かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

見勝手な業者と戦う

2007-08-31 | 事例
Tはある種の職業の人間不信に陥って居ます。それに関する人は誰もを信じてはいけないと思っています。
仮に弁護士を依頼しても、自分が依頼したその弁護士すら信じてはいけないと思い込んでいます。
Tは以前破産した友達からこんな話を聞いています。

「折角破産前に1400万の裏金を作った。其れが俺のその後の
生きるための費用さ。破産の時、弁護士は何でも正直に言ってくれ。
決して悪いようにはしないから、と云ったから、つい裏金のことも
喋っちゃったのさ。そしたら其れも債権者に配当しないと、見つかれば
刑罰を食う、全部出しなさいと責められて、結局全部取られちゃった。
其れは未だいいさ。問題はその金が本当に債権者に配分されたか実に
疑わしいのさ。どうも配分されて居ない気がする。されていれば配当率は
もっと多い筈だが配当はあまりよくなかったもの。やたらに破産申請まで
の時間を長くして、弁護士費用にしたとしか思われないんだ。若し、
俺が正直に言わなかったら、裏金を作ったなど誰も解からなかったと
思うよ。おかげで俺は今、生活にも事欠いているよ。弁護士と言っても、
全てを信用すると損をするよ。」
何かこの言は強くTに残っています。

69才のTは市会議員を今期で引退をしました。殆どの議員が60歳前です。
前回の時から今期が最後と決めておりました。
Tはその時に、ちょうど債権譲渡をされたばかりのサービサーと約束をしたのです。

「私は今期で市会議員も最後です。議員を辞めると年金しかありません。
家は借家ですからとても借金など返済できません。議員のうちは年金と
歳費がありますから、これで目一杯返済をします。
議員を辞めたらもう返済は勘弁願います。」

サービサーはTの申し出を了承しました。毎月の返済を6万と決めました。
Tの残債務は9000万だからそれだけでは少ない、もう200万を一時金で下さいと、
虎の子を取って行きました。Tはそれで、議員の間、履行をすれば、全てが
終わると思って居たのです。

Tは議員をを辞めたこと、今後払えないことを連絡しました。
サービサーは何も云いませでした。「では近いうちに書類が届くと思います。」
と云っただけです。Tは、当然残債務が放棄の書類だろうと思っていました。

ところが2ヶ月ほど経って送られて来た書類は、違うサービサーに
債権譲渡の通知でした。
驚いてサービサーに電話をしましたが、今までの担当者は居ないとの事、
ラチがあきません。「当社は和解の時は必ず和解書を結びます。
其れが無いものは約束等しておりません。」と受け付けません。
前に決めた時に和解書を結ばなかったのが大きな落ち度です。

新サービサーは「そのようなことは当社とは関係ありません。
若し事実でしたら告訴でもしたら如何ですか。今のところは当社は、
その貴方の申し出により、ご請求を止めるとか延ばすことは出来ません。」
と冷たい返事です。

「其れならばそれでよいが私にはもう払う力が無い。」と力なく云うTに
「そうしたご相談でしたら私どもは何時でも相談に乗ります。年金だけで
しょうが、先ず所得証明をおだし願えないでしょうか。それから話し合い
いたしましょう。」
Tは提出を約束しました。

しかしTは出せなかったのです。
年金の他、地域の有線テレビの顧問をして居て毎月20万を貰っていたのです。
妻と二人で年金は手取り31万、有線TVの手当て20万ではサービサーが黙っている筈がありません。

しかも今住んでいる家は嫁いだ娘名義の家で、Tが議員を辞める少し前に
今の借家は家賃が高すぎるからと娘が買った物です。
新サービサーは何処でどう調べたか、所有者は娘のものでも、実質はTのために買ったとしか思われない。本来はTの名義である筈で、詐害行為になる可能性もありますと、Tを責める口ぶりです。

Tは「自分に支払い義務は無い。」と訴訟を起こしても、自分に勝ち味は
無いと思っています。幾つかの金融機関相手の訴訟を知っていますが
全て敗訴です。幾ら正しいと思っても必ず銀行が勝っています。
訴訟は宛てにならないと信じて居ます。

でも自分ひとりで闘うつもりです。
そのためには嘘も付いて良いと覚悟して居ります。

所得証明を出す日にサービサーに電話しました。
「良く考えましたが、私は所得証明を出しません。
又1から調べ直す事など、余りに債務者無視では有りませんか。
前のサービサーから今までの資料が来ているでしょうから其れを参考に
してください。正式に和解をする。その添付資料として必要と云うので
したら、どんな資料も提出しますが、そうでなければ、私は自分で入る
墓穴を一生懸命に掘って居るピエロと同じことになるのではないでしょうか。」
少し挑発的なことは解かっています。

しかし住居はどんなことが有っても差押えられない自信が有ります。
詐害行為にもならないでしょう。顧問報酬は相手にも解かって居らず、
差し押さえは出来ません。
万一和解をしてその時に所得証明が必要でしたら、その時の口実は
用意してあります。

「訴訟、結構です。徹底して争います。万一敗訴すれば破産します。
Tの言葉に新サービサーも少したじたじです。

それにしても、前のサービサーの態度は許されません。
Tの業者不信はつのるばかりです。






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取れればよい税務署

2007-08-28 | 事例
Nは怖いです。税務署から監査の案内が来ております。
今期明らかにNは間違った処理をして居ます。そして税金を僅か払っています。
其れがどうなるか解かりません。其れより間違った処理について
お咎めがあるかも知れません。

