ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME7 XXII : Treebeard (1)

2006-01-18 23:41:37 | Tolkien・HoME
昨日はまたまた置いてきてしまったので更新できませんでしたが,今日はもうちょっと行っちゃいますよ(笑)

今まで何度も"Giant Treebeard"の事は下書きの中に出てきましたが,実はここまでトールキン父さんは何も考えてなかったのだそうです。(笑) お父さんは1956年1月の手紙(No. 180)でこんな事を書いてます。

「長い間,『創作』を中断していたよ。何が起きるかわかるまでね。それとも自分で勝手に描写されるまで。だから,フロドが大河の下流のどこかで森の冒険をする事にしても,私はエントの姿は思いつかなかったよ。ようやくその時が来た。そして木の鬚の章は,過去の記憶には全然頼らず,今思いつくままに書いたんだ。」


自分で勝手に描写される


要は,勝手に頭の中に沸いて出てきたという事ですね。ったく,天才トールキンさんらしい言葉です。(笑) ちなみに,8巻に出てきますが,ファラミアも「勝手に沸いて出てきたキャラクタ」なんですよ。まあ執政家ファンの間では有名な話ですが。(笑)

HoME7 XXI : The Uruk Hai

2006-01-18 23:31:12 | Tolkien・HoME
この章に関する初期のとても簡単な草稿です。(意味不明な所(汗)は原文のまま)

ある者は北へ行きたい,ある者はモルドールへまっすぐ行くべきと言う,大きなオーク達はアイゼンガルドに戻るよう命じられている。彼らは捕虜を運ぶ。どちらも違う。彼らはわかってない。Kill'em. But they're Hobbits. サルマンはどんなホビットでも連れて来いと言った。サルマンを呪う。Who does he think he is? A godd master and lord. 人間の肉。
戦いが起きる。殺されたオークがピピンの頭上に。ピピンは手首の綱を切る。(しかし)ゆるめただけでまた縛る。
アイゼンガルドの勝ち。モルドールのオーク達は殺される。彼らはリーダーをウグルクと呼ぶ。彼らはメリーに何かを飲ませて起こす。足首の綱を切って,鞭で歩かせる。暗い夜,ピピンはブローチを落とす。
平坦な所へ。メリーとピピンはクラクラして倒れるまで走る。オークが彼らを運ぶ。
ピピンは馬の足音を聞いて起きる。夜,‥‥恐怖におののくオーク。ウグルクはホビットが殺されるのも放棄するのも拒否。彼はホビットを盗む。しかし騎士が後を追う,ピピンはメリーを捕まえ,伏せて,マントで隠れる。騎士はウグルクを刺し殺す。メリーとピピンは森へ。

ほとんど正式版のアイディアが出来上がっていますね。細かい事を言うと,ピピンがブローチを棄てるタイミングが違うそうです。あと,ウグルクはグリシュナッハだそうですが。

そして,次にはオーク達の名前もきちんと入りました。アイゼンガルドのウグルク,モルドールのグリシュナッハ,そしてLugburz等。。

さてまた草稿の続きです。

ウグルクはメリーの傷に何かを塗りつける。彼が叫ぶと皆笑う。でも拷問ではなくて,メリーは回復してきた。(ウグルクって本当は優しいのかなあ・・)
オーク達はローハンの騎士達が近づいている事に気付く。メリーとピピンはローハンの騎士は知らないけれど,オーク達が恐ろしがっている事に気付く。ウグルクはモルドールのグリシュナッハが嫌い。彼は何故ナズグルが手伝いに来ないのかと訊く。グリシュナッハは,ナズグルは川を渡る事を許されてない。彼らは戦争の為に取って置いている,と答える。(え? シャイアまで行ったじゃん) 
騎士達に囲まれると,グリシュナッハはメリーとピピンを連れて逃げる。彼は殺され,メリーとピピンは森へ逃げる。
木の鬚と冒険。

