かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

詐害行為を恐れるなと云いたいが

2010-05-31 | 事例
相談者は自宅を持って居ます。
ローン中ですが担保余力があります。
「結婚20年の恩典を生かして妻に贈与します。
 税務署だって認めているんだから当然守れます。」
こんな考えの人によく会います。
私もそう思って居ました。しかし敗れたのです。

Kの屋敷は200坪。立派なものです。
約100坪ずつ2筆に分けました。一方は建物があり、一方は土地のみです。
そしてKは自宅を丁度結婚25年に成る妻に贈与しました。
この年に子供も大学を卒業します。
長年の妻の苦労に応えた贈り物です。

一方は、これを担保にして親戚の叔父から3000万借りたのです。
そのお金は直ちに会社に入金し、商品の決済に回ります。
借りた事も、それを会社に回した事も、そして会社が決済に使った事も、
お金の流れは通帳が証明します。

これから3ヶ月後に会社は不渡りを出して居ます。
Kの兄の会社で彼はNO2の常務職。兄と違って銀行は人的保証だけで
物上保証はして居りません。
Kが遣ったことは、不渡りを予想して自宅を守るための工作でした。

異議を申し立てたのは保証協会でした。
Kの保証人には間違いないが、何も払いたく無いと云う姑息の態度も
保証協会を怒らせたと思います。

詐害行為取り消しの訴訟を起したのです。
当然に裁判に成りました。

Kは3ヶ月前、登記をするときには裁判を予想していました。
どちらかでも助かれば大出来と考えていたのです。
だからこそ2通りの方法をとったのです。
しかし両方とも敗訴でした。

証人の妻は訴えました。
「この家を私の名義にすると云うのは、早くから私と主人の約束です。
 子供が社会に出たらそうしようと云っていました。会社のことは全然知りません。」
これに対し、
「会社のNO2常務の奥さんが会社の危機を知らなかった筈がない。
 必ず話題には出て居ります。この贈与は保証人の責任を逃れる為に
 遣ったものと思われます。」

絶対勝つだろうと思って居た、84際の叔父は証人台でがたがたでした。
実は3000万は事前にKから渡されていたのです。Kの指示通り通帳も動かしました。
しかし、相手はそのお金をどう調達したかをつついてきたのです。
「Kがお金を借り、それを会社に入金した。会社は其処から
 払っていることには間違いない。が何故、叔父が直接会社に
 貸さないでKを通したか、兄と叔父とは親しい仲なのに
 わざわざKを通す必要性が疑問である。叔父のお金の調達を
 含めて全体から見ると非常に不自然である。」
叔父も妻もこれ以上の証人を拒んだために、上告は止めました。

「税務署だって認めたでは無いか、妻に贈与すれば自宅は安全だ。」
と信じている人は意外に多いものです。この裁判は参考になりました。
税務署は何も認めて居りません。ただこの贈与には恩典を与えているに過ぎません。
使途がはっきりして居り、お金の流れがしっかりしていると訴訟になっても
大丈夫と聞いていました。裁判の敗因は想定外の事でした。

中小企業が詐害行為で訴えられるのは殆どが不動産に関してです。
今までに何回もあります。殆どは此処に書いた例よりも単純な原因で
名義変更などをして居ります。
ですから、裁判で勝ったという例を知りません。
銀行との争いで、不動産の詐害行為の争いで勝った例があれば是非とも知りたいものです。

不動産以外のことでの詐害行為。
殆どの人が心配するのが第2会社設立に関してです。
詐害行為となり、第2会社の営業が認められなかったり、
第2会社が債務承継を強要されるのでは無いかと心配します。
しかし、こうした事業再生のための詐害行為取り消しの訴訟はまだ経験がありません。
仮に銀行が勝ったとしても、不動産の様なはっきりした効果があるわけではありません。
そんな訴訟は、銀行もサービサーも遣らないのでしょう。

詐害行為。
余程のことでなければ、取り消しだけで、刑事問題にはなりません。
やらなければ、むざむざ全部が取られます。それならばやった方が良いでしょう。
いや遣るべきでしょう。
万一負けても経費が損をするだけです。
詐害行為に成るか成らないかで悩んでいるより、遣るべきでしょう。

しかし、それにしても、余りにも単純で、裁判に成る余地が無いものが多いと思います。
こんな相談は士業の方には出来ません。
自分で考えることです。


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これで自宅は大丈夫か

2010-05-28 | 事例
自宅。私は主人と一緒に保証して居ますから私の名義にしたのではいけません。
一人娘に名義を変えようと思って居ります。

ローンが1600万残って居ります。固定資産税の評価額は確か1200万くらいと
思って居ましたから贈与しても無税の筈です。
これが大間違いでした。

事前に税務署に聞きました。
「ローン付きの贈与ですね。負担付贈与と云うんです。銀行が良いと云えば
 勿論税務署だって異論は出来ません。贈与税は掛からないでしょう。
 しかし、以後のローンは娘さんが払うわけですから、きちんとお金の出所だけは
 教えてください。参考ですがローンはあくまでご主人が払うのでしたら、
 不動産は贈与になります。この場合は、贈与税を払ってください。」

