「めまき」
主な伝承地域 富士河口湖町
主な使用食材 乾燥アラメ、ワカサギなどの魚、醤油、砂糖、酒、みりん
歴史・由来・関連行事
「めまき」とは魚をアラメ(昆布の仲間)で巻いて、醤油や砂糖などでじっくりと煮込んだ郷土料理である。アラメで巻くことから「めまき」と呼ばれるようになった。江戸時代中期頃から富士山信仰で訪れる信者に対して、宿を提供し、もてなす役目の御師が「めまき」をふるまったという。また、富士河口湖町の河口浅間神社の例大祭を祝う行事食として地域に伝えられてきた。「めまき」の三角形は富士山、アラメの巻きおわりを留めている爪楊枝は富士登山に使われる金剛杖を意味するといわれており、富士山信仰と富士登山の安全祈願を意味するとも伝えられている。食材のアラメは大変硬いため、数日間煮込む必要があるが、その分保存がきき、かつては富士登山の携帯食として重宝された。また、祭神は富士の女神・木花開耶姫命であり和服姿が三角形を模し「めまき」の三角形を姿としているようである。
食習の機会や時季
4月には富士河口湖町周辺の商店に「めまき」の材料としてアラメが店先に並ぶ。
飲食方法
熱湯でゆでて陰干ししたアラメで魚を三角形に巻き、鍋で10時間以上煮て柔らかくなったら調味料で味をつけ、味がしみこむまで煮る。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
一部の地域だけでつくられていることと、大変手間がかかるため、つくり手が減っているものの、河口浅間神社で毎年4月に開催される春祭りは「めまき祭り」と呼ばれるほど地域で大事にされてきた郷土料理であり、地域の女性たちが各家庭でつくることで子や孫たちに伝えている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/memaki_yama_nashi.html より
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