相談者は自宅を持って居ます。
ローン中ですが担保余力があります。
「結婚20年の恩典を生かして妻に贈与します。
税務署だって認めているんだから当然守れます。」
こんな考えの人によく会います。
私もそう思って居ました。しかし敗れたのです。
Kの屋敷は200坪。立派なものです。
約100坪ずつ2筆に分けました。一方は建物があり、一方は土地のみです。
そしてKは自宅を丁度結婚25年に成る妻に贈与しました。
この年に子供も大学を卒業します。
長年の妻の苦労に応えた贈り物です。
一方は、これを担保にして親戚の叔父から3000万借りたのです。
そのお金は直ちに会社に入金し、商品の決済に回ります。
借りた事も、それを会社に回した事も、そして会社が決済に使った事も、
お金の流れは通帳が証明します。
これから3ヶ月後に会社は不渡りを出して居ます。
Kの兄の会社で彼はNO2の常務職。兄と違って銀行は人的保証だけで
物上保証はして居りません。
Kが遣ったことは、不渡りを予想して自宅を守るための工作でした。
異議を申し立てたのは保証協会でした。
Kの保証人には間違いないが、何も払いたく無いと云う姑息の態度も
保証協会を怒らせたと思います。
詐害行為取り消しの訴訟を起したのです。
当然に裁判に成りました。
Kは3ヶ月前、登記をするときには裁判を予想していました。
どちらかでも助かれば大出来と考えていたのです。
だからこそ2通りの方法をとったのです。
しかし両方とも敗訴でした。
証人の妻は訴えました。
「この家を私の名義にすると云うのは、早くから私と主人の約束です。
子供が社会に出たらそうしようと云っていました。会社のことは全然知りません。」
これに対し、
「会社のNO2常務の奥さんが会社の危機を知らなかった筈がない。
必ず話題には出て居ります。この贈与は保証人の責任を逃れる為に
遣ったものと思われます。」
絶対勝つだろうと思って居た、84際の叔父は証人台でがたがたでした。
実は3000万は事前にKから渡されていたのです。Kの指示通り通帳も動かしました。
しかし、相手はそのお金をどう調達したかをつついてきたのです。
「Kがお金を借り、それを会社に入金した。会社は其処から
払っていることには間違いない。が何故、叔父が直接会社に
貸さないでKを通したか、兄と叔父とは親しい仲なのに
わざわざKを通す必要性が疑問である。叔父のお金の調達を
含めて全体から見ると非常に不自然である。」
叔父も妻もこれ以上の証人を拒んだために、上告は止めました。
「税務署だって認めたでは無いか、妻に贈与すれば自宅は安全だ。」
と信じている人は意外に多いものです。この裁判は参考になりました。
税務署は何も認めて居りません。ただこの贈与には恩典を与えているに過ぎません。
使途がはっきりして居り、お金の流れがしっかりしていると訴訟になっても
大丈夫と聞いていました。裁判の敗因は想定外の事でした。
中小企業が詐害行為で訴えられるのは殆どが不動産に関してです。
今までに何回もあります。殆どは此処に書いた例よりも単純な原因で
名義変更などをして居ります。
ですから、裁判で勝ったという例を知りません。
銀行との争いで、不動産の詐害行為の争いで勝った例があれば是非とも知りたいものです。
不動産以外のことでの詐害行為。
殆どの人が心配するのが第2会社設立に関してです。
詐害行為となり、第2会社の営業が認められなかったり、
第2会社が債務承継を強要されるのでは無いかと心配します。
しかし、こうした事業再生のための詐害行為取り消しの訴訟はまだ経験がありません。
仮に銀行が勝ったとしても、不動産の様なはっきりした効果があるわけではありません。
そんな訴訟は、銀行もサービサーも遣らないのでしょう。
詐害行為。
余程のことでなければ、取り消しだけで、刑事問題にはなりません。
やらなければ、むざむざ全部が取られます。それならばやった方が良いでしょう。
いや遣るべきでしょう。
万一負けても経費が損をするだけです。
詐害行為に成るか成らないかで悩んでいるより、遣るべきでしょう。
しかし、それにしても、余りにも単純で、裁判に成る余地が無いものが多いと思います。
こんな相談は士業の方には出来ません。
自分で考えることです。
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ローン中ですが担保余力があります。
