かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

ローンさえ払っていれば自宅は安泰かしら。

2009-08-30 | 事例
メイン銀行には結局3億ほど払えません。
勿論社長のSは個人保証をして居ります。
しかもSは7年ほど前に自宅を購入して居ります。
ローンもメイン銀行で組みました。

高級マンションで、月に25万で30年の返済です。
今は時価のほうがローン残高より遥かに低いですが、妻は限りなく
この自宅に愛着を持っておりますので、何とか持ち続けたいのです。
返済は今まで妻名義で残したお金で何とか解決はされそうです。

会社は相当不動産を持っておりました。
S個人も収益目的のマンションがあったり、貸地も有りましたが
全て処分をさせられました。保証人ですからやむを得ないでしょうが、
自宅に付いては1度も処分を言われたことは有りません。
毎月ローン代を振り込んでいますが、この状態が何時まで続くかと不安です。

たまらなくなって有るコンされタントに相談しました。
「まだ、銀行は何も云ってこないが何とか此れだけは残したい。」
事情を詳しく聞いて居たコンサルタントはおもむろに言ったのです。

「ローンさえきちんと払っていればこのマンションは取られないですよ。
 何もする必要は有りません。しかし、次の問題がありますからそれに
 対しては対応は必要です。一つは、相当高額なマンションですね。
 謄本を見れば各銀行とも毎月の支払いは大体見当が付きます。
 そんな高いローン代はどうして払うんだ。安い賃貸に引っ越して
 浮いたローン代を我々に返せ、と言われるでしょう。もう一つは、
 今はローンの方が時価より多いですよ。もう10年も払えば後は、
 担保価値が出てきますよね。間っているところもありそうです。
 其の対策が必要です。」

会社が倒産すれば、保証人の社長は自宅が取られるものだと
思い込んでいたSは、それでも心配でした。
コンサルにさらに念を押したものです。

コンサルは笑って言いました。
「私自身、裁判所に直接聞いた事です。間違い無いですよ。」

自己破産の人の書類作成のお手伝いをしたときに、
其の人は自宅のローン中でした。
しかしローンの支払いは、この辺りの賃貸相場よりはぐんと易く、
此処を出ると住居費が出ないと言うのです。
又、物件時価の方がローン残高より安く、此れを取ったと云っても、
債権者は債権が増えるだけで何の得策も無いと言うのです。
こんな場合、何か救済は無いかと思って裁判所に電話したのです。

裁判所は女の方でした。親切に教えてくれました。
「破産は資産を処分して債務を弁済するのですから、
 債務を逆に増やすようなことはしなくても咎めません。
 それに該当する場合は、ローンを解約して自宅を処分する必要は
 有りませんが将来其のローンすら払えない時はもう破産は10年くらい
 出来ません。自分の債務を減らすのですから良く考えてお決め下さい。」

会社の整理は一段落できました。
不動産は自宅を除き、全て失い、債務も銀行からサービサーに
譲渡されています。其のサービサーとも後2社で和解終了です。

この間自宅のローンは払ってきました。
どの銀行も自宅に関しては一言も言いませんでした。

自宅は義父に担保をつけました。毎年義父から少しづつ妻が借り、
それでローンを払っていることにして、続けています。
サービサーに説明のためです。

自宅はローン中で且時価よりローン残が明らかに多い場合はローンさえ
払えれば取られることは有りません。
特に個人の民事再生などと難しく考える必要は有りません。
銀行もどうするかと聞くことは有っても、それ以上つついて来ないのが
普通みたいです。

ただR銀行には倒産と同時に、個人のローン口座まで
締められたことがあります。この銀行のみ、2度経験があります。

しかし、事情を良く聞いて見ると銀行の想い過ぎがあったみたいです。
「債務整理をするのだから、債務過剰のローンも当然整理するだろう。
 同じ整理するならば1紐早く返済をやめた方が当人は楽だろう。」
親切の押し売りです。
話して又口座を復活しました。

自宅に対する想い。家族に対する想いと同じです。
特に自分で短期間でもローンを続けた人は、人一倍強いでしょう。
世間の評価は易くなっても、そうした人の自宅の評価は変って居りません。

そんないじらしい人の自宅、何とかもち続けるようアドバイスをしたいものです。





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最悪の保証人の家族

2009-08-27 | 事例
保証協会は親切でした。
「債務者の方、月に1万づつ返済で結構です。1年後に見直しましょう。
 ところで娘婿のNさんも保証人でしたね。著名な方すから私どもも
 是非1度話し会って決めたいです。1度いらっしゃって頂けませんか。」

どう説得しても娘婿は言う事を聞きません。保証協会に行こうとしないのです。
「儂は確かに保証したんだ。だから儂に力が有る以上必ず保証額は取られる。
 儂の勤務先も解かっているから、若し儂が逃げるようだったら、退職金を
 差押えればよいじゃあないか。儂と話し合いたいなどおかしいよ。
 何か下心が有るとしか思われない。俺は絶対に会わない。」
訳が解からないことを云って身内に威張って居ます。