Nは入札業者です。赤字に成れば直ちに入札ランクは落ちます。
どんなことをしても黒字を維持しないとなりません。
銀行は殆ど貸してくれませんが、2-3の銀行は貸してくれます。
赤字ならば貸しても呉れないでしょう。
絶対に黒字で無いとなりません。

Nは経理には疎いです。貸方・借方も解かりません
そのNが黒字にするために次の事をして居ります。
先ず、自分の給料は遠慮して月10万にして居ます。
持ち家が2軒あり、ともにローンが残って居ますから足りる筈がありません。
毎月仮払いで50万から70万持ち出しています。
交際費などのNに関する持ち出しは全て経費処理をせずに仮払いとして居ます。
それだけでなく、仕入れを現金で安く仕入れる場合がありますが、
これもB勘と云って仮払い処理です。

此れで企業が黒字にならない筈がありません。
黒字が出過ぎたら、B勘でも社長持ち出しでも減らせば
よいですが、Nから指示された女子の経理事務員は売上を
減らして調整して居ました。
締めてみて、利益が多すぎる分、売上を減らしていたのです。
何のことは無い実態から遥かに遠い損益だけが一人歩きをしていたのです。

税務監査でこのことは簡単に税吏員に解かったみたいです。
しかし何故か税理員は怒りもしません。
仮払いの計上の中身を聞いて、ばらばらと帳簿をめくっただけです。
「此れで宜しいですね。」と念を押し、整理する時は大変ですね。」
と一言言ったくらいです。

しかし売上の未処理は違います。全部調べられました。
少ない分は更正申告を求められ、その分税金を払わされました。
延滞税は付きました。
若い税理士は付いて居ましたが、税理士との付き合いは、
伝票を送って其れを処理して貰うだけです。
税理士も何も云わずに税務調査は終わりました。

Nには税務署が売上の申告がもれている事は厳しく追及され、
反対に資産になって架空利益をもたらす行為は何のお咎めも
無かったのです。Nは自分の間違った行為を何も
言われなかったために、仮払いの計上は正規な方法と勘違いして居ります。

同じ様にK市の入札業者は毎年の赤字を売上の架空計上し、
未収金を増やして経審のSランクを維持して居ます。
毎年此れを続け、もう8年続いています。
未集金の額は年間売り上げの2年分近くになって居ます。
経審は未集金と銀行借入とを相殺して、決算書を出して
いますから、操作後は借入が減って数字的には良くなって居ます。
しかし税金はこのために、払わなくても良い税金を払っています。
消費税まで増えて居ます。が此れも税務署は何も言って居ません。

そういえば新聞をにぎわす、粉飾決算、または脱税。
此れは騒ぎの出所が違っているみたいです。
脱税といえば必ず税務署から出ます。それによって税金は
取られます。しかし、黒字にしていた粉飾決算は税務署が
言い出したことはありません。
粉飾分を税金を払っていたかどうかわかりませんが、
若し払っていれば其れは返金になるのでしょうか。

取る方には厳しくて、一旦取ってしまえば此方のもの。
此れがわれらが信頼している税の徴収ならば少しお寒い気がします。






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不思議な土地

2007-08-26 | 事例
山手線の中で、1-2を争う有数なS駅、その駅の直ぐ近く、道路と道路の間にビルが4軒建っております。
ところがそのうち1軒には土地がありません。登記上土地が無いのです。
両隣の土地がくっついて居ます。
そのビルはその間の境界線の線上に立派な面積を持って建って居ます。
私がそのビルを知ったのは平成14年。それから周囲の建物には変化が無いですから今でもそのままでしょう。
坪1,000万をゆうに越す場所、何でこんなビルがあるのでしょうか。

同じように練馬の住宅地、3軒並んだマイホームの真ん中の家の土地がありません。
家は土地の上に厳然と建っています。
所有者は非常に気にして何回も役所には足を運んでいるらしいですが、土地の復活と言う事は大変らしいです。高額費用を払って、測量をやり直さないとなりません。その結果、隣近所の方から、登記の承認を貰わないとなりませんが、実際でも構図上でも自分達の土地は増えも減りもしないのに、承認を貰うとなれば、大変なことで、簡単に了承しては呉れません。

S駅も練馬も、両方ともご自分で建てたのでなく、既にたっていた建物を買ったと言って居ます。その時は土地の復活など簡単に出来ると思っていたらしいですが、実際には不可能に近いとのことです。土地の固定資産税は払って居ませんが、建物の税はきちんと請求されます。
銀行は担保価値を認めて呉れません。
両方とも、不動産の持ち主が銀行に返済が出来なくなって、この不動産が問題になりました。そんな事から記憶している不動産です。

東京の隣接市で300坪の土地を手放さなければならない人が出ました。
売る価格によっては、借金はチャラになります。
測量をしたらなんと40坪も実測の方が広かったそうです。
この場合は登記の修正も容易らしいです。
おかげで自分達のマンションが買えたと云う事です。

地方ならば構図と実測の違いは珍しくありませんが、バブルと云う土地絶対の
神話時代を過ぎて、尚、大都会にこんな話が未だ有るとは不思議です。
次の話はこうした話と少し違いますが、売買済みの土地の中に、買い手も気がつかない小さな土地が残っていた話です。

街道筋の家族的向きの高級うどん店、ゆったりした土地でした。競売で落とされました。

前の道路は以前は細い道路でしたが、県が土地を買い占めて立派な街道になりました。
うどん店の土地も調達されました。そのうち1筆が、殆ど道路になりましたが、1㎡の土地が残ってうどん店の道路際に残ったのです。勿論登記上も実際にも残っていました。

