この所イリーナ先生のレッスン動画の話ばかりですが、とても参考になっています。
4歳のミラちゃんに、3つの黒鍵のどれを弾いたか当ててもらうことをしている場面があります。
聴音をこのように始める方法があるかと気付かされ、入門して間もない生徒さんに今度してみようと思っています。
今日は、下巻に進んだ生徒さんに同じ要領で音当てをしてもらいました。
E-durの曲が不思議下巻になるとあります。調号は使わず臨時記号で書かれています。
黒鍵の音が入ると、その場所を気に掛けるだけで耳でその音を聞こうという神経が働かない生徒さんがいます。
気持ちはわからないではありませんが、それですと家で練習する時に、黒鍵の場所がわからなかったと言って弾いてこない場合があります。
大体、耳を使わない生徒さんは練習量が足りないので耳がうまく育たないのですが・・
そこで、E,Fis,Gisの3音を選び、どれを私が弾いたかを当てるゲームをしました。
1音が全部当てられたら2音続けたものを当ててもらいます。
そうして新しい曲を予習で弾いてもらいましたら、本人は納得の表情で満足気。これなら自分で練習して来られるという顔でした。
音は読めても、その音が頭の中で鳴らない生徒さんは、レッスンで弾いて聴かせても「どんな曲かわからなかった」と言って、練習して来ないことがあります。
間違ってでもいいから弾いてきてとは言いますが、未知のものを一人の力で解明する気力はなく、親御さんも放置されてる場合が多いのでモチベーションはゼロ。
このような生徒さんは、レッスンでしたいことがたくさんあっても、ひとつのことに時間がかかってしまい、結局力を付けられなくなります。
この差は、習い始めて2年くらいで大きく出ます。
最初は皆、似たようなものです。
初めから読むこと、聴くこと、歌うこと、弾くことが全て出来る生徒さんは滅多にいません。
年齢が小さいほど時間がかかります。
しかし、親御さんが1年半~2年半練習をサポートして下されば、いつの間にか4拍子揃って出来るようになります。
一人でなかなかできない、と嘆いていらした小1の娘さんのお母様が、
「自分で両手にして弾いてるし、音も一人で読んで歌の音程も取れてるし。最近わかってきたようで、やっと」と仰っていました。
3歳10カ月の時にピアノを始めた生徒さんです。
私にはやっとではなく、音楽の力は身に付くのに時間がかかるので通常なのですが、その間、何度も娘さんと喧嘩したり、口出ししないように我慢したり、どうやってやる気を出させるか悩んだり、とお母様の奮闘ぶりも知っています。
それがあったからこその、「わかってきた」なのです。