ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

また積ん読か

2006-01-22 21:25:46 | 読書
突然,何の脈絡もなく,22の短編が入っているという謳い文句につられて,こんな本を買ってしまいました。(笑)
この手の本は,翻訳版は小学生の時に読めたし,見るからに前の記事で書いたような『イギリス伝統方式』に則って書かれた小説ですので,まあ読み易いですけどね。ちょっと暇があるときにでも読もうかと思っているのですが,果たしてできるのかどうか。。。。


カッコーは読みにくいですが

2006-01-22 21:23:09 | BookClub
以前どこかで聞いた事があるのですが,イギリスの近代文学にはある『形式』というものがあって,大抵の小説はその形式に則って書かれているのだそうです。それが具体的にどういう事なのか,英米文学の専門家ではない私には,もちろん,さっぱりわかりません(笑)が,今まで読んできた本には,確かに,共通点があります。

  • 過去形で話を進める
  • セリフ以外の所に話し言葉を使わない
  • たとえセリフにでも,スラングを乱用しない
  • 文法的にきっちり正しい表現をする
  • 論理的に話を進める
  • ある一定のボキャブラリ(対象読者のレベルに合った)を使って表現している
  • 読者の立場に立って話を進める

この法則は,不思議の国のアリスから,指輪物語,ナルニア,The Odyssey(翻訳),Animal Farm(動物農場),ハリポタ,に至るまで,全て当てはまり,おかげさまで,これらの本はノンネイティブにとっては,易しいとは限らないけれど,読み易い本と言えます。

これに対して,どうもアメリカ人は型にはまるのがニガテ? To Kill a Mockingbird(アラバマ物語)と,One Flew over the Cuckoo's Nest(カッコーの巣の上で)は,この法則を無視していて(特に『読者の立場』を全く無視),ノンネイティブにとっては非常に読み難い小説です。ファンタジーに関しては,論理的でなければならないので,完全無視という事はさすがにありませんが,アメリカファンタジーのゲド戦記にEragon,は,イギリスファンタジーに比べたら,やっぱり,ちょっと読み難いです。

ただ,『カッコー』のような,非論理的な事が平気で起きる小説を読むというのは,勝手に話を想像してわからない所をごまかす事ができませんので,リーディングのスキルを鍛えるには,逆にいいのかなあと思います。これを読み終わったら,ゲド戦記を読む予定にしていますが,あの読み難いファンタジーを読む為にはよい訓練になるのかも??


One Flew over the Cuckoo's Nest (47-53)

2006-01-22 13:24:19 | BookClub
普通,指輪物語でもハリポタでもアラバマ物語でもそうなのですが,英語の物語は「過去形」で書いてあります。しかしこの話,何故か現在形で書かれていて,何か違和感を感じていたのですが,ようやくその理由がわかりました。ここから突然過去形になります。

このTherapeutic Community(話の舞台となっている病棟)は,『民主主義』を取り入れ,Group Discussionというシステムがあり,患者が何か不平,不満,気になる事があると議題に取り入れられる。しかしこのミーティングでは,患者が余計な事を言う前に,とりわけPeteが"I'm tired!"と言い出す前にBig Nurseが発言を止める。

4~5年前,ただ1度だけ違う事をした事があった。ドクターが熱弁を振るった後,Big Nurseが「誰から始める? 古い秘密を喋ってごらんなさい」20分の静寂の後,突然堰を切った様に「俺はレジを盗んだ」「妹をベッドに連れ込もうとした」「お,弟をベッドに連れ込もうと思った事があった;;」「猫を殺した」と,大騒ぎになった。

突然,Peteが"I'm tired!"と叫んだ。今まで聞いた事のないような声で。皆はにわかに自分が本当の事を言ったと知って恥ずかしくなる。Big Nurseは怒っていた。皆はPeteをなだめようとするが彼は"Tired! Tired! Tired!"と叫び続ける。ついに彼女は黒人に彼を任せる。

