中小企業にとっては保証協会は何より大きな力を持って居る。保証協会の保証が無ければ
中小企業の資金繰りは不可能だからだ。此処にソッポを向かれると銀行と当座取引も
出来ない。これ独占禁止法に違反しないのかな。
もう一つ同じような組織を作って競争させないと進歩が見えない。
勿論銀行は相手にもしてくれません。
そこでネットで多く見かけるビジネスローンやカードローンなど当りました。
効果は0ではありません。貸してくれる所も結構有るのです。
ただし、謳い文句のように300万も貸してくれるところは皆無です。よくて50万の話です。
しかし、借りて返す激しさに、直ぐに「これに嵌りこむと借金が増えるだけだ。」と気づいたのはよかったです。
Gの言う通り借りて払うのは禁じ手と悟ったのです。
じゃあ金利の付かない金を探そう。
彼は恥も外聞も無く親戚・友達・知人など回りだしたのです。
お坊ちゃん大学の為か、学友が意外に効果が有りました。親戚は駄目でした。
面子を捨て、毎月日繰表を作り、其の決済を追った生活が続きました。
目ばかりがぎょろぎょろ光る社長でした。お先は真っ暗です。
こうなるとGの口出しも減ってきました。たまに聞かれても返すのを止めるだけでした。
こんな状態が1年近く続いたでしょうか。
彼にも「投げ出す時期」が浮かぶようにもなりました。
丁度この時、新聞で県の中小企業支援の記事を見て、申し込んだのです。
何も無くて元々、何かよい事が有ればおお助かり、藁をも掴む気持ちでで申し込んだのです。
これが大きな転機をもたらしたのです。
此処が取り上げて、珍しい企業だと輸出振興部門に紹介したのです。
すると丁度タイで見本市を開くがコマが1社分空いている。それにと云うことで
トントンと無料で海外の見本市に参画できたのです。
これが当ったのです。オーダーには結びつきませんが、彼のところの引き合いが県関係では群を抜いて居ました。
県はすっかり気を良くして、続いて2段3段と無料で斡旋してくれたのです。
引き合いも受注に結びつくのが生まれてきました。
予想もしなかったタイからの受注が増えそうです。
折も折、1年前からのネットやDM効果が、漸く現れ、新規の得意さんからお声が掛かるようになりました。
2年目が終るころ、漸く営業が動き出したという感じです。
直ちに増員が必要です。
人材はGの読み通りでした。優秀な人材が直ちに集まります。
前に懲りて正社員・パート・期間従業員など分けて採用しました。
其処から、こんなに苦労するとは考えても居ませんでした。
部品集めが尋常では出来ません。肝心の資金面が全然立ち直って居ないからです。
確かに売上は増えつつありますから動く資金の量も増えています。
其れを売上に全て還元できれば良いですが、延ばしきった旧債のためにも使用が必要です。
日繰表は半分以上が相変わらずマイナス残です。
1回、2000万ほどつぎ込めば、やりくりを殆どせず回ります。
以前は其れすら見えなったのが今はそれが見えるだけ良くなってきたのかも知れません。
今迄に伝手と云う伝手は全て使い果たしています。でも何とか融資してくれる人を
探したいのです。
最初Gに合ってから3年目が過ぎ様としいます。
こんな一日、久し振りに彼とGとが真剣の面持ちで話し合っています。
やがてGは席を立ったのです。
「いつも君に言って居るだろう。借りては駄目だ。返済を延ばしなさい。
投資する人を私に探してくれと云う君の気持ちは解かるさ。でもまだ此の会社は投資の
対照ではないよ。投機までも行かない会社さ。
私には自分を含めて協力者を探す事は出来ないね。苦しくても今を続けよう。
でもね、今でも少しづつは良くなって居るよ。私は残高しか注意して居ないが良く解かるよ。もう少しの頑張りだよ。」
資金繰りに疲れ果てた彼がGに、長期融資か投資をしてくれる人の紹介を依頼したらしいです。ピタッと断られたのです。
その後、Gと彼とのやり取りは途絶えたみたいです。
彼の苦労だけが続いていました。
1通のメールがGを狂喜させました。そして安堵しました。
「便りが無い事は無事と云うことさ。」思っていてもいつも頭から外れません。
