「エビ餅」
主な伝承地域 栗原市ほか県北地域
主な使用食材 餅、桜エビ
歴史・由来・関連行事
宮城県は餅料理が豊かで50種類以上あるといわれる。正月、婚礼、法事、葬儀などの年中行事にはもちろん、農作業の区切りなどでも食されている。かつては家庭で餅がつくられてきたが、近年は出来上がった餅を購入する人が多くなってきている。
特に県北は種類に富み、小豆餅、汁餅、おろし餅、しょうが餅、エビ餅、納豆餅など、一度に5、6種類の餅が食卓に並ぶこともある。
中でもエビ餅は、紅白の見た目が美しく、正月来客時のご馳走としてふるまわれる。
栗原は宮城県内の内陸部に位置する田園地帯で、田んぼの用水路や沼などで獲れる沼エビやドジョウが大切なたんぱく源となっていた。その貴重なたんぱく源である沼エビを使用した「エビ餅」、ドジョウを使った「ふすべ餅」は、栗原ではハレの日の食事であった。
「エビ餅」は、沼で獲った沼エビを醤油と酒で調味し、つきたての餅と絡めるシンプルな調理方法ではあるが、沼エビの姿がそのままに餅に絡まっているので、初見の人にはインパクトが大きい。沼エビは、餅料理のほかにも、おひたしにかけたり、大根おろしと一緒に食べる。
食習の機会や時季
伝統的には、正月や来客時などのふるまいとして。また、農作業の区切りなどに食されてきたが、スーパーマーケットや道の駅でも販売されていて気軽に購入できることから、日常食としても用いられている。
飲食方法
つきたての餅に、酒と醤油で調理した沼エビを絡めて食べる。「エビ餅」だけでなく、ほかの餅料理と一緒に提供されることが多い。
家庭によっては、エビのひげを取り除いたものを用いるところもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
各家庭で母から子に伝わっている家庭の味。対外的には、栗原市の観光協会や、市が発行する情報誌、ウェブサイトなどでの周知活動をおこなっている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ebibochi_miyagi.html より
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