ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD 1-1: A Long-Expected Party

2006-01-11 23:37:26 | Tolkien・LOTR
このCDは,随分前にも聴きましたが,今回久しぶりに原作の正式版に触れてみようと思い,でも読んでいる時間はないので,CDを取り出してみました。以前聴いた時は,かなり聞き取りにくい!と感じたのですが,今回は,ハリポタ並みに聞き取り易いです。ほとんど一語一語はっきり聞こえるよ,おっかしいなあ。前の時の方がTOEIC全然高かったんだけど。(笑) しかも他の朗読CDを聴くとあまりよくわからないのに,ハリポタとLOTRだけはボキャブラリにもすっかり慣れているんだから,不思議です。

聞き取り易いと感じる理由は,1つには,何度も何度も推敲に推敲を重ね,文章が洗練されているというのもあると思います。実は同じトールキンが書き,同じ人が読むホビットの冒険を聴いていた時は,まあホントに行き帰りのバスで倒れないようにするのに一苦労でしたから。(爆)

そしてもう1つ,今回はやけに聞き取り易いその理由,それはやはり,HoMEで4回も後戻りして,シャイアとホビットとガンダルフを取り巻く環境を,びっしりお勉強したから,ではないでしょうか。(笑)

今回改めて気が付いた事
  • ギャムジー家の隣の家はPuddifoot(泥足?)さん。
  • サンディマンはビルボに敵意を持っている。
  • ギャムジーとサンディマンは仲が悪い。
  • シャイアではブランディバック家よりバギンス家の方がまともらしい。
  • この時やってきたドワーフ達は,ビルボに同行する為に来たのか?
  • ガンダルフは東の方角(多分ブリー経由で)からやってきた。
  • ガンダルフのマークがルーン文字の「G」である事は,TTT冒頭でのサルマンの「S」と対応している。
  • ガンダルフが持ってきた花火は,例のドラゴン花火を含めて,実にたくさんあった。
  • 原作のドラゴン花火は,ドラゴンが登場する前に,煙ではなれ山を表現していた。
  • 招待客の数が144人であると初めて明言するのはビルボのスピーチの前。ただ,その前に,「twelve-dosen」という言い方をしている。
  • 指輪が初めて登場するのはビルボのスピーチのシーン。
  • ビルボはパーティを中座した後すぐに指輪をフロドに渡すべく封筒に入れてマントルピースに置きかけた,が,やめた。だから,(本当は置いてないのに)指輪はマントルピースの上,というセリフがある。
  • 映画でのガンダルフとビルボの袋小路屋敷での会話は,驚くほど原作に忠実。
  • ビルボが出発の時に着た旅の服は,以前ドワーフからもらった物。
  • 3人のドワーフ達は,袋小路屋敷のそれぞれ別々の部屋に滞在していた。
  • ガンダルフがビルボの指輪を本格的に怪しみ始めたのは,誕生日パーティの後から。

カルトクイズネタなのか,それとも常識?(指輪にまつわる項目は‥(笑))だったのか,今まで知らなかった事をたくさんチェックしました。

4回も後戻りしたので,どういういきさつで何がなくなり何が追加されたのか,もう忘れました(笑)が,1つよく覚えていたのは,最終案では,ガンダルフはお誕生日パーティの時には,指輪についての知識は殆どない事にされていた事です。私は,FOTRは映画を先に観てから読んだので,うっかり,指輪に関する知識は最初から皆持っていたように錯覚していたのですが,ここで初めて,原作のこの最初の章から読み始めたのに近い感覚を味わったような気がしました。

結構ツボだったのは,ガンダルフのルーン文字の「G」がサルマンの「S」と対応していた事,ちょうどHoMEでTTTの冒頭の下書きを読んでいた所だったので,よくわかりました。

サンディマンがビルボととっつぁんに敵意を持っていたというのも,今まで見落として(すみません,おそらく翻訳版を読んだ方には常識だったのかもしれませんが(笑))いました。結構,重要な伏線だったのですね。

