アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

夜の蜘蛛は希望

2024年12月19日 | Weblog
   趣味でしたが、農業を楽しんでいた時代がありました。
 裏玄関から畑へ出ます。毎度のことなので気をつけているのに、蜘蛛の巣に気づかず、顔面に蜘蛛の巣が張りつきます。静か~にバックします。何とか蜘蛛の巣が剥がれてくれます…。
 都会暮らしの人が経験できないことを、毎朝のように経験させていただいていました。そして、決まって「フランスのことわざ」を思い出しました。

「朝の蜘蛛は悲しみ、夜の蜘蛛は希望」

 フランス人も、朝、いきなり顔面を蜘蛛の巣に捕らえられることがあるらしい。ホント、朝のクモは悲しみ…でした。

 なぬ?「夜の蜘蛛は、どうして希望なのか」って?
「どうして?」の答えにはなっていないかと思いますが、フランスに限らず欧米では、「夜の蜘蛛は縁起がいい」とされています。
 特に家の中で夜に蜘蛛を見つけた場合は、フランスの人はとても大切にするそうで、「幸運をもたらしてくれる使者、悪魔を退けてくれる守り神」という考え方が根付いているようです。

「朝の蜘蛛は悲しみ、夜の蜘蛛は希望」…日本の考え方の真逆なのが興味深いですよね。
 日本では、「朝出てくる蜘蛛は生かして逃がすのがいい。夜出てくる蜘蛛は殺してもいい」。
 朝の蜘蛛は、なぜ生かすのかって?朝の蜘蛛は、害虫退治に出かけるところだから、殺してしまっては我々人間にも間接的に被害が降りかかる。
 夜の蜘蛛は、泥棒の露払いなので縁起が悪い。「よくも来やがったな。夜蜘蛛来やがったな!」というわけで、殺してもいい…?

 …昼間はどこかに隠れている「しゃくとり虫」も、夕方には活動を開始します。夜行性です。なぜ夜行性になったかですが、肉食だからからではないかと…。菜食主義であれば、昼間活動してもいいでしょうから。

 肉食ですから、農作物を食い荒らすことはありません。Ω(オーム)の字の形になって、一尺二尺と計るような動きで進みます。だから、「尺取虫(しゃくとりむし)」と呼ぶ。
 ただ、一尺って「およそ30cm」。となると、尺取虫の体長は30cm以上のはず。そんな巨大な「尺取虫」は、いるはずがない!そんなこともあり、「尺取虫」ではなく、自重して、「寸取虫(すんとりむし)」と呼ぶ地方もありますね。寸取虫のほうが、虫のサイズからすると正直ですね。

 補足としまして…尺取虫の名前の由来に別の説がありまして。尺取虫は、腹脚が二対しかないため、体を屈伸させて進む様子(Ωのように)が、人が親指と人差し指で物の長さを測る「尺を取る」動作に似ていることから…。どうでもいいかぁ。

 文化のおもしろさですが、英語民族も、しゃくとり虫の動きを、「一尺二尺(一寸二寸)と計るような動きで進む」と見たらしい。その証拠に、尺取虫は、英語で「measuring worm (メジャーリングワーム 直訳すると計測虫!)」と呼ばれている。では、寸取虫はどう呼ばれているかって?「inch worm(インチワーム 直訳すると2.5cmの虫)」これ、ホント。


2 コメント

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激しく同意! (あほうどり)
2024-12-19 13:27:46
「朝の蜘蛛は悲しみ、夜の蜘蛛は希望」という諺は知りませんでした。。。

が、当家では下記の記事のような感覚を持って接しております
https://blog.goo.ne.jp/700646kanagawa/e/fdfc7ae1586f1221d7fee2986edfa362

https://blog.goo.ne.jp/700646kanagawa/e/248cc6ed028efdeb84008f24cfbeda6d
でも、嫌われ者なんですよね
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Unknown (アンティークマン)
2024-12-19 17:26:39
>あほうどり さんへ
 ありがとうございます。蜘蛛の知識が一気に増えました。しっかり読み返させて頂きます。暮れ~お正月の集まりで、付け焼き刃の「蜘蛛論」を登場させて頂くかも、お許しを。鴻上さんのイメージも一転しましたぁ。
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