ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

また積ん読か

2006-01-22 21:25:46 | 読書
突然,何の脈絡もなく,22の短編が入っているという謳い文句につられて,こんな本を買ってしまいました。(笑)
この手の本は,翻訳版は小学生の時に読めたし,見るからに前の記事で書いたような『イギリス伝統方式』に則って書かれた小説ですので,まあ読み易いですけどね。ちょっと暇があるときにでも読もうかと思っているのですが,果たしてできるのかどうか。。。。


カッコーは読みにくいですが

2006-01-22 21:23:09 | BookClub
以前どこかで聞いた事があるのですが,イギリスの近代文学にはある『形式』というものがあって,大抵の小説はその形式に則って書かれているのだそうです。それが具体的にどういう事なのか,英米文学の専門家ではない私には,もちろん,さっぱりわかりません(笑)が,今まで読んできた本には,確かに,共通点があります。

  • 過去形で話を進める
  • セリフ以外の所に話し言葉を使わない
  • たとえセリフにでも,スラングを乱用しない
  • 文法的にきっちり正しい表現をする
  • 論理的に話を進める
  • ある一定のボキャブラリ(対象読者のレベルに合った)を使って表現している
  • 読者の立場に立って話を進める

この法則は,不思議の国のアリスから,指輪物語,ナルニア,The Odyssey(翻訳),Animal Farm(動物農場),ハリポタ,に至るまで,全て当てはまり,おかげさまで,これらの本はノンネイティブにとっては,易しいとは限らないけれど,読み易い本と言えます。

これに対して,どうもアメリカ人は型にはまるのがニガテ? To Kill a Mockingbird(アラバマ物語)と,One Flew over the Cuckoo's Nest(カッコーの巣の上で)は,この法則を無視していて(特に『読者の立場』を全く無視),ノンネイティブにとっては非常に読み難い小説です。ファンタジーに関しては,論理的でなければならないので,完全無視という事はさすがにありませんが,アメリカファンタジーのゲド戦記にEragon,は,イギリスファンタジーに比べたら,やっぱり,ちょっと読み難いです。

ただ,『カッコー』のような,非論理的な事が平気で起きる小説を読むというのは,勝手に話を想像してわからない所をごまかす事ができませんので,リーディングのスキルを鍛えるには,逆にいいのかなあと思います。これを読み終わったら,ゲド戦記を読む予定にしていますが,あの読み難いファンタジーを読む為にはよい訓練になるのかも??


One Flew over the Cuckoo's Nest (47-53)

2006-01-22 13:24:19 | BookClub
普通,指輪物語でもハリポタでもアラバマ物語でもそうなのですが,英語の物語は「過去形」で書いてあります。しかしこの話,何故か現在形で書かれていて,何か違和感を感じていたのですが,ようやくその理由がわかりました。ここから突然過去形になります。

このTherapeutic Community(話の舞台となっている病棟)は,『民主主義』を取り入れ,Group Discussionというシステムがあり,患者が何か不平,不満,気になる事があると議題に取り入れられる。しかしこのミーティングでは,患者が余計な事を言う前に,とりわけPeteが"I'm tired!"と言い出す前にBig Nurseが発言を止める。

4~5年前,ただ1度だけ違う事をした事があった。ドクターが熱弁を振るった後,Big Nurseが「誰から始める? 古い秘密を喋ってごらんなさい」20分の静寂の後,突然堰を切った様に「俺はレジを盗んだ」「妹をベッドに連れ込もうとした」「お,弟をベッドに連れ込もうと思った事があった;;」「猫を殺した」と,大騒ぎになった。

突然,Peteが"I'm tired!"と叫んだ。今まで聞いた事のないような声で。皆はにわかに自分が本当の事を言ったと知って恥ずかしくなる。Big Nurseは怒っていた。皆はPeteをなだめようとするが彼は"Tired! Tired! Tired!"と叫び続ける。ついに彼女は黒人に彼を任せる。

Peteは生まれた時からChronicだった。彼は生まれる時に頭をトングでつまんで引っ張り出され,それ以来2箇所の凹みがある。おかげで彼の頭は『Combine』(電気ショック用のプローブだと思いますが‥(汗))にはぴったりはまらず,脳みそにダメージを与えられた事はなかったが,今回,その黒人は彼の手を膨らました。他の患者やスタッフはミーティング中で誰も見てなくて,Bromdenさん1人だけがその光景を目の当たりにしていた。さらに彼はチェーンの先についている錆びた鉄の玉を見た。しかしPeteが逆襲。黒人は鉄のボールで壁に叩きつけられた。慌てて止めようとする他の2人の黒人。

Big Nurseは彼をなだめに入る。Peteは急に落ち込み,自分は生まれてからずっと死んでいた,侮辱され続けと泣き出す。Big Nurseは注射をして彼を落ち着かせる。(既にその必要はなかったが) しかし彼はすぐに元に戻り,また誰も聞いてくれない事を言い始めた。

Peteはその後暴れるような事はない。

過去形での語りは,ここで一旦終りです。要は,今進行している事は現在形,本当に過去を語る時は過去形,と分けていたんですね!


Run!Run!Run!