そうそう,ビルボとガンダルフの会話の大部分,まるでそこだけ取って付けたかのように(笑),映画が原作に忠実なんですよ。映画では誕生日パーティの前と後に分かれていますが,フロドが指輪を拾うという演出以外は,ほとんどそのままのセリフが使われています。この情熱をどうしてROTKまで保ってくれなかったのかと思っちゃいますね。

これは今気が付いた事なのですが,ビルボと一緒に出発したドワーフ達,なのですが,冒頭の方に,袋小路屋敷にドワーフ達がやってきたと書かれているのですが,あのドワーフと,そのドワーフは,同一ドワーフ,だったのでしょうか? 今まで袋小路屋敷の使用ドワーフだと思っていました(汗)が,まあ,よく考えてみたら,ホビットがドワーフを使用人に雇うなんて事はないですよね。。。いや,1つ,りこうになりました。

HoME7 XX : The Riders of Rohan (2)

2006-01-11 23:29:01 | Tolkien・HoME
‥彼らはエルフのマントのお陰で昼でも見つかりにくい状態で,走り,歩き,3時間毎に少しだけ休んではまた先へ進んでいきました。そしてエント川に沿いの草原で,オークのまだ新しい足跡を発見(by トロッター)しました。しかし山や森に入られてはホビットを見つける希望がなくなり(by ギムリ)ます。彼らはさらに急ぎます。そして夜には,オークがその日の昼に休憩したと思われる場所に着きました。トロッターは「オークも休むんだな。」と言います。

夜明け前に彼らは出発。霧ふり山脈の端の山Methen Amonが見える頃,川に出会い,レゴラスの鋭い眼は草原の向こうに動き回る黒い影を捉えました。「前にも後にも誰かがいる。」と彼は川の向こうを指指します。トロッターは「たくさんの騎士がいるな。おそらくRohirothだろう。しかし彼らが誰に仕えているのかはわからないぞ。良い方だったらいいのだが。」急ぐ彼らの後から,たくさんの蹄の音が聞こえてきました。騎士達が風のようにやってきます。突然叫び声やはっきりした話し声。彼らはオークの跡を辿っているようでした。彼らの馬は大きなものです。。。。

そして彼らは立ち止まります。

「そなた達は何者だ,そしてこの国で何をしている?」とボロミアやミナス・ティリスの人々のような話し方の共通語。(アラゴルンこの版ではいきなり「エレスサール」と名乗りますが,削除)「私はトロッターと呼ばれている。北から来た。一緒にいるのはエルフのレゴラス(後からGreenleaf追加)グローインの息子,谷間の国のドワーフ,ギムリだ。我々はオークを追っている。彼らは私達の仲間を捕まえ連れ去った。」

騎士は槍を下ろして馬から降り,彼らを調べるように見ます。そして,最初オークかと思ったが,違うようだ。オークは武器をもっているぞ,まるで草地から抜け出てきたかのように見えたが,どうやって我々の視界に入らなかったのか,と尋ねます。するとトロッターが「あなたの名前を名乗りなさい,馬の主よ。そうすれば私も名乗ろう。そして他の情報も与えよう。」すると騎士は「私はエオムンドの息子エオメルだ。リダーマークの3番目の長(The Third Master→正式版ではThe Third Marshal)だ。私の上にEowin(エオウィンとは違う人だな?)という2番目の長がいる。」そしてトロッターも「私はアラソルン/Tarkilの息子,アラゴルン/Elfstoneだ」と名乗ります。彼は武器(エレンディルの剣=Branding→鍛え直された)を持っている事,マントはガラドリエルにもらった事等を説明し,さらに,誰に仕えているのかと尋ねます。するとエオメルは「私はリダーマークの長である父上に仕えている。」と言います。そして何故この地に来たのかと訊くので,アラゴルンは,オークに襲われボロミアが亡くなった事などを説明。

エオメルは,トロッターは悪い人ではないと認め(でも100%ホントの事は言ってないと見抜いている?)「ローハンの人間は嘘をつかない。しかし簡単には騙されぬぞ。‥‥しかし,誰かがオークに捕らわれているのであれば,早く救出に行かねばならぬ。1頭予備の馬があるので,アラゴルンは乗るがよい。そして他の2人は,私の騎士の後ろに代わる代わる乗るのだ。」