それで、本格的の請求が無いからと全然払わないのです。
其ればかりか、その時に備えて今から貯めないといけないと言う事で、
今までは妻に全て渡していた給料も自分で管理し、娘には僅かな生活費しか
渡さなくなりました。娘はパートに出る様になったのです。
子供は高校と中学の受験期ですが、今まで通っていた塾を止めさせたのです。

陰で私の悪口を云って、娘にすら私のところに出入りの禁止命令を
出したらしいです。守られては居りませんが。

保証協会も勤務先にの電話を慎んで居ららしいです。それで連絡が
取れないからと私に中継ぎの連絡があります。
今回の保証人の支払いは、私は娘と二人して出かけて、とりあえず1万で
頼んだのです。1年間は認めて頂きました。

1年経ち保証協会との話し合いが来ました。
私の1万は納得して頂きましたが、肝心は保証人の事です。
「此れだけ礼を尽くして此方からお願いしているのに、電話一本も有りません。
 上司は幾ら著名人でも仕方無いから法的回収に入りなさいと何時も私に
 云って居ります。」

娘の口から聞いた娘婿は、娘に言ったらしいです。
「ほら見ろ。其れが保証協会の本音さ。儂の給料とか、この自宅を
 差押えたいんだよ。そんなところに絶対に出向くのはごめんだな。
 ところでそうなると我が家には1円の金もなくなるから、そうなれば
 勿論子供は進学できないし、家計もますますお前に稼いで貰わないと困る。」

子供たちも怯えるだけ。離婚をしたいと思うが子供たちが泣いて嫌がるから
我慢しているが娘と子供の3人は毎日が針の筵。
私だって今は間借り同然。引き取ることも不可能です。

最近娘は、ついに私を責めてきます。
「私達がこんなに苦しんでいるのは全てお母さんの
 保証をしたから。お母さんが全て返済してよ。」
有れば返済して居ます。
私だって僅かな年金は担保で当分入ってこないし、今71歳の身で
パートで食べているのです。

保証協会はついに勤務先にまで電話をしました。
娘が怒られたと泣いて連絡ありました。
当人は留守ですから受け取って居ませんが、
「会社にまで電話を掛けさせるな。」と夫に罵られたらしいです。

その後2-3日して、娘は突然に夫から「明後日、保証協会に行くといわれた」
らしいです。
「行って全額払うなんて夫に云われると、其れこそ退職金も自宅も
 失って私達乞食なっちゃうわ。お母さん。貴方の責任だから
 保証協会に苛めないように云って頂戴。」
何か娘も常軌を逸してきたみたいです。
保証協会に電話しても、勿論承知したとは言わないし、
明日話し合いがありますと云われただけです。

次の日の午後、保証協会に電話を知すると
「本日いらっしゃいました。話し合いの内容は、
 私共の方から云えません。ご当人様に聞いてください。」
怯える娘に聞かせたのです。

「今月から毎月10万を払う。退職時、退職金から残額を払い、
 不足の場合、自宅を処分する。」
そう約束して来たと云っています。
「八月末から10万を返済するでしょうが、其のお金は自分で払うかしら。
 それとも私に今の中でやりくりしなさいと言うかしら。
 若しそうだったらお母さん面倒を見てね。」

石部金七のような人。この約束を守るでしょう。
しかし其の陰に債務者の娘と孫二人の悲劇があるのです。

今からでも遅くはない。
保証協会に行ってもう1度話し合わせたいが、この娘婿にそうさせるには、
どうすれば承知して保証協会に行ってくれるでしょうか。
それとも娘と孫が保証協会に云って条件の変更は出来ないでしょうか。

又考えようによれば、保証人としては模範的の保証人です。
人間ってこうあるべきでしょうか。





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回り道でしたが自宅は無事です。

2009-08-23 | 事例
Kは自宅を守りました。
方法は至極簡単でした。それでいて完璧でしょう。
しかし其処まで行くのにKはどれほど調べ、どのくらい悩んだでしょうか。
其の過程をご紹介します。

自宅は河川の脇、土手下にあります。会社と隣合わせです。
500坪の土地に、家を建てる80坪くらいは盛り土をして、鉄筋3階を建てました。

元の土地は非常に安いものですが、整地と建築に金がかかっています。
豪邸と人は云っておりますが、周囲に家は少なく、交通や買い物に不便で他に
売り地の多い現在では、人の欲しがる物件では有りません。

それでもKはこの不動産の価値は1億を優に超えると見ています。
ローン残は6000万足らずですから、何か有れば即差押になると読んで居ります。
しかし公示価格もなく、路線価も倍率地区です。何故か固定資産税の評価は
隣近所に比べて、このKの土地だけがずば抜けて高く、今でも6000万くらいです。
確か、役所の評価で最初1億くらいだったのを2度ほど文句をつけて下げさして
おります。

Kは此処を守るにはローン担保の下に2番抵当をつけて無剰余に
するしか無いと思いました。
しかし、それでは4000万以上を借りなければなりません。
勿論銀行は貸しませんし、知人親戚では金額が大き過ぎます。
借りる理由とお金の流れを作るのに自信が有りません。
と云って担保だけをつけてもその時になると詐害行為など
騒がれれば無意味の行為になります。
無剰余にするには諦めざるを得ません。

