「五目いなりずし」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 油揚げ、米、人参、ごぼう、しいたけ
歴史・由来・関連行事
茨城県では、1年を通じて温暖な気候と豊かな水質を活かして、古来より農業が営まれてきた。白菜、れんこん、ピーマンなど、全国トップクラスの産出額を誇るものも数多く、野菜から肉にいたるまで実にさまざまな食材がつくられている、まさに“農業県”である。地元でとれる農産物を使った郷土料理として「五目いなりずし」も長年親しまれている。
特に笠間市では、日本三大稲荷の一つとしてあげられる笠間稲荷神社が鎮座していることから、古くから市民や参詣客に「五目いなりずし」を振る舞ってきた。現在もまちをあげて盛り上げている。「笠間いなりずし」の特徴は、”五目”といって想起する、人参やごぼう、しいたけといった具材に加え、地場産のそばやくるみ、舞茸など、幅広い食材を使うことで知られる。色とりどりの具材がのったいなりずしは、とても華やかである。
食習の機会や時季
年間を通して、さまざまなシチュエーションで食べられている。大人はもちろん、子どもにも人気の料理である。
飲食方法
油揚げは油抜きし、砂糖、みりん、醤油などの合わせ調味料で煮立たせ、味を馴染ませる。人参やごぼう、しいたけといった具材は食べやすく千切りなどにして炒め、味をつけたら、ごはんに入れて均一に混ぜる。油揚げの中に具材を混ぜ込んだごはんをしっかり詰め、口の部分を上にして中身が見えるようにお皿などに並べていただく。
アレンジは非常に豊富で、米を炊く際にもち米を少し混ぜておこわのようにしたり、夏は枝豆、冬はぎんなんなどを入れて、季節感を味わうのも楽しい。また、茨城県は全国のそば職人から高い評価を得ているブランド品種、「常陸秋そば」の産地でもあることから、そばを使ったアレンジも人気である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
笠間市では、「笠間いなり寿司いな吉会」という町おこし団体を発足し、笠間いなり寿司教室や笠間初午いなり寿司まつり、いなり寿司コンテンストなど、さまざまなイベントを通して、笠間いなりずしの魅力を発信している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/gomokuinarizushi_ibaraki.html より
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