Peteは生まれた時からChronicだった。彼は生まれる時に頭をトングでつまんで引っ張り出され,それ以来2箇所の凹みがある。おかげで彼の頭は『Combine』(電気ショック用のプローブだと思いますが‥(汗))にはぴったりはまらず,脳みそにダメージを与えられた事はなかったが,今回,その黒人は彼の手を膨らました。他の患者やスタッフはミーティング中で誰も見てなくて,Bromdenさん1人だけがその光景を目の当たりにしていた。さらに彼はチェーンの先についている錆びた鉄の玉を見た。しかしPeteが逆襲。黒人は鉄のボールで壁に叩きつけられた。慌てて止めようとする他の2人の黒人。

Big Nurseは彼をなだめに入る。Peteは急に落ち込み,自分は生まれてからずっと死んでいた,侮辱され続けと泣き出す。Big Nurseは注射をして彼を落ち着かせる。(既にその必要はなかったが) しかし彼はすぐに元に戻り,また誰も聞いてくれない事を言い始めた。

Peteはその後暴れるような事はない。

過去形での語りは,ここで一旦終りです。要は,今進行している事は現在形,本当に過去を語る時は過去形,と分けていたんですね!


One Flew over the Cuckoo's Nest (41-46)

2006-01-21 11:47:50 | BookClub
一方,McMurphyもBig Nurseを観察している。手の中でトランプがシャッフルする音が。Big Nurseは,彼がお金を賭けているのを見た事はないが,病院内のルールで満足するタイプではないなと思っている。

今日のミーティングの議題は,Hardingが,彼の若い妻の豊かな胸が男性の目を惹く事を心配している事について。Big Nurseはlog book(=日誌:密告?投書?(笑))に書かれた,この件に関してHardingが他の患者に喋った事を一通り読み上げ,「誰か他にも彼の問題にタッチしている人は?」するとMcMurphyが発言。(彼女はMcMurryと呼ぶ)「何にタッチしているって?」「何?彼の問題よ」「おや,奥さんにタッチしたって言ったのかと思った」「何て事を-!」しかし彼女はそこで黙る。Acuteの何人かは笑いをかみ殺している。彼女は,冷静に日誌を置いて,今度はMcMurphy自身の経歴を話しだす。軍への不服従とか喧嘩騒ぎを起こしての逮捕暦とか,レイプとか‥。

彼女はドクターに,彼のミーティングでのこの割り込み様だと,すぐ薬を投与する必要があるわね,と言う。(へ? それだけで薬? どう出る,McMurphy? と思いましたが‥)しかしドクターは「君は精神病歴はないんだね,McMurry君。」「McMurphyだ」ドクターは書類で名前を確認,「そうだった,悪かった」

するとMcMurphy「あの女性が間違いの発端だよ。時々そういう人がいるけどね。おじさんはHallahanって言うんだが,彼の名前をどうしても覚えなくて,いつもHooliganと読んでいた女性がいたよ。しかし彼は彼女にそれを永久に止めさせたんだ。」「ほう,どうやって?」「内緒だよ。いつかその手を使おうと思ってるんでね。」

ドクターは,何故彼がここに来ることになったか尋ねるが,彼は性的欲求が異常な為にそうなったと答える。しかしドクターは「この男が仕事が退屈で精神病のフリをしているのを見落とすな」と書いてあると言う。するとMcMurphyは「俺が正気に見えるかい?」

Big Nurseは,「ドクター,McMurryに,ミーティングのルールを教えておいて」McMurphyは「俺のおじさんの話を忘れたか?」「悪かったわね,Mack-Murph-y」

McMurphyは,その後ずっと静かだったが,彼はある事に気付く。患者達が笑わないのだ。彼は,ここで一体何が起きているのか,何かする前にまず観察してやろうと決意する。

(なるほどね~,ようやく,話がスタートラインに着いたかなって感じですわっ)