次に考えたのは4人の息子に生前贈与です。
年齢から考えておかしくない有りません。
此れで2年も問題を起さなければ、詐害行為にもならないでしょう。

ただ息子達は相続時、此れが大きな課税対象になると困るとか云って
なかなか決まりません。

焦ったKは自宅を残すことを諦めて、今の内に売却を考えました。
1億が時価ならば、上手く行けば4000万、悪くても2000万は残せると見たのです。
会社がおかしくなっても、其の前に自宅まで処分したとなれば、世間に対する
言い訳も出来ます。

ところが売れません。
問い合わせすらないのです。

広いと行っても正味は整地してある80坪だけです。
隣にKさんの工場と関連会社の工場があるだけの、
交通の便も悪い不便の場所です。
たまたま市役所が、高い資産税の評価額をつけたからKも
惑わされたのでしょうが実質の土地代は、近隣と比して
坪2万くらいが妥当の処でしょう。としてみると世間の
掛け値無い評価は4-5000万かも知れません。

斡旋を依頼した不動産屋も投げ気味です。

「取られるか、仕方無い。」
仮に無剰余であっても倒産する老人に払っていけるローンでは有りません。

諦めかけたKに囁いたのは税理士です。
「Kさん、お子さんの誰かにローンごと贈与する
 負担付贈与を考えたら如何ですか。」
今までに不動産の贈与は考えました。
しかしローンはあくまでKが払わないといけないと決めて居ましたから、
税理士の言葉に光を見出したのです。資産と負債を相殺しての贈与税です。
評価さえ同じならば払わなくてもよいです。

不動産評価が落ちたことはKにとっては好都合でした。

「でも銀行は承知をするかな。」
若しローンを変えることを認めないと云っても、此方が強引に
名義変更すればどうなるだろうか。それでも税務署は負担付贈与と
認めてくれるだろうか。

「贈与を受けた者が、間違いなく自分のお金でローン代を
 払っている事が証明できれば負担付贈与は認めます。」
わざわざ聞きに行った税務署の返答です。

ローンを組んでいるのは会社の主力銀行です。
でも銀行は何一つ云わなく趣旨を了解してくれました。
80才を過ぎた老人から、若い子供4人に均等にローンを移行することを
内心歓迎したかの様です。
責任は4名で連帯して、窓口は次男がなりますと、直ぐに話が付きました。

「普通はローンの借主は変えないですよ。所有権の変更は認めますが、
 当然其の方にも保証人兼担保提供者になっていただきます。」
この場合は特別ですよと云わんばかりでした。

最初から負担付贈与にすればなんてことは有りませんでした。
しかし此処までたどりつくまで、Kは何年とかかっています。
会社の整理で、主力銀行に迷惑を掛けるからと、銀行には
相談しなかったのが尚 回り道になったみたいです。

今Kは4人の息子から使用貸借と言う事で同じ家に住んでいます。
会社は不動産の処分に大童です。
しかし債権者の銀行は何処も自宅まで追及はする形跡が有りません。





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あっけなく出来た第2会社

2009-08-20 | 事例
Kは、第2会社が成功する為には2つの条件を考えて居ります。
一つは新会社が今の工場を居抜きで使う事です。
もう一つは今の受注先を第2会社との取引に変える事です。
特に此れは受注先だけでなく銀行も認めてくれないと、
後で差押などが有れば困ります。

工場は河川の土手際、500坪は自分の土地ですがあとの500坪は、
7軒の地主から借りて居ります。1000坪の土地に、何回も建て増しを
繰り返した工場が有ります。
仮に競売になっても買い手は付かないでしょう。

工場の仕事は機織、詰り、機屋(はたや)です。
大手の紡績会社から原料の糸の支給を受け、布に織って納入する
工賃仕事です。今は6軒ほどが受注先です。どの銀行も受注先を
知っています。会社を変えると解かったら直ぐに差押に入らないかが
心配です。1軒でも差押に入れば、全取引が出来なくなります。

先ず工場を買い戻そう。
買い戻したら直ちに受注先に新会社に口座切替をお願いしよう。
そして、銀行には金利をストップしようと、Kの筋書きは決まっています。

工場だけは買戻すより他、方法はないだろう。
時価3000万と踏んで、その分は以前から用意して居ります。
問題は買戻しを何時どんな口実で切り出すか、其の理由とタイミングです。
そのために切り出しはどんどん遅れています。

Kはたった此れだけの筋書きを決めるのに何年とかかって居ります。
リスケと云う言葉が流行る前からリスケはお願いしてきました。
銀行も時に文句を言いますが、相手は老舗の当主、どの銀行も簡単に
それ以上のことは出来なく、つい、だらだらとした関係が続いて居りました。

そんな中で、Kもいろいろ検討をして居ります。
手始めは民事再生法でした。分社なども検討を重ねました。
その結果、Kの場合は第2会社が一番良い。
其れを進めるのはK以外に居ないと結論付けたのです。
後は其のタイミングだけです。

