かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

零細企業の資金難

2015-11-29 | 事例
「日曜というのに申訳ありませんが。」
今日もこんな電話が午前中に2本入っています。
ウィークデェイより土日のほうが電話が多い気がします。

相談の内容は同じです。
何年か前、経営は危機になりました。何とか立ち直り、公庫など返済を終了したところもあります。
保証協会付きの信金も借入条件には戻りませんが、毎月の返済額も増やして居ります。
ところが、ここ2-3か月受注が少なく、特に12月は入金はほとんど見込まれない状態。
何処かで、貸してくれるところはないでしょうか。

同じような電話が最近多いです。

皆さん、零細企業の方です。中小企業が身を小さくして何とか生き延びてきたが、また試練の嵐が巻き起こっている様子です。
こんな人たちに資金難が起こりつつあるようです。

以前に比して、不足の額も少ないですが、今問題になって居る方が、以前、円滑化法が起こるころより、解決は難しくなっています。
以前は自分の周囲はみんな資金難だった。仕入先にも無理が言えたという中で今回は仕入先にはもう頼めないという人が多いです。
出荷制限がそれだけ厳しくなっているのでしょう。
それが怖くて。仕入先には支払い延期は言えません。

いずれにせよ、不足額は1000万以内。そんな額の資金難に悩む零細企業が増えたことは
間違いがないように思います。
金額からいえばたいした問題ではないかもしれないが、人数からいえば困る人は結構多いでしょう。

この場合、解決のアドバイスには本当に苦労します。
今までは、みんなで渡れば怖くなかったですが、今回の場合は他人の情勢がつかみきれないからです。
仕入先も含めて支払いの延期という答えが許されていないからです。

「零細企業の資金難? 今は出ていないし、今後も起らない。起こると思いのは余分の心配さ。」
と言われるようになりたいと思っています。




兄弟のお金の貸し借り

2015-11-25 | 事例
「義理の兄にお金を貸します。注意事項と契約書の作り方を教えてください。」

最初は義兄が交通事故でローンや銀行返済ができない、と言う相談でした。
義弟が心配して、いろいろ口出しをしているうちに、義弟がローンを肩代わりをすると言う
事になったらしいです。ローン残は1200万です。

今回の事故を起こすまでに、義兄はローンを6カ月、銀行借入を3カ月分滞納し、不良債権に
なる寸前でした。今回の事故を何とか利用して支払いを延ばしたいと言う義兄の腹です。

勿論債権者は、重体の病人に払えと言っていません。最長もう6カ月は待ちましょう。
それまでにどうするか決めてくださいと言って居ます。

義兄は父親のコンビニを手伝って居ました。それが半年前に父親は他界、店は自然廃業となり、彼は失職中です。
そこに後遺症が残りそうな今回の事故、年齢は50代、治ってもよい職が有るかと言えば限りなく疑問です。

唯、父親は月に家賃が30万位入るアパートを持って居て、これが相続で彼のものになると決まって居ます。
こんな状態ですから、名義は変えて居ません。

「自宅に住んで生活はアパートの収入でまかなう。銀行は金利だけを何とか払う。
 ローンさえなければ大丈夫だが。」
仕事が無くても大丈夫と考えて居ます。
其処から弟が1200万のローン残を全額立替えをする話になったらしいです。

しかしそんな状態ですから当初何年かは1円の返済も見込まれません。
弟は貸せることは貸せるが、何とか債権は守りたいと懸命です。
何回も契約書案は変更されました。自宅は担保は仕方無いが、名義は変えないという条件です。
借りる義兄は言いたい放題です。

「貴方は本当に姉や義兄の事を心配していますが、相手はどうでしょうか。
 今は貴方に借りて当然と思っているではりませんか。
 退院したら少しでも返済をしようとする意思など全然見受けられません。
 
 ローンは貴方の出金で解決しても、銀行返済は解決しませんよ。其の銀行はアパートの事
 などもう完全に知っているみたいですね。

 貴方が立て替えても其のお金は戻って来ませんよ。
 契約書に何を書こうが同じです。

 要は貴方が戻ってこないことを承知でお金を貸せるかと云う事だけです。
 嫌だったら貸せるのはやめましょう。
 私は断る事をお勧めします。そして、義兄の問題にタッチすることはやめましょう。

1日考えると言った義弟の言葉は、「それでも貸します。それだけで良いから契約書を作ります。」
中小企業の勤め人、義弟の顔が何故かすっきりして居ました。 



迷う繰越欠損

2015-11-22 | 事例
彼の会社は資産0、借入12億、利益の赤残12億、と云う会社です。
15年前から変わって居りません。会社に愛着を持ち、何とかまた再起を夢見て居る彼は
事業税を払っても会社を存続してきました。

そんな彼に良い話が起こり、来期は少なからずの利益が舞い込んで来そうです。
「いくら儲けても12億までは無税だ。」そう思っている彼に税理士は冷たく言いました。
「確かに一時は繰越欠損も何億となりました。多少は使ったのも有りますが、基本的には
 皆、時効になって居て、今日では使えません。」
「使えないって、それでも仕方無いが、借入と相殺は出来るだろう。」
「債務放棄益との相殺も出来ないと思います。」