クリストファーさんは,この頃の下書きは,お父さんが消したり書いたり重ねたりで,非常に読みにくいと言ってます。残っているテキストは,まあ上を見てもおわかりのように,大抵ほとんど正式版に近い物が多いそうです。しかし,次は,正式版とちょっと違うそうです。

森が近づいてきます。土地は上り坂になってきました。しかし,だからと言って,オークが追いかけるのを止めるという事はありません。彼らは懸命のラストスパートをかけます。ピピンは騎士達が走り回っているのを見ます。彼らはオークをどんどん追い詰めています。朝日が明るい色の髪を照らします。ピピンは,彼らは一体どんな人達なのだろう,裂け谷でもっと勉強しておけばよかったな,と思います。彼は,ガンダルフ,トロッター,フロドとさえも切り離されるとは思ってもいませんでした。今,彼らについて思い出せる事は,ガンダルフが馬をもらったという事だけでした。(←おいおい;)

グリシュナッハの最期については,こんな事が書いてあります。

彼は,馬から降りてきたローハンの3番頭エオメルと剣で一騎打ちして,ついに殺されました。そしてこの襲撃は終了。このニュースは,アイゼンガルドにもモルドールにも知らされませんでした。

HoME7 XX : The Riders of Rohan (4)

2006-01-18 23:24:31 | Tolkien・HoME
クリストファーさんのコメント:
どうも,このバージョンでは,3人は殆ど寝ずに追跡をしたようです。(汗) アラゴルンとエオメルの会話はほとんど正式版TTTと一緒だそうですが,ここでギムリがホビットについて説明する(以前ボロミアがこう呼んでいたと思いますが,相変わらずホビットの事を"Half-high"と呼んでいるそうです)所と,「Thengelの息子セオデン」の名が初めて登場するそうです。(「A」ではエオメルが王の甥ではなく,王?の息子になっていましたね)ただし,セオデンはまだ「王」ではなく,1番目の長(=The first master →「A」でエオメルは自分を3番目の長=the third master,と名乗ってます)なのだそうです。

次はごく簡単な下書きです:

オルサンクから鷲に乗って逃れてきたと言う老人,そして馬を所望した。彼を魔法使いという者もある。。エオメルは,幾らかのオークがWoldに向かって逃げたと言う。アラゴルンは他の騎士達に会うかも。4番頭(そろそろ○番目の長と言うのは面倒になった(笑))Marhathがそこに何人かと一緒にいる。エオメルはMarhathに見せる為のトークン(印)をアラゴルンに与える。アラゴルンはセオデンに約束,エオメルの汚名を返上する。お別れ。

最後の文(Aragorn pledges his word to Theoden and vindicate Eomer. Farewell.)は,意味がよくわからなかったのですが,正式版に描かれている,セオデンのエオメルに対する疑惑の事と素直に見ていいのでしょうかね。

そして,また下書き。

エオメル曰く「ガンダルフの名は時々聞くが,彼がどこから来てどこへ行くのかは誰も知らない。彼が来ると不思議な事が起きる。サルマンとのトラブルもその時から始まった。ガンダルフは邪悪な物がアイゼンガルドにあると言う。彼はオルサンクから鷲で逃れてきたそうだ。そしてそれにもかかわらず,馬を所望した。一体どんな魔法を使っているんだ? しかしセオデンは,メアラスの1頭を与えた。メアラスとは,マークの1番頭しか乗れない馬で,西方国の人間がゴンドールから連れてきた馬の子孫と言われる。馬の名は飛蔭と言う。我々はこの老人に何か起きたのではないかと心配している。何故なら,7日前に飛蔭が帰ってきたのだ。」
するとアラゴルンは「ガンダルフは裂け谷に乗っていたはずだ。しかし,ああ,ガンダルフは闇に落ちてしまった。」と,それまでのいきさつ,ボロミアの事も含めて,話します。