Kだって簡単に「今月から金利も払えません。」とは云えません。
すまないという気持ちと、怖さが入り混じって居ます。

やがて、再来月からもう金利すら払えないという見込みです。
今まで考えても出なかった口実が、今更出ることは有りません。
事実の通り、息子の会社が買い戻すと云うことにしました。

「息子はKの会社を引き継ぐのではなく、将来は自分でやる積りで、
 嫁の里などと相談して会社を作りました。何れこの工場も利用するでしょう。
 当分は今の会社で、息子より借りて事業は続けます。」

取ってつけたような口実でも、どの銀行も何も言いませんでした。
第一抵当権の公庫は2000万で担保解除してくれました。
2位以下のハンコ代も安かったです。
機械・設備を問題にする銀行は有りませんでした。

さあそうなれば今度は受注先に対して口座の切り替えだす。
同じ工場で息子が社長になって同じことをやると云うので、
何処も簡単に承知をしてくれました。
以前から息子が営業に回って人望を得ていたのも大きかったですが、
其れよりこの地ではもはや信頼できる機屋が無いことも大きな原因でした。

工賃は20日締めで月末払いです。銀行返済は25日。
21日に一斉に切り替えて、各銀行に25日の金利の支払いも無理のことを
告げました。月末までに仮差がなければ大丈夫です。
この10日間は生涯で一番長かったと、Kは人に漏らしております。

しかし心配した仮差もなく、第2会社は上手く、あっけなく稼動を始めました。

K我借金の整理を思い立ってから、今日までに何年となく過ぎて居ります。
その間に、K自身も随分変わって居ります。
しかしながら、世間はもっと変わって居りました。
此れがすんなり第2会社に移行できた最大原因と思います。

当初はリスケすら厳しかった銀行も、今では企業再生にも好意的な見方を
してくれます。Kの会社も、もう幾らつついても何も取れないだろうと
大分前から各銀行決めて居た節が思い当たります。
銀行もKの整理時期を模索して居た処に、Kの方から飛び込んだのです。
双方にとって最良のタイミングだったと思います。

Kはいろいろ勉強をし、シュミレーションを繰り返しながらこの方法を
決定しました。しかし、それ以上に今回のKが受け入れられたのは、
社会のムードがよりKの希望に合っていた事です。

社会全体の流れ、変える人も居るでしょうが、それに従った方がはるかに楽です。





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事業と自宅を守り抜く

2009-08-17 | 事例
今から3年ほど前のKの決意です。
「儂が倒産するのは、いたし方無い。ただし儂のこの自宅は
 何とか守りたい。又4人の息子は保証人で無いから、各々に
 無傷の会社と自宅を持たせてから、儂も万歳をしたいが。」

Kの家は、大正の時代からの機屋です。
其れをKはさらに大幅に伸ばしております。
この地方の老舗で、何処の銀行も1目置いている名家でした。

もう何年も銀行返済は金利と若干の元金です。
80歳になろうとするKは、自分が健康のうちに再起を図って、
長年自ら交渉もして来ました。悩み、苦しみ、体面を保ってきましたが、
ついに会社は守りきれないと観念したのです。

当初は、不動産と云う資産を過大視してい銀行も、この頃は冷たく、
しつっこく不動産の売却を薦めて居りました。

Kの第一の仕事は先ず自宅の保全です。
自宅は河川の土手際に盛り土をして、10年前に鉄筋4階を新築したばかりです。

この不動産はあれ此れ考えましたが、結果はあっけなく守れました。
「もう儂も80歳になろうとしている。このままではやがてローン代も
 払えなくなるから今の内に息子4名に負担付の贈与をしておくべきだ。」
此れが理由で、負担付で息子4名に均等に贈与したのです。
息子達は全員がKの許で働いて居ります。

贈与税は払わないで済みました。
以後は、Kは息子達と使用貸借になりますが詐害行為も免れるでしょう。
簡単なこの結論も直ぐには出ませんでした。破産を主張する弁護士、
一時も早く自宅を売却を薦めるコンサルタント等の意見を聞き、最後に
Kが結論を出したのです。

お陰で1件、落着です。

同時に息子4名の自宅の心配です。上の2名は世帯を持って自宅も有ります。
会社からの借金も有りませんし、心配はありません。4男はまだ独身で、
「自分が家を持つ時は自分でやるから心配しないでよい。」と云うのです。

残るは3男だけです。彼は近くに結婚して、その時にKの担保に
入っている土地に新築の予定です。
担保は新妻が解くという事で、全て筋書きは作りました。
そうすればローンは幾らでも組めます。

お金の流れや理由など、此れも悩みましたが一旦やりだすと、
すらすら出来ました。
さあ、此処まで済むと、次は会社です。

4人の食べていく会社と、それに使う不動産や設備の保全です。
会社は休眠会社が幾つか有りますからそれを利用し、不動産は買戻しを
覚悟して居ります。このお金の調達が一番難しいです。
機械設備にはお金を出したく有りません。ましてや営業権などにお金を
出す積りは全然有りません。