銀行に聞きました。住金の答えです。
「娘さんの所得はどのくらいですか。300万?それならばローンの切り替えも
 出来ると思います。」
しかし第2抵当で、リース会社からも借りて居ります。
「当社はローンの切り替えは出来ません。あくまで当初のご主人が払ってください。
 自宅の名義を換える事は、娘さんが保証人になって頂ければ構いません。」

私、所得と収入を同じに考えていました。その収入も実績でなくて今年の見通しです。
音楽塾の教師で、昨年は200万以下でしたが今年は掛け持ちがありそうです。
しかし、一箇所のローンは駄目と言うし、娘に負担付贈与をする事は諦めました。

普通の贈与でしたら贈与税が300万以上かかりそうで、かつ詐害行為にも
なり易いだろうだって。娘を利用して自宅を守る術はなさそうです。

自宅にはローンしか担保は無いものの、事業借りれは多いです。
保証協会は毎月2万で話がついたものの、自宅を担保にと一寸言葉が出たことがあります。
信金プロパーは300万の請って居ますし、カードローンはみんなで1000万以上です。
いずれも自宅を狙って居ると思うと気が気では有りません。

珍しく、この場所は近くの不動産業者に言わせると2000万位はするだろうですって。
2軒に聞いて同じ事を云われましたから、間違いないでしょう。
ローン残が1600万。400万を狙ってどこかが差押さえを遣って来そうな気がして夜も眠れません。

ある人からそんな場合は担保をつけて、債権者が仮に差押えても取り分が無い様にすると
無剰余と云って裁判所が競売の取り下げを勧告するのですって。
詐害行為を注意して遣りなさいと薦められました。
お金の授受、使途を明確にして、実際に金銭を動かせば、先ず大丈夫だろうと聞きました。

親戚に頼んで700万担保をつけました。現金も動かしました。
こんなにお金に困って居ますから正当な理由を考えるのに不自由はしません。

これで一時安心しましたが、ローンは毎月減っていきますから、
4-5年でまた差押さえが可能になるでしょう。
しかし、同じ繰り返しは何回も出来ません。
やはり名義を換えるしかありません。

私に代えるのが一番良いと思いますが、私も会社の保証人です。

そうだ。私が破産をすればよい。
しかし経営者が保証債務で破産をするときは会社も破産をしなければならないですって。
そうなれば夫の名義でも、自宅も取られるでしょう。
会社は破産せずに、私だけが破産が出来ればいいんです。

何人も相談しましたが、どの弁護士も、私と主人と会社の破産を薦めます。
勿論その時は、自宅も手放さないとなりません。
漸く一人の弁護士が、「1年以上かかります。多分奥さんが破産が出来るでしょう。」と云ってくれたのです。
先ず債権者に弁護士介入の通知を出し、請求を逃れて、ひたすら待っていました。
破産ができたのは今年の2月です。
最初は裁判所も駄目だといったのが弁護士が何とかお願いしたみたいです。
尋問が2回ありました。
そして破産申請は受け付けられました。
費用が全部で20万だったのが助かりました。

そして3ヵ月後の5月、私は名義変更をしました。
20年以上連れ添った配偶者に自宅贈与の特例が聞いて贈与税はかかりまっせん。
詐害行為の訴訟さえなければ、ローンを払っていれば何処にも取られません。

今はまだ、親戚の担保は生きて居りますから無剰余です。
2-3年後には担保余力が出ると云っても、ローンの支払い分だけですから、
本当に僅かです。こんな物件、誰も詐害行為と云っては来ないでしょう。

そのうち、何も弊害が起こらないようになれば、主人も破産をします。

私の遣った事、必要だったかわかりませんが、此処何年も悩み続けたことが
解決して本当に良かったと思って居ります。


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資金円滑法下の中小・零細企業 四方山

2010-05-25 | 事例
もうモラトリアムと云う言葉を殆ど聴かなくなりました。代わりに資金円滑法と云う言葉が聞かれます。
資金円滑法で中小・零細企業の資金は回るようになったのでしょうか。

相談の電話が減りました。
私のところばかりでは無いようです。
少なくてもコンサルト仲間に対しては激減しているみたいです。
今までの相談の本命はリスケでした。
それがスムーズに自分で出来るようになったのです。
相談する必要もありません。

出来たばかり、12月や1月ごろはまだ ぎぐしゃく したところがありました。
一番多かったのは次の2点です。
「今まで未払いの金利だけは払ってください。」
「保証協会が追加の保証に成ります。保証料の前払いです。」
これが簡単な金額ではありません。
特に保証料には泣かされました。

しかしこれもつかの間、そのうちに、この2点を企業が未払いのまま、
平然とリスケをするようになって居たのです。
企業は無借金と同じような感覚です。
そんな企業はもう資金繰りで騒がなくなったのです。

