「にごみうどん」
主な伝承地域 相模原市津久井地域
主な使用食材 生うどん、乾麺、大根、人参、小松菜、しめじ、白菜、油揚げ、長ねぎ
歴史・由来・関連行事
野菜を具とした汁で直接うどんを煮込んだ、相模原市津久井地域の郷土料理。地域内でもエリアによって味噌味、醤油味、その両方といったように、味付けに特色がある。「にごみうどん」という名前の由来は、汁が「濁る」からとも、「煮込みうどん」がなまったものともいわれている。
津久井地域は稲作に不向きな土地であったため、古くから小麦・大麦などの栽培が盛んで、毎日のように小麦粉で打ったうどんが食されてきた。麺は各家庭で手作りされており、製麺機が登場した昭和20年代には、地元の製麺所に粉を持参して麺を作ってもらうこともあったようだ。昭和40年ごろまでは日常的な家庭料理としてにごみうどんは頻繁に食卓にあがっていた。ただし近年は食生活の変化により家庭で食される機会は大きく減少している。そこで伝統の味を残したいと地元の商工会が尽力した結果、現在では周辺の飲食店でも提供されるようになった。
食習の機会や時季
冬場によく食されてきた。それ以外の季節も、その時期に畑で採れた野菜を使って作られる。
飲食方法
生うどんを作り、野菜などの具材は切っておく。切った野菜をだし汁に入れて柔らかくなるまで煮る。そこに生うどん、乾麺をほぐしながら入れる。うどんが煮えたら、好みの味噌、醤油、塩などで味をととのえる。小口切りしたねぎを加えてひと煮立ちしたら、器に盛る。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
にごみうどんの味を復活させるため、平成22年頃から地元の商工会と東京家政学院大学が連携して研究に取り組み、地域の高齢者たちへの聞き取り調査や、再現レシピの開発、近隣地域での料理教室の開催などを行った。現在では津久井地域周辺の複数の飲食店で、それぞれオリジナルな味付けのにごみうどんが提供されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_11_kanagawa.html より
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