実はこの文で,初めてOndor→Gondorになりました。(正式に変わったのは,1942年2月9日だそうです。この話はまた後で)

エオメルはまだ蛇の舌については触れてないそうですが,ある者はガンダルフはサルマンが化けたものだと言ってます。そして,この頃,サルマンのバッジを付けたオークがよく出没すると言い,前日にもオークの一隊と戦い,15人の男と12頭の馬を失ったと話します。しかし,見知らぬ者をこの国で自由に歩かせるわけにはいかないから,一緒に来いと言います。

するとアラゴルンは,自分はずっと前にローハンに来て,エオムンドやセオデンやThengelに仕えたが,誰も友達を見捨ててよいとは言わなかったぞと抵抗します。するとエオメルは態度を和らげ,では馬を与えるから,セオデンのいるtorrasまで持って帰ってくれ。と言います。

torrasとは,まあ現在のエドラスの事ですが,これがいろいろ名前が変わります。

torras → Meodarn → Meduarn(Mead-hall)) → Winseld(Wine-hall) → Eodor → Eodoras

アラゴルン達に与えられる馬の名前は,最初はWindmaneとか,Whitelockとか,現代英語なのですが,やがて,Hasofel(Grey-coat),Arod(Swift)と,古英語に変わっていきます。

うんちく:ご存知の方も多いと思いますが,ローハンは「古英語」の国です。Isen-とか,eo-とかは,古英語の頭によくついているし,eoredなんかは,本当に古英語の辞書に載っているんですよ。意味もそのまま,軍の単位ですし。

アラゴルンの初期のファンゴルンについてのコメントです。

「どんな物語があるのかは知らないが,今となってはケレボルン様でさえもご存知ないだろう。ここは霧ふり山脈の端で,古い木々は最初のエルフ達がここに到達するより前に,ここに逃れて来たのだ。この森とバランドゥインと塚山丘陵の間にある古森は,強固な森の砦と言われる。またファンゴルンは古森とは別種の物とも言われる。」

(でも正式版では,ファンゴルンと古森は同種と噂されるんですよね。)

3人はついにサルマン(実はガンダルフ)と思われるおじいさんを見かけるのですが,初期のガンダルフの姿は,彼はボロを纏い,帽子もボロボロだったそうです。(笑) もちろん,3人はサルマンと怪しんでおります。アラゴルンは,ちょっと慌てているギムリと見張りを交代します。

One Flew over the Cuckoo's Nest (13-30)

2006-01-18 02:05:26 | BookClub
頭のおかしい人の話と思って侮ってはいけません。非常にボキャブラリが豊富です。1回20ページは,Eragonの時と同じですが,読むのに遥かに時間がかかるような気がします(汗)

患者には,Acute(=急性→まあ治る見込みのある)と呼ばれるグループがいる。彼らは椅子やテーブルの下に何かないかと探し回ったり,ひたすら紙巻煙草を巻いたり,お互い「密告」し合ったりする。
Acutesの向かいにいるのは,Chronic(慢性→治る見込みのない)と呼ばれる患者のグループ。Bromdenさんは,Chronicの中でもWalkerという,歩き回れる患者に属する。Chronicの中には,他にWheeler,Vegitable(汗;)と呼ばれるグループがいる。

病院のスタッフはたまに間違いを犯す事がある。Ellisという患者は,Shock Shopで電圧をかけ過ぎ,それ以来壁に固定されるようになった。BromdenさんはいつもEllisが食事等でどいた後,彼のトイレの始末をしている。Ruckyという患者は,黒人を蹴り,インターンの看護士に噛み付いた。その後彼は連れ出され,2週間後に帰って来た時,彼の髪の毛はなくなり,顔に火傷があり,目の上には2つのプラグがついていた。それ以降彼は何もしなくなり,1日中古い写真をひっくり返す事を続けるようになった。