彼からのメールでした。
添付された日繰り表にはマイナス記号が一つも有りません。
良くなった事が一目で解かります。
Gの言う通り、借りる事は考えずに繰り延べだけで乗り切りました。
幸い新興国の注文に救われ、利益も出て、旧債の返済も進みました。
公租公課は勿論、溜まって居た経費関係も、あの時に借りた学友からの借金も返し終わり、
後、人件費のみになりました。金利が付かない借金ですからつい遅くなりましたが
来年中には綺麗になります。今後は発展途上国が主になるとは思います。
経営の有り方について何か一寸つかめたような気がします。
もう少し基盤が出来ましたら改めてお伺いいたします。
彼、最初に言った出世払いでよいよ、「額は任せるよ」と云った言葉を覚えているかな。
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担保余力の見込まれる不動産。ついに保証協会が口を出してきた。いままでの経験で
これが銀行ならば何とか全て逃げ切ってきた。ただ保証協会となると違う。彼らの不動産
知識と数字的な読みはプロの不動産業者でも敵わない。私も詐害行為取消しで何回負けているか、今回も不吉の勘がする。
「貴方は他所で事業をして居る。」他の債権者の誰も知らないことを言い出した。
「和解するならば1000万にはなりますね。」
譲渡されるやいきなり債務名義を取ったサービサー。高姿勢で迫る。
それにしても解かる筈の無い事業の件。サービサーはどうやって知ったのだろうか。
妻の希望で高目の35年の住宅ローンを組んだ。債務は連帯債務とし、名義は8割が妻。
妻の事業が失敗し、ローン支払いが困難になった。賃貸に変更と思ったが、処分しても
多額のローンが残る。両方の支払はとても無理。破産も夫を巻き込む。
こうした仕事を無崩図と云う。女に多い。
非常に不本意だが破産を覚悟して居た。
飛び込んだ弁護士は皆破産しか無いという。友達にも打ち明けた。これも破産だった。
最後に30年付き合っている税理士の前で、無念と泣いた。
「知って居る人を紹介するよ。破産を絶対に薦めない人だ。債務を整理しながら立て直しを アドバイスする人ね。費用は要らないよ。」
仮に費用といわれても1万円も無かった。
「これ、資金繰り表?」
Gも驚いた。出された資金繰り表は日繰表だった。
出金ばかりで入金が無い。
経費ばっかり掛かっているが、従業員等も一人も解雇して居らず、仕事が無い会社に出社
して居るらしい。
聞くと、此の会社は優秀な技術をもっており、いままでは営業は全然しなくても仕事が舞い込んできたらしい。
リーマンショックの影響で仕事が減っては居たが、1年前には丁度経費1年分の現金の蓄積が出来ていた。
それで安心していたら、昨年は僅かな定例的の注文の他、本目とも言える注文は1件だけ、其処から入金が有ると後は大きな入金は、当てがない。
しかも、其の材料の支払手形は、来月中旬に回って来る。
いかに2世で人の良い社長と云えど、これじゃあ破産しかない。
「私、初めて気付きました。折角の親父からの会社、私はどんな事が有っても守りぬくべ
きです。それにうちと同じ技術をもっている会社は此の辺りには有りません。従業員も
そう育てて来ました。昨年1年も仕事こそありませんでしたが、画期的の発明もしていま す。そうしたものを残さないと。」
「私は弁護士では無いから直接交渉はできないが、貴方と綿密な連絡は取れる。
その指示通り動いて欲しい。
あなたがその気になれば大丈夫。此の会社持ち直すよ。」
「あのう お礼はどうしましょう。」
「払うお金も無いだろう。何年後でも良い。出世払いでよいよ。額は任せる。
ただ、そんな事を気にせず連絡だけは密にね。」
Gの指示は矢継ぎ早で、きつかった。
先ず支払いのストップだった。給料も公租公課も全部止めた。
そして来月の手形決済に備えた。一方ではその手形もジャンプを依頼。殆ど成功させて
居る。
支払保留も手形ジャンプも、何回も経験しているGの言い訳は案外すんなり通った。
此の事は彼にも影響した。
