The Kite Runner 価格:¥ 1,694(税込) 発売日:2004-04 |
久しぶりに、面白い本を読めました! とにかく、次が気になって、どんどん読めてしまいました。話の構成が論理的ですっきり。伏線を無駄なく使いきりましたね。(ちょっとやり過ぎ?(笑))
Rahim Khan、優しいおじさんと思いきや、大変な因業爺でございましたね。(爆) もう~優しい顔してダンブルドアみたいに、主人公に厳しいタスクを課しますねぇ。。。同世代ローリング女史のハリポタとの共通点は、他にもたくさんありましたねぇ。Assefのドラコそっくり発言の数々にもびっくり(笑)ですが、死というものを、美化したりごまかしたりせず、淡々と扱う所も似ていると思いました。これはホッセイニさんがお医者さんだったから、なのでしょうか。。
舅であるTaheri将軍が「何故ハザラが私の娘と住んでいるのかと聞かれたら何と答えるのだ?」と聞いた時、正直に事情を説明し、さらに「彼を決してハザラと呼ばないで下さい。Sohrabという名前があります。」とピシャリと言うAmirに、成長を感じるねぇ、と感心したり。。
ただ、
クライマックスが終わり、まだ80ページも残っていたので、何かあるのかなと思ったら。。。やっぱり、いろいろありました。Sohrabが受けた心の傷は、思った以上に深く、完治するまで時間がかかりそうです。
この本を読んだ感想として、真の友情、父と子の葛藤、勇気、ラストは感動するよ、などなどを挙げる人が多く、いや、もちろん、そういう面にも感動しましたが、私には、どうもクライマックス以降の80ページで、Sohrabが、現在のアフガニスタンそのものに見えて、考えさせられました。
Talibanに辱められ、深く傷ついたSohrab、本当に帰りたかったのは、両親と暮らした時代、孤児院に行かされそうになった時、「皆僕を傷付けないって言うけど、結局ウソだ!」と言うセリフが痛いです。(滝汗)
Rahim Khanが、親切なアメリカ人の夫妻が孤児院をやっていて、Sohrabを引き取ってくれるはずだよと言ってましたが、このアメリカ人の夫妻、大使館に問い合わせると、実は、存在しなかったんですねぇ。(ここがRahim Khan因業爺説の根源(爆)) これって、すんご~~~~~~い、皮肉、というか、ずばり、メタファー(metaphor)ではあ~りませんか?
それ言うと、優しい顔して厳しいタスクを与え、無責任に消えたRahim Khanも。。(汗)
「一生をクマと戦った」Babaは、古いアフガニスタンの象徴。
Sohrab捜しに協力してくれたFaridは、さしずめ、アフガニスタンの開放に尽力したとマスード氏と北部同盟を表すのでしょう。
。。。というような見方をすると、この話、実は、ジョージ・オーウェルの、動物農場と同じような手法を持った話なんだなあ、という事がわかり、また別の意味で、感動するのでした。