それでも4月頃になって、遅れている金利と保証料を返済する計画を
出してくださいと銀行に云われ慌てふためいて居る会社もありました。
「払えないから仕方ないだろう。」
返済する姿勢が見えません。
半年前まではこの様な会社は直ちに期限の利益を喪失されたものです。

資金円滑法と云っても徳政令ではありません。
返済する気持ちは大切と云うことを忘れたみたいです。

円滑法が出来ても、その適用に強敵が二つありました。
一つは貸金業者。カードキャッシングもそうです。
もう一つはリースでした。
貸金業者・キャッシングローンなどは、以前から減額要請には応じてくれて居りました。
弁護士など依頼しなくとも、自分で勇気を出して交渉すれば、以外に減額には成功したものです。
気のせいか、それがもっと柔らかくなったような気がします。

しかしリースは相変わらずでした。
以前から、リースの元金低減の要請はなかなか相談には乗って呉れませんでした。
たまに成功もして居りますが、その難しさは並大抵ではありませんでした。
それすら通産大臣の業界えの要請で柔らかになったと聞きました。

何のことは無い。
「借りたお金は返さなくてよい。」と云う時代になってしまったのです。

最近ただ1軒返済でもめた例がありました。
濃尾地区の信金です。
今頃全く珍しい受注担保の融資です。受注先ら半分は信金に振り込まれたのですが、
半分は他行に振り込まれ、それを使っちゃったのです。
「詐欺だ。全額払ってください。出来ない場合は、今後は取引できません。」
銀行の言い分に非はありません。
若し、変な気持ちを出さず、最初から銀行に事情を打ち明けて使ったならば良かったでしょう。
黙って見え透いたことを遣るから銀行も怒ります。

一ヶ月経ちました。
あれだけ怒って居た銀行は何も言って来ません。
当人は「こんなご時世だ。そりゃあ私はものすごく信用は失いましたが、
今までの金利を持って謝りに行けば必ず許してくれますよ。」と云って居ますが、
そうなるかも知れません。

しかし、これでもまだ、銀行は返済元金を低減すると信じない人が結構居ります。
一旦元金を低減すると、もう銀行は金輪際貸して呉れないと信じて居ります。
そして現在、零細企業の再生なんて絶対に出来ないと信じて居ります。

「あのダイエーですら、経営者とも何処かに消えちゃいましたね。
 ましてや2-3名の零細企業の再生なんて出来る筈が有りませんよ。」
彼等の信条です。

そして急激の景気の好転を夢見つつ、借りてでもして、銀行返済を続けて居ります。
借りるのが底を尽いたら、潔く散ろうと思って居るのです。

そうした人は、どんな倒産がよいか の相談をしてきます。

そんな方を時間を十分にかけて再生に意欲を燃やさせる
それが私の仕事と思って居ります。

資金円滑法と云っても、返済が非常に緩やかに成ったというだけで、
本業の売り上げが増えるわけではありません。
しかしそれでも随分違います。
本業に専心出来るからです。

アメリカの景気は、復活し始め、また円安傾向が始まって輸出は黒字を
取り戻しつつあります。
資金円滑法は後1年、おそらく時限立法の延長はないでしょう。
そんな短い中でも十分に生かしたいと思います。


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店を守り損ねた女

2010-05-22 | 事例
その時、M子の顔が非常に暗かったのを覚えて居ります。

借家が競売になりました。
殆ど同時に、家賃の差押さえまであったのです。
「家賃をどうすれば良いか、立ち退きする時に立退き料が請求できるか。」
今日、コンサルタントを呼んで相談したのです。

コンサルタントは謄本を見てびっくりしました。
普通、貸家は建築するときに銀行融資を受けますから、賃借権より、
抵当権のほうが早く、何についても優先権を持って居ります。
そうなると。競売で落札すれば6ヶ月以内に立ち退かなければなりません。
勿論立退き料など請求できる権利もありません。
落札者が引越代としてごく僅か、包んでくれるのを頂くくらいです。

この家も確かに融資した銀行が直ちに抵当権を設定してあります。
M子はそれからの入居です。

しかし、謄本を見ると、大家は借りたお金が払えなく、途中でこの債権は
担保ごと、取立て業者に売られて居ります。
その時に普通は競売で担保を処分しますが、何故か、抵当権を一旦解除して、
新たな業者が付け直して居ります。

つまり、このためにM子の賃借権が抵当権に先立つ強い権利となったのです。

M子は家賃を払っている以上、何時までも此処をお店として使えるのです。

もう一つあります。
最初借りた時、35万だった家賃が何時の間にか15万になって居ります。
そうなったから、5ー6年経つと云って居ります。
白蟻が出ると大家に文句を言ったら、一応駆除はして、かつ15万に
してくれたらしいです。家賃は半年後と見直すと一筆ついては居りますが、
それによって値上げや元に戻った形跡はありません。

