「鳥もつ煮」
主な伝承地域 甲府市
主な使用食材 レバー、砂肝、はつ、きんかん、ひも、醤油、砂糖、酒
歴史・由来・関連行事
「鳥もつ煮」とは鳥のレバー、砂肝、はつ、きんかん、ひもなどを甘い醤油のたれで煮詰めたもので、戦後まもない昭和25(1950)年頃、甲府市にある大正2(1913)年創業の蕎麦屋「奥藤本店 国母店」の二代目主人が、肉屋から「捨てられてしまう鳥のもつをどうにかできないか?」と相談されたのが始まりと言われる。当時はまだ食べ物にも不自由している時代で、安くておいしいものになるよう試行錯誤し、当時は貴重だった醤油と砂糖でこってりと煮た「鳥もつ煮」を開発した。甘じょっぱい味付けで、お酒にも白ご飯にのせてもあうと今では居酒屋や定食屋、蕎麦屋などで定番になっているほど甲府市民の庶民の味である。「もつ煮」というと長時間煮込んだ汁もの印象があるが、「鳥もつ煮」はレバーなどを少量のタレで、強火にて短時間で照り煮し、鳥もつの旨味や甘みをぎゅっと閉じ込める独特の製法である。具材にある「きんかん」もその名の由来が面白い。
食習の機会や時季
季節問わず通年食べられている。
飲食方法
レバー、砂肝、はつ、きんかん、ひもの余計な部位を取り、それぞれ食べやすい大きさに切る。薄めの食塩水でしっかりと洗い、塩水を切る。フライパンに醤油と砂糖を強火で煮立たせて、濃い場合は酒か水でのばす。タレから少し泡が出てきたら、もつを入れ軽く混ぜて蓋をする。焦げ付かないように時々混ぜながら、フライパンのふちにタレがこびりつくようになったらできあがり。お好みでレタスや火を通したししとうなどと食べる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
蕎麦店、ほうとう店、定食店などで定番メニューとなっているほか、スーパーマーケットの惣菜売り場などでも買うことができる。また、2008年より、甲府市役所職員の若手有志によるまちおこし団体「みなさまの縁をとりもつ隊」として「鳥もつ煮」の名前を甲府のB級グルメとして全国に向けてPRしている。それにともないメディアで取り上げられることも多くなり県外から通販の注文も受けている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/torino_motsuni_yama_nashi.html より
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