アラゴルンは灰色の馬に乗りました。(その馬は彼がもらい受けました)

ここで「A」は終わりです。殆どのセリフは正式版とだいたい一緒ですが,話がちょっと違いますねえ。ここでトールキン父さんの新しいメモです。

‥これでは物事が複雑になる。トロッター達は,エオメルが戦いから帰ってくる所で会う事に変更しよう。エオメルは,捕虜はいなかったと言う事にする。そしてトロッターは,ガンダルフの逃走により,サルマンとの戦争が起きた事を知る。

次は「B」です。The Riders of Rohanの最初の所からです。

そして,Eragonの感想(ネタバレ)

2006-01-11 01:14:49 | エラゴン・Paolini
奇をてらう事のない,優等生的な正統派ファンタジー,だったと思います。ファンタジーのお約束で,前半はスロー,途中モチベーションを失くしかけた事もありましたが,後半は面白かったです。ただ,起承転結の結の部分で,急にいろいろな新しいキャラ,場所,物,が炸裂し過ぎで,ちょっと目まぐるしかったです。(汗) しかも最後の最後に,The Mouring Sageという,男女もわからない超謎のキャラ登場です。。

よく,書評には指輪物語に似てると言われますが,実は私は全然そうは思いませんでした。ましてハリポタとも全然違うと思いました。確かに,エルフやドワーフはちょっとパクリかなあ?(そこがまだ若い所かも)ですが,むしろ思い出したのは,「起承転」までは(まだ1巻も満足に読んでないくせに(笑))ゲド戦記でした。「結」はちょっとSWだったかもしれません。

アメリカではハリポタを越えたって言われますが,う~ん,それは要するに,アメリカ生まれのファンタジーだからでしょう。でもPaolini君はまだ22才。この先10年20年後には,本当にどえらい作家になる可能性は十分,と思います。

本が進むに従って,キャラクタ達にも愛着が沸いてきました。1番のお気に入りはやはり何と言ってもヒロイン?Saphiraですね! 成長してからもかわいい所満載ですが,特に生まれたての時の彼女はもう最高にかわいいですっ! Eragonは,この頃流行の,なかなか成長しない主人公ですね(笑)という事で,これから物語が進むにつれて,成長が楽しみです。

他に最も気になっているキャラクタと言えば,Murtaghです。どうもこの手のキャラは,私は本能的に気になるようです。(笑) Ajihadには,結局愛着を持てませんでしたが(笑),Bromは何故か時が経つにつれてますます好きになって参りました。またこれからは,Arya,Orik,Angela,Solembumの好感度が増してきそうな予感です。Aryaは,ちゃんと戦うヒロインで,お姫様ではなさそうですが,同じElfのヒロインでも,Arwenよりずっと好きになりそうです。(って,何Arwenと比べるか(笑))で,さらに意外と気になると言えば,「双子」です。ちょっと前まで双子と言えばフレジョと思っていたのですが,短い登場ながら,なかなかインパクトのある人達で,彼らも次の巻の活躍が楽しみ?です。(笑)

そう言えば,Angelaの予言というのも気になりますが,もう既に半分位は実現されちゃっているのですね。Eragonのお相手になるという美しい人とは多分あの人だろうし,裏切る家族というのは‥,ひょっとすると?と目星を付けている人物は既に複数います。

という事で,次の巻もなるべく早いうちに読みたいと思います,が,私が読んだのは,Knopfという出版社のペーパーバックです。同じ本を揃えたいと思っているので,EldestのKnopf版のペーパーバックが出てから(今年の春辺り?)読もうと思っています。

追記:そうそう! 今年末(日本は来年か?)の映画公開,とても楽しみです!


