萩城を後して、再びレンタサイクルで萩の街を散策しました。
【旧厚狭毛利家萩屋敷長屋】
所在地: 萩市堀内85-2
開館時間: [4~10月]8:00~18:30,[11~2月]8:30~16:30,[3月]8:30~18:00
休日: 無休
料金: (萩城跡指月公園との共通券)大人210円,小中学生100円
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毛利家一門のひとつである厚狭毛利家の武家屋敷。
屋敷は約15,500㎡の広大な敷地を誇っていましたが、主屋などは明治維新後に解体され、安政3年(1856)に建てられたこの長屋のみが残っています。
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5つに区画された内部には土間がなく、特に東の座敷は狭いながらも畳廊下を配した格調高い造りであることから、身分の高い者に対して用意された詰所であったと思われます。
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萩城の復元模型が展示されていました。
山城の部分、平城の部分、さらに海城の要素もよく分かります。
【口羽家住宅】
所在地: 萩市堀内
開館時間: 9:00~17:00
休館日: 12/30~1/3、8/13~15
料金: 100円
駐車場はありませんが、自転車なので門に横付けです。
口羽家は毛利氏の庶流で、元は石見国邑智郡口羽村を領した用路城主でした。
関ヶ原の戦いの後、毛利氏と共に萩に移っています。
表門は、萩に残っている長屋門としては最も規模が大きく、
門番所まであります。
門をくぐると門番所、中間部屋、厩があります。
この表門と主屋が揃って残るものは少なく、かつ現存する屋敷としては古く、全国的にも価値のある武家屋敷だそうです。
【鍵曲(かいまがり)】
所在地: 萩市堀内
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萩は二十年以上前に一度訪れています。
そのときに、強く印象に残っているのがここの景色です。
左右を高い土塀で囲み、城下町であるため道を鍵の手(直角)に曲げた独特な道筋になっています。
藩政時代の城内三の丸にあたり、藩の諸役所や、毛利一門、永代家老、寄組といった大身の武家屋敷が並んでいた場所です。
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白塗りの土塀であったり、石垣を積んだものであったり、塀もいろいろです。
今回気づいたのは、塀の内側にある家が普通の住宅であることです。
江戸時代の建物ではなく、近代的などこにでも見られる住宅です。
さらに、学習塾であったり、空き地や畑になっているところもあり、塀と曲がりくねった道は独特のものなのですが、それに囲まれた内側はごく普通の生きた平成の街なのです。
もうひとつ気づいたことがあります。
至る所に、夏みかんが見られるのです。
明治期になり、職を失った武士への救済措置として夏みかんの栽培が奨励されており、当時植えられた夏蜜柑の木が今も萩市内に多く残っているそうです。
以前訪れたのは収穫期後の8月でしたから気づきませんでしたが、今回は街の至る所で黄色い大きな身を見かけました。
【萩博物館】
所在地: 萩市大字堀内355
営業時間: 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休日: 無休(年1日臨時休館日あり)
料金: 大人 510円,高校・大学生 310円,小・中学生 100円
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建物や外観は、敷地が旧萩城三の丸にあたる堀内伝統的建造物群保存地区内にあることから、かつてこの地区内にあった規模の大きい武家屋敷の特徴にならっています。
萩の歴史・文化発信拠点として、吉田松陰、高杉晋作をはじめ幕末維新関連の実物資料を展示のほか、萩の文化、自然を模型映像を駆使して紹介しています。
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博物館敷地内に復元された隅櫓
かつてはここに建っていたそうです。
午前10時に萩入りをしましたから、見学時間は充分にあると思っていましたが、見所はいっぱいあり、計画していたところを全部回れそうもありません。
城下町を後にして、どうしても行きたかったところへ移動しました。
【松陰神社】
所在地: 萩市椿東1537
吉田松陰を祀って建てられた神社。
驚いたのは以前訪れたときに比べ、ふたまわりぐらい大きな大神宮に変身していたのです。
門前には大駐車場があるし、凄い観光客の数でした。
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例によって自転車にまたがったまま、一の鳥居を通過しようとすると警備員が走り寄ってきました。
さすがに、自転車での突破はヤバかったかな・・・と思いましたが、さもあらず、
「そのまま進んでください。もう少しいくと右手に駐輪場がありますのでそこに駐めて下さい。」とのこと、萩はおそろしいほどまでに、自転車に寛容でした。