FOTR CD : 1-3: Three is Company

2006-01-21 01:49:42 | Tolkien・LOTR
3章は,1章2章よりずっと短いのですが,やっぱし結構難しいのと,密閉式ヘッドフォンの調子が悪くて,っていうか,大き過ぎて全然聞こえなくて,昨日からようやく復活。アレは小さ過ぎても,大き過ぎても,雑音がカットできないんですね。(汗)

ガンダルフは,フロドに早く出発しろって言うのですが,フロドは「消えるわけにはいかないでしょうし‥‥」するとガンダルフは,「こらっ,消えちゃいかん!」 彼はとりあえず,ビルボと自分の誕生日である秋ではどうですかね,と言います。

ところで,フロドはどっちに行くか考えていなかったんですね。(汗) ガンダルフは,裂け谷へ行けと言います。ほう,原作では,ガンダルフが自ら裂け谷指定したのですか。映画は何故違う(ガンダルフが踊る子馬亭を指定)のか,よく考えてみたら,原作で踊る子馬亭を指定するトム・ボンバディルが出てないから,なんですね。

しばらくすると,袋小路屋敷が,サックヴィル=バギンスに売られたという話で,緑竜館やらつたの枝館では噂のタネに。ガンダルフは,2ヶ月袋小路屋敷に滞在していたのですが,6月に,南の方でちょっと気になる事がある,フロドの誕生日までには戻ってくるから,と,心配するフロドを置いて,出て行きます。

しかし,誕生日までに,ガンダルフは戻ってきませんでした。仕方なく,小さなお誕生日パーティの後,メリーが荷物をフロドの新しい家,堀窪へ運びます。HoME6巻の下書きで,ガンダルフの初期行動はいろいろ変わりましたが,結局このように落ち着いたのですね! メリーが先に出発するというのは,最初からそのまんまですね。(笑)

結局ガンダルフが来ないまま,フロドは見切り発車を決意。フロドは,袋小路屋敷の下の袋枝道からとっつぁんの声を聞きます。誰か見知らぬ人が訪ねてきたようですが,あまりよい客人ではなさそう。(まあ,後で判った事ですが,例の黒い騎士でした) 出発の直前,サムは袋小路屋敷のビア樽にバイバイを。(笑)

そしてフロド,サム,ピピンで出発。フロドは知らず知らずのうちに,ビルボの歩いた跡を辿っていきます。しばらくすると,後ろから蹄の音がします。ここでフロドは映画とは全然違う,意外?な事を考えます。「後ろの蹄の音がもしガンダルフだったらちょっとおどかそう。」彼らは道の下の穴に隠れます。‥しかし,やってきたのは,もちろんガンダルフではありません。黒いフードを被った恐ろしげな見知らぬ騎士。騎士は何やら「くんくん」‥何か,ごく初期の草稿を思い出しますねぇ~。最初は後ろから来たのは本当にガンダルフで,フロドでなくてビンゴは指輪で姿を消してしまい,ガンダルフは臭いでビンゴを発見するという,すごいコメディでしたね。(爆) 正式版に,ほんのちょっとだけ,この初期の草稿を垣間見る事ができるなんて。。

こうして3人はメリーの待つバックル村の渡しに向かうわけですが,ここでこの朗読CDのスゴイ所を発見。Upon the hearth the fire is red ...の詩に,この朗読CDの最初に流れる音楽のメロディがついているんですよ! もちろん,映画でピピンが歌う,例の,Home is behind, the world ahead, And there are many path to tread ...の部分も,そのメロディで歌われています! そうか,あの曲は,テーマ曲という事ですね。