場所は出入り口の重要のところにありますが、余りに小さいために、普通は気が付きません。
この土地だけは担保にもなって居ませんでした。したがって競売にもなっていません。
道路からお店に入るど真ん中にでんと1㎡の土地が無担保で競売からも外れて鎮座ましまして居りました。
競売の時に、現況調査報告書にもこの事は1言も触れておりません。だから買った人も此れに気が付かなかったでしょう。

早くから夫を亡くした女主人は40台の独身の息子とうどん店を経営していましたが、手を広げ過ぎて全部が競売になって、此処が最後の砦だったのです。
何とか守りたいと考えて居た息子は早くから此の土地に気付いていました。
此れを利用して競売から守りたかったのです。

競売の寸前に、名義を変え、広告塔でも作ろうか等真剣に考えて居りました。
いや競売の前後にすれば、必ず詐害行為と云う裁判沙汰になる。その結果、債権者に取られるようになる。其れより、誰も気付いて居ないならば競売も済み、取立て騒ぎも治まってからの方が良い。と知人に諌められて、機を待っています。

明け渡しも引越料を貰いスムーズニ済みました。もう買受人は、競売物件のことで裁判所にクレームをつける事も出来ません。
今は何も知らないらしく、建物を壊し、作り変え様として居ます。

もう少し待てば、新しい建物にどのくらい邪魔になるか判るからそしたら少し
ほほに傷のある人の名義にして所有者に乗り込みたいと思っています。
1平米の土地代は3万にもなりません。
幾らになるか、息子は200万は欲しいと思っています。自分らの大切な不動産。其れを競落した人も憎くてたまりません。

登記で守られているはずの不動産。
このほか幾らでもおかしい不動産はあります。
そんな不動産でも、競売から守りたいのです。 

そんな願望から講じて妄想まで生み出そうとして居ります。






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詐欺まがいの銀行の要求 

2007-08-23 | 事例
銀行の言う事は、Yにとっては出来る事では有りませんでした。
「貴方のお父さんはF銀行は包括根保証をしていました。しかしD銀行は
何の保証もしておりません。ところがこの2行は合併しました。
すると当然お父様は2行分の包括根保証をする事になります。
私ども今まで何回も保証書の書き換えをお願いして、参りましたが、
残念ながら未だに実行されて居りません。今回の手形の書き換えの時に、
この2行分を合わせて書き換えをお願いします。尚言い難いですが、
此れは保証人の義務です。ご協力がお願いできない場合は、
当方も書き換えには協力いたしかねますので、何分よろしくお願いいたします。」

何のことは無い。銀行が合併したから、そのうち1行でも包括根保証を
していれば全部の保証人になると言う事です。
だから今までの保証書も新しいものに書き換えようと言うわけです。
保証人にとっては真に迷惑の話です。
知らない間に自分の保証額がぐんと増えるのですから、たまったものではりません。

資産家のYの父親はYが独立した時に、当時取引したF銀行のみを
包括根保証しました。その後Yは企業を拡大して取引銀行も増やしましたが、
父親はF銀行以外は何処にも保証はして居りません。

Yがリスケの度に保証人の捺印をお願いに行くのも、尚父親のガードを
固くして居ります。
わが子で有ってもその点は割り切った人で、自分が納得しない捺印は、
絶対にしません。よしんば会社が倒産しても、その態度は変わらない人と
思います。

過去何回も、お父様の保証契約を書き換えしようとする要請はありました。
正式にF銀行のみの包括根保証でなく、合併銀行の全て債権の
包括根保証に変えることです。その都度何とか断り、その結果金利が
上がって今では4.25%です。しかし今回は其れも駄目で書き換えには
一切応じないと言われています。

Yは倒産を覚悟しました。
書き換えが出来なければ、プロパーは不良債権になるでしょう。
すると保証協会付の債権も不良債権となって代位弁済になるでしょう。
そうすれば他行にも解かります。
銀行の当座取引が出来なくなり、やがては得意先にも知れて会社は
やっていけなくなるでしょう。

Yは信頼できる知人にこのことをこぼしました。
知人は「銀行の都合で保証人の義務を勝手に広げることは出来ないだろう。
銀行の言って居ることが正しいか調べた方が良いよ。」と云って、
教えてくれる電話番号教えてくれました。Yは直ぐに電話をしたのです。

弁護士は次のように答えました。
「この場合、保証人はD銀行の分まで保証をする義務は有りません。
ただし今までそう云う場合は保証しますと契約してあれ場別です。
銀行に何故保証をしなければならないか聞いてみたらいかがですか。」

関係官庁の答えです。ただし自分と銀行名を名乗って聞きました。
「その場合はあくまで銀行との話し合いで、義務にはなって居りません。
何故執拗に銀行が其れを要求するか、其処に問題がありそうですね。
尚、銀行にこうした電話があっとた事を通知したいですが良いでしょうか。」
通知されると喧嘩になるから止めてくださいと頼みました。

もう一人著名なコンサルタントに聞きました。保証人問題では名前を見ます。
「義務はありません。」3人とも同じ答えです。
「恐らく、D銀行の分が無担保ですから資産のあるお父さんに新たに
保証人になってくださいと言うことだろうと思います。」

Yは頭に血が上ります。決まって居ない事を、決まり事のように当然と
云う銀行が面白くありません。
担保か保証人を不足ならば、それを正直に言うべきでしょう。
尤も言われても当方に差し出す物は有りませんせん。