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松下村塾
吉田松陰が1857(安政4)年主宰した私塾。
ここで、明治維新を成し遂げた、数多くの人材が育ちました。
おどろくことに、この建物、移築ではなく、当時からこの位置に建っていたのです。
平成27年7月5日、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
見学していると、どこからともなく「松陰先生」という話し声が聞こえてきます。
山口県民はいまでも、「松陰先生」とよび、呼び捨てにすることはないと聞いておりましたが、事実のようです。
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松蔭の生家
出獄を許された松蔭は実家である杉家に幽閉の処分となりました。
その庭先にて開かれたのが松下村塾です。
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松陰神社 本社
祭神は吉田寅次郎藤原矩方命、すなわち吉田松陰です。
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末社 松門神社
松陰神社社殿の旧社殿ですが、現在では、松陰の塾生・門下生を祭神として祀られています。
恥ずかしながら、若い頃の私は現存した人物を神格化することに抵抗があり、手を合わせようとはしませんでした。
現在ではまったくそんな考えはなくなりましたので、素直に手を合わせます。
きっと、自分が仏に近づいているからだと思います。
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吉田松陰歴史館
営業時間: 9:00~17:00
休日: 無休
入館料: 大人500円,中高生250円,小学生100円
松陰の生涯を20シーン70余体の等身大の蝋人形で再現、説明版と音声ガイドで、分かりやすく紹介されています。
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松陰神社宝物殿 至誠館
営業時間: 9:00~17:00
休日: 無休
入館料: 大人500円,中高生250円,小学生100円
こちらは松蔭の遺墨や遺品類など展示されていますが、書簡類が多く、家族連れなどは歴史館の方がわかりやすいかと思います。
【護国山 東光寺】
所在地: 萩市椿東1647
拝観時間: 8:30~17:00
休日: 無休
拝観料: 高校生以上 300円,小・中学生 150円
東光寺は、1691(元禄4)年に3代藩主毛利吉就が創建した黄檗宗の寺院で、毛利家の菩提寺です。
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総門
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三門
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鐘楼
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大雄宝院
本堂にあたる建物です。
以上4つの建築物はみな国の重要文化財に指定されています。
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毛利家墓所
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3代吉就から11代までの奇数代の藩主とその夫人及び一族、関係者の墓があります。
(偶数代の藩主は大照院にあります。)
墓前には藩士が寄進した500余基の石灯籠が立ち並び、張り詰めた空気感を漂わせています。
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「紅唐子(べにからこ)」という珍しい椿
さて、陽も傾いてきたので、自転車を返し、ホテルへ向かいました。
私がホテルを選ぶ基準は、
・駐車場(駐輪場)があること
・大浴場があること
・安いこと
・飲食店が近くにあること
です。
今回宿泊した萩ロイヤルインテリジェントホテルは、無料駐車場に駐めたまま隣接するレンタサイクルで自転車を借りて観光できるので、とてもよかったです。
萩の繁華街とは離れているのですが、同じビルの二階に評判の良い鮮魚料理店があり、そこで日本海の新鮮な魚をつまみながら一杯やる計画でしたので、これは問題視しませんでした。
ところが、評判が良いだけあって予約客で満員、やむなく焼き鳥屋に変更です。
この店が悪いわけではありません。
しかし、萩に来て、「博多」もないでしょ・・・
気分を取り直して地酒でもと思ったのですが、メニューにあるのは某大手メーカー1銘柄のみ、しょうがないから注文しましたが・・・
程よく酔ったところで別のメニュー表を発見、そこには「山口県の地酒」と何種類か紹介されているではありませんか。
こうして、酒と肴という課題を次回に残してしまったのでした。