ピピンはと言うと,疲れた疲れたを連発。(笑) フロドはまた途中で誰かがくんくんしている音を聞きますが。。

すると,何と,まだ秋なのに,Snow white ..の歌を歌う,エルフ達の行列に遭遇。彼らは(シルマリルで人間に優しかった)フィンロドの家のエルフ達で,フロドに声をかけたのは,ギルドールというエルフです。ギルドールは,誰それの息子とは言ってないので,ひょっとして,Firstborn? それにしても,ホビット達は,黒の騎士達の事とか,いろいろ訊きたいのですが,エルフ達は肝心な事はのらりくらりとかわすんで,初読の時なんか,イライラしちゃいましたよ。(汗) まあ,彼らは,食べ物をくれたり,暖かく歓迎してくれたりしたんで,それはそれでいいんですけど。

One Flew over the Cuckoo's Nest (31-40)

2006-01-20 00:58:28 | BookClub
一旦20ページ毎にまとめようと思いましたが,ちょっとポリシーを変えて,まあ進んだら書く事にします。

朝食後の一時,皆決まった行動をする。Peteは頭を振っている。Scanlonは空想の爆弾を作る。Sefeltは歯が抜ける事と毛がなくなる妄想に。Hardingは手で鳩を作り,わきの下に隠す。

8時は薬の時間。Taberはなかなか飲まず,Big Nurseに押さえ付けられる。

8時25分,2人の医者がやってくる。彼らはワインの臭いがした。2人の黒人がTaberを捕まえる。蹴られ,叫ぶ。黒人達は彼をうつ伏せにしてズボンを裂く。

9時,若い住人がAcutesに小さい時にした事を話す。この時間はBig Nurseにとって耐え難い時間だ。しかし彼らが去ると,また彼女の機械仕掛けの行動はスムーズに。TaberはGurney bedに運ばれる。医者は「彼が起きたのでまた注射が必要だった,電気ショックを与えたら何と言うかね。」「それはいい考えですわ。その後脳波計で彼の頭を調べて,それが必要だった証拠を見つけますわ。」

10時半,Public Relationが婦人クラブを引き連れてやってくる。彼のシャツの襟はキツ過ぎて,彼は笑う度に顔が目一杯膨らむ。彼の顔にも頭にも毛がない。きっと彼は僅かに残った毛を守る為にそんなキツい襟のシャツを着ているのだろう。彼はずっと手に汗を溜めたまま,ぐるぐる回りながら,笑いながら病棟を見学していた。

彼が何故そんなに可笑しいのか,患者達にはわからなかった。ただ1つ可笑しいのは,彼はあまりにぐるぐる回っているので,押してみたら,さらに回りそうな事だった。

病棟はブンブンと,高校の時フットボールで遠征したカリフォルニアの産業都市のような音を立てていた。ある冬の日,Bromdenさんは織物工場の,黒人の女工さんの1人と話をしていた。彼女はここから連れ出してとおねだりする。彼は一瞬その気になるが,工場の音が彼らを現実に引き戻す。

そうだ,病院は工場だ,と,Bromdenさんは思う。近所付き合いや,学校で犯した間違いを修正し,前よりよい製品にして戻すのが,Big Nurseの大きな楽しみだ。Taberさんも,ちょっと痩せて,目の周りにあざができたが,前と全然変わらず,近所の人と毎週月曜にボーリングに行き,何年もすればやがて皆に尊敬されるようになるだろう。

‥こんな退院が成功裏に終われば,それはBig Nurseにとってはとても喜ばしい事だ。しかし,新入りとなると話は別。1番できのよい新人でも,慣れる為にはちょっと頑張らなくてはならない。

昼前,黒人達はAcute達に,ミーティング用に床を掃除するよう告げる。Peteは神経質に動き回るが誰も彼に興味を持たない。Big Nurseはやや緊張気味に待つ。

こちらに読み方ガイド(英語)があります。どうやら,この話は「寓話」というジャンルに属するのだそう。‥という事は,Animal Farm(動物農場)みたいに,登場人物を何かに例えているという事なのでしょうか?
「汗をかきながらぐるぐる回るPublic Relation」は,ハリポタに出てくるファッジ元大臣の,5巻でダンブルドア先生をいよいよホグワーツから追い出そうとしているシーンを思い出しました。(笑)そーね,なんか,そういう類の人なのかもね。


