アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「象耳魚」を食う 「アンティークマンのベトナム」第11話 

2009年09月18日 | Weblog
 メコン川の中州の島の一つ、タイソン島。民族音楽隊の、「支那の夜」と「蛍の光」でズッコケて、4人とも再起不能状態でいたところへ、姿をくらましていたガイドの天童よしみが出現。油断するとすぐにいなくなって、どこかでサボタージュしているんだから!
 開口一番、「移動します」。やたら不機嫌になっている。なにかあったな。しかし、こちとら客なんだから、ガイドの仕事はきちんとやっていただかなくては。「次は、どこへ行くンダ、コラよしみ!」と怒鳴りたかったが、メコン川へ突き落とされたら命がないので、自重。豆タンクのような身体で体当たりされたら、メコン川の藻くずですよ。

 手こぎのボート乗り場へやって来た。小舟の前と後ろに漕ぎ手がついて、ジャングル内の細い川をメコン川の本流へ向かっていく。「ホーチミン笠をかぶりませんか?」と、笠を貸してくれた。私は拒否した。なぜかって、誰がかぶったか分からない笠を、ありがたがってかぶって…抜け毛の菌でも付いていたらどうします。家人は、借りました。自分の帽子をかぶった上にホーチミン笠をかぶっていました。抜け毛菌の感染予防ですね。

 ジャングル内の細い川(運河のような感じ)の両サイドは、ニッパ椰子が生い茂っておりました。ニッパ椰子の実は、つるりとした球体ではなく、エプコットセンターのような球体でした。街頭で売っているのを見たので、食用になるようです。天童よしみは機嫌を直したかって?相変わらず無言でしたね。ガイドの役に立ちませんね。
 メコン川では、ナマズの養殖が行われていました。川にいかだを浮かべて家を作り、住み込みでナマズの世話をする。船上生活者です。川の浅瀬に杭を打って網を仕掛け、魚を獲っている漁師さんも見ました。魚は、市場で良く売れるのだそうです。ツアーはこれでおしまい、あとは昼食をとってホーチミンへ帰るだけ。

 中洲の島の人たちは、「種族が違う」と感じました。ホーチミン市の場合、キン族の他、少数民族も混じっているので、アオザイが似合う人もいれば、天童よしみタイプもいる。天童よしみさんがアオザイを着ると、テルテル坊主になってしまう。白のアオザイは着ないよう助言したい。ミトーの場合、顔は面長で体形は、スリム。内臓がないのではないかとおもわれるほど、ウエストが細い。カンボジアに近いので、クメール族なのかなとも思ったが、クメール族ほど皮膚の色が濃くない。祖先が、何らかの重大な理由があって、わざわざ川の中州の島に住みはじめた。…このことが尋常ではない。島から出ることもなく生涯を過ごしていたので、他の種族との混血もないまま今日に至っている。何族なのか、ガイドに訊けばよいだろうって?天童よしみが解るはずがないでしょう!客が、ガイドに何を求めているかなど考えもしない。だから知識も増えないので、説明のしようがない。「天童よしみ負の連鎖」です。

 昼食会場は、大きなレストランでした。壁も窓もない、巨大な「あずまや」を何棟もくっつけた感じの、いかにもメコンデルタといった「いいかんじ」のレストラン。ホーチミン市からのツアーの昼食は、100%このレストランだと思います。理由ですか?他に大きなレストランが見あたらなかったからです。名前は、たぶん、「Trung Luong」どう発音するか?わっかりませーん!

 ウエィトレスたちが…微笑むと損だとでも思っているのだろうか…汚いモノを見るような表情…。私達が何かしたか!「愛想をしろよ!」とは言わない。普通の顔でいいから…と、願うのだが…何がおもしろくないのか?カカオを切ってくれと頼んだのが悪かったのか?(ちゃかり、道端の店で買ったカカオをレストランで切らせたのです…)

 「333」というベトナムのビールを飲みながら待つことしばし。出ました!「エレファントイヤーフィッシュ」なんだそれって?ベトナム南部の名物です。日本名は、「象耳魚」。デザインは海水魚だが、淡水魚。メコン川産。
 出され方が凄いです。並の魚のように、皿に横たわって出てくるのではなく、「立って出てくる!」丸ごと油で揚げた象耳魚を、専用の「象耳魚スタンド」に立たせて供される。体長35cm、体高25cmほどで厚さは、5cm…ヒラメを立たせたような魚。
 どうやって食べるか?身をむしり、香草や野菜と共にライスペーパーにくるんで食べる。この象耳魚の姿揚げ、豪華ですよ(海鮮レストランの水槽で泳いでいる姿は、特にゴージャスではない。ちょっと変わった鯛といった感じ)。出てきたときは、正直驚きました。味は…よくわからん。白身魚で、クセがない。

 あと…風船のような料理も出てきました。直径20cmほどの球体、中は空洞で、皮の厚さは、数ミリ。どうやって食べるべきか悩んでいたら、仏頂面のウエートレスがやってきて、いきなり球体を破壊した。早い話が、「餅を油で揚げたもの」見事に球体にふくらんでいるところが、メコンデルタ料理人の腕前か?

 ホーチミン市までの復路2時間は、「爆睡」。だって、天童よしみが何も話をしないんだもん。「珍島物語」も歌わないし…。

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