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<The Wonder 500> ものづくり 398 鶴醤(つるびしお)

2022-10-17 06:55:37 | The Wonder 500

 「 398 鶴醤(つるびしお)」

深いコクとまろやかさ
倍の原料と歳月を加えた再仕込み醤油
口の中でぱっと広がる芳醇な味と香り。
「鶴醤」は「深いコクとまろやかさ」を極限まで追求したヤマロク醤油の自信作。「再仕込み製法」を用いて造るこの醤油は、1~2年熟成させた生醤油を、もう一度桶に戻し、仕込塩水の代わりに醤油の中へ大豆と小麦を加え、もう2~3年仕込む二度仕込み。倍の原料と歳月を加え自然の力でゆっくり育てること、塩の代わりにかどのとれた生醤油の塩分を利用することで、これまでにない深いコクと香り、まろやかさを引き出しました。

 ヤマロク醤油 株式会社 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607

 微生物たちの力で醸す「木桶」の醤油
 ヤマロク醤油は全量木桶仕込み。16~32石(約3,000~6,000リットル)の杉を使った「木桶」を使用。
 発酵調味料の全ては、乳酸菌や酵母菌などの「微生物たちの力」によって造られます。彼らにとって最高に居心地の良い環境を創ってあげることができれば、最高においしいものができるのです。だからプラスティックではなく、「木桶」でないとダメなんです。
 木桶での醤油造りは温度管理が難しく、非常に手間と時間がかかりますが、これまでもこれからも「木桶」を使うことにこだわりを持っています。

 今にも崩れそうなくらいボロボロに見える杉桶
 今にも崩れそうなくらいボロボロに見える杉桶ですが、腐っているわけではなく、この中にも大切な菌たちが暮らしているのです。触るとフワフワしています。

 醤油造りに欠かせない、酵母菌や乳酸菌たちが暮らす
 「生きてる蔵」「生きてる蔵」ヤマロク醤油のもろみ蔵は100年以上前(明治初期)に建てられた蔵で、国の登録有形文化財(第37-0182~0184)に指定されています。木造平屋で床は土間、壁は土壁。見た感じボロボロですが、そこがポイント。実は桶以上に、梁や土壁、土間の中には100種類という酵母菌や乳酸菌たちが暮らしているのです。つまり蔵は昔からずっとここで暮らしている菌たちの家。「生きてる蔵」なのです。
土壁は最も多くの菌たちが暮らす蔵の命。
 土壁は最も多くの菌たちが暮らす蔵の命。お金で買うことのできない大切なもの。風化して崩れ落ちた土壁は、新しい土と練り合わせ、元の場所に戻してあげます。

 酵母菌や乳酸菌の発酵に最適な環境を作る、小豆島独特の暖かく乾いた風
 酵母菌や乳酸菌の発酵
 小豆島の気候は地中海性気候に似た、温暖小雨の瀬戸内海式気候。雨が少なく日照時間が長いこと、空気が乾燥していることが特徴です。中でも特筆すべきは小豆島が誇る寒霞渓の山々。瀬戸内の島の中で最も高いこの山(標高817m)は太陽熱を吸収しながら上昇気流を生み出し、独特の暖かく乾いた風をつくります。この類まれな風が、醤油醸造における酵母菌や乳酸菌の発酵に最適な環境を育んでいるのです。

 ヤマロク醤油は小豆島の東側。
 ヤマロク醤油は小豆島の東側。内海湾から寒霞渓に向かう山の麓に位置しています。瀬戸内の島の中で最も高い山々が周囲を囲み、南には穏やかな内海湾が広がっています。


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