「結婚20年の恩典を生かして妻に贈与します。
税務署だって認めているんだから当然守れます。」
こんな考えの人によく会います。
私もそう思って居ました。しかし敗れたのです。
Kの屋敷は200坪。立派なものです。
約100坪ずつ2筆に分けました。一方は建物があり、一方は土地のみです。
そしてKは自宅を丁度結婚25年に成る妻に贈与しました。
この年に子供も大学を卒業します。
長年の妻の苦労に応えた贈り物です。
一方は、これを担保にして親戚の叔父から3000万借りたのです。
そのお金は直ちに会社に入金し、商品の決済に回ります。
借りた事も、それを会社に回した事も、そして会社が決済に使った事も、
お金の流れは通帳が証明します。
これから3ヶ月後に会社は不渡りを出して居ます。
Kの兄の会社で彼はNO2の常務職。兄と違って銀行は人的保証だけで
物上保証はして居りません。
Kが遣ったことは、不渡りを予想して自宅を守るための工作でした。
異議を申し立てたのは保証協会でした。
Kの保証人には間違いないが、何も払いたく無いと云う姑息の態度も
保証協会を怒らせたと思います。
詐害行為取り消しの訴訟を起したのです。
当然に裁判に成りました。
Kは3ヶ月前、登記をするときには裁判を予想していました。
どちらかでも助かれば大出来と考えていたのです。
だからこそ2通りの方法をとったのです。
しかし両方とも敗訴でした。
証人の妻は訴えました。
「この家を私の名義にすると云うのは、早くから私と主人の約束です。
子供が社会に出たらそうしようと云っていました。会社のことは全然知りません。」
これに対し、
「会社のNO2常務の奥さんが会社の危機を知らなかった筈がない。
必ず話題には出て居ります。この贈与は保証人の責任を逃れる為に
遣ったものと思われます。」
絶対勝つだろうと思って居た、84際の叔父は証人台でがたがたでした。
実は3000万は事前にKから渡されていたのです。Kの指示通り通帳も動かしました。
しかし、相手はそのお金をどう調達したかをつついてきたのです。
「Kがお金を借り、それを会社に入金した。会社は其処から
払っていることには間違いない。が何故、叔父が直接会社に
貸さないでKを通したか、兄と叔父とは親しい仲なのに
わざわざKを通す必要性が疑問である。叔父のお金の調達を
含めて全体から見ると非常に不自然である。」
叔父も妻もこれ以上の証人を拒んだために、上告は止めました。
「税務署だって認めたでは無いか、妻に贈与すれば自宅は安全だ。」
と信じている人は意外に多いものです。この裁判は参考になりました。
税務署は何も認めて居りません。ただこの贈与には恩典を与えているに過ぎません。
使途がはっきりして居り、お金の流れがしっかりしていると訴訟になっても
大丈夫と聞いていました。裁判の敗因は想定外の事でした。
中小企業が詐害行為で訴えられるのは殆どが不動産に関してです。
今までに何回もあります。殆どは此処に書いた例よりも単純な原因で
名義変更などをして居ります。
ですから、裁判で勝ったという例を知りません。
銀行との争いで、不動産の詐害行為の争いで勝った例があれば是非とも知りたいものです。
不動産以外のことでの詐害行為。
殆どの人が心配するのが第2会社設立に関してです。
詐害行為となり、第2会社の営業が認められなかったり、
第2会社が債務承継を強要されるのでは無いかと心配します。
しかし、こうした事業再生のための詐害行為取り消しの訴訟はまだ経験がありません。
仮に銀行が勝ったとしても、不動産の様なはっきりした効果があるわけではありません。
そんな訴訟は、銀行もサービサーも遣らないのでしょう。
詐害行為。
余程のことでなければ、取り消しだけで、刑事問題にはなりません。
やらなければ、むざむざ全部が取られます。それならばやった方が良いでしょう。
いや遣るべきでしょう。
万一負けても経費が損をするだけです。
詐害行為に成るか成らないかで悩んでいるより、遣るべきでしょう。
しかし、それにしても、余りにも単純で、裁判に成る余地が無いものが多いと思います。
こんな相談は士業の方には出来ません。
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