結果から見れば此れも上手く云ったのです。
機屋の業務を移行する会社。もともとの関連会社で繊維をやって居る会社。
不動産関係の会社。それに繊維の加工下請けの会社。
兎に角今後の業務を行う4つの会社を立ち上がらせて、取引先等全部の
了解を得てから、銀行金利を全て止めました。

5行の取引銀行は途中からKのやって居る事に気がついて居たと思います。
Kが金利を止めても何も言いませんでした。
事務的に不動産は何時頃までに任売出来るか聞いて来たくらいです。

地方でも有力な企業が行き詰って、形を変え、4つの会社に分かれて、
再起をする様になったのです。
見た目には自宅はそのままですし、世間の評判にもなりました。

業態を変えルのには、弁護士やコンサルタントなどが、いろいろな案を
具申して居ました。
しかし、今の通りの案は誰からも出て居りません。
何が成功させたのでしょうか。

Kのひたむきな努力、此れだけと思います。

自分の代で事業を終わらしてならない。
家族を不幸にしてはならないと云う老いの一徹です。

そしてKは全て自分で考え、自分で実行しています。
事業を譲る子供すら何も代行させては居りません。

其れが複雑な問題も単純化させて、素人でも出来るようにして居ります。
ましてや、全てKが自らやった物ですから、周囲に対する説得力・牽引力の
他に、銀行なども、いちゃもんをつけにくかったことも有るでしょう。

まだ担保処分が残っていますから、銀行は不良債権にはしておりません。
此れが全部処分し終わると、今度はサービサーに債権譲渡され、
サービサーとの交渉が待っています。
保証人はKと妻だけです。

此れとの解決も上手く乗り切るのではないでしょうか。
Kの取り組み方を見てそう感じて居ります。





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中小零細企業の経営者のみなさま

2009-08-15 | 無料相談のご案内
 

お盆休みも終わり大多数の会社が、週明けから業務再開されるようです。
故郷で束の間の休日を過ごされた、経営者の皆さまは如何でしたか。
高速道路の無料化の影響で、例年以上の渋滞が発生したようです。
そして、よりによって東名高速では、地震の影響で一部通行止めとなり、
ダブルパンチに見舞われた業界も多いとの報告を受けています。

想定外のことが起こることは、経営でも良くあることです。

週明けには、日本の未来を占う、衆議院選挙の告示を迎えます。
選挙の結果次第では、どのように推移するか見守る必要が、
あると思います。


ブログをご覧頂いている方限定で、「無料電話相談」を開始致しました。


経営危機に直面している、または危機を迎えようとしている
経営者の皆様、債務全般でお困りの方、どんな些細なことでも
お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせは、

 042-483-3604(10時~17時)

※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。


もしくは、こちらのお問い合わせフォームから送信して下さい。




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自宅の価値

2009-08-13 | 事例
Tさんは近く会社の整理を覚悟して居ります。
法的整理か任意整理か決めて居りませんが何れにせよその時に
今ローン中の自宅だけは残したいのです。
会社の整理をしても、ローンさえ払って入れば、住宅ローンは
何もしないと聞いております。
担保価値の無い無剰余の時は、ローン残高に比して自宅は其れより
安ければ安いほど残すことは可能だそうです。

Tさんは正確な自宅の価値を知りたいのです。
周囲の不動産屋に聞くと、結構なよい価格をつけます。
詰りこの場合はTさんに不利です。
チラシで大手不動産業者が無料で見積もりますと云っています。
此れに依頼すると、業者が買取の場合は、びっくりするほど安い価格を
提出します。この価格ですと無条件に無剰余になりますが、この価格を
債権者に示して、債権者が納得するでしょうか。

不動産鑑定士に頼めば一番正確の価格が出ると聞いております。
しかし費用が高いです。
測量もしなおすと云えば50万では不足です。
倒産を覚悟をして居るTさんに払える金額では有りません。

Tさんは勝手に自己評価をしました。
駅まで歩けば15分だし、学校や病院なども全て10分以上懸かります。
地理的条件は悪いと見てよいでしょう。建物だって築12年です。
価値0どころか取り壊し費用で400万懸かるとなれば、更地よりマイナスです。

此れならば、詐害行為になりやすい、追加抵当権などしなくても、
無剰余になって競売にはならないと、自分で自分を納得させます。
こうした場合10人が10人とも自宅の評価を不当に安く見積もります。
それで守れたと勘違いをします。
Tさんも其の一人でした。

後日この家は競売となりました。
裁判所の査定した時価はローンの1割高です。
そのために競売標準価格はローン残より2割安かったのです。

2割も競売価格の方が安いのだから、無剰余と云うことになって競売は
取りやめにならないか、と思ってもそうはなりません。
競売者が、若しローン残より安く売れて、ローン業者に損害をかけた場合は
私どもが保証しますと保証金まで積めば競売は続行出来ます。