新規の商売は帳面をきれいにして出発しようと思いましたがこれではきれいにすることも出来ません。
時に得意先に決算の開示も必要になりますから、どうしても今期整理をしたいのです。

つまり、訴訟も何も有りませんでしたから、借入が時効になった時に直ちに援用して帳面を
綺麗にすれば良かったのですが、やらなかったのです。

「困ったな」
しかし、時効と聞いて彼にはピンと来るものが有りました。
「借入も時効になり、債務益が計上されるのが普通ならば、この税金の課税もすでに時効に 
 なっているではないか。つまりこの放棄益はすでに時効になって居るから安心して相殺してくれ。」

この理屈が通るかどうか判りません。
彼は嫌がる税理士の後を押して力んでいます。
わたしも調べましたが判りません。
事前に税理士は税務署に聞くと思いますから其の時はぜひ教えて貰います。


今でも多い、初歩的の質問

2015-11-20 | 事例
最近、「無料相談ですか。」と気う電話がちょっぴり増えました。
何と無くおどおどした様な電話です。
「どんな事でもよいですよ。また、電話は長くなってもよいですから遠慮なくどうぞ。」
と質問を誘います。

何か思いつめたと気う感じですが、漸く本論の説明に入ります。
ところがこの説明が、皆さん決して上手く有りません。不慣れの説明だからでしょう。
関係の有ること無いこと、一緒くたになって、考えを複雑にしたり、または本来は重要な問題を目先さえ解決すれば良いと云う気になったりしています。

そこで気付くのは、今、債権債務問題は本やネットで、相当な知識まで常識化されて居ると思っていましたがそうでもなさそうです。

たとえば、やはり一番多い質問は、「銀行返済を減らしたいが出来るものでしょうか。」
と云う、リスケに関する事です。
これに関しては、つい最近まで、これに関する法律が有ったという事も知らず、無関心の人
ばかりです。当時は返済が出来ていたからです。
あれだけ、世間で話題になったから、もう常識だと言っても、電話の人たちには未知の事です。

こうした人たちが、日ごろから、ちょっぴり、こうした事を新聞なんかで知っておけば、
今日の電話の内容も随分違っていたでしょう。

本業に関することは、些細の事でも経営者はそれを知ろうと務め、自分の参考にしようとします。
しかし、この債権債務の問題は、常日ごろから勉強したり注意をしている人が意外に少ない
もではないかと云う気がします。

日繰り表で毎日資金繰りをしていても、その目先の解決だけで、抜本的の改正まで考えている人は意外に少ないと思います。
そして、どうしても解決出来ない時に、漸く相談出来る処を探すのでしょう。

債権者側から見た、こうした債権債務に対応は解説本など一杯有りますが、逆に、債務者側からみた事件対応の解説は、
反道徳的の事も踏まえ、非常に少ないことも1因になっては居ると思いますが、問題は常日ごろからの経営者の心がけ次第でしょう。

大がかりな勉強など必要は有りませんが、これに関連した問題が新聞に載ったりした場合は
目を通して置く。これだけで随分違うと思います。

どんな時代でも基本は同じ問題が回転しています。その基本は僅かな知識で事足ります。
そうなった欲しいと思っています。



スマホ

2015-11-18 | 雑感
スマホに変えて7か月になる。相当操作は覚えたがまだ知識も操作も本物ではない。
特に入力は弱い。隣の文字をタッチしたり、横のボタンも一緒に押して、機械を混乱させている。
女の子の指先に驚嘆して、俺は一生あの子のレベルにならないだろうと悲観して居たが、音声入力を始めたら調子は良い。
よく、私みたいな悪い発音でも機械は判断してくれる。

パソコンが有るから、WiFiは無料で出来た。料金は気にしなくてよい。
後は数多いソフトをどう使うのか、其れを飲み込めば一応機械に慣れたと言えるかもしれない。
アプリを知るため、寝る前に片っ端からアプリのインストールとアンインストールを繰り返している。

何回も行き詰ったが教えてくれる人がいない。簡略された説明書しかなく、本物は機械の中にあるから、
自分で取り出しなさいと言っているが、これは私だけでない殆どの人がやらないだろう。メーカーのずるい方針だ。

簡単な説明でも、その中は知らない単語ばかりだ。
したがってどうしてもメーカーのサポートを頼る。
何回御世話になったろうか。
態度も説明も全然良い。時間の24時間。それも年中無休だ。
質問を記録しているから話も早い。
この点はこのメーカーは最高だ。おかげで助かっている。

今、どんな仕事でもパソコンを不必要とする仕事はないだろう。
完全に縁の下になって企業を支えている。
家庭に置けるスマホにはまだそこまで行ってはいないが、必ずごく近い将来は個人や家庭を
支えるものになるだろう。

それまでには何とか使いこなせるようにしたい。








納得できない講演会

2015-11-16 | 事例
「これからの中小企業の資金問題と云う講演会に行ってきました。
 保証協会の保証も今を見直すと言っていましたが、そうなれば困ります。」
昨日聞いたという講演会の話です。