万一競売で人手に渡ってもこの家賃はそのまま踏襲されて、
一時に急上昇することは出来ません。
また、落札者がM子を立ち退かせるには、土地代の借地割合分、
それと営業補償まで含んだ立退き料を払わないと纏まらないでしょう。

「だから持ち主がどう変わっても平気です。この不動産の権利は
 60%以上、M子さんのものです。ただ家賃だけは払ってください。
 払わないとこの権利を失うことになります。」
喜ぶと思ったM子の顔が以外に暗く、コンサルタントは疑問に思ったことがあります。

今回の競売はM子の店の周辺の大家の土地は全部競売と成りました。
自宅あり、マンションあり、貸家あり、種々雑多です。
駅から300m、駅の裏口とは云え、開発も進み、ビルも立ち並び、絶好な場所です。
賃貸人が複雑のせいか、開始決定から1年になるのに、競売調書はまだ出来上がりません。

郷土料理で売ったM子の居酒屋も結構繁盛して居ります。
250㎡の土地と、平屋の建物です。
転貸しも可能条件ですから、M子が収益物件に建て直すと最高の物になりそうです。

しかしある日、M子は突然店を出ました。
一人者でした。そのねぐらが何処か、知って居る者も居りません。
決して競売に成っても心配ない。逆に裁判所が保証したようなものだと
いって居たのにどうしただろう。

それからまもなく競売調書が出て関係者に競売通知が届いたのです。

この中に「私は2億円が大家と連帯債務者になっている。しかしこれは
私に無関係な事で意に反して署名させられた。」と述べた記録がありました。
これが家出の原因か。何故そんな署名を。大家は40台の独り者。
まさかM子と男女の中になったのでは?
なお19ヶ月家賃不払いの事も知りました。私と会ったとき、
既に10ヶ月近く不払いでした。
もう自分には強い賃借人の権利はないと思ったのでしょう。

あの時M子が全てを隠さず云ってくれればそれなりきに答え、M子の利を
考えたのですが、コンサルタントはそんな事予想だにしませんでした。

それが暗い顔の原因でした。
「保証人ならばともかく連帯債務者と云うのはどうもおかしい。
 M子にその見返りは何もないではないか。」
コンサルタントは感じるだけです。

競売は強い賃借人のM子が占有して居るものとして行われます。
場所的にはよいところですが、そんな事情ですから価格も安いです。
それでも、入札はあり得ないでしょう。

経緯を知っているものは居りません。
コンサルタントは自分で入札を考えて居ります。


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生き抜く男

2010-05-19 | 事例
最後の50万でした。
振り込んだときは一時虚脱状態になったほどです。

これで自宅と工場を守りました。

彼が12億の債務を抱えて不渡りを出した時、知って居る人はみんなが彼も
終わりを囁きました。しかし彼は法的整理は勿論、債権者会議すら開かず、
担保は他は手放しましたが肝心の自宅兼工場は守り通したのです。

土産物を中心とした月商4000万の製菓工場。
卸だけを遣っていればよかったですが、観光地の
この島に大きな土産物店を作ったのです。最初は思惑も当たったのですが、
高速道路が出来、 この島を通りすぎるバスが圧倒的に増えました。
これが倒産の原因です。

彼は債権者会議をせずに、仕入先には文書を流し、1軒づつ謝って回りました。
これが一番効果ある方法と考えたのです。
中には破産を薦める人も居りました。破産などすると工場は直ぐに取られれるし
今後の生活の宛てが有りません。第一、いくら掛かるか、破産の費用すら残って
居ないのです。

よくしたもので、2月(ふたつき)もするとほんの1部を除いて責める人も無くなり、
月末に支払えば、掛けで品物を出してくれるところも現れたのです。
「払えなくなった時に、法的整理も債権者会議も不要だ。
 誠意をもって謝れば人は許してくれる。」
実戦からの彼の信条です。

仕事は、以前作った別会社を利用します。

別会社は今の工場を利用しなけば稼動しません。
しかし銀行には返済もして有りませんし、買戻しも出来ません。
3年目、ついに信金は一斉に担保の競売をかけて来ました。
この物件の競売価格は8000万です。

地主、7人の借地に建てた工場。隅にちょっぴり自宅もあります。
継ぎはぎながら敷地面積1000㎡の3階建てです。しかし消防法に
違反して3階は立ち入り禁止です。
地理的条件も悪い所、使い方に困る建物です。
そんなためか競売は入札者なしでお流れでした。

銀行は此処で競売を取り下げました。そして1年後、また再度競売にしたのです。
今度は2700万です。前回2億2000万の土産物店も1億4000万と下がっていました。

