9月の途中からレッスンを始めた4歳10カ月の男の子。
ご両親はスペインとルーマニアのご出身。
日本語はしっかりわかり、話せます。
今日は4回目のレッスンでした。
少しずつ、外国のお子さんのレッスンの難しさを感じてきております。
勝手に椅子から降りて歩くことはしませんが、椅子にしっかり座っていられません。何度も足を組もうとしたり、姿勢が悪く、腰も背中も丸くなっています。
こんな時は大抵、腰の上辺りを手で軽く触るとスッと姿勢を直す生徒さんが多いのですが、彼には効果ゼロ。
何のことかわかっていない様子。
日本やアジアの家庭とはやはり違うのだな、と思います。
それでも弾き方はなんとか直していけるかな、と思っておりましたら、今日はヒドイ弾き方になっていました。
腕や手首が少し使えるようになってきていたはずなのに、チョンチョンと短く触って弾くだけになっていました。テンポもリズムも皆無
指先も潰れないようにペンギンで確かめても、指を伸ばしたまま弾きます。
先週の素直なあの子はどこへ行ってしまったのか。
今日は集中力にも欠けていたので、ほとんどレッスンにはなりませんでした。
レッスンが終わり、部屋の外で待っていらしたお母様に「今日は良くできませんでした」と言いましたら、「練習しました」とちょっと起こり気味の声で言われ、あらら、でした。
体験レッスンの時から一度もレッスン室に入ってレッスンをご覧になったことがないので、「レッスン室に入って頂ければ、何をしたら良いかわかる」、と話しました。
「練習しました」は鍵盤を順番通りに押さえただけで、ピアノの弾き方をご覧になっていないので、練習によって逆に全部駄目にしてきてしまったのです。
楽器も鍵盤数の少ないキーボードを買おうとされていたので、急いで買わなくて良いのでせめて鍵盤数は88鍵にしてほしいこと、キーボードはバネを押すだけのものでピアノと違いすぎるので、電子ピアノにしてほしいとお父様に話しました。
電子ピアノにしてほしい、なんて··
練習しました、と言っていたということは既に楽器を準備されたのかもしれません。次の生徒さんの時間になっていたので、訊けませんでした。
改めて思いますが、就学前のお子さんは必ず保護者の方がレッスンを一緒に受ける必要があります。
鍵盤の場所を覚えてただ押していればピアノが弾けるわけではないので。
小さくともたまに一人でレッスンを受ける生徒さんはいますが、こんなに極端なことになったのは初めてのことです。
ということは、レッスンを実際にご覧いただければ、今度は正しい方に向く可能性があるかもしれません。
あと、日本のお子さんと違うなと思ったこと。
歌を知らないことです。
お子さんは日本語は全く問題ないほどよく話せます。
保育園に通っているので、「かえるのうた」が好きという話は聞いています。「ひげじいさん」も完璧ではありませんが手を付けて歌えます。
しかし、「ちゅーりっぷ」は全く知りませんでした。
日本の歌なので知らなくとも構わないのですが、日本は音楽の授業が小・中学校とあります。高校も選択すれば受けられます。
海外は、音楽は課外活動のような場所で放課後に習う存在ということを聞いたことがあります。
国によって様々だとは思いますが、必ずしも日本のようなシステムにはなっていないと思います。
音楽に合わせて歌ったり、ピアノを弾いたりということが日本人が思うほど身近なことではないのでは、と彼のレッスンをしていて思いました。
ご両親の音楽経験が日本人のものよりずっと少ないという意味です。
今月は、中学生が合唱祭(で良いのか?)で忙しくしています。
ピアノを習っている人は伴奏を任されることが多いので、皆、頑張っています。
吹奏楽でも何かある学校があるので、ダブルで大忙しの生徒さんもいます。合唱は朝練まであるそうで・・
私の頃は音楽の授業で練習した程度で、朝練なぞしたことがありません。
日本にいると当たり前ですが、学校で生徒たちがこのような音楽活動をすること自体、貴重なことなのかもしれません。
それにしても、今の合唱の曲って良い曲が多いです。
そして、伴奏はピアノ向きではなく弾きにくい・・