この場合もそれで競売は続行したのです。
恐らく入札者があらかじめ居たと思います。
だからこそ競売者は保証金まで積んだのでしょう。

安全な無剰余になるためには、競売標準価格の1.5倍よりローン残が
多くないと危険です。
そしてこの場合の自宅の評価は高めに評価したいものです。

昔から1物4価と云って不動産の価格は立場・見方によって様々でした。
自分がしても、自宅の評価はその時の立場により大きく違います。

一般にマイホームを資産として評価する時は高めの評価です。
自分の家は高く、自分も此れだけに資産を持っていると思ったほうが
何となく心が豊かになってきます。
自分だけに評価ですから他人に迷惑も掛けません。

しかし、買戻しや無剰余なんて云う時は高くては困ります。
安ければ安いほど自分は助かります。特にお金はない時ですから、
こうした願望はいつか其れが価格となってしまいます。

最後に立場によって違う1例を紹介したいと思います。
自分の家が競売になりそうな人が居ました。
自分の生まれたところ。町から車で20分。
コンビ二すらないような10軒ほどのです。
其処に贅を凝らした豪邸を建てたのです。
2億5000万、銀行から借りました。自分の思いついたことは
全てやったと豪語するだけの物です。

競売になった時、彼は買戻しを銀行と交渉しましたが、銀行は懸かった
お金の額を知っていますから、1億6000万と云って譲りません。
しかし実際に出た競売の評価は違いました。4000万足らずです。
家にそんなにお金をかけたようにはなっていません。再評価単価は
普通の坪幾らの評価です。

裁判所の評価は4000万足らずですが銀行は任売ならば1億6000万と
頑張っているのです。こんなに評価が違うのも滅多に無いと思います。
若し競売で5000万で落札したならば、1億6000を主張していた銀行は
どうするのでしょうか。

彼はこの物件は売れないと判断したのです。
いや苦し紛れにそう思い込んだのです。
「普通の住宅ならばこんな田舎に住む人は居ないよ。
 価格の如何に限らず売れる筈が無い。」
それでも念の為に彼は2割高の4800万で入札だけをしておきました。

彼の豪邸のことは知られて居たかも知れません。
入札者は彼以外に3名も居て結局7000万で落とした人が居ります。
彼は8000万で買い戻しております。
この8000万の出所は面白いですからいつか又紹介いたします。

一つの物件でこうも価格がくるくる変わった例は他に例を知りません。

自宅を評価するとき、立場によって評価額は大きく違ってきます。
果たして不動産は自宅に限って健全な資産と云えるかどうかわかりません。





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関係無い老婆から700万脅し取ったサービサー

2009-08-10 | 事例
税務署が差押て来ました。
ただし、2年以上前から、義母に譲渡済みの診療報酬です。
義母であることから、税務署も、詐害行為ではないかと随分調査を
したらしいですが結局はどうにも出来ませんでした。

銀行も診療報酬を狙ったらしいです。随分聞かれました。
どうしようも有りませんでした。
それから1年、銀行債務はサービサーに渡りました。
サービサーの希望額はどうしても払えません。
すると此れも診療報酬を差押えて来ました。
しかし義母に譲渡した診療報酬に手を付けることは出来ませんでした。

しかし。
此れが事件の始まりでした。

Dは歯科医です。
30年以上前に、妻の希望で、妻の実家の近くに開業しました。
Dは開業資金と当座の運転資金を全て義母から借りたのです。

石より硬い人間ですから、きちんとした借用書を入れて、お金は銀行振り込み、
返済も銀行を経由して少しの甘えも無い貸し借りでした。
しかし、誠実で有っても口下手な、稼ぎを知らないDにはこの借金は重荷でした。
なかなか減りません。

それから10年も経ったバブルの終わり頃、妻は立派な自宅を建てました。
其ればかりではなく、当時特に医師などを狙った不動産やゴルフ会員権の
投資に載ってしまったのです。
バブルの弾けとともに、一気にDの資金は苦しくなりました。
あれほど硬かった、義母への返済なども滞り勝ちになって来ました。

折角の自宅を処分したとき、心配でたまらなくなった義母はDを問い詰め、
内容を掴んだのです。心配になって私に相談があった時に、私はためらわず、
診療報酬の保全を進めました。幸いDは義母から借りて居ります。
そして最近返済も滞っています。極く自然に譲渡が出来ます。
一旦義母が受取り、必要額だけをDが返してもらえばよいのです。

譲渡をして暫く経ったときに、案の上、税務署の差押が有りました。
「税務署だったら駄目か。」肝を潰しましたが結果は上首尾です。
何よりの自信となりました。
次のサービサーの差押の時は、高見の見物です。

それから2ヵ月後。安心しきっていたDに裁判所から特別送達です。
見れば財産開示の要求です。
勿論預金などあらゆる通帳を集めても幾らもなく、堂々と要求ある物を
開示しました。しかし相手の目的はそれではなく、義母に診療報酬の譲渡を
した理由と内容でした。
謄本を調べて譲渡先が義母であることは承知です。
詳しく説明をして税務署の差押不発まで付け加えました。