「こんな物件、たとい只でも売れないだろう。しかし中には見ず転で買う馬鹿も居る。」

「別会社が買います。ただし支払いは50万の分割で5年間で願います。」
それで競売の取り下げを交渉したのです。

その50万が漸く払い終えたのです。もうこの物件は誰にも取られません。
別会社が仕事を遣って居ますからもう安泰でしょう。

信金も保証協会も直ちに担保解除すると彼に通知をしました。
が、彼はそれを拒みました。別会社の万一の事があった場合、
工場の名義は今のほうが安全と思ったからです。
抵当権者は何も出来ないし、他人が押さえても、無剰余になる事は明白だからです。

別会社も5年前の創立当時に比して、売り上げは格段に下がっていたのです。
名義も換えず、そのままにしておきました。信金も保証協会も何も言って来ません。

別会社には銀行の融資はありません。
彼は銀行の変わりにパートの給料を利用して居ります。
仕入れ代金は遅らせると、直ちに業務に影響します。
パート代金ならば遅れても説得できます。
と云っても、次第に未払い賃金が溜まり、このころは従業員40名の会社で
2000万の賃金の遅れを生じていました。

最初は退職者に対して、きちんと清算しましたから、パートも騒いで居りません。
社内預金のつもりだったでしょう。
しかし平成9年の秋以降、急速に未払い金は増加して居ります。
さすがにパートのないこの地方の人たちも堪らなくなって会社を辞め始めました。

そして一人が支払い督促の訴訟を起すと、それに付随する人も増えたのです。
勿論裁判にも出席しませんから直ちに敗訴です。
でもパートは債務名義はとっても差し押さえるものがありません。

パートたちは団結をし、共産党の市会議員を依頼して彼の工場に乗り込んできたのです。

国税に売掛金を残額差押えられたときも、保健所から、一時製造差し止めの
通知を貰ったときもあわてず、全て乗り切って居ります。

今度も売り上げが伸びていくならば困りません。
どうにでも説得できますが、大幅な減少が予想されます。
忘れていた破産を思いだしますが、今はその費用が全然ありません。

同じで亭主の顔まで思い浮かべるパートです。
力で押すならば自信がありますが、それも出来ないでしょう。
どんな乗り切り方をするか見守って居ります。


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競売価格 3題

2010-05-15 | 事例
*4回目の競売
「2回目は競売でも特別売却でも売れませんでした。」
その物件が3回目の競売です。

固定資産税評価が1200万の物件、こうなるとは夢にも思って居ませんでした。
北陸の中堅都市です。
当初は買い戻しに夢中になって金策をして居りました。
銀行も資産税評価の1200万ならば良いとの事です。
せっかく探し当てた任売の顧客、金策など協議中に競売開始です。
競売価格を見てからと商談は1時延期です。

なんと460万。
予想だにしない低価格です。
現状調査報告書にも、物件明細書にも引っかかって来る文句はありません。

「入札価格が特に難しい」など云っているうちに入札、驚いたことに
特別売却でも売れません。そして、その4ヵ月後、2回目の競売です。
前回の70%まで下がると聞いていましたが、なんと276万。6掛、4割下がりました。

任売で買うと云って居た人も気味悪がって入札しません。
2回目もお流れ。
今が3回目です。
価格は165万。

子供たちも欲しがって居たのですがこうなると、「あそこは買い戻しても、
特に使わないし、収益物件にも成らないから要らないよ。」と言い出す始末。
物件を見に来る人も居ません。

ひょっとすると3回目も流れて今度は100万で4回目があるかも知れません。
其の4回目も流れればどうなるのでしょううか。

4回目を流れると競売は裁判所の権限で取り下げになると聞いていましたが、
本当にそうなるでしょうか。でもよく考えてみれば、たとい只になっても
私も要りません。資産税を毎年20万づつ払うのがもったいなくなりました。

*不整形にして大幅減価
2000㎡の中に自宅あり、収益マンションあり、借家もあります。
裁判所も一括では売れないし、価格の算出も難しいです。4区画に分けて競売です。
道路から奥まった自宅は、前に貸家があり、それぞれ別区画です。
両隣がマンションと貸家群、その4区画です。

自宅と前の貸家は、二つ合わせれば矩形のよい形に成りますが、別々にした時は
境界線が入り乱れ、両方とも長方形を ちぎったような不整形になってしまいます。

両側にマンションと、別の貸家群があるのですが、自宅と間の貸家は時価単価が、
それに比して2割も安いのです。

一括競売ならば、同じ時価単価であったでしょうが、たまたま分割競売の為に
妙な単価の違いを生み出したのです。購入者にとって見れば、両端に比して
時価が2割も違いますから非常なお得と成ります。

こんなことが日常平気で通るならば、大きな土地を競売にして買い戻す場合、
分割して、その地形をジグゾーパズル見たいに分けて、複雑な使い難い物に
すれば、価格は2割さがるのでしょうか。買戻し作戦に利用できます。
納得できない価格決定です。

*不審の占有減価
同じ物件ですが、自宅の前の貸家と横の貸家群と別区分の競売です。
貸家群の価格の算出は普通の計算です。
古くからの賃貸で契約更新が買受人に優先する人も何人も居ります。
ただし、貸家のためか、その場合でも占有減価はありません。
一般の不動産と同じような査定になって居ります。
古くからと云っても、家賃は絶えず時価にあわせて居ます。そのためもあり、
占有減価を計算して居ないかも知れません。

