暮れも迫ってきた11月、銀行との条件の更新です。
今までは金融円滑化法の基で金利だけで御願いして居ます。
もう法は切れると云うもののまだ4ヶ月と少し残って居ます。
今から駆け込みで、更に1年間、是非金利だけで更新したいと思って居ます。
地銀と信金、2行有りますが、両方とも銀行に異存は有りません。簡単に認めてくれました。
「よかった。ただし保証料だけは前払いだから少し必用だな。」
社長はそう思って居たのですが、殆ど同時に地銀と信金に呼ばれました。
両方とも延長は出来ないと云う事です。
両者の理由は同じでした。
ともに全額、保証協会の保証付です。其の保証協会がNOと云ったらしいです。
両銀行は保証協会の受け売り。保証協会がNOならば当行もNOと云うわけです。
理由は「今回で3回目になるが、その間、何も向上して居ない。減額をしても経営改善の効果は全然期待
できない。」と云う事。政治が悪いなんて口が裂けても云えません。
結局は改善計画を見直しし、6ヶ月の猶予で何とか認められました。
次回は5月。円滑化法は終って居ます。どうなるでしょうか。
銀行が良いといって決めたのに保証協会が反対して壊れると云う例は、私にとっては初めてと云って
よいくらいです。
どうやら中小企業と銀行とのやり取りは、企業と保証協会に変りつつあるような気がしてならないのです
銀行の発言力が下がって居るか、遠慮して居る事を感じます。
企業の融資に、プロパー融資は今や殆ど有りません。全額保証協会付となってきました。
1期間あった、融資の中に必ずプロパー融資も含むと云う遣り方は完全失敗でした。
銀行は保証協会との窓口だけになって来ました。
今までは銀行が全てを保証協会と交渉し、借手はその云う事を聞いて居ましたが、最近は
交渉が必要の時は、借手と保証協会を直接交渉させて、銀行はその結果に従うなどの方法も
多く見受けられます。
銀行の発言力が低下して居るのでしょう。
「今後融資の何割かはプロパー融資含む事」と、通達や指導で決めても、効果は無いと思います。
又法や政令等で強制にすれば、中小企業の融資は全然ストップになるでしょう。
こうして見れば、今後中小企業の融資、イヤ資金繰りまでも、全て保証協会が握っているのと同じです。
保証協会は強くなる一方でしょう。
之が、不幸にして代位弁済になった時は、もっと顕著に現れます。
代位弁済をするのだから、銀行債務は有りません。保証協会一本の不良債権です。
担保の持合など、今までは圧倒的に銀行優先でしたが、今後は保証協会一本になるでしょう。
問題は其の不良債権の回収です。
いまや普通のサービサーより、保証協会サービサーの方がはるかにひどい回収振りを発揮して居ます。
代位弁済になったばかりの1年間は債務者の事を考慮した支払いで話し合いは付きますが次第にきつくなります。
時効防止をかねて必ず訴訟を起すのも保証協会だけです。
一旦決めた返済額を何回も上げようと交渉に来たり、その間に不動産が見つかって、
仮差から訴訟までなった人も何人も見て居ます。
其の上、代位弁済額が少しでも残っていれば、生涯どころか息子の代まで保証しない為に、銀行取引も
出来ません。
たまに残金を清算しようとする場合は、社会一般は殆ど請求しない遅延損害金を、背一杯回収しようと
あくどい事をして居ります。
いまや中小企業の資金は、発生から終着まで全て保証協会に握られ、其の意思の中で動くような体質に
なって居ると云っても過言では無いと思います。
しかも貸し倒れの何割かは税金から出る保険で賄われます。
銀行は絶対にリスクのなく、貸して居れば金利だけは間違いなく入ると云う仕組みです。
かってビジネスローンで大銀行は多額の損を発生ました。
この損は忘れられずプロパー融資は当分は戻らないでしょう。
中小企業の金融、一手独占の保証協会。政府銀行と同じです。
癪に障るけれど之なくして中小企業は生きていかれません。
これからは、如何に此処を利用するか徹底的に其の仕組みを知る事と思います。
之と中小企業再生と云う言葉がにわかに日の目を見る様になって来ました。
11月の金融相談話の影響も有ると思います。
しかし現実にはこれほど中小企業主を無視したものはないと思います。
保証協会の独占と再生支援の二つが今年度の注意する問題でしょう。
この再生の事は又別個に触れます。
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