1番年上の患者はMatterson大佐といい,杖で看護婦のスカートをめくる事を趣味としている。が,1番古い患者はBromdenだ。Big Nurseも同じ位古い。Acute達はChronic達と同じサイドには座りたがらない。彼らは臭いからと言うが,実はそうではなくて,自分がそうなりたくないからだ。

(ここで,Admissionとは「新入り患者」の意味とようやく理解しました(汗))

AdmissionのMcMurphyは,Acuteに所属する事に。McMurphyはいつも大声で話し,笑うので,他の患者は怯えている。しかし彼は何とか彼らをリラックスさせようとする。
McMurphyは「俺をリーダーにしないか?」と言い出す。皆かなり迷惑そう。BillyはHardingに決めろと言う。Hardingは大学を出ている為,皆は患者評議会の会長という事になっている。とても美しい奥さんを持っていた事をいつも自慢している男。Billyに「この男はアポイントを取っているのか」と尋ねるので,McMurphyは「自分はいつもリーダーだぜ,と伝えろ」と言う。(‥実際は書くのも恥かしい事を言ってHardingを侮辱してます(笑))

HardingはMcMurphyの喋り方を真似して脅す。するとMcMurphyは「アイゼンハワーに1票」Harding「2票だ。」McMurphy「11月にもう1回。」するとHardingは「降参だ」と言って握手。(何故11月に投票して降参なのか?(汗))彼らは彼に身の上話を聞くようになった。McMurphyはよく喧嘩して牢獄に入れられたらしい。

McMurphyは次にChronic達に近づく。Ellisに「いい年してバシャバシャするのはよくないぞ。」Ellisは驚き「ありがとう。」と言って,彼の足元の「トイレ」から少し動く。彼は次々とChronic達とも握手して行く。McMurphyは最後にBromdenさんの所に来る。彼はBromdenさんを見て笑う。Bromdenさんは最初,自分がおかしいから,笑われたと思うが,実は彼はBromdenさんを見抜いていた。

他の患者達がBromdenさんの事を紹介する。(Bromdenさんは耳と口が不自由,なフリをしている)McMurphyの手には碇の刺青があり,傷だらけだけど,掌はスムーズだった。Bromdenさんはその手に何か温かみを感じる。その時Big Nurseが来る。黒人が呼んできたようだ。「入所のシャワーを浴びなさい。ルールですから。」

看護婦達がMcMurphyの噂をしている。彼はいい男だが、患者達を支配しようとしている事が気になるようだ。Big Nurseは、何か少しでも散らかっていると少し微笑みながら怒る人。人形のように微笑んでいる顎と鼻の下は鉄のように切迫しているのだ。そして、「適合する」まで気が済まない。彼女はBromdenさんが来た時既にBig Nurseであり、力を持っている。

彼女の夢は全てが計画通り正確に運ぶ事。(でもこれはわかるなあ(笑))お陰で医者達とはなかなか合わない。ようやく気の合った医師は、自分の顔にはキツすぎる眼鏡のつるに顔を潰され、ついには眼鏡がはまらなくなった奴だ。

3人のお手伝いの黒人のうち1人は,Bromdenさんの5年後に来た。彼は5才の時,母親がレイプされその間父親が鍬で殴られ鉄のレンジにくくりつけられていたのを物の影から見て,それ以来成長が止まった。彼は白人の患者は特別よく観察する。他の2人はその2年後に来た。彼らは,患者に音もなく近づき,患者の秘密を暴く事もある。かくして病棟の秩序は保たれる。朝になるとAcute達は自分でベッドから立ち上がり,Wheeler達は椅子に座らせてくれるのを待ち,黒人達はVegitable達をホースで洗う。(汗)

そして6時45分,AcuteとChronicのWalkerはアルファベット順に並ぶ。月曜はBromdenさんは逃げる(笑)7時は食事の時間,Vegitableを除いて自分で食べる。黒人達は,Vegitable達に,何やら流動食のような物を,罵りながら食べさせる。


Run!Run!Run!