不思議の事に、大家前の貸家はそれに比して4割の占有減価をして有ります。
この家は不整形で安くなった上に、占有減価で4割安くなって居ますから不自然の
価格です。

しかしほかを占有減価せずに、何故此処だけをしたのでしょうか。
他の「強い賃借人」と比較しても違いは有りません。

ただし調書を丹念に読むと此処の賃借人だけは調査に協力的とでも言いましょうか、
切々と調査官に訴えて居ります。
水周りなどの不具合、安普請、白蟻に侵されるなど、如何に悪い物件かを訴えて、
それでも自分は此処で商売をやっていくより仕方無いとアピールして居ります。
若い水商売の女です。
「それなら自分で此処だけを買い戻しなさい。」と調査官の人情が
表れたような査定となって居ります。そうとしか受け取れません。

こんな場合、物件明細書でその理由と是非とを示してもらいたいものです。

最も公正公平な競売ですら、解らないことが多くあるものです。


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銀行やサービサーは何処から掴む個人情報。

2010-05-12 | 事例
京都の銀行が、福島市にある地方銀行の個人口座を仮差しました。
此処に振り込まれたであろう生命保険金を差押えるためです。
4000万の保証金を積んでですから、銀行も真剣です。
結果は失敗でした。遺族は前々日振り込まれた保険金1億を前日現金で降ろして居ました。

押さえる方も押さえられる方も、京都が住居です。何で福島の銀行が、
其れも1行だけ的を絞ったのでしょうか。

M子の夫が急死しました。多額の保険に入って居たことは、
銀行も決算書などから知って居ます。
「社長が亡くなれば、この会社は潰れる。保険から回収するしかない。」
こう決めた銀行は葬儀が済むと直ぐに交渉ヲ始めたのです。
M子は「他の事も整理しますから其れまで待って下さい。」云いましたが
銀行は承知しません。
他に保険金を支払われては銀行の取り分が減ります。
「銀行はこの会社を潰すつもりだ。」
M子は此処で銀行に敵意を抱き、保険金を先ず完全に自分で掴む気になったのです。

福島は、家を継がず大手企業に就職した長男が4年前に転勤した場所です。
2年間居ましたが2回ほど、差押さえた銀行から送金して居ります。

銀行は葬儀から20日位後の手形貸付の切り替えに応じず、仮差の理由としたのです。
それはM子側の読みになっていました。保険会社に頼んで其れより早く給付を
依頼していましたが思うように成らず、丁度、時が同じ頃になってしまいました。

最初、保険会社と京都市内の銀行しか差押えなかった銀行は、空振りと成るや、
その3日後には福島の銀行を仮差したのです。
前々日に保険会社から振り込まれ、前日全額下ろした後でした。

大難は逃れたものの、何で銀行が福島の銀行を知って居たのかと云う疑問が湧きます。
差押命令書を見ても追加差押さえはこれ1行です。明らかに狙って居ます。
3-4年前の2回の小額の振込、これしか考えられません。
振込先の登録はしなかったつもりです。
よしんばしてあっても銀行の執念には驚きます。
1度銀行に与えた情報は、銀行は決して捨てないでしょう。

話は変わります。
Sはサービサーの担当と和解する事で合意しました。
「稟議を回します。10日くらい待ってください。」
ところが10日過ぎても20日過ぎてもOKに成りません。
OKとなったのは1ヶ月以上過ぎて居ました。
「何故こんなに遅れたのですか。」
担当は気さくの人です。
「貴方の自宅、世田谷の1等地でしたよね。買戻したのは姉さんの夫の兄弟ですね。
 お母様は今でも其処にお住まいですね。其れが引っかかったのです。」
買った人は住所も苗字も違う人です。
何でサービサーがこんなこと知っているでしょうか。
「いや簡単です。謄本は何の謄本でも誰でも何処でも自由に取れますから、
 これを追えば相当なことが机に座って居て解ります。」

これが銀行やサービサーの調査の基本らしいです。基礎的な事は全て解ります。
興信所を使って調べる事はしません。

銀行の場合はそれに、自分が取った情報を加えます。
何かのときに聞いたり、または提出させた資料が情報源です。

普通は銀行は隣同士になって来ても、情報の交換はしません。
だから何行も絡んだ不良債権が発生したときなど、情報が少ない銀行から
「幹事行を決めてみんなで討議しませんか」なんて提案もあります。
そんなこと決めても整理が纏まる筈が有りません。各行の情報が他行にわかるだけです。
絶対に幹事校を決めてはなりません
税務署も含めて、みんなの情報の交換は無いと信じても良いです。
ただ仕入先同士は若干違います。
銀行も此処から取る情報は結構あります。