HoME7 XXII : Treebeard (1)

2006-01-18 23:41:37 | Tolkien・HoME
昨日はまたまた置いてきてしまったので更新できませんでしたが,今日はもうちょっと行っちゃいますよ(笑)

今まで何度も"Giant Treebeard"の事は下書きの中に出てきましたが,実はここまでトールキン父さんは何も考えてなかったのだそうです。(笑) お父さんは1956年1月の手紙(No. 180)でこんな事を書いてます。

「長い間,『創作』を中断していたよ。何が起きるかわかるまでね。それとも自分で勝手に描写されるまで。だから,フロドが大河の下流のどこかで森の冒険をする事にしても,私はエントの姿は思いつかなかったよ。ようやくその時が来た。そして木の鬚の章は,過去の記憶には全然頼らず,今思いつくままに書いたんだ。」


自分で勝手に描写される


要は,勝手に頭の中に沸いて出てきたという事ですね。ったく,天才トールキンさんらしい言葉です。(笑) ちなみに,8巻に出てきますが,ファラミアも「勝手に沸いて出てきたキャラクタ」なんですよ。まあ執政家ファンの間では有名な話ですが。(笑)

HoME7 XXI : The Uruk Hai

2006-01-18 23:31:12 | Tolkien・HoME
この章に関する初期のとても簡単な草稿です。(意味不明な所(汗)は原文のまま)

ある者は北へ行きたい,ある者はモルドールへまっすぐ行くべきと言う,大きなオーク達はアイゼンガルドに戻るよう命じられている。彼らは捕虜を運ぶ。どちらも違う。彼らはわかってない。Kill'em. But they're Hobbits. サルマンはどんなホビットでも連れて来いと言った。サルマンを呪う。Who does he think he is? A godd master and lord. 人間の肉。
戦いが起きる。殺されたオークがピピンの頭上に。ピピンは手首の綱を切る。(しかし)ゆるめただけでまた縛る。
アイゼンガルドの勝ち。モルドールのオーク達は殺される。彼らはリーダーをウグルクと呼ぶ。彼らはメリーに何かを飲ませて起こす。足首の綱を切って,鞭で歩かせる。暗い夜,ピピンはブローチを落とす。
平坦な所へ。メリーとピピンはクラクラして倒れるまで走る。オークが彼らを運ぶ。
ピピンは馬の足音を聞いて起きる。夜,‥‥恐怖におののくオーク。ウグルクはホビットが殺されるのも放棄するのも拒否。彼はホビットを盗む。しかし騎士が後を追う,ピピンはメリーを捕まえ,伏せて,マントで隠れる。騎士はウグルクを刺し殺す。メリーとピピンは森へ。

ほとんど正式版のアイディアが出来上がっていますね。細かい事を言うと,ピピンがブローチを棄てるタイミングが違うそうです。あと,ウグルクはグリシュナッハだそうですが。

そして,次にはオーク達の名前もきちんと入りました。アイゼンガルドのウグルク,モルドールのグリシュナッハ,そしてLugburz等。。

さてまた草稿の続きです。

ウグルクはメリーの傷に何かを塗りつける。彼が叫ぶと皆笑う。でも拷問ではなくて,メリーは回復してきた。(ウグルクって本当は優しいのかなあ・・)
オーク達はローハンの騎士達が近づいている事に気付く。メリーとピピンはローハンの騎士は知らないけれど,オーク達が恐ろしがっている事に気付く。ウグルクはモルドールのグリシュナッハが嫌い。彼は何故ナズグルが手伝いに来ないのかと訊く。グリシュナッハは,ナズグルは川を渡る事を許されてない。彼らは戦争の為に取って置いている,と答える。(え? シャイアまで行ったじゃん) 
騎士達に囲まれると,グリシュナッハはメリーとピピンを連れて逃げる。彼は殺され,メリーとピピンは森へ逃げる。
木の鬚と冒険。