しかし利益だけは上げています。毎期黒字ですし、6年ほど前に有った
7億5000万の銀行借入は現在4億8000万に減って居ます。
しかし、それでもこの銀行は破綻先くらいにしか見てくれません。
と言って嘘を言ってまで、保証人にするなんて、最も姑息の手段でしょう。

F銀行の借入は担保と見合いです。
此れを売って債務を0にすればお父さんの保証は抜ける筈です。
しかし、銀行が抜いてくれるか解かりません。
仮に抜いてくれたとしても、後に無担保無保証のD銀行分は必ず責めて
来るでしょう。
どっち道銀行があくまで保証か担保を要求すれば、今後の銀行との取引は
成り立ちません。

Yは迷っています。
父の保証を増やすことだけはしません。
担保を売れば父の保証分は0になる。そうしたいですが、果たして銀行が、
父の保証人を解除してくれるか、解かりません。

しかし、そうしようと思っています。
それで駄目の時は役所が言って呉れた言葉、
「どうしても銀行の言い分が筋が通らないと思った時は、
もう1度ご連絡を願います。」
この言葉にすがってみたいと思います。

それにしても天下の大銀行も汚い嘘を言います。
此の方法で必要も無いのに保証人にさせられた人が多いのではないでしょうか。






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債権譲渡は禁止すべきだ

2007-08-19 | 事例
Bは呆然として電話を切りました。予想だにして居なかった内容です。
「前のサービサーは前のサービサーです。其処から私どもはあらゆる権利と
一緒にこの債権の譲渡を受けたのです。全額とは云いません。大幅に
債権カットする用意がありますが、ある程度は払って頂かないとなりません。
幾らならば払えるか、一週間後の何日までに検討して電話を下さい。」

Bは資産を全て処分して居ます。
自宅の土地に、建築費を借りてマンションを建てました。自宅のほかに1階でコンビニを経営しています。後は分譲と賃貸物件でしたが、返済に追われ、ついに商売も止め、ビルを処分せざるを得なかったのです。
土地は以前からの自分の物です。その土地ごと処分しましたが、到底借金には追いつきません。
そのほかにも持っていた僅かな不動産まで処分しましたがどうしても4000万ほど残ります。
その残額もサービサーに譲渡されて、サービサーから請求が来ていました。

明日からの生活にも追われると云うBに、4年間、賃貸ビルの支配人の話が
舞い込みました。其処のオーナーが4年間渡米するから、面倒を見て欲しいという話です。以前から親交のあった人で、Bの人柄にほれ込んでの事でした。

真面目なBはサービサーと話しました。
「本来ならば全然返済が出来ないが、ちょうどこのような話がある。
したがって4年間は背一杯の5万円は払います。手持ちのお金も200万くらい
あるから、此れもお支払いします。それで4年後に、今の仕事が無くなった時には残額を免除して頂けないか。」

サービサーはBの言い分を理解してくれました。
「その通りにしてください。4年後のことは確約できませんが悪い様には
しません。」と云う事でした。
そして今年の3月に約束通りオーナーが帰国したのです。

この少し前にBはサービサーに約束期間の終了と以後は払えない事を告げています。
サービサーはむしろ同情的に「ご苦労様でした。では当社から何か連絡の
行くまでお支払いは良いですから。」と云ってくれました。
Bは此れで借金は全て消えたかと一安心でした。

Bには女の子が3人居ます。結婚して姓も違います。
子供たちは今のビルを出ると住まいも失うBを心配して、3人でお金を
出し合い近郊に1000万で中古家を買い、名義は自分らのままで、
Bを住ませることにしていました。

Bは新居に移って間もなくです。
未だ新住所も教えてないのに、サービサーから書類が付きました。
中身は債権免除の書類でなく、他のサービサーに債権譲渡したとの通知です。
続いて譲渡を受けたサービサーから挨拶状です。
中には「残債をお支払い下さい。」文字があります。
少し心配になりましたが、Bは放っておきました。
すると何処で調べたのかその新サービサーから電話が掛かってきたのです。

Bは以前のサービサーとの約束を言いました。
しかし今度のサービサーは相手にしません。
「契約書も無いでしょう。貴方の寄贈的受取ではなかったですか。
本当にそうでしたら訴訟を起こしてください。」と強気です。
其れのみか、「自宅は娘さん3名の名義ですね。其れも最近購入してありますね。
この物件、問題になりますよ。」と脅してきます。

Bは弁護士に駆け込みました。
弁護士は「サービサーが約束したとは認められないでしょう。破産しか有りません。コンビニも破産が必要だから100万でどうですか。」と薦めます。
今のBにはその100万もありません。

コンサルタントにも聞きました。
「サービサーは、戸籍・会社・不動産の謄本だけは充分に調べます。
したがって戸籍上の人間関係、会社のこと、不動産に関すること、これについては、隠しても無駄ですし、嘘を言ってはいけません。又、自宅や会社の
不動産の謄本も必ず調べますから、嫁に行った娘さんのことなど
直ぐに解かります。又個人情報などと言っても、現住所の移動などは直ぐに
解かります。しかし、其れまでです。それ以上は解かりません。」
と教えてくれます。

「Bさんは払いたくても払える状況ではないでしょう。全て正直に言いなさい。
所得証明など欲しいといったら提出しましょう。そして20万しか払えないで
頑張りましょう。相手が訴訟だ、差押だと云っても恐れないで下さい。
平然としていましょう。相手はやがて20万で和解するより仕方無いでしょう。」

