「大垣水まんじゅうかき氷」
モッチリとした食感とこしあんの優しい甘さが特徴の水まんじゅう
良質で豊富な地下水に恵まれ、古くから「水の都」と呼ばれてきた岐阜県大垣市に人気のかき氷がある。ふわふわの氷の中に、モッチリとした生地ですっきりと甘い水まんじゅうが入ったかき氷は、世代を超えて愛されている。
JR大垣駅から徒歩10分の駅前商店街にある、江戸時代創業の老舗の和菓子店「餅惣(もちそう)」。
店内には「にっき餅」(120円)や「草餅」(120円)、岐阜県産のもち米を使った「おはぎ」(120円)に…。
サツマイモをたっぷり使った鬼まんじゅう「おいもごろごろ」(150円)などが並ぶ。
中でも看板商品は、「水まんじゅう」(3個で420円)だ。
大垣の夏の風物詩「水まんじゅう」は、2種類のくずと本わらび粉を混ぜて加熱しながら練り上げる。
器として使うおちょこに、こしあんで作ったあんこ玉と生地を流し入れていく。
蒸し器で15分蒸し上げると、地下水が流れる水槽の中へ。水温が1年通して約14℃という地下水で冷やす。
半透明の生地はつるんとした食感で、こしあんの優しい甘さが特徴のまんじゅうだ。
大垣の雰囲気と一緒に味わって 3つの水まんじゅうが入った「水まん氷」
この水まんじゅうを使った夏の人気メニューが、「水まん氷」(650円)だ。
女性客A:暑いので涼しくなれるかなと思って
男性客A:氷も甘いですし、水まんじゅうとマッチして。こしあんなのでツルっと入ります
女性客B:2つの味が一気に食べられてうれしい
このかき氷を考案した6代目の鳥居清さんは、「大垣の雰囲気と一緒に味わってもらいたい」と、かき氷に大垣名物の水まんじゅうを入れた。
氷は、不純物を取り除いたキメ細かく純度の高い「純氷」を問屋から仕入れて使っている。
注文が入ると、升の器に敷いた氷の上に水まんじゅうを3つ乗せる。さらに氷を被せ、最後に自家製の白蜜のシロップをかければ完成。
ふわふわの氷の中に隠れている一層ひんやりした水まんじゅうは、生地がモッチリしていてさわやかな甘さ。
暑くなると、このかき氷目当てに大勢のお客さんがやってくる。
密を避けるために、店の前の歩道に設置されたテーブル席。かき氷は、市と商店街が2020年に始めたこの「まちなかテラス」で食べることができる。
家族連れの父親:小さい時にここで食べたことがあって…。すごくおいしかったので、子供を連れてきました
水まんじゅうのかき氷は、世代を超えて愛されていた。
夏の看板メニューの「水まん氷」が、26年前に誕生したのにはあるきっかけが。
「餅惣」6代目 鳥居清さん:持ち帰り用にパックの水まんじゅうに氷を削って、家に帰ってすぐに冷たく食べられるようにしたのが評判になった
約100年前に誕生した「水まんじゅう」。冷蔵庫のなかった時代は、湧き水で冷やした夏の風物詩として親しまれてきた。
そして、家庭でも冷たいままおいしく食べてもらいたいと、削った氷を入れたことが「かき氷」のアイデアに繋がった。さらに…。
「餅惣」6代目 鳥居清さん:枡を利用して大垣らしさが出ないかなと。食べやすいように、特注で8角形の枡を作ってもらいました
大垣は升の生産量が日本一で、8割のシェアを誇る。自家製の白蜜シロップも大垣の湧き水とザラメで作った。素材から器まで、地元の魅力がギュッと詰まった逸品だ。
女性客C:和スイーツ、見た目でも楽しめてすごくいいと思います
男性客B:夏にかき氷と水まんじゅうが同時に食べられて、甘さもちょうどよくおいしかった
「大垣発祥の水まんじゅうを大垣の雰囲気と一緒に味わってもらいたい」。鳥居さんはかき氷を通して、他の地域の人はもちろん、地元の人にも改めて地域の良さを知ってもらいたいと願っている。 (東海テレビ)
*https://www.fnn.jp/articles/-/224618 より
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