クリストファーさんは,この頃の下書きは,お父さんが消したり書いたり重ねたりで,非常に読みにくいと言ってます。残っているテキストは,まあ上を見てもおわかりのように,大抵ほとんど正式版に近い物が多いそうです。しかし,次は,正式版とちょっと違うそうです。

森が近づいてきます。土地は上り坂になってきました。しかし,だからと言って,オークが追いかけるのを止めるという事はありません。彼らは懸命のラストスパートをかけます。ピピンは騎士達が走り回っているのを見ます。彼らはオークをどんどん追い詰めています。朝日が明るい色の髪を照らします。ピピンは,彼らは一体どんな人達なのだろう,裂け谷でもっと勉強しておけばよかったな,と思います。彼は,ガンダルフ,トロッター,フロドとさえも切り離されるとは思ってもいませんでした。今,彼らについて思い出せる事は,ガンダルフが馬をもらったという事だけでした。(←おいおい;)

グリシュナッハの最期については,こんな事が書いてあります。

彼は,馬から降りてきたローハンの3番頭エオメルと剣で一騎打ちして,ついに殺されました。そしてこの襲撃は終了。このニュースは,アイゼンガルドにもモルドールにも知らされませんでした。

HoME7 XX : The Riders of Rohan (4)

2006-01-18 23:24:31 | Tolkien・HoME
クリストファーさんのコメント:
どうも,このバージョンでは,3人は殆ど寝ずに追跡をしたようです。(汗) アラゴルンとエオメルの会話はほとんど正式版TTTと一緒だそうですが,ここでギムリがホビットについて説明する(以前ボロミアがこう呼んでいたと思いますが,相変わらずホビットの事を"Half-high"と呼んでいるそうです)所と,「Thengelの息子セオデン」の名が初めて登場するそうです。(「A」ではエオメルが王の甥ではなく,王?の息子になっていましたね)ただし,セオデンはまだ「王」ではなく,1番目の長(=The first master →「A」でエオメルは自分を3番目の長=the third master,と名乗ってます)なのだそうです。

次はごく簡単な下書きです:

オルサンクから鷲に乗って逃れてきたと言う老人,そして馬を所望した。彼を魔法使いという者もある。。エオメルは,幾らかのオークがWoldに向かって逃げたと言う。アラゴルンは他の騎士達に会うかも。4番頭(そろそろ○番目の長と言うのは面倒になった(笑))Marhathがそこに何人かと一緒にいる。エオメルはMarhathに見せる為のトークン(印)をアラゴルンに与える。アラゴルンはセオデンに約束,エオメルの汚名を返上する。お別れ。

最後の文(Aragorn pledges his word to Theoden and vindicate Eomer. Farewell.)は,意味がよくわからなかったのですが,正式版に描かれている,セオデンのエオメルに対する疑惑の事と素直に見ていいのでしょうかね。

そして,また下書き。

エオメル曰く「ガンダルフの名は時々聞くが,彼がどこから来てどこへ行くのかは誰も知らない。彼が来ると不思議な事が起きる。サルマンとのトラブルもその時から始まった。ガンダルフは邪悪な物がアイゼンガルドにあると言う。彼はオルサンクから鷲で逃れてきたそうだ。そしてそれにもかかわらず,馬を所望した。一体どんな魔法を使っているんだ? しかしセオデンは,メアラスの1頭を与えた。メアラスとは,マークの1番頭しか乗れない馬で,西方国の人間がゴンドールから連れてきた馬の子孫と言われる。馬の名は飛蔭と言う。我々はこの老人に何か起きたのではないかと心配している。何故なら,7日前に飛蔭が帰ってきたのだ。」
するとアラゴルンは「ガンダルフは裂け谷に乗っていたはずだ。しかし,ああ,ガンダルフは闇に落ちてしまった。」と,それまでのいきさつ,ボロミアの事も含めて,話します。

