです。此れが彼のつまずきの最初でした。
2年後に起こった危機は教員の過剰採用です。
此れも強気の見込みで教室と教師を早くから用意して募集を掛けたのです。
カルチャー教室も世間で騒ぐほど盛んではなかったようです。
場所はキャンセルできても、教育者が先生を採用して直ちに
馘首に出来ません。リスケで対応しようとしましたが、
銀行の態度は冷たかったです。
危機に関して、彼の方針は生徒数を増やす事しかありません。
このことは、銀行の不信を買って居ます。
この時は、ある国会議員が中に立ち、漸くリスケが出来たのです。
でもこの議員介入は各銀行にもっと不信感をもたらせたように思います。
そして今後のリスケについて釘を刺されています。
教室仲間の会合で彼は宅建教室の愚痴をこぼしました。
「景気が回復して失業率が減ってきたからさ。」
一人がにべなく答えます。
「景気がよくなって雇用が拡大すれば、誰もライセンスなんか取らないよ。
何処でも直ぐに採用してくれるからさ。ライセンスなんて一握りの
エリート階級のものに為るよ。」
もう一人が付け加えます。
「受験生もそうだな。少子化と云うけれど塾に通う生徒は
児童数の減少以上に減っているよ。今や勉強しないでも高校や大学に
入れる時代だからさ。」
今まで人生は競争しか無いと考えて居なかった彼に、
思いがけない言葉でした。心当たりがあります。
生徒一人ひとりのやる気が、又粘りが最近は少なくなってきています。
拡大が駄目ならば縮小ですが、特に塾やライセンススクールの
縮小は在校生の事を考えると、非常に難しい問題です。
彼の先輩に大検資格が与えられる専門学校の経営者ですが、
生徒数が減ったために廃校を決意した人が居ります。しかし当時3名居た
生徒は転校も出来ず、先輩は、2年間3名のために学校を開いて居ます。
彼らを卒業させて先輩は破産をしました。
教育者としては立派でも、人間競争は負けです。
宅建の3教室だけでも、今後1年は赤字でもやらなければなりません。
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