アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ハックション、コノヤロウ-!

2014年10月08日 | Weblog
 米国でクシャミをすると、近くにいる人が、「ブレスユー(bless you)」と、言ってくれます。行きずりの人見知らぬ人も言ってくれます。
 bless youは、「God bless you.(神が貴方を祝福なさいますように)」の短縮形。クシャミをした人に言う一般的な表現(慣習)。クシャミをすると、魂が抜けてしまうのだそうで…お見舞いに、bless you!

 日本の場合は、クシャミをしても誰も何も言わない。何なんだ!魂が抜けるというのに、お見舞いの一言もないのか日本人は!
 日本には、その昔はクシャミをした本人が唱える言葉がありました。「徒然草」に出てくるんですがね。
 昔は、クシャミ、つまり、「息を一気に体外へ放つ」と早死にすると信じられていた。…ここで驚かなければなりません。鎌倉、平安時代の日本のクシャミに関わる言い伝えと、欧米のそれ(魂が抜ける)が酷似しているのです。人間の考えることはどこも同じということか?はたまた、どちらかから伝わったものなのか?
 徒然草には、「クシャミをしたら必ず『くさめ』とまじなった」と、書かれています。つまり…「ハ、ハ、ハックション!くさめ、くさめ、くさめ…」というわけ。早死にしたくないから。

 「くさめ」とは何か?臭い干物で早死にさせる悪霊を退治するんじゃないかって?…そ、そ、それは、「くさや!」。
 「くさめ」になる前は、「くそくまんみょう(休息万命)」、「くそくまんびょう(休息万病)」、「くそはめ(糞食め)」と、言われていたのではないかと…早い話が、これだ!という決め手がない。使われているうちに、短縮形になって「くさめ」で落ち着いた。
 「くさめ」がやがて、「クシャミ」となった。

 前を歩いていた爺さまが、「ハ、ハ、ハックション、コノヤロウ-!」と。
 日本の爺さまは、「コノヤロー!」を付加する傾向があります。これって、早死にさせる悪霊を罵倒しているのでしょうか?