詐欺師からは手も足も洗います

　いつも気になるのが、「血液さらさら」。初めて耳にしたとき、「さらさらは、おかしいでしょう！いつから血液が粉末になったんだ？」と、思いましたね。私の頭の中では、「さらさら」は、アスピリンなのですよ。

「血液さらさら商法」なるものが流行った事がありました。
「身に着けるだけで血液がさらさらになる」などと嘘を言い、ブレスレットなどを一本２０～３０万円で販売…。悪い奴はいつの世でもおりまして。この件の犯人は、組織犯罪処罰法違反、早い話が、「組織的詐欺」。
　裁判長は判決理由で、「中高年層の健康不安につけ込んだ極めて巧妙、悪質な犯行。保健所の立ち入り検査後も販売を継続し、犯意は貪欲で大胆」と述べています。
　血液さらさらに関わる被害者は、全国で約８,２００人。被害総額は２４億円以上にのぼっていたそうです。

「健康にいい」は、中高年への殺し文句ですよ。貯金をはたいても買う気になるんです。
　入院中に、「体にいいんだわー」と、養命酒を飲んでいた年配の女性もおりました。それ、だめでしょう？
　赤ワインが体にいいと聞いて、飲み過ぎて体を悪くした人もいます。口先では、「早く死んでも悔いはない」みたいなことを言っていても、深層では、少しでも長生きしたいんです。私も同じですがね。エヘ。

　この種の詐欺グループは、「科学的な根拠がありますよ」と、イカサマの実験をして信用させます。
　アンティークマンによる、詐欺師の手口再現・・・・

　詐欺師：（客に）ちょっと血液を採らせてください（と言って、血糖値測定の針で一滴採血。それを、顕微鏡で見せる）。
　詐欺師：ありゃー！こりゃ大変だ！お客さんの血液ドロドロ！コレならいつ心筋梗塞になっても、脳梗塞になっても不思議ないです。水虫にもなりそう！大変だあ！

　客：どれどれ（顕微鏡をのぞき込む。血球が重なっているためドロドロに見える）、ウワー本当だあー。どーしよう？
　詐欺師：ではこのブレスレッドを着けて。もう一度採血させてください。（血液を顕微鏡のスライドガラスにカバーガラスを強く押し付けて広げる。薄く広がった血液は、さらさらになったようにみえる）さあ、ブレスレットを着けた血液がどうなったか、お客さんの目で確かめてください。

　客：ウワー、ウワー！こ、こ、これは！買います、買います、３０万円でブレスレッドを買います｡瞬時に血液さらさらなら安いもんです。え～い！５０万出すからすぐに売ってぇ～！
　と、まあこういう感じで、２４億円丸儲けです。

　随分内情に詳しいなあ？本当は、アンティークマンが詐欺師なんじゃないかって？
　いえいえ、詐欺はコロナが流行る前に足を洗いました。
　えっ？日本語がおかしいって？
「詐欺に手を染めていたのに、足を洗うなんておかしい？手を洗いなさい」って？
　ハイハイ、手も足も洗います。ついでに、腹も洗おうかな。黒いので。
（念のためですが…私は詐欺などしません。腹も白いです）