アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

マッサンのエリーをはるかにしのぐ「リタさん」

2014年10月17日 | Weblog
 NHKの朝ドラ、「マッサン」を見ておりましたら…「エリー」が、外国人という理由で、借家の大家に入居を断られておりました。

 真実と、脚本が違うのはもちろん承知しておりますが、「外国人という理由で、入居を断る」というのは、真実だったことが容易にうかがえます。時代は、マッサンがスコットランドからエリーを連れて帰ってきた大正9年。

 それがどうしたって…
 大正9年から半世紀を経過した昭和53年のことなのですが…
 私は地方公務員で公宅に入居しておりました。米国からの留学生を2週間ほどホームスティさせることにしました。第一日目、田舎でしたから、外国人など見たことがない人たちが見物に来ました。外国人が来ているという噂はたちまち広がりました。翌日、役所からおしかりを受けました。
 「外国人を無断で公宅に宿泊させるとは何事だ!」
 大正9年なら、分かりますよ!昭和の…それも戦争が終わって30年以上も経った日本で、外国人を無断で公宅に泊めちゃあダメなんだと!

 さて、困った私は…
 「無断で泊めてゴメンナサイ。あと2週間ほど泊める約束なのですが…どうしたらいいんでしょうか?」
 これにはお役所側も即答できず…「後ほど連絡します」。
 で、後ほど連絡が来ました。「外国人を公宅に泊める許可申請を出すように」。
 出しましたよ。様式などありゃしないので、自分で適当にそれらしく書きましたけどね。
 「日本ってどんな国よぉ」と、思いました。あれから、40年。田舎でも、たくさんの外国人が闊歩しています。私が住む人口4万数千人の町でも、役所には、「国際交流課」があります。仕事、研修等で滞在している外国人の国籍は、20か国を超えています。今は、日本中どこの市町村でも、「外国人を公宅に泊める場合、許可申請しろ」とは言わないでしょうねえ。

 竹鶴政孝夫人のリタさんの御苦労…。マッサンのエリーの比じゃなかった。リタさん、頑張ったね。四面楚歌の中で生き抜いたんだもんねぇー。「艱難辛苦乗り越え世界ランキング」では、上位10傑間違いなしですよ。無名ですがね。「外国人を公宅に泊める許可申請」を出した経験がある私が言うんだから…間違いないです。