暑さ寒さも‥

2006-01-11 01:10:04 | 旅行

写真はナルニアの箪笥を開けた所,ではなくて,この寒いのに,志賀高原にスキーに行って参りました。そう言えば私はスキーを趣味にしているんですよね(笑) そもそもこのブログもNZスキーツアーからスタートしたわけですし。(ホントだってば(笑))

あまりの寒さに,つららもすごい事になっておりました。実際滑ったのは土日で,折からの大寒波でエライ事になっておりましたが,土曜日は確かに辛かったのですが,日曜は寒さに慣れてしまってか?寒い事で有名な寺小屋スキー場が,ほぼ平気でした。(汗)
それにしても,スキー場は寒いのが当然ですから,いいとして,帰ってきてびっくり。東京,寒いじゃん! スキー場の宿では暑くて眠れませんでしたが,東京の我が家では,寒くて寝れませんでした。(大汗)

HoME7 XX : The Riders of Rohan (1)

2006-01-11 00:42:07 | Tolkien・HoME
初期のメモ:
<Sketch>
夕暮れ。夜。追っていくのはどんどん難しくなる。夜も続行。山の背に朝日。急斜面。レゴラスは遠くに鷲を見る。豊かな植生。彼らは黒の山脈(Black Mountains→今まで何度か出てきていますが,後の白の山脈です)を100マイル南方に見る。曲がりくねったエント川。オークの足跡は川を遡上。Rohiroth(→ロヒアリム)との出会い。彼らはファンゴルンに馬で行き,オークとの戦いでオークが全滅した事,オークを打ち負かした不思議な老人の事を聞く。彼らは誰も助からなかったと聞き,絶望に陥る。老人が現れる。

(後で追加)彼らは(最初)サルマンと思う。ガンダルフの復活と,彼の(モリア)脱出劇話。彼は白の魔法使いになる。「わしは殆どの事を忘れてしまった。ヘタに燃えたと言うべきか,良く燃えたと言うべきか」彼らはミナス・ティリスへ。(白のガンダルフ○知症説?がありますが,どうもそれを裏付ける話だ‥(^^;))

ガンダルフと鷲の戦いの話は後で語られなくてはならない。一部フロド(またはサム)の夢で,一部はオークの話から。(?フロドが捕らえれた時に塔から見る?)

ミナス・ティリスはHaradwaithを打ち負かす。彼らはオスギリアスを渡り,ナズグルを打ち負かし,ミナス・モルグルを破る。ダゴルラドまで進み,指輪所有者が捕らえられた事を知る。

そして木の鬚。
そしてフロド。
</Sketch>

Haradwaithというのは,初期の地図でベルファラスの辺りにあった国だそうです。
それにしても,最初ローハンとアイゼンガルドとの戦いって,なかったと言うか,おそらく,「ガンダルフと鷲の戦い」という奴がその原形だったのでしょうか?

さらに別のメモ:これがまた,めちゃ楽しい(笑)

<Sketch>
(1) Greyfax(Shadowfax=飛蔭へ改名),ハルバラド。ガンダルフの馬再登場。裂け谷から送られる。500~600マイルあるので,10~14日かかる。
(あらびっくりですね。ハルバラドは元々馬の名前だったと前にも出てはきましたが,「裂け谷から送られる」,この時点でもまだ「馬」なんですね。(笑)しかしどうやってガンダルフは飛蔭を読んだのだろうとクリストファーさんは突っ込んでいます(笑))

(2) RohirothはWoodmenとビヨルン一党の親類。北部の古い人間達。しかし彼らはGnomish(ヌメノールとOndorの言葉)と共通語を話す。
(「Woodmen」あ~,何かいましたよね。ホビットの冒険で。ビヨルンの家の周りに住んでいるという人々が。)

(3) Trotter should know Eomer. (って,トロッターはエオメルを知るべきだ,知っているだろう,知っているばずだ,‥どれだろう?)

