アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

旭川で娘を買い、札幌で売る…

2024年12月23日 | Weblog
 送別会に出させて頂いたときのことですが…送別される女性介助員の挨拶に驚かされました。どんな挨拶だったか…

「イエズス会出身のローマ法王が誕生しました。私は喜びでいっぱいです…」
 そうだったのか!この介助員さんは、イエズス会だったんだぁ!恥ずかしい話、「イエスズ会」だとばかり思っておりました…!そうゆう話じゃないか!
 退任の挨拶がそれだけだったのかって?格調高く、「ローマ法王」で始まった挨拶でしたが、後半はオカルト…

「去年の4月、この職場の駐車場に車を停めました。帰りにフロントガラスのワイパーに紙が挟まっていました。その紙に、『ここに駐車しないでください』と、書かれてありました。私は、ああ、今年限りで辞めてくれという意味だなと感じました。ですから、辞めます」
 なんなんでしょうか?これも、イエスズじゃなかった、イエズス会の陰謀か?

 イエズス会と聞いてすぐに頭に浮かぶのは、もちろん、新渡戸稲造さん。「武士道」には、大変お世話になりました。私の思想と、ピッタリ一致。恩師って感じです。NHKの大河ドラマ「八重の桜」の人気から、新渡戸さんの「武士道」が、読まれたのだそうでぇ…なぜかって?会津藩校日新館「什の掟」の、「ならぬことはならぬものです」が武士道を謳っているからです。

 武士道の全てがいいですが、特に選べといわれると…第5章の仁(benevolence)、惻隠の情(the feeling of distress)でしょうか。

 愛、寛容、他者への愛情、同情、哀れみは、常に至高の徳である。仁は、優しい母のような徳。孟子は「惻隠の情は仁のルーツである」と。
 か弱き者、敗れたる者、虐げられた者への仁の愛情は、とくにサムライに似つかわしいものと称揚されたわけで…素晴らしい!

 稲造自身、「仁」を実践しておりまして…人助けの逸話が多い。
 札幌から旭川に農業を教えに行った帰りの馬車に、初老の男と若い娘が乗り合わせた。男は旭川で娘を買い、札幌に売りに行くところだった。稲造は男が娘を買った以上の金で娘を買い取った。すぐに旭川へ返すわけにはいかなかった。なぜなら、娘が戻るとその家はまた食うものにも困る暮らしが待っており、再び娘を売らなければならなくなるから。
 稲造は、娘を自宅へ連れ帰り、妻とともに育てた。武士ですよ!そして、中学にも通わせた。仕事が出来るようになった娘を旭川に帰した。

 私だって、人助けの経験は…あるにはある。倒れている高齢の女性を助けたし…しかも二人も!雪山に突っ込んで動けなくなっていた乗用車を助けたこともありました。ドライバーは、高齢の女性でした。どーも、高齢の女性ばかりを助けるなあ?!娘さんを助けたことは…ないなあ。

 北海道在住でしたが、「札幌へ娘を売りに行く途中の男」には遭遇出来ませんでした。ですから、娘を買値以上で買い戻すという人助けは、できていません。なかなか乗り合い馬車をみつけられないもので…。


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひろし曽爺1840)
2024-12-23 09:32:51
今週も宜しくお願い致します!
返信する

コメントを投稿