「保証人問題で保証人になれる人が少なくなって居ますね。保証協会は以前に比すと、保証人や担保を揃えられなくなっているらしいです。
 そこで、保証をぐんと縮めるとか、100%保証を無くするとか、そんな事が近々実地されそうだ、と言っていました。」

相談者は、この時節、まだリスケはやって居ません。唯保証協会の借入を繰り返していますから事実上はリスケと同じようなものです。
「そうなれば、銀行にも保証人や担保も有りませんから、僅かな自前の融資を承諾するか問題です。
 今の銀行が承諾する筈が無いでしょう。そうなれば、中小企業全滅ですよ。」

地方銀行の合併や、中小企業に対する融資のやり方の変更が有るとは聞いて居ますが、
この融資の方法が変わるか、その全貌は聞いていません。

本当にこの講演会のように保証協会の保証態度がぐんと違って来れば、影響は大きいです。

銀行だって、現在は地銀の合併など盛んらしいですが、終わった後は、中小企業の」リスケ
問題をきれいにすることに取り組むでしょう。
講演会では、「中小企業の最後の且つ本当の危機がやって来る。」と叫んでいたらしいです。

「それで其の講師はどうやって対応、または解決しなさいと言っていました?」
「其れがね。そうなっても平気な体質になれ。と言っていました。」
「答えじゃないね。どうして平気な体質を作るのかが大切なんだ。」
「其れは本業に関することだから、会社によってやり方が違う。個別相談も引き受けます、だって。」

何となく、納得出来ない講演会です。


夫婦が相手を裏切る時

2015-11-14 | 事例
連れ合いに対する思いやり。純真さが多いのは男か女かと聞かれた場合、私は即座に男と答えます。

中小企業が債権問題を起こした時、これがよく判ります。
今までに増して結びつきを強くし、立ち向かう夫婦も多いですが、それに負けないくらい、
夫婦間が破綻する夫婦も多いです。

破綻は、夫婦一緒に会社に携わって居る時は先ず起こりません。
一方が、家事などで、会社に携わって居ないときにやってきます。
この場合は例外なく、旦那は妻想いです。絶対に何が有っても妻には苦労をかけず、
守り抜こうと言う心根です。そして妻を信じて居ます。
そんな夫婦に何故破綻が来るのでしょうか。

破綻の例はいろいろ有ります。
男が体調を崩し3-4日入院して自宅に帰ると待っていたのは三行半、それだけでない。
通帳と印鑑は妻管理だったが、預金は全て下ろされて、どうも妻の名義になって居るらしい。
その理由が判らない。

もっと考えた例もあります。
自宅は守りたい。そのために偽装離婚をしましょう。自宅は妻が貰う。貴方は工場に寝泊りをし、そして倒産です。
事が収まればまた復縁にすれば良いでしょう。
妻の描いた偽装離婚に載り、自分は工場に移り生活し、倒産したが、妻が復縁NOです。
妻を愛し、信じてきたのに何故?

妻だけは俺の心の拠り所だ。大事にし、中小企業の惨めさを見せたくない。どんな場合でも妻だけは守り抜く。
破綻する多くの男のタイプです。妻に理由など有りません。
「嫌になったから。」ただこれだけです。

男が妻を裏切る場合は唯一つしかないと思っています。

「私、遺産でアパートが入りました。収入も35万ほどあります。
 ところが夫が口実をつけてアパートを改築し、どさくさにまぎれて名義を半分づつの共有
 に変えてしまいました。
 私は夫を信じていたから構わないろ思っていましたが最近次の申し出がありました。

 会社も二人でやろう。自分は得意先の事など、営業をするから、お前は資金を面倒見てくれ。
 夫婦で半分づつ責任を持とうや。だからアパートの収入の半分は自分に渡してもらえないか、と云うのです。
 素直に聞いてもよいでしょうか。それとも夫になに下心が有るのでしょうか。」

中小企業の夫婦の破綻は一方の浮気などは皆無と言ってもよいくらいです。
女は唯「旦那が嫌になった。」理由も何もありません。これだけです。
男からは、破綻の申し出は殆どありませんが、唯お金が絡む場合は別です。
女房の金でも自分の支配下に置きたいのです。

夫がどんな手順を考えて居るか判りませんが、何かアパートを完全に自分の支配下に置きたいのだなと云う事がピンときました。

純真な奥さんを騙して乗っ取ろうとした珍しいケースです。

夫の心底は判りませんが、アパートを担保にして融資を図る。奥さんは保証人にはしたくない。
そこで名義を全部自分にする、と云うような考えではなかったかと推測して居ます。

私は奥さんに夫の提案を断るよう薦めました。アパートは万一夫が事業に失敗した時のためにも温存しておきましょう。
その為にはもう1度、100%奥さんの名義に戻しましょう。
其れで余裕が有ればいくらでも援助しても構いません。

でもあの従順な奥さん。夫に切りだせるか心配です。