アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

四苦八苦…合計十二苦ではない

2025年02月23日 | Weblog
 四苦八苦…私など、いつも四苦八苦していますから、日常的に使う言葉なのですが、若者世代は、ほとんど使わないという。

「シクハックを漢字でどう書くか知ってる?」と、問うと…珍答が多いです。やや分かる人の中には、「死苦発句」という人がおりました。これって、俳句をひねりにひねっても納得のいく作品ができない、死ぬほど苦しいという意味でしょうかねえ。

 四苦・・・「生・老・病・死」の四つ。いずれも、「自分の意思、努力ではどうにもならない」。

「老」は、今まさに自分が体験しております。苦しいです。「髪が生えるのはこれだけ!という宣伝文句」につられて、副作用のリスクを顧みず、「○アップ」を使用して…一切の効果が見られない…。背後に回った小学生が、
「おじさんこんなにハゲてたの?」
「(小声で)るせえ!育毛中だ!」
 …苦しい。

「病」、これも、苦しい。「死」は、意外に苦しくないかも。死んでしまったら、なーんにも分からないでしょうから。

 問題は、「生」。自分の意思、努力ではどうにもならないから「四苦」のトップを飾っているのでしょうが、苦しいかと問われると…。仏教では、「すべての苦しみは生から始まる」とか説明するのでしょうかねえ?そんな後ろ向きな説明はしないかな?
 生まれていなければ、世の中の苦しみを味わわなくても良かったかも知れません。しかし、生まれていなかったら、世の中の楽しみを味わうこともできなかった。

 四苦はよしとして、「八苦」は?…コレをすらすら言えるのはお坊さんぐらいか。
「八苦」といっても、「八つある」わけではありません。四つです。この四つと、「生・老・病・死」を併せて、「4+4=8で八苦」。「四苦八苦だから合計十二苦」という話ではないのです。

 生・老・病・死のほかの四苦は…
「愛する者と別離すること」…こりゃ苦しい。時が経てば…。
「怨み憎んでいる者に会うこと」…またとないチャンスでしょう!復讐してやればいいのに!ハイハイ、こういう考えはNGですね。
「求める物が得られないこと」…そんなもん、世の中の常。これを「苦」にしてどうする!
「人間の肉体と精神が思うがままにならないこと」…これは、老・病・死と重なるが、きっとワケがあるのでしょうねえ。

 後半の四苦は、耐えられる苦。前半の「生・老・病・死」は、どうしようもなぁ…。
 かすかな光明は「IPS細胞」でしょうか。
 IPS細胞の移植が、どんどん行われて行くと、四苦八苦という四文字熟語が変わるかも知れません。三苦七苦とかね。変えるのは、文化審議会(旧国語審議会)ではなく、再生医療従事者。