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<苺> 彩のかおり

2021-04-30 07:57:11 | 食品

 「彩のかおり」

 促成栽培用イチゴ新品種「彩のかおり」

 要約  果実が大果で、食味は極めて良好、葉数、分けつ数が少なく、果数も比較的少なく、省力的特性をもつイチゴ新品種「彩のかおり」を育成した。
 担当機関  埼玉県園芸試験場 そ菜部
 背景・ねらい 埼玉県のイチゴ栽培は促成栽培が主体であり、栽培されている品種も「女峰」が中心である。このため、競合産地も多く、市場における産地間競争が激しい現状にある。また、果数型品種である「女峰」は収穫労力を要するとともに、収穫後期の小玉果の発生が問題となっている。そこで、県内産イチゴを有利販売するため、大果で、食味の優れるオリジナル品種を育成しようとした。
 成果の内容・特徴 
 育成経過
 1986年に大果品種である「アイベリー」を自殖し、得られた実生の選抜を重ね、1989年に優良系統「No.98」を育成した。以後、2年間にわたる特性検定と現地適応性試験の結果、促成品種として大果で食味が特に優れることが認められたので、1993年4月に「さやか」の名称で品種登録の出願をした。その後、名称変更を経て、1996年10月に「彩のかおり」として登録された。
 育成品種の特性
 草丈はやや高く、草姿は中間、草勢は中で、葉は大型である。葉数、分けつ数は少なく、葉かき、芽かき労力の省力化ができる。
花芽分化期は「女峰」より遅く、成熟日数もやや長い。頂花房の花数は10~15花でやや少ない。(表3)
 果形は円錐形で、果形の乱れは少なく、光沢がよい。大果で、第1果の平均果重は「アイベリー」並みである。果皮は明赤色、果肉は淡紅色である。(表1)
糖度は「女峰」並みであるが、酸度は低く、果汁が多く、食味はさわやかで優れる。(表2)
 炭そ病には「女峰」より強いが、萎黄病にやや弱く、うどんこ病には弱い。
休眠打破に必要な5℃以下の低温要求時間は250~300時間程度である。
 成果の活用面・留意点 
 大果・良食味を生かした贈答・直売用品種として活用できる。
肥切れで芯止まり、多肥でチップバーン、がくやけ、乱形果の発生が多くなる。

*https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010005588 より

 

 イチゴ新品種「彩のかおり」の育成と安定生産技術

 「彩のかおり」は、「アイベリー」の自殖実生の中から、大果で食味が優れ、促成栽培に適した新品種として選抜され、1996年10月に品種登録された。本品種は「女峰」に比べて花芽分化は遅いが、花数が少なく、収穫労力の軽減が可能である。果形は円錐形で光沢がよく、大果である。糖酸比が高く、果汁が多く、食味はさわやかで優れる。炭そ病には「女峰」より強いが、萎黄病にはやや弱く、うどんこ病には弱い。本品種の安定生産を図るためには、親株にウイルスフリー株を利用し、本ぽの窒素施肥量は2.Okg/a程度とし、極端な少肥栽培や多肥栽培は避ける。高品質、高収量を得るための栽培法としては、9月中旬定植、無仮植苗を用いた電照栽培が適する。

*https://ci.nii.ac.jp/naid/40005400381 より


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