ですから謄本(人と不動産と会社)から解ることは、銀行やサービサーに
隠しても無駄です。真実を教えましょう。
注意することはそれ以外のことですい。
銀行が知って居ることは、以前自分が必ず洩らして居ります。
これが私の信じる情報の取り方です。

以前、ある人がRCCから大手銀行2行、外国銀行1行で、あわせて2000万を
差押さえられた事があります。
いずれもRCCを知ってからの開設ですから、RCCが知る筈が有りません。
勿論、他人にも黙って居ます。
其れが4年前に取られた債務名義で突然差押になりました。
RCCが預金があると知って居たのは間違いはありません。
何処からどんな方法で知ったのか見当がつきません。
情報の漏洩の話題の時には必ず思い出します。


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19年経った不良債権

2010-05-08 | 事例
Mはついに会社を閉ることを決意しました。
女房が社長ですが実質経営者はMです。
第2会社と云う手法が世間で騒がれていない頃、早くもMは
独自で第2会社を作って居ます。

当時は十分に利益を出していた第2会社も、今の景気には勝てませんでした。
「俺も72歳か」
引退には未だ早いものの、今の赤字では勝てません。
幸い夫婦の年金があわせて50万あり、生活には十分です。

しかしMには心配事があります。
19年前に銀行に返せなくなった旧債務でまだ残っているものがあります。
今も払って居るものもあります。
ささやかなマンションでも手にして引退したいのですが出来るでしょうか。

平成の初期、Mの事業は絶好調でした。
独自な精密な部品は下請けの中で他を寄せ付けませんでした。
銀行の薦めるままに不動産投資をしたのです。都市銀行ばかり7行。
債務は40億になって居りました。
Mは1行1担保で、借りたのです。全て会社名義です。保証人はMしか居りません。

破局は早くに来ました。19年前の平成3年早くも返済は滞りだしました。
バブル破綻の兆しが見えたのと、賃貸マンションの工事の遅れからです。
これから10年がMが最も苦労し、かつ悩んだ時期だったでしょう。
「銀行に返さないことは罪悪だ。」の考えが支配して居たからです。
先が見えないままに、やりくりに悩む彼を力付けたのは本業の好調でした。

内閣が変わり、銀行の方針も変わったのでしょうか。
各銀行が一斉に急に回収に力を入れだしたのです。平成9年からです。
Mの姿勢も今までは銀行の協力を仰ぎながらの延滞であったのに対し、
このころからは払えない不良債権としての対決姿勢に変わって居ます。
今まで、どの銀行も申し合わせた様に同じ歩調でしたが、この頃から
微妙に各行の足並みが変わって居ます。

破産は最初から考えませんでした。
まだ破産に対する認識も世間にはなく、破産すると如何に好調で
有ろうが本業は続行不可能です。
別会社と云っても彼が動かないと物にならず、破産者では相手にしないでしょう。
「不動産さえ捨てれば無借金に成る。」
当時耳にしたこの言葉を信じて、借金から逃れる事を決めたのです。
弁護士もコンサルタントも顧問に置かず、自分で解決を志したのです。

業務の移行は、思ったよりすんなり行きました。
破産など表面的な不祥事は生じて居りませし、技術において他を抜き出て居ります。
簡単でした。工場は遠からず処分しなければ成りません。
先手を取って銀行には売却を申し出て居ります。

それからは不動産の処分と残債務の交渉です。
自宅を競売した銀行は、後日支店長がMに囁いて居ます。
「当行は残債権については次の決算で償却します。」

工場を担保した銀行は残債務を外国資本に売却して居ります。
しかしMとの窓口は銀行と同じ弁護士事務所でした。
これも、「工場まで処分しての弁済ですから、もう今後の収入は望めないでしょう。」
と云ってそれから一切請求もありません。
万一有っても時効になって居ます。

後の銀行は全部サービサーに譲渡されて居ります。
物件が処理されて3年くらい経ってからです。
世間では漸くサービサーに譲渡する事が当然化して気ました。

しかしサービサーと正式に和解をしたのは2行だけです。
1軒は300万、もう1軒は20万です。

また1行はサービサーに譲渡通知だけはきましたが、
その後、何処からも何も言って来ません。
今から来れば、勿論時効の援用です。

こうしてみるとまだ処理の済んでいないサービサーが2軒と其れに保証協会が有ります。
保証協会は10年前の呼び出しがあってそれから以後2000円を毎月払って居ます。
2回ほど「残債承認書」に署名捺印を依頼されて居ますが都度行って居ります。

残る2軒が曲者です。
2軒ともサービサーに譲渡前に、債務名義を取られて居ります。
特に1軒は銀行差押があり、400万ほど遣られて居ります。
それからは何らかの連絡が絶えずあります。
このために、2軒とも時効には間があります。

返済が滞りだしたから19年、期限の利益を喪失してから13年経って
居ますが7軒の債権者が3軒になって、未だ解決の見通しはありません。

今までの社宅は返却して、新たに、子供の会社名義で自宅を購入しました。
これが追求されることは今後ないでしょう。
そして、今後はサービサーが何か云って来ても無視します。
保証協会も返済を止めます。