それから1ヶ月も経たない内に又訴状です。
いわゆる詐害行為取消しの要求です。
「診療報酬を義母だけが得ていることは不合理である。
 債権者がみんなで分け合うものである。故にサービサーが
 差押えた月から今日までの受け取った診療報酬を戻せ。」
と云う、何か筋の通らない訴状です。

「仮差押とは違う。担保にだって厳しい時系列があるんだ。
 この弁護士の云う通りならば税務署だって引き下がらない筈だ。
 弁護士依頼しなくても自分でも争えますよ。」
当然Dも其の覚悟です。

83歳の義母はもっと意気高々です。
「私は夫との離婚に何回も調停に出たよ。裁判くらい私が
 出てきちんと答弁してやるよ。」

「よし。みんなの呼吸は合っているな。」
意志を強くして居たところにDから電話です。

「おばあちゃんの気持ちが急に変わったらしいでです。
 サービサーの要求する700万、出すから直ぐに払って、
 至急に示談にしろと騒いで居ます。そうしないと、
 おばあちゃんの全財産は相手に全部取られるらしいです。」

張り切っていた義母は、張り切りすぎて、先に一言咬ませようとして、
事前に相手の弁護士に電話をしたのです。
そしたら逆に其の弁護士に諭されたらしいです。
「貴方のやって居ることは、詐害行為と云って、人間として
 一番やってはいけない事です。此れであまり我を張っていると、
 そのうちに貴方が譲渡受けた最初から全部返す様になりますから
 注意した方がよいです。その時に返さないと自宅なども競売に
 なってしまいます。」

こんな事を諭されて全部を信じてしまったのです。

一旦信じてしまった事は、其れからは何を云っても覆しません。
ついに700万義母に出してもらって和解にしたのです。
相手の論旨はおかしいと思って居ただけに私も非常に悔しかったです。

でもこのお陰で、15年間の争いが終わりました。
幾ら少ないと云っても医者の稼ぎです。今度こそ手元にがっちり残ります。

Dは其の仲から、少なからざるお金を又義母に返して居ります。
自宅はもう持てませんが、恐らく義母の自宅が相続の時は妻
に回ってくるでしょう。

それにしても、義母の考えを変えて700万をとった弁護士のくどき、
私も聞きたかったです。





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先物外貨は不良債権

2009-08-07 | 事例
ふと1行の記事に目を奪われました。
九州の非鉄問屋の債権者破産の記事でした。
私の目を引いたのは、こうなった原因です。
「昨年夏より単価が減少、在庫評価を20億下げたばかりでなく、
 今まで高水準の利 益を支えてきたスワップ取引で多額の逆ザヤを発生。
 資金繰りが急速に悪化したため。」とありました。

在庫評価減の赤字は直ちに資金難と結びつきません。
特に海外から仕入れたものならば決済は済んで居り、
お金が無ければ次の仕入れが出来ないだけです。
在庫をバッタ処分すれば若干は生き延びることも出来ます。

しかし金融商品の損失は、商品がお金だけに、期日が来ると待ったは
有りません。損失、即、要資金です。
この記事の商社は100億くらいの売上も有ったらしいです。30億の負債で
倒産と有りますが、この殆どは急激に来たスワップの逆鞘ではないかと
推定されます。良いと見られている会社でも倒産となれば本当に早いです。

私が、此れと同じような事件に初めてぶっつかったのは昨年末でした。
建築屋でしたが、其の基を殆ど輸入に頼って居たのです。
当初は、ドルの予約と云っても目の前の必要額しか買いませんでしたが、
若干の差益で儲けることも出来たのが運の付き、次第に銀行に薦められて
先物ドルの購入に移ったのです。

ここ1年以上円高になりすぎたのです。
半年前に1ドル100円で予約したドルが今日90円ならば時価より10円高く
買わなければなりません。其れを今後2年間、毎月2万ドル購入すると
約束すれば、毎月200万づつ2年払わないとなりません。
解約は簡単に出来ず且解約料は非常に高いです。
又取引もレバレッジと云う手法を使えば同じ金額で何倍かのドルを
買うことも出来ます。
儲かる時は良いが損をする時は溜まったものでは有りません。
レートの動きが少なければ保険としてよいでしょうが、今のように
極端な動きは博打と同じです。

当初はよかったですが本格的にのめりこんだ頃リーマンショックが来たのです。
其れからは目茶目茶。アット云う間に資金が回りません。
月商6000万の会社がたちまち2億の損をしたのです。

この会社も最初は破産などと騒いでおりましたが、結局は第2会社を作って
任意整理をして居ります。

3月以降も、食料品関係が1社、雑貨を仕入れているところ1社も
全く同じようになって相談を受けました。
ともに月商は6000万と9000万です。
でも損失は解約まで含めて1億5000万と5億5000万でした。
5億5000万の方はレバレッジの怖さを学んで居ります。

バブル崩壊後私は本業以外で破綻したいろいろのケースを見ております。
不動産投資が、一番でした。
株・ゴルフ会員権なども多くの悲劇を招いております。
特に変動保険は相続税対策で多くに年寄りを悲惨なことに陥れました。