実はこの文で,初めてOndor→Gondorになりました。(正式に変わったのは,1942年2月9日だそうです。この話はまた後で)

エオメルはまだ蛇の舌については触れてないそうですが,ある者はガンダルフはサルマンが化けたものだと言ってます。そして,この頃,サルマンのバッジを付けたオークがよく出没すると言い,前日にもオークの一隊と戦い,15人の男と12頭の馬を失ったと話します。しかし,見知らぬ者をこの国で自由に歩かせるわけにはいかないから,一緒に来いと言います。

するとアラゴルンは,自分はずっと前にローハンに来て,エオムンドやセオデンやThengelに仕えたが,誰も友達を見捨ててよいとは言わなかったぞと抵抗します。するとエオメルは態度を和らげ,では馬を与えるから,セオデンのいるtorrasまで持って帰ってくれ。と言います。

torrasとは,まあ現在のエドラスの事ですが,これがいろいろ名前が変わります。

torras → Meodarn → Meduarn(Mead-hall)) → Winseld(Wine-hall) → Eodor → Eodoras

アラゴルン達に与えられる馬の名前は,最初はWindmaneとか,Whitelockとか,現代英語なのですが,やがて,Hasofel(Grey-coat),Arod(Swift)と,古英語に変わっていきます。

うんちく:ご存知の方も多いと思いますが,ローハンは「古英語」の国です。Isen-とか,eo-とかは,古英語の頭によくついているし,eoredなんかは,本当に古英語の辞書に載っているんですよ。意味もそのまま,軍の単位ですし。

アラゴルンの初期のファンゴルンについてのコメントです。

「どんな物語があるのかは知らないが,今となってはケレボルン様でさえもご存知ないだろう。ここは霧ふり山脈の端で,古い木々は最初のエルフ達がここに到達するより前に,ここに逃れて来たのだ。この森とバランドゥインと塚山丘陵の間にある古森は,強固な森の砦と言われる。またファンゴルンは古森とは別種の物とも言われる。」

(でも正式版では,ファンゴルンと古森は同種と噂されるんですよね。)

3人はついにサルマン(実はガンダルフ)と思われるおじいさんを見かけるのですが,初期のガンダルフの姿は,彼はボロを纏い,帽子もボロボロだったそうです。(笑) もちろん,3人はサルマンと怪しんでおります。アラゴルンは,ちょっと慌てているギムリと見張りを交代します。

One Flew over the Cuckoo's Nest (13-30)

2006-01-18 02:05:26 | BookClub
頭のおかしい人の話と思って侮ってはいけません。非常にボキャブラリが豊富です。1回20ページは,Eragonの時と同じですが,読むのに遥かに時間がかかるような気がします(汗)

患者には,Acute(=急性→まあ治る見込みのある)と呼ばれるグループがいる。彼らは椅子やテーブルの下に何かないかと探し回ったり,ひたすら紙巻煙草を巻いたり,お互い「密告」し合ったりする。
Acutesの向かいにいるのは,Chronic(慢性→治る見込みのない)と呼ばれる患者のグループ。Bromdenさんは,Chronicの中でもWalkerという,歩き回れる患者に属する。Chronicの中には,他にWheeler,Vegitable(汗;)と呼ばれるグループがいる。

病院のスタッフはたまに間違いを犯す事がある。Ellisという患者は,Shock Shopで電圧をかけ過ぎ,それ以来壁に固定されるようになった。BromdenさんはいつもEllisが食事等でどいた後,彼のトイレの始末をしている。Ruckyという患者は,黒人を蹴り,インターンの看護士に噛み付いた。その後彼は連れ出され,2週間後に帰って来た時,彼の髪の毛はなくなり,顔に火傷があり,目の上には2つのプラグがついていた。それ以降彼は何もしなくなり,1日中古い写真をひっくり返す事を続けるようになった。