75年の生涯、特に間近な20年は借金との争いでした。
せめて10年くらいで終わりにするような仕組みは出来ないものでしょうか。


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完全に息の根止めるサービサー

2010-05-02 | 事例
何時も利用している銀行から電話が入りました。
「差押さえが入りました。月末のお振込みは出来なくなりました。」
差押さえがあるならば、判決から3ヶ月目くらいと聞いて居りました。
4ヶ月目も過ぎようとしていましたから「もう安全圏だ」と思っていた矢先です。

方々に払え無くなくなって、保証協会は代位弁済、その他プロパーはサービサーに
譲渡されました。
サービサーと云っても、サービサーによって回収程度に大きな差があると聞いていました。
譲渡されたサービサーは債務者から見て遣りやすいサービサーのうちの1軒らしいです。
和解条件もおとなしく、第一、債務名義を取る訴訟もめったに遣らないらしいです。
一般にサービサーは直ぐに債務名義をとって差押さえを脅し文句に交渉をすると
聞かされて居ました。

よく相談しているコンサルタントは、「あそこには私の相談先が5軒くらい、
譲渡されたが、みんなまずまずの線で和解が出来たよ。御社もそう苦労しなくても
良いと思うよ。」と云って居ました。
これが迷っていた決意を固め差せたのです。
「よし、現状のままで、今の商売を続けよう。」
第2会社にするといくら安全であっても、売上を90%以上を締める最大手から
口座抹消に成るのは解りきって居ます。
いまの商売が出来なく成ります。

しかし、それからなんと無く、思惑と違うことが続きました。
最初の電話が失敗したと思います。
「支払うお金は1円有りません。友達から借りて支払いますから、
 何とか30万で和解をお願いできないでしょうか。」
こちらも焦り過ぎました。
渋るサービサーに対して粘ったのです。
どうもこれがサービサーの気に触ったらしいです。

「会社も事務所も今まで通り、仕事も今まで通りですね。
 それで全然払えないと云う事はないでしょう。1ヶ月くらい
 経ってもう1度電話をしますから、よく検討しておいてください。」
2ヶ月ほど経ってまた電話で、以前の内容を繰り返しただけです。
それから2ヶ月後、何の前触れも無く、裁判所から1通の特別送達が届きました。

訴訟には答弁書も出さず、口頭弁論にも出て居りません。
借りて払ってないことは確かだから何をしても負けることは必定で、
逆に反対意見を言えば、判決後報復手段がありますよ。 、
何もしないで放って置くのが一番よいと、くどいほど聞かされて居ましたので、
その通りに動いただけです。

「差押さえがあれば3ヶ月後ですね。しかしその前に電話が必ずありますよ。
 その時に、もう1度和解の話を持ち出しましょうよ。」
そのつもりで居たら、今日銀行から電話です。

「最初はサービサーの差押さえは銀行からでしょう。本当に息の根を
 止める売掛金の差押さえは税務署は直ぐに遣りますが、サービサーの場合、
 私は経験がありません。」
コンサルタントの言葉でした。
この言葉に甘えちゃって、結局は何の防御策もしないままに今日に至ったのです。
しかし、手は現実問題打てそうもありません。
会社を止めるだけです。

ほかにどんな所を押さえたか知りませんが、今日連絡のあった銀行だけ、
月末の振込みで20万ほど入れてあったのです。
まさか得意先は押さえてはないだろうと思って居ました。

その夕方、たまに発生する友達付き合いの得意先から電話がありました。
「差押さえ されたな。」
顔から血の気が引くのが解りました。大手も遣られて居るに違い有りません。

直ちに送ってくれたFAX見て驚きました。
求められるままに提出した過去3期の決算書に載っている銀行と得意先を
全部差押えてあります。
1円だって許さない。相手が潰れても当然だという考えでしょう。

其れとサービサーが要求する決算書なんて、提出しては駄目です。
差押さえの参考にするだけです。

売掛も預金も全て差押さえ、今後仕入先に払うお金もありません。
折角、事業がだんだんと戻って来たと云うのに。

モラトリアムだけが重要じゃあない。
一旦泥沼に落ちた人間が、自力で立ち上がろうとするのを、再度その中に
投げ込むサービサーの行動を何で国は見逃して居るのでしょうか。
しかも売掛けの殆どは実質は仕入先のお金です。

其れを虚業のサービサーに取られるなんて、法律で保護する政府も政府と云うところですか。

不景気のためか、此処に来てサービサーの回収は理不尽とも云うべく、きつくなりました。
最大の注意は必要です。


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GW中でも平常通り、営業いたします

2010-05-01 | 事例
ゴールデンウィーク中でも平常通り、営業いたします。
込み入った相談・連休明けの資金繰り等でお困りの経営者の方、
この期間でしたらよりジックリと相談に乗るが出来ます。

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