Bさんは断固として20万で頑張るつもりです。
其れにしても、再び債権譲渡をするか、今度有ったら金融庁に行って
見るつもりです。

サービサー同士で一つの債権をキャッチボールをし、入金があっても金利で
処理をして居たならば、幾ら払っても借金はなくなりません。
しかも後のサービサーほど、強い態度で襲いかかって来ます。
二言目には、法務省の認可を売りもにして迫ります。
裁判所を後ろ盾にするだけ、やくざより始末が悪いのです。

事業に失敗したものは、高いお金を裁判所と弁護士に払い、破産をするより他無いと云うのが国の方針でしょうか。

サービサー間の債権譲渡は、単に債務者泣かせだけです。やってはならないことです。
先ずサービサーを監督する役所に認識して欲しいと心より思って居ます。






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信念で勝ち得た貸手責任

2007-08-17 | 事例
Mはサービサーと会うため、明日上京します。
父が4億1000万、Mが1億8000万有った残債がサービサーに譲渡されたのです。
事件は4年位前に終結して、もう全てが終わったと思っていました。其れが
突然の通知でした。

Mはこの残債については自分には殆ど責任は無いと信じています。少しくらいある責任は、私財も全て投げ打っていますから、充分に償いをしたつもりです。
今後この債務の支払いの件で、誰からか請求があったとしても、妥協する
気持ちはありません。

バブルも下火になりかけた頃、当時の都市銀行の一つのS銀行はMと父親を
強引に説得しました。
近在の不動産開発のことです。お膳立ては全て銀行が行う。
勿論、資金は責任を持ってS銀行が融資する。
販売は銀行の系列会社で責任を持ちます。不動産を預かった気分で
開発責任者となった下さい。と云う話です。

融資については、Mの会社には既に10億を融資してこれ以上の枠ももてないから、Mと父親の個人に融資と云う事にしますと云うことです。
父親がこの辺りの名士で温厚の人がらを見込んで、白羽の矢を立てたのでしょう。

順調に進むと思われた開発も意外に手間を取りました。下がり始めた
不動産価格がいろいろと判断を難しくさせたのです。時間も掛かりましたが、
造成の段階に来た時に、約束した融資が止まってしまったのです。
今時、不動産を開発しても売れる筈が無い、採算が取れなくなったと
言うことがはっきりしたからでしょう。
お金をつぎ込んでも、つぎ込んだだけ損が出ると判断されたと思います。

Mと父親との懸命な依頼にも関わらず、融資は復活しませんでした。
Mは莫大なキャンセル料を支払い、工事はストップしました。其れには
本業のお金が流れ込んでいます。勿論、この融資だけでなく、本業の
銀行返済分まで返済が出来なくなりました。

悪いことは重なるもので、おりしも、不動産・土建業を襲った不景気は、特に入札業者にはひどかったです。開発不動産の業者は一応片が付きましたが、それから2年も経たないうちに、本体のMの会社はついに不渡りを出すまでに至ったのです。
平成14年のことでした。

この時は任意整理で切り抜けております。
この整理の件は省略します。
結局今はs銀行から名前を変えたU銀行の債務だけが残りました。
U銀行は何も云って来ません。
自行で処理をしたのかしらと思っているときに、譲渡の通知とサービサーから挨拶状が届いたのです。

Mは直ちにサービサーと電話連絡を取りました。
ただしMが感じている銀行に対すり怒りなど、サービサーの担当者にわかる筈がありません。考え方もずれていく一方です。
Mは上京する事に決めました。

Mははっきり考えを述べています。
「本債務は銀行に依頼されて、不動産を預かったことにより発生した債務です。
銀行が約束を履行すれば不良債権になるはずが無い債務です。当方は
完全な被害者であって、銀行が約束を破ったために、全ての資産を失い
経営していた会社までを失いました。銀行が自行の非を認め、対応策を
合意するまで、当方は払うことをお断りいたす所存です。ただし、事件も
もう何年も過ぎました。こんなことに関わって居ても煩わしいだけです。
私のほうも払えるだけでよいというならばお支払いをして終止符を付けたいと
思います。払える額は父が15万、私が10万で此れが限度です。」

サービサーの担当者は執拗に債務の存在を主張し、返済を迫った来ますがMは一切を受け付けません。ついに法的回収と云う言葉が担当者から出ました。
「訴訟は望むところです。私は自分たちには非が一切無く、債務不存在と
考えて居ります。その為に、むしろ今までの件について補填されるべきと
考えて居ります。費用も掛かるために自分からでは出来ませんが御社の
方からやって頂ければ望む処です。」 
と真剣です。

それから1週間も経たないうちにサービサーからMの条件を承諾すると云う
連絡がありました。

それにしても、世間ではこの後倒産が続出して居ます。工事をとめた銀行の
判断が正しかったかも知れません。
「若しその時サービサーがあくまで訴訟にして、万一負けた場合は
どうするつもりだったの。」
「その時は迷わず自己破産をします。」
と笑った顔は、実に屈託のない顔でした。






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倒産は未だ続きます。

2007-08-15 | 事例
減少傾向にあった倒産件数が、昨年より又増加してきた。倒産金額は少ないが軒数が増えた、其れも地方に多いと言われます。
事実です。

銀行の不良債権処理は終わったと言われて居ります。
企業が何時万歳をしても銀行は損失を出さないように。
引当金を積みましたと云う事です。
若し万歳をした時は、担保を処分して、残をサービサーに
売却すれば平気です。

しかし此れは大手行や、1部の地銀に対してのみ言えることです。
抱える先が中小・零細企業しかないような、第2地銀以下の銀行は
そんな悠長なことを言ったは居られません。
肝心な引当が充分に出来ないからです。
6-7年前に日本を襲った、不良債権処理と同じ様な問題が、
今これらの銀行に起こっています。