絶対駄目だと思って居た会社が何とか持って居る。やりように拠れば会社って続くんだ。
次にGは第1次とし半分以上の人間を解雇させた。
給料も解雇手当も払えない。会社が立ち直った時と云う条件だ。
彼は「人は宝だ。我が社のノウハウを詰め込んでいる。其の人たちが止めれば万一の
技術の売りものが無くなる。」
しかしGは耳も傾けず実行させた。
以外に抵抗は無かった。
解雇される者も、○絶対に潰れると思って居た会社が、何か気違いじみた事をやっていると思ったのだろう。
渡してもらえない解雇手当の支払いだけを念を押し会社を去って云った。
これと同時にGはホームページを改良した。
そして少量のチラシをパソコンで作り、DMもさせた。
注文は自分で取らなきゃあ入っては来ない。
特に最近の開発の「スプリング分配器」は市場を驚嘆させることを祈った。
如何に注文が無いといっても半ば固定化した注文があった。
Gは先ずこれで工場を繋いでいくことを考えた。
悪くても月に1つや2つの普通の受注は有るだろう。之を何とかこなして、今回払わなかった支払いをしていけば、兎に角会社は回るのでは無いか。
多少擬古付いても1年くらいで何とか会社らしくなるのでは無いだろうか
此の読みはガラッと外れた。
Gとも有ろうものの読み違いだった。
Gが今回取ったやり方は、棚上げしたした債権は一つも無かった。
次回の注文で払っていくと云う完全な前倒し方法だった。
会社が黒字体質で、売り上げがそれ以上有れば、借金を払いつつ会社は回っていくのでは
無いか。
技術が確実ならば必ず注文がある。Gの信念だった。
当初の1-3ヶ月の滑り出しは順調に進みました。
が、売上は予定通りでは有りません。其れを調整して支払っていましたが、半年を過ぎると如何せん調整も効きません。
ここからが本当の地獄だった。
此処へ来て、Gと彼との意見が少しでも食い違いが生じてきた。
あれほどGの指示に忠実な彼が、Gにやり方に自分を加えて来たのです。
彼は何回も支払延期を依頼する事は出来ない。借金をして少しでも計画通り払ってやる事が必用だ。
と云う意見に対してGは借りて払っては絶対に駄目だ。兎に角相手を口説いて待って貰うより他、手は無い。
それに従業員は一旦解雇はしたが、まだ多すぎる、さらに半分しよう。
此の地は大企業が3社も人員整理をして居るから、万一必用な場合はハローワークで直ぐ
対応が出来る。後の事を心配せずに解雇しなさい。
実質的な状態は一斉に支払中止をした時より更に悪くなっていたと考えられます。
でも破産せず何とか生き延びています。
破産しか無いと思って居たこの会社が、3年後すっかり生き返ったのです。
その様子を次回のブログでご紹介します。
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信金の貸付が、今回も書換えは必用だろうと、来月の書換の前に呼び出しが有った。
今迄通りと書類は出来ていた。信金の係りはぼやいていた。
「今迄にこんなに倒産がが多いことを経験した事はない。アベノミクスなど、近県には無関係だ。」
予想通りの世間の動きだ。でもマスコミは何故騒がない。
不良債権となった中小企業の債権者には必ず保証協会がある。
巷間に流れ飛ぶ「保証協会ならば月10000円払えば十分だ。」という噂。
どうしても払えない債務者にやむなく協会が取った処置。
成功したところが自慢したさに言いふらしただろうが、こんな噂こそ立たせたくない。
面白半分の噂。後が怖い。
調布に住み始めた頃、天神様のお祭りと云うとたいしたものだった。
何処の家庭も正月に劣らないご馳走をつくり、近隣の知人を招いた。
今のお祭りはそんな楽しみはない。ただ僅かに神輿が天神様に流れ込むのが其の名残だ。
其れも良いが、こうして1年毎、産土神が離れ、地元の寄付に化けていく。
保証協会。どうしても担保不動産が売れない。昨年の四月からだ。
売値を下げたが引き合いすらない。保証協会は1年待ったが1年過ぎたら競売と云う。
それが遅れに遅れて8月、漸く申請書を出したばかり。之を売れば残債は消える予定だった。
競売で何回も売れ残ると残債も残る。悔しい。