1番年上の患者はMatterson大佐といい,杖で看護婦のスカートをめくる事を趣味としている。が,1番古い患者はBromdenだ。Big Nurseも同じ位古い。Acute達はChronic達と同じサイドには座りたがらない。彼らは臭いからと言うが,実はそうではなくて,自分がそうなりたくないからだ。

(ここで,Admissionとは「新入り患者」の意味とようやく理解しました(汗))

AdmissionのMcMurphyは,Acuteに所属する事に。McMurphyはいつも大声で話し,笑うので,他の患者は怯えている。しかし彼は何とか彼らをリラックスさせようとする。
McMurphyは「俺をリーダーにしないか?」と言い出す。皆かなり迷惑そう。BillyはHardingに決めろと言う。Hardingは大学を出ている為,皆は患者評議会の会長という事になっている。とても美しい奥さんを持っていた事をいつも自慢している男。Billyに「この男はアポイントを取っているのか」と尋ねるので,McMurphyは「自分はいつもリーダーだぜ,と伝えろ」と言う。(‥実際は書くのも恥かしい事を言ってHardingを侮辱してます(笑))

HardingはMcMurphyの喋り方を真似して脅す。するとMcMurphyは「アイゼンハワーに1票」Harding「2票だ。」McMurphy「11月にもう1回。」するとHardingは「降参だ」と言って握手。(何故11月に投票して降参なのか?(汗))彼らは彼に身の上話を聞くようになった。McMurphyはよく喧嘩して牢獄に入れられたらしい。

McMurphyは次にChronic達に近づく。Ellisに「いい年してバシャバシャするのはよくないぞ。」Ellisは驚き「ありがとう。」と言って,彼の足元の「トイレ」から少し動く。彼は次々とChronic達とも握手して行く。McMurphyは最後にBromdenさんの所に来る。彼はBromdenさんを見て笑う。Bromdenさんは最初,自分がおかしいから,笑われたと思うが,実は彼はBromdenさんを見抜いていた。

他の患者達がBromdenさんの事を紹介する。(Bromdenさんは耳と口が不自由,なフリをしている)McMurphyの手には碇の刺青があり,傷だらけだけど,掌はスムーズだった。Bromdenさんはその手に何か温かみを感じる。その時Big Nurseが来る。黒人が呼んできたようだ。「入所のシャワーを浴びなさい。ルールですから。」

看護婦達がMcMurphyの噂をしている。彼はいい男だが、患者達を支配しようとしている事が気になるようだ。Big Nurseは、何か少しでも散らかっていると少し微笑みながら怒る人。人形のように微笑んでいる顎と鼻の下は鉄のように切迫しているのだ。そして、「適合する」まで気が済まない。彼女はBromdenさんが来た時既にBig Nurseであり、力を持っている。

彼女の夢は全てが計画通り正確に運ぶ事。(でもこれはわかるなあ(笑))お陰で医者達とはなかなか合わない。ようやく気の合った医師は、自分の顔にはキツすぎる眼鏡のつるに顔を潰され、ついには眼鏡がはまらなくなった奴だ。

3人のお手伝いの黒人のうち1人は,Bromdenさんの5年後に来た。彼は5才の時,母親がレイプされその間父親が鍬で殴られ鉄のレンジにくくりつけられていたのを物の影から見て,それ以来成長が止まった。彼は白人の患者は特別よく観察する。他の2人はその2年後に来た。彼らは,患者に音もなく近づき,患者の秘密を暴く事もある。かくして病棟の秩序は保たれる。朝になるとAcute達は自分でベッドから立ち上がり,Wheeler達は椅子に座らせてくれるのを待ち,黒人達はVegitable達をホースで洗う。(汗)

そして6時45分,AcuteとChronicのWalkerはアルファベット順に並ぶ。月曜はBromdenさんは逃げる(笑)7時は食事の時間,Vegitableを除いて自分で食べる。黒人達は,Vegitable達に,何やら流動食のような物を,罵りながら食べさせる。


Run!Run!Run!