この間、金融庁の監査力も力をつけて参りました。
引当も出来ないような銀行は、監査をする都度、統廃合などの
脅しを受けます。
もう金融庁にとっては今から末端の金融機関の統廃合など、
問題にするほどのことも無いでしょう。
したがって遠慮なくメスを入れることは出来ます。
企業は只でさえ自力の更正は難しい処に、金融機関から
見放されたとすると、尚、再生は難しくなります。
此れが地方に倒産が多い理由です。

中小企業の景気は此の倒産劇が終わるまで戻って来ないでしょう。

これらの銀行と取引をして居る企業は新規の融資が得られませんから、
リスケによって生き延びています。
しかし単にリスケだけですと、担保不足があっても解消されません。
其れを補う経営改善計画が計画とおりに実行されていれば良いですが、
そうでない場合、力の無い銀行は、もうその企業の面倒は見られません。
そこで倒産騒ぎが発生します。

こうなった時の企業は、どうするべきでしょうか。
自己破産は債務の処理だけに終わり、再生は望めません。
さりとて民事再生法は銀行だけでなく、納入業者の債権も
低減の対象となるために信用失墜して再生そのものが難しい状態です。
そこで政府は地域力再生機構や中小企業再生支援協議会などに力を
入れて自力の復活を目指しております。

内閣府や経産省が期せずして中小企業の私的整理を
呼びかけていると云う事は、単なる法的整理では中小企業の再生には
寄与出来ないと示していると同じ事です。

しかし、今まで有った大手の私的整理案によって整理された例は
数件しかありません。
中小企業支援再生協議会によって再生した例も、殆ど実績はありません。
余りにモラルハザードに気を使いすぎています。
そのために全体の活用を見失っています。

此れから会社整理をしたり、再生を志す中小・零細企業の方に
是非助言したいのは次のことです。
法的整理と言っても、仕入れ業者までに債権減額を依頼するために、
倒産者と見られ、再生が難しいです。
其れを上手く処理していくには私的整理しかないと思います。
私的整理でただ一つ神経を使わなければならないことはモラルハザードです。
砕けて言えば、ドサクサ紛れに私腹を肥やしたということです。

残念ながら、地方で整理をしなければならなくなったところに声を強くして
アドバイスします。

企業の整理には先ず任意整理から計画しましょう。






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夜逃げは一人では出来ない

2007-08-13 | 事例
夜逃げー
借金を逃れるために、一切をそのままにして姿を晦ますことです。
短い期間ならば晦ました方も我慢出来ますが、もう中年過ぎた者なら、
例えお金を持って居たとしても永くは続きません。

Fは大都会のど真ん中、隣近所の付き合いは薄いものです。
建設業者で有ったため、商店街の付き合いも殆ど有りませんでした。
勢いのあったころ、山手線の駅の近くに小さな土地を手にし、
やがて其処にビルを建設しました。1Fは会社、4Fは自分の住居、
2Fと3Fで計6室賃貸物件です。
苦楽をともにした奥さんは4年前に他界し、娘二人も片ついて、
一人このビルで生活して居りました。
寂しさの余り近くを飲み歩き、偶然に同郷の人で独身、しかも同じ年、
小さなカラオケバーを経営している女、T子と知り合い、いつの間にか
男女の仲になって居ます。

不景気の真っ只中、売上低下、ビル建設のお金も滞りがちです。
蓄財のつもりで手を出した幾つものマンションやゴルフ会員権投資も
お荷物です。ついに手形を落とせことも出来なくなりました。

相談に行った弁護士ははっきり不渡り発生時の処理を説明してくれませんでした。
「不渡りを出してから動きましょう。着手金100万です。」と何をどうするかも言いません。このことがFを非常な不安に陥れました。
娘婿の紹介で相談を持ちかけた男が旨を叩きました。
「良いですよ。私に任せてください。上手く債権者を説得しますから。
貴方は自分の大事のものを持って暫く姿を隠していてください。1ヶ月もすれば全て私が綺麗にします。ただビルや会社の資産は全て処理をしますから、無一文になることだけはご承知願います。」
それでも良い。上手くさえ治まってくれればと、その言葉を信じて、
一切を男に預け、自分は虎の子の個人の預金2000万と自慢の碁盤を抱えて
T子のところに転がり込んだのです。
世間ではFは夜逃げをしたと評判になりました。

上京して漸く手に入れた小さなマンション、其れすら男のために担保で
差し出しています。
其れも、今回の事件で人手に渡ることは確かです。
転がり込んだ男は神経が高ぶっています。それに元のビルとは1キロも
離れていませんから、部屋に閉じこもってままです。
そんな中でT子は男の好きな通りにしておきました。慰め言葉も元気付けも
無駄と承知をして居ます。愚痴を言いたいときは黙って聞いてあげます。
この辺は今までの水商売の経験が生かされて居たかも知れません。

Fは最初は1月くらいで全て解決すると思っていました。今のままでは不安です。
先ず、債権者の動きがわかりません。電話で1部始終を報告してくれる筈だった整理人も、最初の10日くらいは良かったですが、やがて上手く繋がらなくなりました。
たまに連絡が取れても、「五月蝿い債権者が多く、資産を全て分配しても、話が付きそうにも無い。」と少し脅し気味です。だから当分今の状態でいてくれとと言うのです。
Fの孤独との戦いが始まりました。