もうこうした本業以外で、銀行との間で悲劇は起こらないだろうと思って
居たのですが、今、なるかも知れないと危機感を募らせているのが、外貨に
関する事です。中小企業が安定した仕入れをして、安定価格を続けようと
思ったのが、裏目に出たのです。

先日ある中小企業の社長の集いに出て、この問題で悩んでいる人が多いのに
びっくりしました。これらの人たちは円安になることを祈っているのです。
輸出業者ならば円高を嫌う事は解かりますが輸入業者が円高を願っている
誠に納得の行かない風景です。
 
それにしても、まだ耐える力がある間は良いとして予約の最終期間が後2年も
有ったのではとても持ち堪えないでしょう。
そんな人はこれから多発すると見ております。

しかしそれにしても、過っての不動産やゴルフ会員権の時のような被害者が
束になって現れないことを心より祈って居ます。





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税務署の売掛金差押

2009-08-04 | 事例
売掛金。
何が怖いと云ったって、売掛金の差押ほど怖いものは有りません。
自宅や会社の不動産の差押より嫌です。一旦差押えられると事業は、
中止せざるを得なくなります。

しかし、銀行が売掛金を差押える事は殆ど有りません。
100件中1軒の比率以下と思います。ところが、税務署となると違います。
倒産するかしないうちに、直ちに売掛金は狙われます。

「何、倒産もして居ないのに税務署から売掛金を差押えられた。」
相手は自分の云っている事すら解から無いくらいに頭の中が、
白くなって居ります。差押をされた得意先から電話があったと云うのです。
慌てて大手2-3軒電話をすると何処も同じで、どうしてよいか解からないと
云う電話です。

3年くらい前から滞納が始まり、そろそろ国税に回される頃になって居ります。 
先付け小切手を払っては居ますが、落とせず、最近は3回くらい切り直して
居ります。最初は、几帳面に必ず出かけお願いもしましたが、最近は
慣れっこになって電話で済ませることが多くなって居ました。

舐めた態度と見られてか、つい4日ほど前にも、調査が入りました。
しかし、収穫はなく帰署したのです。

「直ちに税務署に行って取下げをお願いしよう。駄目と言っても、
 せめて従業員の給料と機械のリース代だけはお願いしよう。
 潰す積りが、なければ聞いてくれるだろう。」
しかし、結果はどうお願いしてもNOです。
「倒産もして居ない会社を何で差押えたのか、理由を聞いてください。」

「調査に来た時に社長の私と話しました。
 その時に私は「この会社も売上が激減して、もう破綻も同然です。
 長い事は無いでしょう。」と口実に、こう答えたと云われました。
 私にも覚えがあります。経営者が倒産すると云った会社だ。
 残った資産が他の債権者に回らない内に、優先順位1位の税務署が
 頂くのは当然の話ではないでしょうか。と云われてどんなに頼んでも
 云うことを聞いてくれません。」

第三債務者の得意先にも、税務署に払わないで此方に払ってくれと
依頼しましたが何処にも体裁よく断わられました。
「そんなことして、税務署相手に。
 ばれれば怖いことは出来ません。」
社長のさりげない一言が会社を潰しました。

税務署の売掛金差押は良く経験します。
素早いです。
手形1回不渡りを出せば、税務署はもう行動に走っているみたいです。

詰り、売掛金の差押は、銀行は先ずやりませんが、
税務署はおかしくなると、有れば直ぐにやります。
この件については税務署は全く悪者呼ばりをされて居ます。

良く考えると此れは当たり前の事です。
売掛金は比較的誰にでも自由になる破綻者の資産です。
ですから殆ど倒産と同時に処分が決まってしまいます。
此れを狙う時は其の処分が決定する前に差押えないと
無意味な差押になります。詰り倒産前に仮差をするか、
倒産して誰も処分を決めないうちに直ちに差押え無いと
効果は有りません。

一方差押える方は、倒産前の仮差は道義上出来るものでは有りません。
誰が差押えるにも、破綻前後の極短時間しか差押が出来ません。
その時の機動力は銀行は税務署にはとても勝てないと思います。

世間体を考え、何でも本部にお伺いして決断する銀行に比して、
税務署は何処に幾ら売掛金があるかそれすら掴んでおります。
そして担当者が差押令状さえ切れば簡単に出来ます。

ましてや担保も無い税務署はこの回収が全てですから必死でしょう。

最近特に公租公課全般に回収がきつくなったような気がします。
「倒産した時は優先権の一番の公租公課が真っ先に頂こう。」
気の所為かこんな様にも思われます。
其れが「債権者は銀行と仕入先だけ」と考えて居る破綻者を直撃します。

そして、シナリオ外の不幸が訪れるのです。

多くは言いませんが税金だって誠意を持って払えない事を
ナットクさせるべきです。しかしながら、売掛金の殆どは
元来が仕入れ代金に回るべきものです。
「せめて売掛金の70%は差押禁止債権にならないかしら」
何時もこんな夢みたいなことを考えています。





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