(4) Marhad。Marhathは2番目の長。(余白に,Marhad Marhath Marhelm Marhun Marhyse Marulf)(こりゃ何のこっちゃ?と思ったら,ローハンの人々の名前は,初期は,Eo-,の他に,Mar-としていたのだそうです)

(5) Eowyn Elfsheen エオムンドの娘?
(エオウィン,最初はローハンの白の姫君(The White Lady of Rohan)でなく,エルフの輝き(sheen)だったのですね。いずれにしろ,大変美しい名前です。。)
</Sketch>

クリストファーさんによると,初期のローハンの記述は大変複雑と言うか,最初に書かれたものが消されてその上に書かれたり,途中で棄てられたり,と,いろいろな複雑な事情があって,それらの断片が残っている,というような状態なのだそうです。と,いう事で,最初に書かれたと思われるものを「A」,「A」が消された上に書かれたものや,その後訂正されたものを「B」と分けています。

当然? より早い時期のアイディアである「A」には何が書かれていたのか,とても興味ありますよね! ‥という事で,まず,明日は「A」に残っているお話です。

HoME7 XIX : The Deparature of Boromir

2006-01-11 00:27:47 | Tolkien・HoME
トールキンさんはまだここでFOTRとTTTを分けるとは考えていなかったそうですが‥

角笛や叫び声を聞いて,トロッターはトラブルが起きた事を知ります。急いで駆け下りるとボロミアが木の下で横たわっていました。「私は指輪を奪おうとした。」とボロミア。「すまない,できるだけの償いはした。」少なくても20人のオークの死骸が周りにありました。「奴らは彼らを連れ去った。Elfstone,ミナス・ティリスに行って,人々を助けてくれ。私はできるだけの事をした。」そして彼は亡くなりました。
トロッターはとても困惑,とにかくボロミアをどこかに埋めなければ‥,そして彼はレゴラス,ギムリと一緒に,枝を集めてひつぎを作り,ボートに置きます。トロッターはボートが1艘無くなっている事に気付きます。そしてサムもいなくなっていました。彼はレゴラス,ギムリと話し合い,メリーとピピンを捜す事にします。

(そして同時期に書かれたと思われる,続きの話)

トロッターは倒れているオークの体型や武器から,北の霧ふり山脈のオークと察知します。モリアのオークか? 実は彼らは実際,サルマンの部下のモリアのオークで,ガンダルフが死んだ知らせをサルマンに届ける所で,かつ,フロドを含むホビットをアイゼンガルドに連れていくよう命じられていたのでした。

(おっと,正式版と微妙?な違いがありますね~(笑))

ここでメモ
トロッターはアモン・ヘンで何かを見る事にするか? もし見るとすれば,(1)1羽の鷲 (2)老人がフロドの様に鏡を見ている所 (3)木の下に隠れているオーク達

クリストファーさんは,お父さんの新聞コピー落書き(実は第2次大戦初期の日本のマレーシア攻撃を示す記事の見出し(汗))から,これらの下書きを書いた時期を割り出し,1941-1942年の冬と見ています。またそこから,お父さんは一旦1939年にモリアで一旦筆を止め,2年のブランクの後に再開したと推測しています。

下書き続き。

トロッターは丘を駆け上がり,足跡を調べますが,殆どが岩場または落ち葉の為,レンジャーに取ってもホビットがどちらへ行ったかを見るのは簡単ではありません。しかし頂上からそんなに遠くない所に小さな泉があり,そこの湿った地面から,捜している物を見つけました。そこから彼(フロド)の濡れた足が岩場を登っている事がわかります。トロッターは椅子に上がり,彼が何を見たのか,と,思います。東には雲がかかり,下の方にオークが隠れています。そして,遠くに鷲を見ます。そして老人が歩いているのが見えます。彼の衣服は灰色のようでしたが,風が吹いて,中に輝く白い物がちらっと見えました。(その後,オークの襲来,ボロミアの発見に続く‥)

(しかしトールキンさんは,結局トロッターは椅子には到達せず,丘の上から見たのは,キャンプ地と,川と森だけという事にしてしまいます。何故フロドがアモン・ヘンからいろいろ見えたのに,アラゴルンには(結局正式版でも)見えなかったのか,トールキンさんは何も説明してないそうですが,クリストファーさんは,アモン・ヘンの力+指輪の力があって,フロドには見えたのではないか,と推測しています)

