「ホヤの酢の物」
主な伝承地域 宮城県沿岸部
主な使用食材 ホヤ、きゅうり、みょうが、青しそ
歴史・由来・関連行事
三陸の沿岸部で養殖されているホヤ。養殖されているのはマボヤが中心で、カキの殻をロープにつけて下げ、ホヤの胞子をつける。それを間引きしながら3年ほど海の中で育て、水揚げをする。ホヤの生産量の8割を担っているのが、宮城県である。
ホヤは、「海のパイナップル」と呼ばれ、甘味、酸味、塩味、うま味、苦味などの五味すべてを持つ食材としても知られている。さまざまな生理機能効果が認められているタウリンやグリコーゲンのほか、亜鉛、ビタミンEやビタミンB12など栄養素も豊富である。
県では初夏になると、水揚げされたばかりのホヤが殻付き、殻をむいたむき身などの状態で市場やスーパーマーケットに並ぶ。地元の人たちは、刺身、酢の物などのほか、炙ったり、天ぷらなどにして食す。
ホヤは鮮度が重要で、時間が経つと独特のにおいが出てしまうため、産地から離れた地域に暮らす人の中には苦手意識を持つ人も少なくない。しかしながら、新鮮なホヤは潮の香りと五味をしっかりと感じることができるため、産地で食べることが推奨される。
食習の機会や時季
初夏から盛夏にかけてが旬で、時期になると殻付き、むき身のホヤが市場やスーパーマーケットに並び、各家庭で食されている。飲食店でも季節の味として刺身や酢の物、そのほかのアレンジ料理が提供されている。また、ホヤの専門店も仙台市内に数店舗あり、地元客はもちろん観光客にも人気となっている。生もの以外にも、冷凍ものや蒸したものなども流通しているので、宮城では通年食されている。
飲食方法
殻付きのホヤは、給排水する口を切り落とし、そこから包丁を入れて殻をむく。身を取り出したらワタを取って、水洗いする。旬の時期には生で刺身、酢の物、和え物で好んで食べられている。また、炙りや天ぷら、炊き込みご飯やパスタなどにもアレンジされている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
ホヤの認知度向上・販路拡大を通じて東北の振興目指すネットワーク一般社団法人「ほやほや学会」がウェブや冊子などを通した情報発信をおこなっている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hoyano_sunomono_miyagi.html より
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