元の事務所から1キロくらいの処ですから、Fは外へ出られません。
出るとすれば夜近くを軽く散歩くらいです。T子の店に行きたいが
若し知った顔に会えばと思えば行けるものでは有りません。
軟禁されていると同じですから相当な精神力が必要です。
ただ好きな碁をインターネットでやるのと、T子との会話が何とか
Fを力づけてくれたのです。
世間を棄てたFには、ただ限りなき孤独と不安があるだけです。

その間、Fの困ったことは健康保険のことくらいです。
最初は手持ちの物がそのまま使えます。しかし保険料も払いませんから
使えなくなります。
しかし役所は親切でした。事情を説明すると解かってくれて最低の
保険料より遥かに安い保険料で保険書が使えるようにしてくれました。
Tが逃げている間、役所と関係があったのはこれだけです。

元の住所に何件もの金融機関から書類が送られてきた様子ですが、
中身は全然わかりません。

夜逃げをして4年目に入ってT子のマンションが競売になりました。
ビルに性質の悪い整理人が住み付き、なかなか処分できなかったらしいです。
そのために、担保提供のT子のマンションも遅くなりました。

二人はT子の名前で新しいマンションをT子のお店の近くに購入しました。
其れを期にTも少し大っぴらに歩き回るようになりました。
それから1年後にFは現住所を今のマンションに移したのです。
お互い入籍は遅らせています。
万一Fに差押などがあった時の用心です。
Tの夜逃げ、つまり借金からの逃避行は此処で終止符かと思いました。

正式に住民票を取れるようにして1年位です。しかし、その間に、
何のことは無い、全ての金融機関から督促状が届くようになったのです。
個人情報と騒いでも、住民票は未だ他人が取れるのでしょうか
仕入先からも1軒だけですが請求書が届きました。
今から債権者との争いが始まります。

夜逃げで身を隠す。
大変なことです。普通の人には出来ません。
たまたまFは陰で面倒を見てくれる人が居たから出来たようなものです。
普通の人には絶対に薦めません。

何事も逃げるのでなく、正面からぶっつかるということが必要ではないでしょうか。






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税務署がやった禁断の差押

2007-08-11 | 事例
「税務署が来てレジのお金を差押えられました。」
と緊急電話が入った時は暫く信じる気になりませんでした。

1ヶ月くらい前に銀行を差押えられました。
預金は無かったために被害は3,000円以下でした。

そのせいか、10日ほど前にお店の敷金を差押えられたのです。
此れで差押はもう無いと思っていたら、今日はレジのお金です。

普通ならば敷金やレジのお金などは、差押えはありません。
「税務署が店を潰すつもりで差押を?」
税務署が、恨みで差押をする事なんて考えられません。

それから半月にお店は整理して居ります。
お金も全然ありませんでしたし、レジの差押を目の前で見た従業員は
全員が就いて来なくなったのです。

社長の彼とは最近知り合った仲です。
その時の説明は、前期の中旬から税金と社会保険が300万づつ
延滞しているとのことでした。
他に消費者金融が7件で残が50万、毎月の返済が7万とのことです。
リストラをしていけば、消費者金融は今まで通り、公租公課は発生分は全額、
延滞分も増額返済できます。ただ金融機関の借入だけは暫く金利だけに
お願いしましょう。
と云う事でこのお店の正常化は簡単で自力で出来ると思って居ました。

ですから税務署が銀行を差押えて来たと聞いたときは耳を疑いました。
「おかしい。この間の話が本当ならば、此方の計画案で税務署は
納得してくれると 思いましたが、そうは出来なかったのですか。」
「ええ、毎月50万くらい旧税金を払えと言われて居りました。」
「50万は無理ですね。しかしこの計画ならば確実に納税できます。
税務署も納得すると思ったのに。」
明日もう1度税務署に行って話し合うという彼を信じて居ました。

処がその舌の根も乾かないうちに敷金が差押えられたと云う報告です。
私は「敷金の差押えは普通は何処もない。税務署もやらないだろう。」と
彼に教えていました。
敷金は自分が立ち退く時、大家との精算残は差押られますが、
立ち退くまでに家賃を不払いにして、精算残を残さなかったり、
修復費用を払わないと大家が優先して敷金から取れますから、
普通は差押えはありません。

短期間に2回の差押、やけに厳しいなと思って居ました。
「税務署と話し合う。」と言って交渉に出かけた彼に聞きました。
「税金をなんと思っているか。と散々怒られました。」と云う事です。
「貴方、頭を下げずに威張って差押を解けとか言ったのではないの。」
「まあ、そんなところです。」
「しかし、此れで実害は無かったのですから、後は実績で示せば
税務署も解かってくれますよ。本業にいそしんでください。」

その言葉も消えない10日後彼の留守にレジを差押えられたのです。
何か二人で来ていろいろ調査をして、急に態度が変わって「ただ今から
捜索に入ります。」と云ってレジの中身約90万を差押えたと云って居ます。

出先の彼に直ぐ報告をされました。慌てて帰った彼がどう交渉しても解除には
なりません。漸く、差押でなく、自発的の納税と切り替えて貰うのが
精一杯だっと言って居ます。

差押に先ほどのやっても殆ど無駄になる敷金のような差押もあれば、
やられると命取りになる差押も少なくありません。
しかし差押えるほうも若干の手加減をするのでしょうか、
本当に命取りになるような差押は案外やって来ないものです。
生きて居る間はやって来ず、一旦会社が倒産になると税務署の
売掛金差押は実に早いのもその辺りの事情からでしょう。