次の下書き。

トロッターは,一部のオークは霧ふり山脈つまりモリアのオークであると気が付きますが,他のオークは体が大きく,武器も違い,白い金属にルーン文字で「S」と書いてあるので,どこのオークだろうと問いかけます。ギムリはサウロンの「S」だろうと言いますが,レゴラスは「彼はルーン文字は使わない」と言います。トロッターは「S」はサルマンの「S」だ,それにしても,彼はロスロリアンの警戒もくぐり抜けたのだな,サルマンは単にサウロンの為だけに働いているのか,彼自身何か企んでいるのか,わからない,と,言います。するとギムリが「なぞなぞをしている暇はない。」

ボロミアの髪の色は当時「金茶色」(映画と一緒だ(笑))だったのだそうです。正式版は,ほとんど黒(dark),でしたね。

Ondorでは,ボロミアのボートは滝を越え,オスギリアスを通り,アンドゥインの複雑な河口を経て,大海に向かい,Belfalasの沖で幾千の海鳥達が弔歌を歌ったと,長く記されました。‥しかしこのバージョンでは,トロッター達は弔歌を歌わなかったそうです。(汗) ただし,その弔歌の最初のドラフトはこの頃の下書きの紙の中にあったそうです。(ここでは出てこないのかな)

トロッターは,キャンプ地にはホビットの足跡を見つけられませんでしたが,ボートが1つ消えている事から,「まずフロドが指輪をしてここに来て,サムに会った‥いや,サムはフロドの心を知っていたのだ:彼は知識ではなく愛情から察知していたのだ。そして,彼が出発する前に捕まえたのだろう。」しかしギムリが「それにしてもオークを見て怖かったにせよ,挨拶の1つもなしに去るなんて,ひどいじゃないか。」 トロッター「そうは思わぬ。サムは正しい。彼(フロド)は我々をモルドールで死なせたくなかったのだ。1人で,そして秘密裏に行きたかったのだ。丘の上で何かが起きたのだ。全てはわからないが,ボロミアは力で指輪を奪おうとしたのだ。」 これにはレゴラスとギムリは仰天。さらにトロッター「彼(ボロミア)を悪く思ってはならぬ。彼は勇敢に代償を支払い,告白したのだ。」

(さすが「元ホビット,ペレグリン・ボフィン」(笑) サムの心を読めるんですね!)

その後,鉛筆で下書き。

ボロミアの悪い行いをトロッターに言わせるのはよくないかな。
彼らはボートを引き上げる。オークを追って西へ向かう。トロッターのプランはサルン・ゲビアを下り,ローハンに入って馬を借りる事だ。
レゴラス,鷲を見る
彼らは丘を上がってくる老人に会う。誰かわからないがどこかで見たような。。サルマンではないかと怪しむ。

(それでトロッターが丘の上からじいさんを見るシーンがあったのか。。でもガンダルフに会うのがはょっと早いぞ!(笑))

そして,トロッターがボロミアの事をバラさない版です。

「彼(フロド)が我々を離れた後に何かが彼に決意させたのだ。彼は急に恐れや疑いを克服した。それはオークと出遭ったからという事ではないと思う。」トロッターは何を考えたのかは言いませんでした。ボロミアの最期の言葉を彼はその後ずっと(ever)秘密にしておきました。(正式版では,"ever"ではなく"long"だそうです)

彼らはボートを引き上げ,不必要な物や持って行けない物を一緒にそこに置きました。(はぁ~,この行為が映画版FOTRの最後のアラゴルンのセリフ,"We travel light."になるんですね!)
トロッター,ギムリ,レゴラスは,オーク達の足跡はホビットとも人間とも違って,育つ物を踏み潰すと言います。トロッターは「ローハンに出れば馬を手に入れる事ができるだろう。もし私の考えが合っていて彼らがアイゼンガルドに向かっているのなら,彼らは

‥ここで突然文章が切れています。(汗) クリストファーさんによると,「続きがない!」という事です。

話のキレはよくないと思ったのですが,この章に入ったら,やはり本当に話が切り替わり,TTTなんだなぁ~と実感しました。

次はいよいよ,ローハンのメンバー登場です。

Run!Run!Run!