蝦夷地で多く漁獲される高級食材。
時間をかけてゆっくり成長する大きな身が絶品
「真つぶ」の正式和名は「エゾボラ」です。「エゾボラ」は漢字では「蝦夷法螺」と表記され、「法螺」は巻き貝自体を表し、蝦夷地(北海道)に多い巻き貝がその由来です。その味の特徴としては、コリコリした食感と、噛めば噛むほどに広がる濃厚な旨みがあります。「真つぶ」は成育が遅く、漁獲サイズに成長するまで相当な年数を要し、また、近年の資源量の減少もあり、その漁獲サイズが厳しく制限されています。このため、資源量の少なさに加え、その味の良さから高級料亭等の引き合いが多く、高級食材として取り扱われています。
中でも、「日高の真つぶ」は味もよく、大きいもので1kg近くまで成長し、高級食材として取り扱われていることから選定しました。
北海道一の漁獲量を誇る日高地方。
各所でかごを沈めて待つ独自のつぶかご漁業で漁獲
つぶかご漁業は、1本の幹縄に餌の入ったかごを約10メートル間隔で100個付け海底に沈めて、真つぶがかごに入るのを待つ漁業です。漁場に着くと、前回入れておいたかごを引き揚げ真つぶを取り出し、次の漁に備えるため餌をかごに入れて船上に積み重ねます。すべてのかごを回収した後、別の漁場へ移動し再びかごを海へ投入します。
日高管内では台形状の円柱形のかごを使用しています。
漁獲された「真つぶ」は、船上で大きさにより大まかに選別され、さらに漁協の市場で正確な重量を計って規格別(大・小)に選別されます。
餌はいか、ほっけ、すけとうだら、いわしの他雑魚などを用います。
一般にエゾバイ科の巻き貝を「つぶ」と呼びますが、種類がたいへん多く、日高管内ではエゾボラモドキは「Bつぶ」と呼ばれ、オオカラフトバイは「灯台つぶ」と呼ばれます。他に「毛つぶ」と呼ばれるアヤボラなどが漁獲されています。
「真つぶ」は甘みがあり歯ごたえも良いため刺身や炉端焼きなどに適しています。
*プライドフィッシュHPより
「つぶ貝」全体の漁獲量を見ると、北海道全体では9000トンですが、そのうちの約3割(3000トン)を日高が占めています。また、漁獲金額では、北海道全体では30億円ですが、そのうちの約4割(12億円)を「日高」が占めています。このように、日高は北海道で漁獲量・漁獲金額ともつぶ漁の第1位を占める生産地です。
その大きさが特徴の真つぶですが、大きいものだと1kgを超えるものもあるといいます。しかし、大きくなるまでには長い年月がかかるそうです。200gに成長するためには、8年もかかるといわれていますが、1kgになるには何年かかるのでしょう。
そこで、この貴重な資源を守ろうと、日高地方では計画的に漁獲されています。たとえば、200g以下の小さい真つぶが獲れた場合はすべて放流します。また、漁獲の時期を制限し、一定の休漁期間を設けています。このような漁業者の取り組みにより、貴重な真つぶという資源が確保されているのです。
*https://tenki.jp/suppl/romisan/2018/08/19/28310.html より
日高の真つぶ家庭料理コンテスト全レシピ集なんてものもあります。
*http://www.hidaka.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sis/gyosei/tubu/recipe.htm