彼も税務署はレジのお金は差押しないと教わり、其れを信じて全財産を
レジにおいておいたのが致命傷でした。

それにしても何故彼のところだけ続けて3回も、特に禁断とも言えるレジの
金まで、差押たかと云う事は幾ら考えても解かりませんでした。
しかしその後、破産を検討の時、税務署の延滞金は800万余のことが
わかりました。
消費者金融からの借金は13社くらいで700万余のことも解かりました。
此れに追われて他の回すお金が全然なかったことが解かったのです。
彼は私にまで嘘を言って居たのです。

恐らく税務署にも何処にも嘘で塗り固めて居たのではないか、其のために
全然信頼がなかったのではないか、此れが原因と思っています。

しかしそれにしても全部を取られ部下からも愛想をつかれた彼は店を
畳むしか方法がありませんでした。
店頭商品が若干のお金に変わり、彼の生活になりました。
そのために弁護士は自己破産を諦めさせ、高利のお金だけを
弁護士預かりにして居ます。

それにしてもこの地方では一寸した知名店、コンピューターの地図に
載って居たお店が1軒消えました。






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むしりに来た亡夫の親友

2007-08-08 | 事例
「奥さん。わしお宅の旦那に500万貸してあったんや。見返りに小切手を持っているが此れ回しても良いかな。」
Yから電話がありました。

何のことか解かりませんでした。聞いてみると、3年前他界した夫にお金を貸してその見返り小切手らしいです。日付の入っていない白地小切手ですから何時でも有効らしいです。

GとYとは、この辺りの土建業者の組合の正副の会長です。気が合って居ると誰もがそう思っていました。
一緒にゴルフヤ飲み食いは勿論、時には大きな賭博もやっていたみたいです。
そのために、会社や家族が知らない大きなお金が飛び回ったらしいです。
何でYがGにお金を貸したかYは言いません。恐らくこの賭博に絡んで居たのでしょうか。

Gは3年前に自殺をしました。土建業者がリスケもリストラもしなかったために、資金が間に合う筈がありません。Gは最も悪い街金に手を出し、どうにもならなくなったのです。
莫大の保険に入っていましたから、自殺は計画的だったかも知れません。
遺書がありました。
全ての借金の借り先と金額。其れと事業を是非続けて欲しい。Yは頼りになる。相談したらよいだろう。保険金は銀行以外の借金を全て精算しても、家族が生涯生活できるくらいの額はある。此れで幸せに生きて欲しい。
と云う事でした。

Gが病死ではないことは、直ちに噂となって流れました。
悪い噂が飛び通いました。
その中で、妻のG子は夫の意志を守って懸命に会社を守ろうとします。
しかし入札のしきたり一つ解かりません。

そんな時一人優しい言葉をかけてくれたのはYでした。
入札の仕事までも、仲間を抑えてG子に回してくれました。
にも係わらず、G子は次第にYから離れだしたのです。
仕事を回してくれるのは良いが、裏では多額なリベートを要求する様になったのです。
最初は仕事に慣れるために仕方無いと思って居ましたが次第に煩わしくなりました。
時々G子を見つめる視線が怪しげと感じるとY離れは完全のもになりました。

そんなところにYからの電話です。

小切手のコピーを貰い慌てて調べました。
確かに4年くらい前の小切手帳から、そのナンバーの小切手が控えごと見当たりません。
4年も前の小切手は不渡りになるかと、銀行に問い合わせると、日付があれば6ヶ月で無効となるが無い物は何時まで経っても有効とのことです。代表者が変わって居ても関係ないらしいです

しかし、借金があるものならば、主人は必ずメモに残したでしょう。一言も書いてありません。ましてやその額は500万です。
又なんで今頃まで黙っていたのでしょうか。金銭には汚い人だと云う評判が有ります。本当の貸金ならば、主人が他界した時は直ちに遺族に話が有って当然ではないでしょうか。
それにお金をやり取りした経緯を話してくれないのが、最も事態を疑わせます。

G子は親しい2-3の人に相談して居ます。
しかし皆が素直に払うことを反対しています。

「払わないと、小切手は回すだろう。
供託して争うのも良いし、又お金が無いものならば、1回だけならば不渡りにしても良いではないか。
せめて何故こんな小切手が有って、今までおくびにも出さず、今請求があるのかその理由くらいを明確に言ってくれなければ払うべきではない。」
其れが大体の意見です。

しかしG子は相手の言う通り払う決意をしました。
会社を畳むならばともかく、続けてしかも入札業者としてやっていくためには
Yと決定的な喧嘩をすれば今後不利になると判断したからです。

Yに「此方からの売掛が若干あるから其れを相殺して払います。」と伝えたのです。
するとYは又違うことを言い出したのです。

「実は証文でな。会社でなくて個人に700万貸し手あるんや。此れも一緒に返してや。」
さすがにG子は頭にきました。
「相続放棄をして居ますから関係ありません。」
しかしYは執拗です。
「会社の株券があるだろう。それは誰かが相続して居る筈や。
わしも其れを差押えたくないからな。」
「わしが世話をした工事の代金は来月中旬に入金になりますね。
その前に仮差しも出来ますよ。」
結論はこの支払額は10%に負ける。70万を同時に精算してくれの要求です。

1週間の検討時期を貰いました。
G子はYの要求を呑まない場合、Yは本当に仮指しをやってくるその性格を知っています。
訳が解からないだけに、争っても勝つ公算はわかりません、
腹の中は煮えたぎっていますが、今のところYの要求を呑む決意です。

亡き夫に人を見る目が無かったのでしょうか。






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